システムへのホット・スペア・ノードの追加

ノードを追加する際に、最大 4 つをホット・スペア・ノード として指定することができます。ホット・スペア・ノードは、必要な場合に自動的にオンラインにすることができます (入出力操作を処理します)。例えば、ノードに障害が発生した場合、障害を起こしたノードと一致する使用可能なホット・スペア・ノードが自動的にアクティブ化され、「オンラインのスペア」状態に移行します。障害を起こしたノードがオンラインに戻るまで、その入出力操作をホット・スペア・ノードが処理します。ノードがシステムに戻ると、ホット・スペア・ノードは、システム上で障害を起こした他のノードと自動的にスワップできることを示す「スペア」状態に戻ります。

ノードがないと、計画外の理由 (例えば、ハードウェア障害) や、計画的な停止 (例えば、アップグレード) により、冗長性が失われたり、システム・パフォーマンスが低下したりすることがあります。この可能性を低減するために、ホット・スペア・ノードは電源オンの状態で保持され、システム上に表示されています。ホット・スペア・ノードは、アクティブなシステム・ポートを備えていますが、ホスト入出力ポートはなく、どの入出力グループにも属していません。ノードで障害が発生したり、アップグレードされる場合、このスペア・ノードはシステムに参加し、障害が発生したノードの役割を引き継ぎ、冗長性が修復されます。ホット・スペア・ノードに使用できるのは、ノード・ポート仮想化 (NPIV) をサポートするファイバー・チャネル・ポート上のホスト接続のみです。ホット・スペア・ノードは、そのファイバー・チャネル・ポートに障害が発生したノードと同じ N_Port ID Virtualization (NPIV) ワールド・ワイド・ポート名 (WWPN) を使用するため、ホスト動作は中断されません。ホット・スペア・ノードは、スペアであったときのノード ID を維持します。アップグレード段階で、スペア・ノードは、ノードが除去されるのに合わせて速やかにシステムに追加されます。システム内の各ノードは、アップグレードのためにシャットダウンしたときにホット・スペア・ノードで置き換えられます。

ノード・ペアを特定の入出力グループに割り当ててから、追加のノードをホット・スペア・ノードとして割り当てることができます。ホット・スペア・ノードは、システムに追加されるときは「スペア」状態です。これは、入出力グループの一部ではないことを示します。入出力グループ内のノードで障害が起きた場合、ホット・スペア・ノードは、そのノードと自動的に置き換えられ、入出力グループの一部になります。ホット・スペア・ノードは、入出力グループ内にある間は「オンラインのスペア」状態になり、元のノードが入出力グループに再結合すると、「スペア」状態に戻ります。システムには、現在スペア・ノードとしてオンラインになっているホット・スペア・ノードを含めて、いつでも最大 4 つのスペアを含めることができます。ノードがシステムによって確実に検出されるように、すべてのケーブル配線が正しいことを確認してください。ノードが検出されない場合は、システムに付属していた取り付け情報を見直してください。

汎用ノード・ハードウェアでソフトウェアを実行している場合、スペア・ノードのハードウェアとソフトウェアのレベルがシステム全体で同一でなければなりません。

システム上のノードが暗号化をサポートし、暗号化を使用するライセンス交付を受けている場合、ホット・スペア・ノードも暗号化をサポートし、暗号化を使用するライセンス交付を受けている必要があります。 機能強化された拡張構成または HyperSwap® 構成の場合、ホット・スペア・ノードが特定のサイトに割り当てられている必要があります。特定のサイトでノードに障害が起きると、適切な置き換えである場合はそのサイトに割り当てられているホット・スペア・ノードが使用されます。拡張システムで標準構成を使用している場合は、ホット・スペア・ノードを使用するには、機能拡張された拡張システムに更新する必要があります。標準の拡張構成では、ホット・スペア・ノードが誤ったサイトから選択されて、システム間リンクが過負荷になり、パフォーマンスの問題が生じる可能性があります。

