chiogrp

chiogrp コマンドは、入出力グループの名前や、RAID アレイ、コピー・サービス、FlashCopy® サービス、またはボリューム・ミラーリングの操作に使用可能なメモリーの量を変更するために使用します。

構文

構文図を読む構文図をスキップする chiogrp -namenew_name-featureflashremotemirrorraid-sizememory_size-kb-maintenanceyesno-fctargetportmodedisabled transitionalenabled-forceio_group_idio_group_name

パラメーター

-name new_name
(オプション) 入出力グループに割り当てる名前を指定します。-name パラメーターは、-feature-size、または -kb パラメーターと一緒に指定することはできません。
-feature flash | remote| mirror | raid
(オプション) RAID アレイ、コピー・サービス、またはボリューム・ミラーリング用のメモリー量を変更する機能を指定します。このパラメーターは、-size パラメーターと一緒に指定する必要があります。 このパラメーターは、-name パラメーターと一緒に指定することはできません。
  • flash は、FlashCopyに使用されるメモリー量を指定します。
  • remote は、リモート・コピー処理に使用されるメモリー量を指定します。 リモート・コピーにはメトロ・ミラー、グローバル・ミラー、および HyperSwap® が含まれます。
  • mirror は、ボリューム・ミラーリング操作に使用されるメモリー量を指定します。
  • raid は、RAID アレイに使用されるメモリー量を指定します。
注: remote を指定すると、リモート・コピー処理に使用可能なメモリー量が変更されます。リモート・コピー関係に含まれるボリュームはいずれも、その入出力グループ内のメモリーを使用します。これには、マスター・ボリュームおよび補助ボリュームのほか、システム間関係またはシステム内関係にあるボリュームなどがあります。
-size memory_size
(オプション) 指定された RAID アレイ、コピー・サービス、またはボリューム・ミラーリング機能に使用可能なメモリーの量を指定します。 有効な入力データは、0 または任意の整数です。 このパラメーターのデフォルトの計算単位は、メガバイト (MB) です。このデフォルトは、キロバイトを表す -kb パラメーターを使用して指定変更することができます。このパラメーターは、-feature パラメーターと一緒に指定しなければなりません。 このパラメーターは、-name パラメーターと一緒に指定することはできません。
-kb
(オプション) -size パラメーターの単位をメガバイト (MB) からキロバイト (KB) に変更します。このパラメーターを指定する場合、-size memory_size 値は、4 で割り切れる数値にする必要があります。このパラメーターは、-feature および -size パラメーターと一緒に指定する必要があります。このパラメーターは、-name パラメーターと一緒に指定することはできません。
-maintenance yes | no
(オプション) 入出力グループを保守モードにする必要があるかどうかを指定します。ストレージ・エンクロージャーで保守手順を実行する間、入出力グループを保守モードにする必要があります。保守モードに入った後、次のいずれかが生じるまで続行します。
  • 明示的に消去される。
  • 30 分が経過する。
注: 1 つの入出力グループの保守モードを変更すると、すべての入出力グループの保守モードが変更されます。
-fctargetportmode disabled | transitional | enabled
(オプション) 入出力グループのファイバー・チャネル (FC) ホスト・ポート・モードを指定します。値は disabledtransitional、または enabled です。 transitional 状態は、仮想ポートと物理ポートの両方が使用可能となる中間状態です。
注: disabled 状態の場合や、一部のファイバー・チャネル・アダプターおよびプラットフォームでは、NVMe over Fibre Channel はサポートされません。
-force
(オプション) ホスト入出力の中断を引き起こす可能性がある場合でも、FC ホスト・ポートを有効または無効にすることを指定します。-force を指定できるのは、-fctargetportmode を一緒に指定する場合のみです。
重要: -force を指定すると、アクセスが失われる可能性があります。 このパラメーターは、製品サポート情報による指示がある場合にのみ使用してください。
io_group_id | io_group_name
(必須) 変更する入出力グループを指定します。入出力グループを変更するには、-name パラメーターまたは -feature パラメーターを使用します。

説明

chiogrp コマンドは、入出力グループの名前の変更や、RAID アレイ、コピー・サービス、またはボリューム・ミラーリングに使用可能なメモリー量の変更を行います。

-feature パラメーターと -size パラメーターを使用して (一緒に)、以下のいずれかのタイプに入出力グループ内で使用可能なメモリーの量を変更します。
  • FlashCopy
  • ボリューム・ミラーリング
  • RAID
  • メトロ・ミラー、グローバル・ミラー、および HyperSwap を含むリモート・コピー。
例えば、次のとおりです。
chiogrp -feature flash -size 40 0

入出力グループに名前を割り当てるか、指定した入出力グループの名前を変更することができます。-feature flash | remote | mirror パラメーターとメモリー・サイズを指定することで、RAID アレイ、コピー・サービス、またはボリューム・ミラーリングの操作に使用可能なメモリーの量を変更することができます。 ボリューム・ミラーリングおよびコピー・サービス (FlashCopy、メトロ・ミラー、グローバル・ミラー、および HyperSwap) の場合、メモリーは、キャッシュに使用可能なメモリーとトレードオフの関係にあります。

