AIモデルのライフサイクル管理:概要

著者

Kazuaki Ishizaki

Researcher, Senior Technical Staff Member

AIモデルのライフサイクル管理は重要なのか

人工知能 (AI)は、エッジからエンタープライズに至るまで、多くの領域で普及しつつあります。では AIをどう活用するのでしょう?予測変数にデータをフィードするだけでしょうか?答えは「いいえ」です。

実際、AIの導入中には、データの収集、データのトレーニング、モデルの構築、デプロイ、予測子の実行が必要となります。AIの利用に至るパイプラインは、いくつかの要素があることを考えると、予想以上に長くなります(この記事の図1を参照 )。

 

企業では、AIが重要な役割を担うためには明確に定義された堅牢な方法論とプラットフォームが必要であり、その方法論とプラットフォームが基準に適合していなければビジネスが失敗する可能性さえあります。例えば、不正アクセス検知によって誤った決定が行われると、ビジネスに悪影響が生じます。AIの長いパイプラインでは、応答時間、品質、公平性、説明可能性、その他の要素をライフサイクル全体の一部として管理する必要があります。それらを個別に管理することは不可能です。

そのため、「AIモデル・ライフサイクル管理」と呼ばれるものが、複雑なAIパイプラインを管理し、企業において必要な成果を確保するのに役立ちます。AIモデルのライフサイクル管理については、一連のブログ・エントリーで詳しく説明します。さらに、 IBM® Cloud Pak for Data がAI モデルのライフサイクル管理にどのように役立つかについても紹介します。

これらのブログ記事は、以下のユーザーを想定し手執筆されました。

  • データサイエンスとAIの担当責任者:データサイエンスとAIへの投資収益率を高める方法をより深く理解することができます。

  • データサイエンティスト:データサイエンス活動でのDevOpsツール/プロセスの活用方法をより深く理解し、エンドツーエンドのAIモデル・ライフサイクル管理に関する IBM の戦略をより深く理解することができます。

  • DevOpsエンジニア: AI開発プロセス、それに関連する複雑さ、およびDevOpsとの統合方法についてより深く理解することができます。

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AIモデル・ライフサイクル管理とは

AIモデルのライフサイクル管理に必要なものについて考察してみましょう。最初の要件は、パイプライン全体のコンポーネント一式です。”The AI Ladder – Demystifying AI Challenges”では、企業に AI を導入する方法を説明し、パイプラインの 4 つのステップを明確に概説しています。

  • 収集: データをシンプルでアクセスしやすいものにします。

  • 整理: ビジネス対応の分析基盤を構築します。

  • 分析: 信頼と透明性を維持してAIを構築・拡張します。

  • 導入: ビジネス全体でAIの運用を可能にします。

もう 1 つの要件は、パイプライン全体のデータ・ガバナンスです。企業において品質は不可欠であり、説明可能性と公平性がますます重要になっています。パイプライン全体で、AIモデル・ライフサイクル管理のデータ・ガバナンスにより、品質、公平性、説明可能性を監視し、フィードバックする必要があります。

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ツールがAIモデルのライフサイクル管理にどのように役立つか

ご覧のように、AIモデルのライフサイクル管理は簡単ではありません。手動で行うことは不可能です。したがって、クラウドでAIモデルのライフサイクル管理を効果的にサポートするために、次の機能を備えたツールが必要不可欠です。

  • モデルのトレーニングとデプロイメントが簡単にできる

  • モデルのデプロイメントとトレーニングが大規模にできる

  • データ・ガバナンス、品質、コンプライアンスの監視

  • パイプライン全体の可視化

  • データ・ソースへの豊富なコネクター

IBM Cloud Pak for Dataはこうしたツールのひとつです。IBM Cloud Pak for Data は、エンタープライズ・グレードのAIモデル・ライフサイクル管理(ModelOps)のためのエンドツーエンドのツールを備えたマルチクラウドのデータおよびAIプラットフォームです。組織がデータサイエンス活動の全体的なスループットを向上させ、AIイニシアチブから価値実現までの時間を短縮するのに役立ちます。Cloud Pak for Dataは、以下の主要な機能を搭載しています。

  • AutoAIやノーコードでのモデル開発およびトレーニング・ツール、ドラッグ・アンド・ドロップ機能、広く普及している豊富なオープンソース・ライブラリーとフレームワークのサポートなどのモデル開発とトレーニングのツール。

  • モデル・デプロイメント・ツールにより、デプロイされたモデルを本番環境で最新のアプリに拡張し、パフォーマンス要件を満たすことができます。

  • 信頼できるAIを実現するためのモデル監視および管理ツール。

  • データ仮想化機能により、データサイエンティストがデータをコピーすることなく、ハイブリッド・マルチクラウド環境全体で企業の広範なデータソースに効率的にアクセスできるため、データサイエンスチームのAIスループットを大幅に向上できます。

  • データ・ガバナンス、品質、コンプライアンスの要件を満たす DataOps。

  • 豊富なデータ・コネクタとスケーラブルなマルチクラウドのデータ統合機能を備えた完全なデータ・サービスにより、さまざまなデータ・ソースからの効率的な抽出、変換、読み込み(ETL)オペレーションが可能になります。

どこからでも構築し、クラウドまたはオンプレミスに展開できる生成AIモデルを管理します。

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