管理 GUI を使用する場合

初めてノードを入出力グループに追加する場合、以下のステップを実行して、ホット・スペア・ノードを指定することもできます。
  1. 管理 GUI で、「モニター」 > 「システム」を選択します。
  2. 「システム -- 概要」ページで、「ノードの追加」をクリックします。
  3. 「ノードの追加」ページで、入出力グループに追加するノードを選択し、オプションでシステム全体のホット・スペア・ノードとして使用する他のノードを選択します。
システムに既にノードが構成されているときに、ホット・スペア・ノードを追加したい場合は、追加ノードをシステムに接続する必要があります。ホット・スペア・ノードがシステムに正しく構成された後、以下のステップを実行して、スペア・ノードをシステム構成に追加することができます。
  1. 管理 GUI では、「モニター」 > 「システム」を選択します。
  2. 「システム -- 概要」ページで、「ノードの追加」をクリックします。
  3. 「ノードの追加」ページで、システムに追加するホット・スペア・ノードを選択します。システムは、最大 4 つのホット・スペア・ノードをサポートします。
  4. ご使用のシステムが拡張システム・トポロジーまたは HyperSwap システム・トポロジーのいずれかを使用する場合、サイトごとにホット・スペア・ノードを指定する必要があります。
システム上でホット・スペア・ノードを使用するには、入出力グループが仮想サポートをサポートしていることを確認してください。まず、ホストをシステムに接続するスイッチが、N_Port ID Virtualization (NPIV) をサポートする必要があります。スイッチで NPIV がサポートされていることを確認した後、入出力グループで仮想ポートが使用可能にされていることを確認できます。 新規システムの場合、NPIV のデフォルト状況は使用可能に設定されています。ただし、既存のシステムにスペア・ノードを追加する場合は、この設定を確認してください。この値を確認あるいは変更するには、以下のステップを実行します。
  1. 管理 GUI で、「設定」 > 「システム」 > 「入出力グループ」を選択します。
  2. 「NPIV」の値が「使用可能」に設定されていることを確認します。新規システムの場合、NPIV のデフォルト状況は使用可能として設定されています。ただし、既存のシステムにノードを追加する場合は、この設定を確認してください。「遷移」「使用不可」に設定されている場合は、「使用可能」に変更する必要があります。
  3. 「NPIV」が使用不可の場合には、以下のステップを実行して、有効に変更します。
    1. 入出力グループを右クリックし、「NPIV 設定の変更」を選択します。
    2. 「NPIV 設定の変更」ページで、新しい状態として「遷移」を選択します。ユーザーが無効の状態から有効な状態に直接変更することはできません。 システムは、入出力グループに物理ファイバー・チャネル・ポートと仮想ファイバー・チャネル・ポートの両方が含まれる遷移状態になります。 「続行」をクリックします。
    3. 約 2 分間待ってから、ターゲット・ポートの変更された状態を確認します。
    4. 「入出力グループ」ページで、新たに「遷移」状態が表示されることを確認します。
    5. 入出力グループを右クリックし、「NPIV 設定の変更」を選択します。
    6. 「NPIV 設定の変更」ページで、新しい状態として「使用可能」を選択します。「続行」をクリックします。
    7. 2 分後に、「入出力グループ」ページで、新たに「有効」状態が表示されることを確認します。
  4. 「NPIV」 が既に「遷移」状態になっている場合は、以下のステップを実行して状態を「使用可能」に変更します。
    1. 入出力グループを右クリックし、「NPIV 設定の変更」を選択します。
    2. 「NPIV 設定の変更」ページで、新しい状態として「使用可能」を選択します。「続行」をクリックします。
    3. 約 2 分間待ってから、「入出力グループ」ページで、新たに「有効」状態が表示されることを確認します。

コマンド・ライン・インターフェースの使用

スペア・ノードをシステムに追加するには、次のコマンドを入力します。ここで、panel_name は、サービス・アシスタントあるいは lsnodecandidate コマンドの出力で表示されるノードの名前です。
addnode -panelname panel_name -spare
機能強化された拡張構成または HyperSwap 構成の場合、次のコマンドを使用して、スペア・ノードの名前およびサイト・ロケーションを指定します。
addnode -panelname panel_name -spare -site site_id