chsystem
chsystem コマンドは、既存のシステムの属性を変更するために使用します。 このコマンドは、システム作成後であればいつでも使用できます。このコマンドに関連するパラメーターはすべてオプションです。 ただし、このコマンドには 1 つ以上のパラメーターを指定する必要があります。
構文
パラメーター
- (オプション) システムの新規名を指定します。重要: 各ノードの iSCSI 修飾名 (IQN) は、システムおよびノードの名前を使用して生成されます。iSCSI プロトコルを使用している場合、名前の変更によってシステム内のすべてのノードの IQN も変更され、iSCSI 接続されたすべてのホストの再構成が必要になる場合があります。
- (オプション) 各ノード上でメトロ・ミラーおよびグローバル・ミラーの通信に使用するメモリーの量をメガバイト (MB) 単位で指定します (48 から 512 MB)。デフォルトは 48 MB です。重要: この設定の調整は、サポート・チームから指示された場合に限って行ってください。
この設定を変更するには、システム内のすべてのノードがオンラインであること、および最小で 8 ギガバイト (GB)、つまり 8192 メガバイト (MB) のメモリーを備えていることが必要です。
要確認:- この設定を変更する前に、このシステムとの協力関係をすべて停止する必要があります。
- このパラメーターはローカル・システムにのみ作用し、このパラメーターを変更するとミラーリング操作が中断されます。
- (オプション) 代替名を指定します。これはシステムの基本 ID を変更するのではなく、新規に作成されるボリュームの
VDisk_UID
に影響を及ぼします。既存のVDisk_UIDs
は変更されません。 - (オプション) インベントリー E メールが指定された E メール受信者に送信される間隔を指定します。
間隔の範囲は
0
から15
です。 間隔の単位は日数です。 値を 0 に設定すると、インベントリー E メール通知の機能がオフになります。 - (オプション) グローバル・ミラー操作について不適切なシステム間リンクが許容される時間の長さ (秒数) を指定します。
このパラメーターは、10 秒単位で
20
秒から86400
秒の値を受け入れます。デフォルトは 300 秒です。 このパラメーターの値として0
を入力すると、リンク許容範囲を無効にできます。 - (オプション) 最大遅延時間 (ミリ秒) を指定します。この時間になると、グローバル・ミラーのリンク許容度タイマーがカウントダウンを 開始します。このしきい値により、グローバル・ミラー操作でグローバル・ミラーのソース・ボリュームの応答時間に追加できる、さらなる影響 (時間) が決まります。このパラメーターを使用すると、しきい値をデフォルト値の 5 ミリ秒から増やすことができます。
- (オプション) システムが使用するシステムの新規 IPv4 アドレスを指定します。この IP アドレスのフォーマットは、ポート指定のある小数点付き 10 進表記に従っていなければなりません (例えば、
255.255.255.255:8080
)。このパラメーターを指定すると、この値によって、既存の -icatip_6 アドレスはすべて上書きされます。 - (オプション) システムの新規 IPv6 アドレスを指定します。このパラメーターを指定すると、この値によって、既存の -icatip アドレスはすべて上書きされます。IPv6 アドレスのフォーマットは、以下のとおりでなければなりません。
- (オプション) Network Time Protocol (NTP) サーバーの IPv4 アドレスを指定します。NTP サーバー・アドレスを構成すると、
システムは、その NTP サーバーをシステムのタイム・ソースとしてただちに使用し始めます。別のタイム・ソースを使用するには、ゼロ・アドレスを用いた -ntpip パラメーターを指定します。
chsystem -ntpip 0.0.0.0
- 注: -ntpip_6 を指定する前に、IPv6 接頭部およびゲートウェイがそのシステムに設定されている必要があります。(オプション) NTP サーバーの IPv6 アドレスを指定します。NTP サーバー・アドレスを構成すると、システムは、該当の NTP サーバーをそのタイム・ソースとしてただちに使用し始めます。別のタイム・ソースを選択するには、次のように、ゼロ・アドレスを用いた -ntpip_6 パラメーターを指定します。
chsystem -ntpip_6 0::0
- (オプション) iSCSI ストレージ・ネーム・サービス (SNS) の IPv4 アドレスを指定します。別の IPv4 iSCSI SNS サーバーを選択するには、ゼロ・アドレスを用いた -isnsip パラメーターを指定します。
chsystem -isnsip 0.0.0.0
- (オプション) iSCSI SNS の IPv6 アドレスを指定します。構成済みの別の IPv6 iSCSI SNS サーバーを選択するには、ゼロ・アドレスを用いた -isnsip_6 パラメーターを指定します。
chsystem -isnsip_6 0::0
- (オプション) 新しいバックグラウンド・コピー帯域幅をメガバイト/秒 (MBps) 単位で
1
から1000
の範囲で指定します。 デフォルトは25
MBps です。重要: 圧縮を使用する IP リンク上での協力関係の場合、このパラメーターは、圧縮がデータに適用された後の集合帯域幅を指定します。このパラメーターは、物理リンク帯域幅に (慎重に端数が切り捨てされた) 圧縮係数を乗算した値より大きい値に設定しないでください。このパラメーターは、システム規模で作動し、どの関係でも受け入れることができる最大バックグラウンド・コピー帯域幅を定義します。協力関係で定義されている既存のバックグラウンド・コピー帯域幅の設定値は引き続き有効であり、協力関係およびボリュームの速度として低い方の値で試行されます。注: この値は、より高い帯域幅を採用しても支障がないことが明白でなければ、デフォルトより高く設定しないでください。 - GUI で使用されているオンライン資料をオーバーライドするための、優先オンライン資料の URL を指定します。この情報はインターネット・ブラウザーによって解釈されるため、指定された情報には、ホスト名または IP アドレスが含まれる場合があります。要確認: GUI 設定ウィンドウで、現在構成されている URL を確認してください。このウィンドウを使用して、この値をデフォルト設定にリセットすることもできます。
