フューチャーデザイン

未来へ – ブック・オブ・フューチャーズ (Bespokeの『Book of Futures』日本語訳)

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今回から、未来をデザインする手法が書かれたビスポーク(Bespoke)社の本『Book of Futures』の日本語訳を、何回かにわたってお送りします。

この本は、現在はビスポークのフューチャーデザイン・ワークショップへの参加者にプレゼントされています。

私も2月にコペンハーゲンのビスポーク社のオフィスでワークショップに参加したのち、何度か読み直していたのですが、もっと多くの方に内容を紹介したくなり、先日ファウンダーの一人であるニックさんに相談してみたところ、快く日本語訳の掲載を許可していただけました。

 

それでは、第1回は序文[Foreword]からスタートします。

 

 

Foreward

What does the future look like? Probably one of the most important and timeless question that civilisations and societies across the world have asked themselves throughout history.

序文 – 未来へ

未来はどんな世界になっているのか?
おそらくはこれこそが、あらゆる時代や文明を超え、人類の間で繰り返し問われ続けてきた最も重要な問いでしょう。

 

It seems like the curiosity about what the future might bring is inherent to our human condition. Today the oracle is not confined only to the gods on a mountain top, and our inquiries are asking for more than prophetic predictions or divinations of an inevitable destiny. In these times of uncertainty and high-speed changes in all domains of life, prediction as such is no longer enough for the restless creative soul.

未来に何が待ち受けているのだろうかと好奇心を抱くことは、私たち人間に生来備わっている性質のようです。古代オリンポス山の頂きに暮らす神々から、あるいは占術師を通じて「逃れようのない運命」として伝えられた予言は、もはや今日の私たちを満足させるものではありません。
あらゆるものが不確実性と高速の変化に覆われた現代では、尽きることのない創造性に突き動かされる者たちが、予測というものに十分な価値は見出すことはもはやないのです。

 

Most people might think that the opposite of uncertainty is certainty, when it is rather possibility and openness towards the unknown. Cultivating this new sense of awareness is exactly what future design aims to inspire and ignite in individuals and organizations.

多くの人が、不確実性と対をなすのは確実性だと考えています。でも、不確実性を未知と捉えれば、対となるのは可能性であり開放性ではないでしょうか。
このような新しい気づきの感覚を触発して育て、磨きあげていく。それこそが<フューチャーデザイン>が個人や組織に広げていこうと目指しているものなのです。

 

For the past four years, we at Bespoke, have experienced the power of future design as a method and approach to navigate in uncertainty.

この4年間、私たちはビスポーク(Bespoke)社で、不確実性の中を進んでいく方法論そして実践方法として<フューチャーデザイン>の力を体感し続けてきました。

 

Through hundreds of different projects we have been lucky enough to work closely with courageous organizations from all kinds of industries and sectors, large and small, private and public, and from different corners of the world, helping them map, discover and unveil future landscapes of possibility in the intersection between business, design, strategy and art. These experiences, learnings and reflections are gathered in the publication that you are holding in your hands.

とても幸いなことに、私たちビスポークは、公営や民間、大企業やベンチャー企業など、世界中のさまざまな業界や業種の勇気ある組織と共に数百のプロジェクトを行ってきました。彼らとの密なコラボレーションにより、ビジネス・デザイン・戦略・アートが交差する場に広がる未来の景色を、探り出し浮かび上がらせ、マッピングし明らかにしてきました。
今、あなたが手にしているこの一冊は、それらの経験を通じて得られた学びと知をまとめたものです。

 

A first versions of a futures method book called The Creative Research Cookbook was created in collaboration with our fellow practitioner Mathew Lincez during 2014, as a workbook for students at the Kaospilot school in Aarhus, Denmark. The book soon became a very useful manual for ourselves throughout our practice and in our projects and turned out to be a valued gift for many of our clients, friends and partners. We quickly ran out of copies in our studio and instead of just reprinting it we decided to use the opportunity to refresh and rethink our method and approach.

フューチャーメソッドについて書いた最初の本は、2014年に同志のマシュー・リンセズ氏と共に、デンマークのオーフスという街にあるカオスパイロットというビジネス・スクールの生徒たちに向けて書いたものでした。
『クリエイティブ・リサーチ・クックブック』というタイトルのその本は、有用なマニュアルとして私たち自身のプロジェクトの実践に用いられ、まもなく多くのクライアントやビジネス・パートナー、友人たちから熱烈な喝采を得るようになりました。そして印刷した部数はすぐに底をついてしまったので、今回、私たちはこの機会を活かして単なる増刷ではなく、メソッドやアプローチを見直し新たな本として発行することとしました。

 

In this new and updated version of our Book of Futures, we want to share the practices, beliefs, tools, stories, mindsets and methods that conform the foundations of our work with future design.

刷新されたこの『ブック・オブ・フューチャーズ』では、私たちのフューチャー・デザイン・ワークの基盤となっている手法、考え方、ツール、ストーリー、マインドセット、方法論をご紹介します。

 

This book is an invitation for you to play, explore and design the future, and to use it as a source of inspiration for the present.
We truly hope that it can inspire you to imagine and design new meaningful realities.

この本は、現在をインスピレーションの源として未来をデザインし、実験し、そして冒険するための招待状です。
新たな意義に満ちた現実を思い描きデザインする。そのための大いなる手助けとなるはずです。

 

Nicolas Arroyo
Head of Foresight at Bespoke

ニコラス・アロヨ
ビスポーク社 ヘッド・オブ・フォアサイト

 

日本語にするとき、とりわけ文章で書くときには、単数形か複数形かは表現しずらい場合も多いのですが、原文では未来が名詞で出てくるときにはほとんどすべてが複数形になっています。

先日私が通訳を務めたワークショップで、ニックさんが<フューチャーズ >と複数形になっている意味を話していました。

それは、未来は無数の可能性に満ちていて、私たちは出現し得るあらゆる未来に包まれているからというものでした。
そしてその中で、私たちは目にしたい未来を、過ごしたい未来を、欲しい未来をデザインするのです。

 

次回をお楽しみに。

Happy Collaboration!

 

 

Collaboration Energizer

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