addnode

addnode コマンドは、新規 (候補) ノードを既存のシステムに追加するために使用します。このコマンドは、システム作成後であればいつでも使用できます。システムにノードを追加する場合、その新規ノードのモデル・タイプが既存システムのシステム・コード (コード) のバージョンでサポートされることを確認してください。モデル・タイプが、そのコードによってサポートされていない場合、その新規ノードのモデル・タイプをサポートするコード・バージョンにシステムをアップグレードしてください。

構文

構文図を読む構文図をスキップする addnode -panelnamepanel_name-wwnodenamewwnn_name-namenode_name-spare -iogrpiogroup_nameiogroup_id-sitesite_namesite_id

パラメーター

-panelname panel_name
(-wwnodename パラメーターを指定しない場合は必須) 管理 GUI、サービス・アシスタントで表示される、あるいは lsnodecandidate を指定することで表示される名前によって、システムに追加するノードを指定します。このパラメーターは、-wwnodename パラメーターと一緒に使用することはできません。
注: panel_name が指定されない場合、これはコマンドが実行されるノードに適用されます。
-wwnodename wwnn_name
(-panelname パラメーターを指定しない場合に必要) システムに追加するノードを、ワールド・ワイド・ノード名 (WWNN) で指定します。 このパラメーターは、-panelname パラメーターと一緒に使用することはできません。
-name node_name
(オプション) システムに追加するノードの名前を指定します。 以降で使用するノードのコマンドで、ノード ID の代わりにこの名前を使用することができます。
注: addnode および chnode コマンドで -name パラメーターを使用して提供されるノード名が、ノード名またはノードの failover_names としてすでに使用中であってはなりません。

名前を割り当てると、以降、この名前がノード名として表示されます。 名前を割り当てない場合は、デフォルトの名前が使用されます。 使用されるデフォルトの名前は、そのノードが既に削除されたノードを置き換えるものであるかどうかによって異なります。ノードが削除されるとき、その名前は入出力グループ内でパートナー・ノードのフェイルオーバー名として保存されます。 入出力グループにノードが残っていない場合、フェイルオーバー名は保存されません。 ノードごとにフェイルオーバー名をただ 1 つ保存できます。保存されたフェイルオーバー名が存在する入出力グループにノードを追加し、ノード名を指定しない場合は、その保存されたフェイルオーバー名がこのノードに割り当てられます。 名前を指定せず、かつ保存されたフェイルオーバー名が存在しない場合は、nodeX の形式の名前が割り当てられます。

重要: 各ノードの iSCSI 修飾名 (IQN) は、システムおよびノードの名前を使用して生成されます。 iSCSI プロトコルを使用しており、このノードのターゲット名がそのパートナー・ノードですでにアクティブであり、iSCSI ホストがそのノードに接続されている場合、異なる名前のノードを追加するとシステム内のこのノードの IQN も変更され、iSCSI 接続されたすべてのホストの再構成が必要になる場合があります。
-spare
(オプション) 追加するノードがスペア・ノードであり、入出力ノード・グループのメンバーでないことを指定します。このパラメーターは、-iogrp と一緒に指定することはできません。
-iogrp iogroup_name | iogroup_id
(必須) このノードの追加先の入出力グループを指定します。このパラメーターは、-spare と一緒に指定することはできません。
-site site_name | site_id
(オプション) 新規ノードの数値サイト値またはサイト名を指定します。

システム・トポロジーが hyperswap であり、入出力グループに構成済みのノードがある場合、この新規ノードは同じサイト内になければなりません。 入出力グループ内に構成済みのノードが存在しない (ただし、その入出力グループ内で active-active 関係にあるボリュームが定義されている) 場合、この新規ノードは、前にその入出力グループに含まれていたノードと同じサイト内になければなりません。

要確認:
  • このパラメーターは、システム・トポロジーが stretched または hyperswap のどちらに設定されている場合でも指定する必要があります。
  • システム・トポロジーが stretched で、入出力グループに構成済みのノードがある場合、この新規ノードは別のサイト・ロケーションになければなりません。

説明

このコマンドはノードをシステムに追加します。 lsnodecandidate を入力すると、候補ノード (まだシステムに割り当てられていないノード) のリストが表示されます。入出力グループ内の潜在的なパートナー・ノードよりメモリーが少ないノードは追加できません。

すべてのノード・タイプで、データ削減ストレージ・プール内にシン・プロビジョニング・ボリュームを作成できます。データ削減ストレージ・プール内の圧縮ボリュームは、圧縮をサポートしているノード・タイプの入出力グループ内に作成する必要があります。圧縮をサポートしているノードは、圧縮ボリュームを含んでいる入出力グループに追加できます。

新規ノードが以下の状況である場合は、このコマンドを使用できません。
  • 暗号化に対応していないが、既存の入出力グループ・パートナーは対応している。
  • 暗号化に対応していないが、自己暗号化しない MDisk を含む、暗号鍵を持つストレージ・プールは存在する。
  • 暗号化に対応しているが、そのノードまたはエンクロージャーに暗号化ライセンスがない。

システムで暗号化が有効になっている場合、管理 GUI を使用して新規の MTM シリアルごとに新規の暗号化ライセンスをインストールしてから、新規のノードまたはエンクロージャーをシステムに追加する必要があります。