- (オプション) システムの iSCSI 通信の認証方式を設定します。
- (オプション) ネイティブの IP 協力関係であるリモート・コピー協力関係の要求に対する認証をオンあるいはオフに切り替えます。
さらに次のことに注意してください。
- (オプション) iSCSI を使用するシステムの認証に使用される CHAP シークレットを設定します。このパラメーターは、iscsiauthmethod chap パラメーターが指定されている場合に必要です。 指定した CHAP シークレットは、スペースで開始または終了することはできません。
- (オプション) 以前に設定されていた iSCSI 認証用の CHAP シークレットをすべて消去します。 chapsecret を指定する場合は、nochapsecret パラメーターを指定することができません。
- (オプション) iSCSI ホスト接続ログインの双方向認証に使用される SVC システム全体のユーザー名を指定します。 このパラメーターが指定された場合、この値は、iSCSI ホスト接続ログインにおける双方向認証の「ユーザー名」として使用されます。 ユーザー名が指定されない場合、両方向 CHAP 認証のユーザー名は NULL になります。
- (オプション) キャッシュのプリフェッチがシステム全体で有効または無効のどちらに設定されるかを指定します。 これは、製品サポート情報から指示された場合にのみ調整してください。
- (オプション) ローカル・システムのノード間通信専用のファイバー・チャネル (FC) 入出力 (I/O) ポート・マスクを示します。ファイバー・チャネル・ポート・マスクは、ホストやストレージ・システムのトラフィックには影響しません。
ポート・マスクは 64 個のバイナリー・ビットで、0 と 1 の組み合わせで構成されます。
0
は対応する FC 入出力ポートが使用できないことを示し、1
は使用できることを示しています。マスクは、ローカル・システムのすべてのノードに適用されます。 ローカル・システムのノード間通信には、少なくとも 2 つのポートが選択されなければなりません。マスクの結果は、選択されたポートとそれらのポートに認識される FC ゾーンのみを使用する、ローカル・システムの各ノード間の少なくとも 2 つの FC 接続にならなければなりません。有効なマスク値は、0011
(ポート 1 とポート 2 のみが有効) から1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111
(すべてのポートが有効) までの範囲です。 例えば、マスクが111111101101
の場合に有効なポートは、1、3、4、6、7、8、9、10、11、および 12 です。要確認: 部分マスク (64 文字より少ない) にはゼロが拡張して適用されます。つまり、指定されないポートは有効になりません。FC 入出力ポート ID を表示するには、lsportfc コマンドを指定します。 - (オプション) パートナー・システム間通信専用の FC 入出力ポート・マスクを示します。ファイバー・チャネル・ポート・マスクは、ホストやストレージ・システムのトラフィックには影響しません。
ポート・マスクは 64 個のバイナリー・ビットで、0 と 1 の組み合わせで構成されます。
0
は対応する FC 入出力ポートが使用できないことを示し、1
は使用できることを示しています。マスクは、ローカル・システムのすべてのノードに適用されます。 マスクの有効値は、0000
(すべてのポートが使用不可) から1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111
(すべてのポートが有効) までの範囲です。例えば、マスクが111111101101
の場合に有効なポートは、1、3、4、6、7、8、9、10、11、および 12 です。要確認: 部分マスク (64 文字より少ない) にはゼロが拡張して適用されます。つまり、指定されないポートは有効になりません。FC 入出力ポート ID を表示するには、lsportfc コマンドを指定します。 - (オプション) ボリューム保護時間を (分単位で) 設定します。範囲は 15 から 1440 までです。
- (オプション) ボリューム保護を有効または無効にします。値は
yes
およびno
です。 - (オプション) オフロード・データ転送 (ODX) を有効または無効にします。
値は、
on
およびoff
です。 - (オプション) Easy Tier® およびプール平衡化アクセラレーションを有効にします。値は、
on
およびoff
です。 - (オプション) 最大複製遅延を秒単位で設定します。値は
0
から360
までの数値であることが必要です。 - (オプション) リモート・システムの入出力操作のタイムアウト (秒数) を設定します。この値は
30
から315
(デフォルト) までの数値でなければなりません。 - (オプション) 自動的にライセンス・データベースに追加されているソフトウェア・ライセンスの交付時に割り当てられるお客様番号を指定します。値は、7 桁から 10 桁の数値 (またはブランク) であることが必要です。
- (オプション) ライセンスとコール・ホーム・システムに使用されるコンポーネント ID を指定します。この値はブランクまたは
SANVCNSW1
