現在第3版となっているIBMの「誰にでもわかるブロックチェーン」は、これまで6万8,000人を超える読者にブロックチェーンのご紹介をしてきました。
以下は、その内容の一部です。
ブロックチェーンの定義:ブロックチェーン とは、ビジネス・ネットワークにおいてトランザクションを記録し、資産を追跡するプロセスを容易にする、変更不可能な共有台帳です。 資産 には有形の資産(家、車、現金、土地など)と無形の資産(知的財産、特許、著作権、ブランディングなど)があります。 実質的に、価値のあるものは何でもブロックチェーン・ネットワーク上で追跡して取引することができ、あらゆる関係者のリスクを軽減し、コストを削減することができます。
ブロックチェーンが重要な理由:ビジネスは情報に基づいて成り立っています。 情報をより速く受信し情報の精度が上がると、ビジネスが効率化します。 ブロックチェーンがこのような情報を提供するために最適なのは、許可されたネットワーク・メンバーのみがアクセスできる変更不可能な台帳に保管された、透明性の高い即時の共有情報を提供するためです。 ブロックチェーン・ネットワークは、注文、決済、アカウント、製造など、さまざまなものを追跡できます。 また、メンバーが1つしかない真実の情報を共有し、エンドツーエンドでトランザクションの詳細を確認することができるため、情報の信頼性が高まるだけでなく、新たな効率性と機会を得ることもできます。
すべてのネットワーク参加者が、分散台帳と変更不可能なトランザクション記録にアクセスできます。 この共有台帳により、各トランザクションを記録するのは一度のみとなり、従来のビジネス・ネットワークにありがちな作業の重複がなくなります。
参加者は、一度共有台帳に記録されたトランザクションを後で変更したり改ざんしたりすることはできません。 トランザクションの記録にエラーが 含まれていた 場合は、そのエラーを訂正するための新しいトランザクションを追加する必要があり、両方のトランザクションを確認することができます。
トランザクションを高速化するために、スマート・コントラクトと呼ばれる一連の規則がブロックチェーンに保管され、自動的に実行されます。 スマート・コントラクトでは、社債の譲渡条件を定義したり、旅行保険の支払い条件を含めたり、あるいはその他にも非常に多くのことが可能です。
これらのトランザクションは、有形資産(製品など)や無形資産(知的財産など)の移動を示しています。 データ・ブロックには、誰が、何を、いつ、どこで、どのくらい、どのような条件で(食品の出荷の温度など)といった任意の情報を記録することができます。
これらのブロックは、資産がある場所から別の場所に移動したり、所有権が変更されたりしたときに、データのチェーンを形成します。 ブロックはトランザクションの正確な時刻と順序を確認し、ブロック間のリンクを保護することで、ブロックが変更されたり、2つの既存のブロックの間にブロックが挿入されたりすることを防止します。
各追加ブロックが前のブロックの検証を強化するため、ブロックチェーン全体の検証が強化されます。 これによりブロックチェーンの改ざんが明らかになり、データの不変性を確実なものにできます。 これにより、悪意のある行為者によって改ざんされる可能性がなくなり、お客様と他のネットワーク・メンバーが信頼できる、トランザクションの台帳が構築されます。
変更が必要なこと:オペレーションでは、重複レコードの保持や第三者による検証のために無駄な作業が必要になることがよくあります。 記録保持システムは、不正行為やサイバー攻撃に対して脆弱になることがあります。 データの透明性が損なわれるとデータ検証に時間がかかります。 IoTの出現によりトランザクションのボリュームが爆発的に増大しました。 これによりビジネスのスピードが下がり、収益にマイナスの影響が発生するため、改善が必要です。 このような問題の解決に役立つのがブロックチェーンです。
メンバー専用ネットワークのメンバーとしてブロックチェーンを使用することで、正確でタイムリーなデータを受け取っていること、機密のブロックチェーン・レコードは特別に権限を付与したネットワーク・メンバーのみで共有されるということが保証されるため、安心することができます。
データの正確性に関するコンセンサスは、すべてのネットワーク・メンバーから得る必要があります。また、すべての検証済みトランザクションは、永続的に記録されるため、変更不可能です。 システム管理者であっても、トランザクションを削除することはできません。
ネットワークのメンバー間で共有される分散台帳を使用すると、時間のかかるレコードの照合が不要になります。 また、トランザクションを高速化するために、スマート・コントラクトと呼ばれる一連の規則をブロックチェーンに保管し、自動的に実行することができます。
