IBM クラウド・ビジョン

追手門学院大学様、教育/事務系システムの仮想基盤をVMware on IBM Cloudに移行し、セキュアなプライベートクラウド環境を実現

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ITリソースの効率的な利用や運用管理負担の軽減、システムの安定稼働を目的に、約8,000名の学生と教職員が使うシステムにおけるクラウドの活用を積極的に進めてきた学校法人追手門学院 追手門学院大学様(以下、追手門学院大学)。新たに開設した茨木総持寺キャンパスのシステムを全てクラウドで調達した同大学において、最後までオンプレミスに残ったのが茨木安威キャンパスの教育/事務系システム群でした。VMware製品による仮想化環境で運用してきたこれらのシステムの移行先として、同大学はIBM Cloudベアメタル・サーバーのセキュアな専有環境でオンプレミスと同様の仮想化環境を利用できる「VMware on IBM Cloud」を選択。多くのコストメリットを得るとともに、IBM Cloudに関して豊富な実績を有する株式会社エルテックス(以下、エルテックス)の24時間運用監視サービスの活用によって運用管理負担の大幅軽減も実現しました。

1.新キャンパスのシステムは全てクラウドで ─ クラウドの活用を積極的に推進
2.安定稼働を求めて教育/事務系システムのクラウド移行を決断
3.VMware製品による仮想化環境のスムーズな移行やコストパフォーマンスを重視してサービスを選定
4.コストメリットや信頼性を評価してVMware on IBM Cloudを採用
5.システムの安定稼働を実現し、運用負担の大幅軽減も実感
6.今後は重複するシステムの最適化、IBM Cloudのさらなる活用を検討

新キャンパスのシステムは全てクラウドで ─ クラウドの活用を積極的に推進

1966年の開設以来、「独立自彊/社会有為(どくりつじきょう/しゃかいゆうい)」の教育理念の下、地域社会と国家および国際社会で指導的な役割を果たしうる人間の育成を目指して教育活動を展開してきた追手門学院大学。学院創設のルーツとなる大阪偕行社附属小学校の創立から130年を迎えた2018年には、学生が主体的に学び協働して問題解決に当たることを柱とする新教育コンセプト「WIL(Work-Is-Learning/行動して学び、学びながら行動する)」を発表。2019年に茨木安威キャンパス(大阪府茨木市)に続く第2のキャンパスとして茨木総持寺キャンパスを開設し、2022年4月には国際教養学部を改組して国際学部と文学部の開設を予定するなど発展を続けています。

元木 伸宏氏

学校法人追手門学院
情報メディア課 課長代理 元木 伸宏氏

そんな同大学の教育/運営をIT面で支えている追手門学院 情報メディア課では現在、約8,000名の学生と教職員が利用するシステムにおけるクラウドの活用に力を入れていると課長代理の元木 伸宏氏は説明します。

「2017年頃よりクラウドの活用を積極的に進めており、茨木総持寺キャンパスの開設に伴って新たに導入したシステムは全てクラウドで調達したほか、これまでキャンパス内に置いていたシステムをクラウドに移行したり、新たなITを積極的に取り入れたりといった取り組みを進めています。2019年には、茨木総持寺キャンパスで学生が私物の端末をキャンパス内の学習でも利用できるBYODを全学的にスタート。現在は3学年まで展開しています」(元木氏)

クラウドの活用によってITリソースの拡充が柔軟に行えるようになり、コロナ禍に伴う授業のフルオンライン化にもスムーズに対応できました。

また、現在は2025年に向けて職員のフリーアドレス化に取り組む中で事務職員用PCのDaaS(Desktop as a Service)化を進めているほか、「これまでIaaSで運用してきたファイルサーバーとグループウェアのSaaS化、学内システムの認証基盤のLDAPからSAMLへの移行などを検討しています」と情報メディア課の笠原 拓矢氏は説明します。

