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Think 2019 現地レポート #5 “安川電機の「音響診断」” by Watson IoT

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サンフランシスコで開催されたThink 2019で、IoTの先端事例を紹介するセッションとして注目を集めたのが、安川電機の「Evolution of Robots and Industrial Automation Using IoT and AI at Yaskawa Electric(IoTとAIを用いた安川電機のロボットと製造オートメーションの進化 )」と名付けられたセッションです。

 

セッションの最後には、AIが音の種類により、熟練の作業員を超える高確率で不良発生原因を突き止める、音響を活用した品質モニター管理ソリューションの取り組みとそのデモ映像が公開されました。

このレポートでは、執行役員 ロボット事業部長 小川 昌寛氏がセッションで語った内容を、ダイジェストでご紹介します。

 


■ メカトロニクスとアンマンドファクトリ

IoTとAIのテクノロジーを併せて用いることで、現在、製造業にイノベーションを起こしているのが私たち安川電機です。

安川電機は100年を越す長くユニークな歴史を持った会社で、電動機、産業用エレクトロニクス、メカトロニクス、ファクトリーオートメーション、ロボティクスオートメーションと、常に製造現場に必要なテクノロジーを生み出し、変革をリードしてきました。

その特徴を表す一つが、メカニズム(機械装置)とエレクトロニクス(電子工学)を融合した概念である「メカトロニクス」です。

今では世界中で一般的に使われているこのメカトロニクスという言葉は、実は1970年頃に、安川電機により生み出された造語なのです。メカトロニクス技術は、機械の制御に電子技術を応用して高性能化を実現するもので、今日ではさまざまな産業の基盤となっています。

 

 

そして同じ頃、私たちは世界に先駆けて「アンマンドファクトリ」を提唱していました。

アンマンドファクトリとは、人間の介入を疎外する「ノーマン」な製造現場ではなく、人と協調しつつも人手に依存する作業から脱し、人間を中心に置きつつ機械と協調・共生する自動化工場を意味します。

これも私たち安川電機による造語だったのですが、当時としては画期的なもので、現在のインダストリー4.0という概念に直結するものと言えます。

 

■ i³-Mechatronics(アイキューブ・メカトロニクス)

安川電機は、「integrated(統合的、システム化)」「intelligent(知能的、インテリジェント化)」「innovative(革新的、技術革新による進化)」の3つの「i」からなる、i³-Mechatronics(アイキューブ・メカトロニクス)という次世代ソリューション・コンセプトを展開しています。

 

i³-Mechatronicsは、先ほどのアンマンドファクトリのコンセプトをさらに進化させたもので、第4次産業革命の動きに合わせたものです。

より具体的には、以前から展開する機器の進化だけではなく、デジタルデータのマネジメントによるシステム化の実現や、AI技術を活用してインサイトを組み入れていくことで新たなモノづくりの姿を進めています。

 

すでに、このi³-Mechatronicsを実現した安川電機の次世代工場「安川ソリューションファクトリ」では、これまでにないイノベーションが創出されています。

生産スピードと生産効率をそれぞれ3倍に、そしてリードタイムを1/6に短縮することに成功しており、飛躍的な生産性向上を実現しています。

また、VRやARなどを活かしたリモート管理テクノロジーを駆使して、工場における生産数、進捗状況、設備・装置の操業状況などを、別の場所にある統合司令室で一元監視しています。

 

 

■ アナリティクスデータクラウド第二章は「音響診断」

昨年、私たちは、インダストリー4.0を加速させる、生産現場を支援するIBMとの取り組みを発表しました。

この生産現場におけるIoT機器からのデータ収集と管理を発展させ、設備管理や予知保全といった業務に活かしていく、われわれが作り出したアナリティクス・クラウド・データ基盤には、製造関連の企業さまから大変大きな注目をいただきました。

参考: 生産現場のインダストリー4.0化を支援 – 安川電機との協業により、エッジコンピューティングとデータ連携するアナリティクスデータクラウド基盤を開発

 

昨年の発表時にも、分析においては数値データだけでなく、設備の保全ログなどのテキスト・データや、キズや不良を見つけるための画像データなどの適用データの拡張性については触れていましたが、現在取り組んでいるのは、特に「音」に注目した取り組みです。

現在、IBM Acoustic Insightsという音を活用した品質モニター管理ソリューションをプロセスに組み入れ、これまで高度な訓練を受けた熟練担当者にしかできなかった「音」による品質検査・判断の実証実験が急速に進んでいます。

具体的には、音の種類により、人間以上に高確率でAIが不良発生の原因を突き止められるようになる取り組みを進めています。

 

 

製造現場においては、これまでも「自走ロボット」と呼ぶのがふさわしいものがありましたが、これからは「自律ロボット」が人間を支援するようになっていきます。

そして近い将来、現在は人間が受け持っている「アナログな作業」の部分もAIとロボットがこなせるようになり、人間はさらに高度な部分を受け持つようになっていくことでしょう。

 

今後も私たち安川電機は、適用データや適応範囲の拡張を広げ、AIとIoT技術を活かした生産活動の支援を通じて人びとに豊かな暮らしをお届けしていきます。

ぜひ皆さん、安川電機の新しいテクノロジーを日本まで確認しにいらしてください。

 

関連ソリューション: IBM Acoustic Insights

 

 

参考: 生産拠点の効率化と製品品質の向上を実現する、製造プロセス最適化(PO)と、AIによる品質検査(PQI)ソリューション

参考: 3月14日東京開催「AIで進化するIoT」セミナーレポート

 

(TEXT: 八木橋パチ)

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