ブロックチェーン・テクノロジーの基本についてご紹介します。価値のあるものを表すデータがどのようにブロックに入っているのか、不変のチェーンの中でブロックがどのように時系列的につながっているのか、ブロックチェーンとビットコインの暗号通貨の違いは何か、などのご説明となります。
ブロックチェーンの分散性が従来の記録の保存方法とどのように違うのか、ビジネス取引における許可型ブロックチェーンの価値、ブロックチェーンが新しいレベルの信頼性と透明性を促進する方法についてご説明します。
食品業界は、ブロックチェーン・テクノロジーを通じて変革を起こしている多くの業界の1つに過ぎません。 食材がいつ、どこで、どのように成長し、収穫され、出荷され、加工されたかについて、ネットワーク参加者のデータを常に保護しながら追跡する方法をご説明します。
ブロックチェーンは真実に関する共有記録であるからこその信頼性を生み出します。 誰もが信頼できるデータは、効率性、透明性、および信頼性を大きく向上させる他の新たなテクノロジーを推進します。
パブリック・ブロックチェーンは、ビットコインのように、誰でも参加できるブロックチェーンです。 欠点としては、かなりの計算能力が必要であること、トランザクションにプライバシーがほとんど、あるいはまったくないこと、そしてセキュリティーが弱いことが挙げられます。 これらは、企業がブロックチェーンを 利用する際の 重要な考慮事項です。
プライベート・ブロックチェーン・ネットワークは、パブリック・ブロックチェーン・ネットワークと同様に、分散型のP2Pネットワークです。 ただし、1つの組織が、ネットワークを統制し、誰が参加できるかを制御し、コンセンサス・プロトコルを実行し、共有された台帳を維持します。 ユースケースによっては、参加者間の信頼性と確信度を大幅に向上させることができます。 プライベート・ブロックチェーンは企業ファイアウォールの内側で実行することができ、オンプレミスでホストすることもできます。
一般的に、プライベート・ブロックチェーンを構築する企業では、許可制ブロックチェーン・ネットワークを構築します。 パブリック・ブロックチェーン・ネットワークも許可制にすることができるのでご注意ください。 この許可制とは、ネットワークに誰が参加できるか、どのトランザクションに参加できるかを制限するものです。 参加をするためには、招待されるか許可を得る必要があります。
ブロックチェーンを維持する責任を複数の組織で共有できます。 事前に選択されたこれらの組織は、トランザクションを実行依頼するユーザーまたはデータにアクセスできるユーザーを決定します。 コンソーシアム・ブロックチェーンは、すべての参加者を許可制にする必要があり、 すべての参加者でブロックチェーンに対する責任を共有するようなビジネスに最適です。
企業のブロックチェーン・アプリケーションを構築する際には、サイバーセキュリティー・フレームワーク、保証サービス、ベスト・プラクティスを活用した包括的なセキュリティー戦略を構築して、攻撃や不正行為に対するリスクを軽減することが重要です。
IBM Food Trustは、あらゆる海産物を水揚げ時からスーパーマーケットやレストランまで追跡し、Raw Seafoods社が食品サプライチェーン全体の信頼性を高めることを支援しています。
INBLOCK社は、デジタル資産のトランザクションをより速く便利で安全にするために、Hyperledger Fabricを基盤とした暗号通貨のMetacoinを発行しています。
IBM Blockchain Platformは、お客様のエコシステムによる患者のケアと収益性の改善に貢献するため、信頼性、データ来歴、効率性を確保する方法を変えることができます。 レポートを読む:ヘルスケアの成果を変革(PDF, 188KB)
Golden State Foods社がブロックチェーンの不変性を利用して、自社サプライチェーン全体で商品を追跡し、食品の品質保証に役立てている方法を紹介します。
Vertrax社とChateau Software社は、大量の石油とガスを流通させるサプライチェーンの中断防止に役立てるため、IBM Blockchain Platformに構築した初のマルチクラウド・ブロックチェーン・ソリューションを開始しました。
Home Depot社は、IBM Blockchainを利用して、出荷済み商品と受領済み商品に関する信頼できる共有情報を得ることにより、納入業者との問題を減らし解決を促進しています。
ビットコインは、規制されていないデジタル通貨です。 ビットコインは取引台帳としてブロックチェーン・テクノロジーを使用しています。