安定稼働を求めて教育/事務系システムのクラウド移行を決断

追手門学院大学がクラウドの利用を積極的に進めるようになった背景には、ITリソースの柔軟かつ効率的な利用や先進ITサービスの活用、運用管理負担の軽減といった目的のほかに、同大学固有の事象があったと元木氏は明かします。「茨木安威キャンパスは丘陵地帯にあることから、しばしば落雷が発生します。それによって停電が起きることがあり、その際にはキャンパス内で運用しているシステムがUPSにより適宜シャットダウンされ、サービス提供に支障が及びます。また、落雷の状況によってはシャットダウン処理が完了する前に復電することもあり、対応が厄介でした」(元木氏)

また、ハードウェアの故障/メンテナンス時の立ち会いや日々の点検作業などが負担となっていたほか、オンプレミス環境では急なリソース増強が難しいといった拡張性への不満、キャンパス内のサーバー室にハードウェアを設置して運用し続けることへの不安もありました。

そこで、追手門学院大学は業務システムの単位で段階的にクラウドへの移行を進め、前述のように茨木総持寺キャンパスの新規システムについては全てクラウド上に構築。最後にオンプレミスに残ったのが、長年にわたり茨木安威キャンパスにおいてVMware製品による仮想化環境で運用してきた教育/事務系システム群でした。同大学は2019年、約150の仮想マシンで構成されるこれらのシステム環境のクラウドへの移行を決断します。

VMware製品による仮想化環境のスムーズな移行やコストパフォーマンスを重視してサービスを選定

茨木安威キャンパスのシステムの移行先となるクラウド・サービスの選定にあたり、追手門学院大学が掲げた要件を元木氏は次のように説明します。「VMware製品による仮想化環境をスムーズに移行し、移行後も従来と同じ方法で運用管理できることのほかに、コストも重視しました。クラウドは初期コストが安くても、長期間利用した場合のトータルコストでオンプレミスを上回る場合があります。それをできるだけ抑えたいと考えました」

また、同大学の基幹システムを稼働させることから「高い安定性や可用性、強固なセキュリティーを求めたほか、運用管理の負担もできるだけ下げたいと考えました」と元木氏は振り返ります。

追手門学院大学はこれらの要件を基にRFPを提示。それに対してベンダー各社から寄せられた提案の1つが、エルテックスの導入/運用支援でIBM Cloudを活用するというものでした。その内容は次のようなものです。

まず、IBM Cloudベアメタル・サーバーの専有環境にオンプレミスと同様のVMware製品による仮想化環境を構築するVMware on IBM Cloudを利用して、オンプレミスからのスムーズな移行と高いセキュリティー、オンプレミスと同様の運用管理性を実現します。

また、IBM CloudのDirect Link Dedicatedによって追手門学院大学の学内ネットワークとIBM Cloudを結ぶことで、IBM Cloud上の環境を全てプライベート・ネットワーク内で完結させ、機密性とガバナンスを担保します。

さらに、エルテックスのIBM Cloud専用設計/構築/運用監視サービス「eltexITS」で導入から運用までを一貫して支援することで、VMware on IBM Cloudの環境を運用管理の負担が大きく軽減されたマネージド・サービスとして利用できるようにします。

コストメリットや信頼性を評価してVMware on IBM Cloudを採用

追手門学院大学は、各社の提案を検討した末、上記の提案内容によるIBM Cloudの活用を決めました。VMware製品による仮想化環境をスムーズに移行して従来と同じ方法で運用管理できることや高いコストパフォーマンスに加えて、IBMの信頼性も大きな評価ポイントだったと元木氏は振り返ります。「全体としてはコストメリットを高く評価したほか、IBMの信頼性も大きなウエイトを占めました。SoftLayerから始まりBluemixを経てきたIBM Cloudの歴史も知っていましたし、ベアメタル・サーバーは早期より提供されているサービスなので、その点でも安心感がありました」(元木氏)

寺田 恵一郎氏

株式会社エルテックス
クラウドビジネス室長 寺田 恵一郎氏

追手門学院大学への提案を担当したエルテックス クラウドビジネス室長の寺田 恵一郎氏は、VMware on IBM Cloudがコスト面で優位な理由を次のように説明します。

「他のクラウド・ベンダーのVMware関連サービスの多くは、さまざまなソフトウェアをセットにした規定のパッケージで提供されており、ユーザーは不要なソフトウェアの分まで料金を支払わなければなりません。それに対して、IBM Cloudではベアメタル・サーバー上にオンプレミスと同様のVMware製品による仮想化環境を構築できるため、投資を必要最小限に抑えられます」(寺田氏)

