04:お客様事例
可観測性のメリット
全体として、可観測性を導入することでITシステムの機能状況の可視性が高まり、ITシステムの理解、監視、更新、修復が容易になります。しかし、可観測性のメリットはこれだけにはとどまりません。
開発の初期段階で問題を把握して解決
ソフトウェア開発プロセスの初期段階から可観測性を使用すると、DevOpsチームは新規コードの問題を直ちに特定して修正できるため、アプリケーション・ライフサイクルがかなり進んだ段階でエンド・ユーザーの体験に悪影響が出てから問題の解決に取り掛かるような事態がなくなります。
自動的に拡大
お客様のシステムや業務内容がスケールアップしても、可観測性のメリットを受け続けることができます。例えば、Kubernetesクラスター構成の一部としてインスツルメンテーションとデータ・アグリゲーションを指定し、スピンアップする瞬間からスピンダウンするまでテレメトリーの収集を開始できます。
自動修復の実現
可観測性をAIOps、機械学習、自動化と組み合わせると、システムの出力に基づいて問題を予測して手動介入なしに解決します。つまり自己修復アプリケーション・インフラストラクチャーです。こうした機能によりダウンタイム、故障、障害ポイントが最小限に抑えられることでDevOpsなどのチームがこうした作業から解放され、IT全体の効率が向上します。
可観測性をご利用されているお客様事例をご紹介いたします。
PathMotion社
PathMotion社
可観測性のマイクロサービスとコンテナ・リソースが、従業員候補者と雇用者を結び付けています。
PathMotion社は、企業への応募者と採用担当者をつなぐ、クラウド・ベースの人材獲得およびエンプロイヤー・ブランディングのプラットフォームを運営しています。同社は、オンプレミスのモノリシック・アプリケーションのモダナイズとクラウドへの移行を進める中で、可観測性を導入するジャーニーに着手しました。同社は、コンテナ化されたマイクロサービスがもたらすスピードと複雑性に対応できる、最新の可観測性とモニタリング機能を備えたソリューションを必要としていました。
Instanaの実装により、PathMotion社はKubernetesなどのコンテナ・オーケストレーション・プラットホーム上で動作するマイクロサービス・アーキテクチャーやソフトウェアのパフォーマンスを、自動的に視覚化して監視できるようになりました。これにより、同社は仮想マシンを10%削減して、他の場所にリソースをより多く配置できるようになりました。また、リソースに負荷がかかっている状況では警告を表示するように設定しています。
「マイクロサービスの通信状況を測定し、プラットフォーム内の全コンポーネント間の接続のパフォーマンスを理解することが、極めて重要な時代になってきました」
-Mehdi Mahfoudi氏
PathMotion社、DevOpsエンジニア
Rebendo AB社
Rebendo AB社
可観測性がもたらすリアルタイムの可視性によって、システム内の未知の問題を可視化しています。
パフォーマンス管理ソリューションの開発者であるRebendo AB社は、オーダーメイドの詳細なダッシュボードの作成に特化した企業で、社内ITやネットワーク運用の可視性向上に貢献しています。しかし、同社のお客様の多くはITの問題に直面したときに問題を報告してくることはあっても、原因を究明できませんでした。
こうしたことから、Rebendo社は2021年の初頭にRebendo Insightという新たなサービスを開始しました。このサービスは、アプリケーション・プロセスを包括的にリアルタイムに監視することで、スムーズな業務推進を支援します。この新しいソリューションで提供される集中管理ダッシュボードに加えて、IBM Instanaのクラウド・エンジンを利用することで、ユーザーはアプリケーションやサービスの問題をリアルタイムで監視し、モニタリングして、解決することが可能になります。
Rebendo Insightのリアルタイム・モニタリングで効率性の向上と問題解決の迅速化が促進されます。そしてこの洞察の精度は毎秒更新されるため、競合他社のプラットフォームと比較して大きな利点となります。
Devereux Advanced Behavioral Health
Devereux Advanced Behavioral Health
全国的な行動医療組織においてシステムの洞察力を向上して信頼性を確保しています。
Devereux Advanced Behavioral Healthは、進化を続ける行動医療の分野における米国最大級の非営利組織であり、各種のサービスと洞察を提供する同分野のリーダー的存在です。同組織は、医師、教育者、その他の支援提供者から構成される様々なチームと継続的な情報共有とコラボレーションを図ることで、感情、行動、認知の面で違いを抱えて生きる人々を支援しています。
こうした組織の事情から、Devereuxはインシデント追跡と電子カルテ(EHR)システムの課題を解決するためにIBM SevOne Network Performance Managementソフトウェアを実装して、システムの洞察を向上させるとともに信頼性を向上させました。これにより、エンド・ユーザーが影響を受ける前に問題の約40%が事前に検出され、SANキャパシティー問題当たりのダウンタイムを3時間削減しました。
「以前は、問題の把握にかなりの時間が費やされていました。さらに問題の根本的な原因を発見することにもエネルギーが費やされていたため、貴重な成長や改善の機会も失われていました。今では多くの洞察が得られるようになりました」
-Tom Shurer氏
Devereux Advanced Behavioral Health、情報リソース担当副社長
05:実装
企業全体に可観測性を採り入れるメリット