です。 - (オプション) ライセンスとコール・ホーム・システムに使用される国 ID を指定します。この値はブランクまたは 3 桁の数値です。
- (オプション) コール・ホーム機能が拡張レポートをサポート・センターに送信することを指定します。有効な値は
yes
またはno
です。拡張レポートには、運用データやイベント関連データとインベントリー・レポートに含まれている特定の構成情報が含まれます。この機能は、ハードウェア障害および重大な構成の問題または環境の問題がある可能性についてサポート・センターに警告を出します。サポート・センターは、構成情報を使用して、実際の構成に基づくベスト・プラクティスや推奨を自動的に生成できます。
- (オプション) 拡張コール・ホーム・データから重要データを削除することを指定します。値は
yes
またはno
です。 - (オプション) 管理者がホストに対してマップ解除のサポートをボリュームに通知させるかどうかを指定します。値は、
on
またはoff
(デフォルト) です。 - (オプション) 管理者がバックエンド・ストレージに対する SCSI マップ解除サポートを有効にするかどうかを指定します。このパラメーターを有効にすると、システムは、システム内で容量が解放されたときに、互換性のあるバックエンド・ストレージ・コントローラーおよびドライブに SCSI Unmap コマンドまたは Write Same コマンドを発行して、容量をレクラメーション処理することができます。値は、
on
(デフォルト) またはoff
です。
説明
このコマンドは、システムの特定の機能を変更します。 1 つのコマンドで複数の機能を変更できます。
-ntpip または -ntpip_6 パラメーターを使用すると、システムは、NTP サーバーを外部のタイム・ソースとして使用できます。システムは、NTP サーバーのタイム値に従って構成ノードのシステム・クロックを 調整します。その他のノードのクロックは、構成ノードのクロックから更新されます。NTP モードでは、setsystemtime コマンドは無効にされます。
すべてのコマンドはオプションです。ただし、少なくとも 1 つのパラメーターを指定する必要があります。
chsystemip コマンドは、システム IP アドレスおよびサービス IP アドレスを変更するために使用します。
呼び出し例
chsystem -ntpip 9.20.165.16
結果出力:
No feedback
外部 NTP サーバーをセットアップするための呼び出し例
chsystem -ntpip 123.234.123.234
結果出力:
No feedback
優先 infocenterurl
値を変更するための呼び出し例
chsystem -infocenterurl http://miscserver.company.com/ibm/infocenter
結果出力:
No feedback
ローカル・ポート・マスク値を変更するための呼び出し例
8 ポート・システムの ID 3 および 4 の FC I/O ポートがローカル・ノード通信に対応していることを示すには、以下のコマンドを実行します。
chsystem -localfcportmask 00001100
結果出力:
No feedback
パートナー・ポート・マスク値を変更するための呼び出し例
8 ポート・システムの ID 7 および 8 の FC ポートがリモート・ノード通信に対応していることを示すには、以下のコマンドを実行します。
chsystem -partnerfcportmask 11000000
結果出力:
No feedback
システム・トポロジーを設定するための呼び出し例
chsystem -topology standard
結果出力:
No feedback
リモート・コピーの認証を設定するための呼び出し例
chsystem -chapsecret ABCB1234 -iscsiauthmethod none -rcauthmethod chap
結果出力:
No feedback
ボリューム保護をオフにするための呼び出し例
chsystem -vdiskprotectionenabled no
結果出力:
No feedback
ボリューム保護をオンにして、保護時間を 60分に設定するための呼び出し例
chsystem -vdiskprotectionenabled yes -vdiskprotectiontime 60
結果出力:
No feedback
Easy Tier アクセラレーションをオンにするための呼び出し例
chsystem -easytieracceleration on
結果出力:
No feedback
ODX をオンにするための呼び出し例
chsystem -odx on
結果出力:
No feedback
最大複製遅延を設定するための呼び出し例
chsystem -maxreplicationdelay 100
結果出力:
No feedback
協力関係除外しきい値を設定するための呼び出し例
chsystem -partnershipexclusionthreshold 120
結果出力:
No feedback
IBM お客様 ID、コンポーネント ID、および国 ID を指定するための呼び出し例
chsystem -ibmcustomer 1928374 -ibmcomponent SANVCNSW1 -ibmcountry 001
結果出力:
No feedback
拡張コール・ホームをオフにするための呼び出し例
chsystem -enhancedcallhome off
結果出力:
No feedback
センサー・コール・ホームをオンにするための呼び出し例
chsystem -censorcallhome on
結果出力:
No feedback
hostunmap および backendunmap をオンにするための呼び出し例
chsystem -hostunmap on -backendunmap on
結果出力:
No feedback