フューチャーデザイン

位置決める – ブック・オブ・フューチャーズ (Bespokeの『Book of Futures』日本語訳)

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ビスポークの『Book of Futures』の日本語訳第5回は、第1のフェーズ[位置決める]の説明を訳していきます(第4回はこちら)。

位置決めフェーズにおいては、<テーマの定義>と<活動フィールドの定義>という2つのサブフェーズがあります。今回は、2つのサブフェーズの説明を翻訳します。

 

 

Define the subject

When we name something we instantly define it. Verbalizing the current situation as a subject, challenge, theme, research question or domain of exploration is the first step in initiating the futures design process.

テーマを定義する

何かに名前をつけるとは、その何かを定義するということです。

現在の状況を、テーマや課題、研究議題や探索領域を示す言葉で表すことは、フューチャーデザイン・プロセスを開始するための最初の一歩です。

 

Engaging people under the same guiding star in order to co-design, is what creates the foundation of a successful project. The first step in engaging people in a design process, is aligning around an attractive formulation of the subject of study.

同じ案内星の下、協力してデザインを進められるように人々を結びつけることは、成功するプロジェクトの基盤を作ることです。

研究対象を魅力的に設定することで人々を連携させることが、デザインプロセスにおいて人々をつなぐ最初のステップとなります。

 

The articulation of the subject will affect how we talk and feel about the project, and ultimately who will participate in the design process, and how. We aim to articulate the situation in a way that invites people to explore and collaborate on the project, and that inspires curiosity, creativity and playfulness.

テーマを定義することは、プロジェクトについてどう感じてどう喋るのかに影響をおよぼし、やがては誰が、そしてどうやってプロセスに参加するのかにも影響します。

人々がプロジェクトを探索し、コラボレーションしたくなるように状況を明確に表し、好奇心や創造性、そして遊び心を刺激しましょう。

 

The subject situation covers the domains and topics that the organization wants to explore and eventually master, this will mark the starting point of the futures design journey in a clear and comprehensive way.

位置決めされたテーマは、プロジェクトの主体組織が探索し最終的には習得したいと望んでいる領域とトピックをカバーするものとなり、フューチャーデザイン・ジャーニーの出発地点を明快かつ包括的に示します。

 

 

Situate the playground

Before embarking on our futures design journey we must understand the boundaries and characteristics of our domain of work, what we call situating ourselves on the playground. Mapping the resources, time and people committed to the project, helps us make sure that our work will translate into action and impact. When planning, we create an overview of the project in order to balance the resources and time allocation between the phases.

活動フィールドを定義する

フューチャーデザインの旅へと一歩を踏み出す前に、自分たちが取り組む領域の境界線と特性を理解する必要があります。

リソース、時間、プロジェクトに注力している人々を、計画書に組み込んでいく作業を私たちは<活動フィールドにおける自分たちの位置決め>と呼んでおり、この実施により自分たちの取り組みが実際の行動と効果へと変換されることを確認するのに役立ちます。

計画策定時には、バランスよく各フェーズにリソースと時間を費やせるよう考慮してプロジェクト概要を作成します。

 

A too large focus on the scanning and sensing phase will create well grounded insights but leave insufficient time for translating them into new scenarios. Conversely too much focus on scaling will leave insufficient time for other phases, and insights will most likely be grounded in low quality observations or a very narrow scan of the environment. Estimate to go through the four phases at least once for a given situation and preferably more times, as each iteration both increases our sensibility towards the situation and the quality of each phase, and attracts more people to the project.

スキャニングと検知のフェーズに重点を置き過ぎると、根拠の確かなインサイトを得ることはできるものの新しいシナリオへの変換時間が足りなくなります。

それとは逆に、踏み出しのフェーズに重点を置き過ぎると他のフェーズの時間が足りなくなり、インサイトの基盤となる観察の質の低下や、環境のスキャニング範囲の不十分さを招きがちです。

位置決めした対象に対して最低一度は4つのフェーズすべてを実施できるように時間配分をしましょう。

そして繰り返すことにより、自分たちの状況に対する感覚と各フェーズの質を高めることができ、それによりさらに多くの人々がプロジェクトに引き寄せられるようになるので、できるだけ一度ではなく反復するようにしましょう。

 

Situating the playground covers resources, time, working methods, approaches and other practicalities and will often be formulated as a working brief including timelines, intention, outcomes, contractual agreements, and the like.

活動フィールドの定義は、資源、時間、作業方法、アプローチおよびその他の探検道具をカバーするものとなり、期間、目的、成果物、契約上の合意などを含むプロジェクト要綱として作成されることも少なくありません。

 


 

これは本に書かれていることですが、Situateという単語はラテン語で場所を意味するsitusを語源としているそうです。

そしてこのフェーズを[場所決め]や[位置取り]ではなく[位置決める]という訳語にしたのは、この本の出自がカオスパイロットであることも含め、フューチャーデザインが行動を重視しており探検をイメージさせるものだと私が感じているからです。

 

Happy Collaboration!

 

Collaboration Energizer

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