メモリーの量は増減できます。このコマンドを使用するときは、以下のメモリー・サイズを考慮してください。
  • FlashCopy のデフォルトのメモリー量は 20 MB です。
  • リモート・コピー (これはメトロ・ミラー、グローバル・ミラー、および HyperSwap を含む) のデフォルトのメモリー量は 20 MB です。
  • ミラーリングされたボリュームのデフォルトのメモリー・サイズは 20 MB です。
  • RAID アレイのデフォルトのメモリー・サイズは 40 MB です。
  • FlashCopy 用に指定できる最大メモリー量は 512 MB です。64 ビット・システムの場合、最大量は 2048 MB です。
  • リモート・コピー (これはメトロ・ミラー、グローバル・ミラー、および HyperSwap を含む) の最大メモリー量は 512 MB です。
  • ミラーリングされたボリューム用に指定できる最大のメモリー・サイズは 512 MB です。
  • RAID アレイの最大メモリー・サイズは 512 MB です。
すべての機能全体の最大結合メモリー量は 552 MB です。
注: 64 ビット・システムの場合、最大量は 2600 MB です。 64 ビット・モードを実行する一部のシステムでは、2 GB のビットマップ・スペースを FlashCopy に使用する場合があり、この量は、4 PB のデータ・スペースを入出力グループごとに使用するのに十分な量です。例えば、メトロ・ミラー、グローバル・ミラー、ボリューム・ミラーリング、および RAID は 552 MB のビットマップ・スペースを共有しますが、この量は、入出力グループごとに 1080 PB のデータ・スペースを使用するのに十分な量です。32 ビット・コードを実行するシステムなどの旧システムでは、740 MB の制限の対象になる場合があります。
次の表は、コピー・サービスおよびボリューム・ミラーリングに必要なメモリーの量を示しています。 リストされているグレーン・サイズについては、それぞれの 1 MB のメモリーが、示されているボリューム容量を提供します。
表 1. コピー・サービスおよびボリューム・ミラーリングに必要なメモリー
機能 グレーン・サイズ 1 MB のメモリーでは、指定された入出力グループに対して以下のボリューム容量を提供します
メトロ・ミラーとグローバル・ミラー 256 KB 2 TB のメトロ・ミラーおよびグローバル・ミラーの合計容量
HyperSwap 256 KB 2 TB の HyperSwap ボリュームの合計容量
注: 2 TB の HyperSwap ボリューム容量の場合、各キャッシング入出力グループに 1 MB を割り当てる必要があります。
FlashCopy 256 KB 2 TB の FlashCopy ソース・ボリューム合計容量
FlashCopy 64 KB 512 GB の FlashCopy ソース・ボリューム合計容量
差分 FlashCopy 256 KB 1 TB の差分 FlashCopy ソース・ボリューム合計容量
差分 FlashCopy 64 KB 256 GB の差分 FlashCopy ソース・ボリューム合計容量
ボリューム・ミラーリング 256 KB 2 TB のミラーリングされたボリューム
表 2 は、入出力グループ内の各アレイのメモリー・コストの概算を示しています。ここで、MS は各メンバー・ドライブのサイズ、MC はアレイ内のメンバー・ドライブの数です。入出力グループに複数のアレイがある場合、コストを合計すると、入出力グループの RAID フィーチャーのサイズを得られます。
表 2. RAID レベルのビットマップ・メモリー・コスト
レベル メンバー・カウント 概算容量 Redundancy 概算ビットマップ・メモリー・コスト
RAID-0 1-8 MC * MS なし (2 TB の MS 当たり 1 MB) * MC
RAID-1 2 MS 1 (2 TB の MS 当たり 1 MB) * (MC/2)
RAID-5 3-16 (MC-1) * MS 1 ストリップ・サイズ 256 KB では、2 TB の MS 当たり 1 MB。ストリップ・サイズ 128 KB では 2 倍。
RAID-6 5-16 (MC-2 * MS) より少ない 2
RAID-10 2 から 16 (偶数) MC/2 * MS 1 (2 TB の MS 当たり 1 MB) * (MC/2)
注: 概算ビットマップ・メモリー・コストでは、約 15% の誤差範囲があります。例えば、RAID-5 の 256 KB ストリップ・サイズのコストは、最初の 2 TB の MS の場合は ~1.15 MB です。

FlashCopy ターゲットが複数の場合は、マッピング数を考慮する必要があります。 例えば、グレーン・サイズが 256 KB のマッピングの場合は、8 KB のメモリーにより、16 GB のソース・ボリュームと 16 GB のターゲット・ボリュームの間で 1 つのマッピングが可能です。 あるいは、グレーン・サイズが 256 KB のマッピングの場合は、8 KB のメモリーにより、8 GB の 1 つのソース・ボリュームと 8 GB の 2 つのターゲット・ボリューム間で 2 つのマッピングが可能です。

FlashCopy マッピングを作成した後、ソース・ボリュームの入出力グループ以外の入出力グループを指定すると、メモリー計算は、ソース・ボリュームの入出力グループに対してではなく、指定した入出力グループに対して行われます。

シナリオ 1

入出力グループで以下が該当する場合、次のようになります。
  • 8 GB ノードが少なくとも 1 個含まれている。
  • データ削減プール内にシン・プロビジョニング・ボリュームまたは圧縮ボリュームが少なくとも 1 つ含まれている。
  • その入出力グループの FlashCopy ビットマップ・サイズが 1.5 GB より大きく設定されている。
使用可能なリソースが不十分なため、コマンドは失敗します。

新しい入出力グループ testiogrpone を作成するための呼び出し例

chiogrp -name testiogrpone io_grp0

結果出力:

No feedback

io_grp0 内の FlashCopy メモリーを 30 MB に変更するための呼び出し例

chiogrp -feature flash -size 30 io_grp0

結果出力:

No feedback

入出力グループ 0 内の RAID メモリー量を 512 MB に変更するための呼び出し例

chiogrp -feature raid -size 512 0

結果出力:

No feedback