また、eltexITSにより、エルテックスがECサイトの運営支援を通じて完成させた品質の高い24時間運用監視サービスを利用することができます。

「ECのお客様は、24時間運用監視サービスでも徹底したコストパフォーマンスをお求めになります。当社は高品質な運用監視サービスを低価格でご提供していくためのノウハウを長年にわたり蓄積しており、それがトータルコストを抑えながらも質の高いご提案につながったのだと思います」(寺田氏)

加えて、IBMは他のクラウド・ベンダーとは異なりシステム・インテグレーション事業(SI)まで行っているので、クラウドで何か問題が起きた際には日本IBMの担当者がSIの視点でエルテックスの対応を迅速に支援する点も寺田氏は高く評価します。

こうして、追手門学院大学は2019年12月にVMware on IBM Cloudの採用を決めると、2020年11月より移行プロジェクトを開始。エルテックスの支援によって移行プロジェクトはスムーズに完了し、2021年4月よりIBM Cloudでのシステム運用を開始しました。

システムの安定稼働を実現し、運用負担の大幅軽減も実感

IBM Cloudへの移行により、懸案だったシステムの安定性は大きく向上しました。4月以降、システム障害などのトラブルは一切発生していません。システムの安定稼働と運用負荷の軽減には、エルテックスの24時間運用監視サービスも大きく寄与しています。「実は提案をいただくまで、eltexITSのようなプライベートクラウド環境に対するマネージド・サービスがあるとは知らなかったのですが、選んで良かったと思っています。本課でも保守の体制は組んでいますが、細かなオペレーションや日々の監視まで行っていただけるので大変助かっており、現在はIBM Cloud以外の環境についても監視をお願いしています」(元木氏)

笠原 拓矢氏

学校法人追手門学院
情報メディア課 笠原 拓矢氏

これまで情報メディア課のメンバーではVMware製品のバージョンアップが行えず、やむなく古いバージョンを使っていましたが、エルテックスに保守を託すことで常に最新の状態が維持されてセキュリティーが担保され、最新の機能を使えることも大きな利点です。

笠原氏もVMware on IBM Cloudのメリットを実感しています。

「オンプレミス環境からスムーズに移行し、これまでと同じ方法で運用を続けられますし、サーバーの管理に要していた人的コストや運用負担も抑えることができました。ハードウェアやOS、ネットワークの運用管理までエルテックスに任せることで負担が軽減されていることは大きなメリットです」(笠原氏)

今後は重複するシステムの最適化、IBM Cloudのさらなる活用を検討

茨木安威キャンパスの事務/教育系システムをIBM Cloudに移行したことで、追手門学院大学のシステムは全てクラウド化され、2つのキャンパスから自在にアクセスすることが可能となりました。「これまではキャンパスごとにシステムを置いていたため、全体として見ると重複が生じており、余計なコストがかかっていたと言えます。今後は重複したシステムを最適化してコストを抑える取り組みが進められます」(笠原氏)

また現在、別のクラウド・サービスで運用しているシステムの中には、運用監視が十分に行えていないものがあります。そうしたシステムをIBM Cloudに移し、エルテックスに運用管理を任せることも検討したいといいます。

IBM Cloudへの移行により、追手門学院大学は当初の期待を超える成果を得ることができました。エルテックスの寺田氏は、これまでクラウドの活用に踏み出せずにいた組織に、IBM Cloudを使ってほしいと力を込めます。

「オンプレミスからクラウドへの移行を検討したが断念したというお客様は少なくないと思いますが、IBM Cloudを使えばうまく移行できるケースがたくさんあることをもっと知っていただければと思います。また、移行後にはクラウド独特の問題が起きるものですが、ベンダーの側でも対処ノウハウの蓄積が進んでいます。ぜひそうしたベンダーをうまく巻き込んでクラウドの活用を進めていただきたいですね」(寺田氏)

追手門学院大学では今後、IBM Cloudで提供されているさまざまな先進サービスの利用も検討しながら、クラウドの利点を生かしたIT活用を進める考えです。

 

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