IBM Data and AI

次世代のデータ/AIプラットフォームによるビジネスのデジタル・トランスフォーメーション

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2020年は変革の年となりました。ほとんどの企業が、ニューノーマルへの対応がうまくいっているか、あるいは対応に最善の努力を行っている最中であると言えます。この状況を乗り越えるだけでなく組織が成功をおさめるためには、トランスフォーメーションの加速と、インテリジェンスや自動化をビジネス・プロセスに導入することで、イノベーションを進める必要があります。

IBMのエンドツーエンドのデータ/AIプラットフォームであるIBM Cloud Pak® for Dataの最新バージョンには、こうした不可欠なトランスフォーメーションを推進するための機能が詰まっています。バージョン3.5では、広範囲にわたるIBMオープンソース・サービスとサード・パーティーのサービスが1つの統合プラットフォームに集約されており、(1)コスト最適化と(2)デジタル・トランスフォーメーションを促進するイノベーション、という2つの重要な領域において、このプラットフォームが以前から有する利点を基に、機能拡張が行われています。高度な自動化や、効率化された管理と完全統合されたサービスによるコストの最適化、あるいは、AIの加速、ガバナンスの向上、エコシステムの拡張によるイノベーションの促進など、どのような形であっても、このプラットフォームはあらゆるクラウドで成功するAIの基盤を提供します。

IBM Cloud Pak for Dataへのアップグレードについて詳しくは、続きをお読みいただきバーチャル・イベント (外部リンク、要登録、英語)にご参加ください。

 

コストの削減と最適化

人材とスキルは、今日の企業にとって最大のITコスト推進要因のうちの2つと言えますが、これらは競争上の差別化においても重要な役割を果たします。最新バージョンのIBM Cloud Pak for Dataは、データとAIを大規模に提供するための、時間のかかる管理タスクや保守タスクの多くで自動化や支援を実現するだけでなく、優れたユーザー・エクスペリエンスも提供します。いくつかの重要な機能拡張の概要をご紹介します。

  1. 自動化機能の強化: 「IBM Cloud Pak for Data」Operatorは、Red Hat® OpenShift®オペレーター・フレームワークをベースとしており、インストールとライフサイクル管理をシンプルにします。自動化されたプロビジョニング、構成管理、シームレスなパッチ適用、アップグレードとスケーリングに運用上の知識が組み込まれたこのリリースは、「オートパイロット」管理の実現を支援します。このリリースでは、お客様のビジネスにおける重要なプロセスの管理と自動化に役立つ、新しいワークフローも提供します。既存の自動データ・ディスカバリー機能とクイック・スキャン機能も、バージョン3.5でパフォーマンスと拡張性が最適化されています。
  2. 管理のシンプル化: 新しいプラットフォーム管理ページには、IBM Cloud Pak for Dataでデプロイされたすべてのサービス、サービス・インスタンス、環境、およびワークフローの概要が表示されます。正常でないワークフローや保留中のワークフローは強調表示され、さらに掘り下げた情報によってプロアクティブなトラブルシューティングが可能となります。また、管理者は、個々のサービス・レベルまでリソース割り当てを設定して管理することができます。バージョン3.5にはデプロイメント・スペースと呼ばれる新しい概念も含まれています。これは、複数のランタイムの集合であり、オペレーション・エンジニアは、ジョブやオンライン・デプロイメントを、その実行場所に関係なく容易に管理できるようになります。このリリースの新しいCLIコマンドとAPIは、サービス・インスタンスの自動化と管理を支援し、アセットへのプログラム方式のアクセス、IBM Cloud Pak for Dataプロジェクトのバックアップとリストア、およびプラットフォーム・メタデータのインポート/エクスポートを可能にします。
  3. ユーザー・エクスペリエンスの向上: プラットフォームのナビゲーション・メニューに複数の更新が加えられました。これらの機能拡張は、10,000時間を超えるユーザーへのインタビューと設計リサーチがもたらした成果であり、エンド・ユーザーの生産性の向上に役立ちます。お客様はプラットフォーム・レベルでもユーザー・レベルでもユーザー・インターフェースをさらに詳細にカスタマイズできるようになりました。新しい「プラットフォーム接続」機能は、多くの組織が直面している問題に対応するものであり、これにより、管理者がプラットフォーム全体にわたってデータ・ソース接続を定義し管理するのが容易になります。管理のシンプル化というテーマの下に構築されている、IBM Cloud Pak for Dataの新しい「データ管理コンソール」では、お客様のすべてのIBMデータベースを1つのWebベースのコンソールから管理、モニター、最適化することができます。最後に、バージョン3.5には一連の流れのガイド付きフローと製品ツアーが組み込まれているため、ユーザーのオンボーディングがより速やかになり、セルフサービスで使用しやすくなります。