この動画では、ブロックチェーンとビットコインの違いをご説明しています。
IBM Blockchain Platformは、Hyperledgerテクノロジーを採用しています。
このブロックチェーン・ソリューションを使用することで、どの開発者もブロックチェーンの開発者になることができます。
詳細については、HyperledgerのWebサイトをご覧ください。
IBM Blockchain Platform Softwareは、Red Hatの最新鋭の企業向けKubernetesプラットフォームである、Red Hat® OpenShift®に導入するために最適化されています。
つまり、オンプレミス、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドのいずれのアーキテクチャーでも、ブロックチェーン・ネットワークのコンポーネントを導入する場所として選択できるという、より高い柔軟性があります。
ブロックチェーン・ネットワークが動作する仕組みと、その使用方法に関する詳細については、分散台帳の概要をお読みください。
IBM Developerのブロックチェーン・チュートリアルはこちら
IBM Blockchain Platformは、複数企業で構成されるビジネス・ネットワークの開発、ガバナンス、オペレーションの促進を目的に設計された、唯一の完全に統合されたすぐに使える企業向けブロックチェーン・プラットフォームです。その機能については、こちらをご覧ください。
登録して、IBM Blockchain Platformのホワイト・ペーパーをダウンロードする (PDF、616 KB)
Hyperledger Fabricの他にはない機能、ビジネス・ネットワークにとって重要な理由、使い始める方法について詳しくご紹介しています。
IBM DeveloperのHyperledgerのページはこちら
開発者向けクイック・スタート・ガイドでは、キックスターター・ブロックチェーン・ネットワークの構築方法と、IBM Blockchain Platform Starter Planを使ったコーディングの始め方について説明しています。
開発者向けクイック・スタート・ガイド
主要なHyperledger FabricプラットフォームであるIBM Blockchain Platformは、Red Hat® OpenShift®によってあらゆるコンピューティング環境でブロックチェーン・ソリューションを構築、運営、統治して成長させようと考えている、技術革新企業の注目を集めています。
最高レベルのブロックチェーン・サービス・プロバイダーであるIBM Blockchain Servicesには、最高のテクノロジーをベースにした強力なソリューションの構築を支援する専門知識があります。 1,600名を超えるブロックチェーンのエキスパートが100以上のライブ・ネットワークから得た洞察を活用して、お客様の構築と成長を支援します。
IBM Blockchainソリューションを採用することは、ブロックチェーンを成功に導く最短の方法となります。 IBMは、食料供給、サプライチェーン、トレード・ファイナンス、金融サービス、保険、メディア、広告などを変革するための他の企業の取り組みに簡単に参加できるような仕組みを実現するために、ネットワークを構築しています。
ブロックチェーンを初めて体験する5人のアーティストに、その主要なメリットに関するアート作品の作成を依頼しました。 新しいWebセミナーのシリーズであるBlockpartyで、彼らの作品や、IBMのお客様やビジネス・パートナーからの意見をご覧ください。
オンラインにはブロックチェーンに関するコンテンツがあふれています。 その中でIBM Blockchain Pulse Blogは、100万を超える読者にとって、ブロックチェーンのソート・リーダーシップと洞察を得ることのできる、最も信頼できる情報源の1つになっています。
ブロックチェーンの革新者の皆様が語る有益な知識に、ヘッドホンをして耳を傾けましょう。 IDの不正使用をユーザー自身の手で防止したり、世界の貧困や汚染と闘ったりするために、ブロックチェーンがいかに役立つかについてご説明します。
IBM Blockchain Platformを使用してイノベーターがビジネスを変革する方法からヒントが得られます。 既存のブロックチェーン・ネットワークに参加することも、IBMと共同で独自のネットワークを構築することもできます。
IBM Blockchainを活用して具体的な事業成果を得ることで、IBMのお客様がどのように組織を変革しているかをご覧ください。