注: このコマンドは、ノード・エンクロージャーのシステム ID がシステムと一致しているか、あるいはブランクになっている場合にのみ正常に実行されます。

入出力グループにおいてデータ削減プール内の最初のシン・ボリュームまたは圧縮ボリュームが作成される際に、入出力グループでは、その入出力グループ内のノードに応じた使用可能 CPU リソースの最小数に基づいて CPU パラメーターが設定されます。その入出力グループには、CPU リソースがその値より少ない新規ノードを追加することはできません。

システムにノードを追加する前に、次のいずれかの条件が真かどうかを確認する必要があります。 以下の条件が存在する場合、ここに記載した手順に従わないと、システムによって管理されるすべてのデータが破損する可能性があります。
  • システム内の障害ノードを取り替えるために新しいノードを使用しますか?
  • システムに追加するノードは、別のシステム内のノードとして使用されていた物理ノード・ハードウェアを使用しますか? またどちらのシステムも同じホストによって認識されますか?
上記の条件のいずれかが真の場合、以下の処置を取る必要があります。
  1. ノードを以前と同じ入出力グループに追加します。コマンド・ライン・インターフェースのコマンド lsnode または管理 GUIを使用して、システムのノードの WWNN を判別できます。
  2. ノードをシステムに追加して戻す前に、システムを使用するすべてのホストをシャットダウンします。
  3. ホストを再起動する前に、ノードをシステムに追加して戻します。 入出力グループ情報を入手できない場合、またはシステムを使用するすべてのホストをシャットダウンして再起動するのが不便な場合は、次のようにできます。
    1. システムにノードを追加する前に、システムに接続されているすべてのホスト上で、ファイバー・チャネル・アダプター・デバイス・ドライバー、ディスク・デバイス・ドライバー、およびマルチパス・ドライバーを構成解除する。
    2. システムにノードを追加してから、ファイバー・チャネル・アダプター・デバイス・ドライバー、ディスク・デバイス・ドライバー、およびマルチパス・ドライバーを再構成する。
ノードをシステムに追加する場合は、以下の処置を取ってください。
  1. 新しいノードのモデル・タイプがシステムのコード・レベルでサポートされることを確認してください。 モデル・タイプがシステム・コードによってサポートされていない場合、新規ノードのモデル・タイプをサポートするコードのバージョンにシステムをアップグレードする必要があります。
  2. ノードのシリアル番号、WWNN、すべての WWPN、およびノードの追加先の入出力グループを記録します。この情報は、後で使用する必要が生じる場合があります。 この情報を使用できるようにしておくと、ノードをクラスター化システムから除去して再度追加することが必要になった場合に、データ破損を防止できます。
注: システムのすべてのノードがサポートする場合は、そのシステムで透過クラウド階層化を使用可能にすることができます。システムが透過クラウド階層化をサポートしている場合、透過クラウド階層化をサポートしていないノードをシステムに追加することはできません。

システムにノードを追加する際の、その他の考慮事項

addnode コマンドまたはシステム GUI を使用してシステムにノードを追加するときは、そのノードがそのシステムのメンバーだったことがあるかどうか確認する必要があります。 メンバーだった場合は、次の 2 つの手順のいずれかを実行します。
  • ノードを以前と同じ入出力グループに追加します。システム内のノードの WWNN は、lsnode コマンドを使用して判別できます。
  • クラスター内のノードの WWNN を判別できない場合、データを破損せずにノードをシステムに追加するために、サポート・チームに連絡してください。

ノードをシステムに追加すると、追加中という状態が表示されます。ノードをシステムに追加する場合、特に、そのノードに関連するコード・バージョンが変更された場合には、30 分程度かかる可能性があります。

重要: ノードが 30 分を超えても追加中状態のままの場合は、サポート担当者に連絡して、この問題を解決してください。

ノードが削除されるとき、その名前は入出力グループ内でパートナー・ノードのフェイルオーバー名として保存されます。 入出力グループにノードが残っていない場合、フェイルオーバー名は保存されません。

既存のノード名、または保存されたフェイルオーバー名である名前を指定した場合、またはシステムの構成が追加されるノードの限度を超えている場合は、addnode コマンドは失敗します。追加するノードには別の名前を指定してください。

圧縮またはシン重複排除されたボリュームは、システム内のすべてのノードが重複排除ボリュームをサポートしている場合にのみ、そのシステムに追加することができます。 圧縮またはシン重複排除されたボリュームが含まれるシステムには、重複排除ボリュームをサポートするノードのみを追加することができます。 圧縮またはシン重複排除されたボリュームが含まれるシステムにノードを追加することができるのは、その新規ノードがターゲット入出力グループ内でデータ重複排除用に割り振られたメモリー容量をサポートできる場合のみです。

呼び出し例

addnode -wwnodename 5005076801e08b -iogrp io_grp0

結果出力:

Node, id [6], successfully added

呼び出し例

addnode -panelname 123456 -iogrp 1 -site 2

結果出力:

Node, id [6], successfully added

呼び出し例

addnode -wwnodename 5005076801e08b -iogrp io_grp0 -site site1

結果出力:

Node, id [6], successfully added

呼び出し例

addnode -panelname 123456 -spare 

結果出力:

Node, id [7], successfully added