イノベーションとデジタル・トランスフォーメーションの推進

この激動の時代にビジネスを成功させるためには、イノベーションとトランスフォーメーションが不可欠です。IBM Cloud Pak for Dataバージョン3.5は、お客様がこれらを実現するために必要な、他にはないサービスと機能の提供に向けて、大きく進歩させています。

  1. AIの加速: IBM Cloud Pak for Dataで使用可能なIBM Watson® Machine Learning Acceleratorは、ディープ・ラーニング・サービスをデータサイエンティストに提供します。また、パフォーマンスの促進、リソース使用量の改善に加え、インストール、構成、GPU管理に関連する複雑さを軽減するための最適化を行います。詳しくはこちらのインフォグラフィックをご覧ください(英語)。このリリースでは、既存のAutoAI機能も強化されています。ユーザーはトレーニング実験の入力として複数のデータ・ストアを利用できます。データサイエンティストは、共通の列(つまりキー)に基づいてデータ・セットを組み合わせ、統合されたデータ・セットを作成して、AutoAI実験の入力として使用できます。バージョン3.5でプラットフォームに追加されたもう1つのまったく新しい機能として、フェデレーテッド・ラーニング(テクニカル・プレビュー)があります。この先進機能により、企業は分散データ・セット全体にわたってモデルのトレーニングと作成を行うことができるため、データ・セキュリティーを確実に維持する事が可能となります。
  2. ガバナンスとセキュリティーの強化: バージョン3.5で導入されたユーザー・グループを使用して、管理者は、同じ許可を必要とする多数のユーザーを簡単に管理できます。ユーザー・グループの作成時には、グループのすべてのメンバーが持つこととなる役割を指定します。また、個々のユーザーにアクセス権限を割り当てるのと同じように、そのユーザー・グループに対してプラットフォーム上のさまざまなアセットへのアクセス権限を割り当てることができます。最新リリースのもう1つの新機能であるセキュリティー・ボールトでは、アクセスを保護し、トークン、データベース資格情報、APIキー、パスワード、および証明書を一箇所に保存するための一連のAPIが導入されています。
  3. 成長するエコシステムの拡張: エコシステムはIBM Cloud Pak for Dataの重要なコンポーネントであり、バージョン3.5では、IBMとサード・パーティーの独立系ソフトウェア・ベンダー(ISV)の両方からプラットフォームに多数の新サービスが提供されます。また、お客様はRed HatおよびTech Data Marketplaceを介してIBM Cloud Pak for Dataに簡単にアクセスできるようになるだけでなく、IBM Z® Systemsのサポート (英語)も容易になります。

 

IBM Cloud Pak for Data 3.5により、プラットフォームで以下の新しいサービスも利用できるようになります。

  • IBM OpenPages®。ガバナンス・リスクおよびコンプライアンスのための先進のオファリングで、他のIBMデータ・ガバナンス機能を補完します。
  • IBM Open Data for Industries。OSDUオープン・スタンダードに基づく石油・ガス業界向けの新しいソリューションで、幅広いデータ・タイプにわたってデータ・セットの相互運用および交換を実現します。
  • Knowledge Accelerators。事前に作成されたキュレート済みの業界固有コンテンツが含まれ、迅速な実装を支援すると同時に、すぐに使用可能なコンプライアンス・サポートを提供して業界の標準および規制に対応できるようにします。
  • また、バージョン3.5ではサービス提供元として新しく9社のISVが参入し、プラットフォームに統合されたサード・パーティーISVサービスの総数は50を超えました。新しい参入の中でも注目すべきは、広く利用されているオープンソース・データベースのEnterprise DB Postgres、キャッシュ用インメモリー・データ・グリッドのHazelcast、IBM Cloud Pak for Dataでテストおよび認定されたクラウドネイティブのバックアップ/リカバリー・ソリューションのTrilioです。

 

あらゆる企業が新しい市場の現実への適応を図っている中では、イニシアチブを取ってこの機会を活用し、自らのアーキテクチャーの合理化、統合、変革を図る企業が、進化するアジャイルな未来に向けたモダナイズで優位に立つことになります。IBM Cloud Pak for Dataはまさにそれを可能にします。

新リリースがもたらす価値について直接エキスパートから意見を聞くには、バーチャル・イベントにご参加ください(外部ページ、要登録、英語)。またはSteve Astorinoのブログ製品概要(英語)をご覧ください。

 

原文:November 10, 2020, “Digitally transform your business with a next generation data and AI platform” (https://www.ibm.com/blogs/journey-to-ai/2020/11/transform-your-business-with-ibm-cloud-pak-for-data-v3-5/ (英語))

 

関連ブログ:IBM Cloud Pak for Dataのアップデートにより、さらなる自動化とデジタル・トランスフォーメーションのスピードアップを実現

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