コンタクト・センター・エクスペリエンスとは、サポート、問い合わせ、サービス・リクエストなどで、顧客が企業のコンタクト・センターに連絡する際のやりとり全般を指します。コンタクト・センターは、顧客との連絡を処理するための組織のハブです。こうした連絡には電話、Eメール、リアルタイム・メッセージの送受信、ソーシャル・メディアでのやり取り、そしてバーチャル・アシスタントやチャットボットなどの自動化サービスが含まれます。こうした顧客体験は、顧客満足度の向上、顧客維持率の改善、ブランドロイヤルティの維持に不可欠です。
現在のカスタマー・サービスに関するランドスケープでは、顧客の期待は高くなっています。複数の部門をまたいで一貫したエクスペリエンスを期待する顧客は76%におよびますが、そのニーズが満たされていると感じているのは 54%にすぎません1。多くの組織では、AI ソリューションと主なオートメーションを導入して、人間のエージェントのパフォーマンスを強化し、セルフサービスに対する顧客の期待に応え、複数のデジタル・チャネルにわたってやり取りの追跡を行っています。
統一的な顧客重視のコンタクト・センター・エクスペリエンスがあれば、顧客離れを減らし、ポジティブな顧客エクスペリエンスを促進し、収益を増やすことができます。通常、コンタクト・センター・エクスペリエンスのアーキテクトは、障害物を減らし、顧客の抵抗感を軽減することに重点を置いています。新規顧客を獲得するのは、全体として既存の顧客を維持するよりもコストがかかります。カスタマー・ジャーニーの一環としてシームレスなコンタクト・センター・エクスペリエンスを提供することが、ビジネスにとってクリティカルな要素になる場合もあります。
コンタクト・センターは、顧客が担当者に連絡し、問題解決に着手してカスタマー・サポートを受けるための一元化されたハブです。以下のインタラクションが含まれます。
セルフサービスポータル: IVR(音声自動応答)やAI搭載のチャットボットなどの自動化システムにより、ユーザーが人間とのやり取りなしで問題を解決できるよう支援するもの。
音声通話:電話での会話による従来型のカスタマー・サポート
ライブチャット:ウェブサイトまたはモバイル・アプリケーションによるリアルタイムチャットサポート
Eメール:緊急性の低い問い合わせや、詳細な回答が必要な複雑な問題の場合
ソーシャル・メディア: Twitter、Facebook、Instagramなどのプラットフォームも、カスタマー・サポートの場として普及しています
コンタクト・センターとコールセンターはしばしば同じ意味で使用されますが、サービスの範囲、コミュニケーションの手段、顧客とのやり取りの管理方法という点で、カスタマー・サービスにおいてはそれぞれ別個の役割を担っています。コールセンターの担当者が主にカスタマー・サポートの通話に対応する一方、コンタクト・センターはより包括的なカスタマー・サービスを提供します。本質的にオムニチャネルであるコンタクト・センターは、複数のデジタル・プラットフォームからの問い合わせを管理し、企業と連絡を取るための幅広い方法を顧客に提供します。
コンタクト・センターでは、カスタマー・リレーションシップ管理(CRM)システムと一貫性のあるナレッジ・ベースを使用して、複数の異なるチャネルに由来する顧客データを統合できる点に特色があります。これらのデータベースにより、担当者はこれまでの連絡をすべて記録した完全な履歴にアクセスして、よりパーソナライズされた、充実した情報に基づくカスタマー・サービスを提供できるようになります。マルチデバイス/マルチプラットフォーム体制においてより堅牢なデータ・セットを収集して分析できることから、こうしたシステムではより高度な分析も促進されます。
優れたコンタクトセンターのエクスペリエンスは、企業と顧客の双方にメリットをもたらします。コンタクトセンターのワークフローを重視することは、目先の問題解決にとどまらず、長期的なカスタマー・リレーションシップを構築し、ロイヤルティを高め、ビジネスの全体的な業績を向上させる上で極めて重要な役割を果たします。統一的なコンタクトセンター・エクスペリエンスのメリットには以下のものが挙げられます。
適切に構築されたコンタクト・センター・エクスペリエンスは、運用効率を向上させます。AI搭載のチャットボットを使用してセルフサービス・オプションを自動化し、担当者を十分にトレーニングすることで、組織は問題をより迅速に解決し、繰り返し連絡する必要性を減らすことができます。こうした効率の向上により、運用コストが削減され、サービスの品質を損なうことなく効率的にビジネスを拡張できるようになります。
ポジティブなコンタクト・センター・エクスペリエンスによって、顧客のニーズに迅速、効率的、かつプロフェッショナルに応えられるようになります。顧客が満足すれば、ロイヤルティを維持し、繰り返し購入し、そのブランドやサービスを他の人に勧める可能性も高まります。
高品質のサポートとパーソナライズされたやり取りを一貫して提供する企業には、顧客が定着する可能性が高くなります。ロイヤルティが高い顧客はしばしば生涯価値も高く、ブランドの支持者になる頻度も高まります。
現代的なコンタクト・センターは、テクノロジーとデータを利用して、パーソナライズされたエクスペリエンスを提供することができます。顧客の過去のやり取り、購入履歴、好みにアクセスすることで、担当者はそれぞれの顧客の特定のニーズに合わせて対応を調整し、より魅力的で適切なエクスペリエンスを生み出すことができます。
インテリジェントなコンタクト・センターは問題を解決するだけでなく、価値ある顧客データを収集して組織がさまざまなチャネルにわたるやり取りを分析できるようにします。このデータを使用することで、企業は顧客の問題点、好み、行動パターンをより深く理解できるようになります。こうした洞察は、製品、サービス、プロセスの改善に役立てることができ、企業が顧客のニーズを予測し、問題を事前に解決しておくことが可能になります。
コンタクト・センターでの担当者のためのテクノロジー、トレーニング、サポート環境に投資することで、より良い労働環境にもつながります。従業員の満足度が高まることで、離職率が低下し、より安定した知識の豊富な労働力を作り上げます。
優れたコンタクト・センター・エクスペリエンスは、アップセルとクロスセルの機会を生み出すことができます。顧客とのやりとりがポジティブなものであれば、販売機会を特定して売上を伸ばすことで、コンタクトセンターはコストセンターから収益創出のハブになることができます。
統合コンタクト・センターは、顧客とのすべてのやり取りとデータを安全な単独のプラットフォームに一元化し、断片化されたシステムや一貫性のないセキュリティー慣行に起因するデータ侵害のリスクを軽減します。
合理化され一元化されたコンタクト・センターがあれば、複数の別個のプラットフォームやシステムは不要になり、運用コストを削減しつつ効率を向上させることができます。統合コンタクト・センターはまた、ITオーバーヘッドの削減と研修コストの抑制にもつながります。
統合コンタクト・センターは、異種のツール、コミュニケーションチャネル、データ管理を、一貫性のある単独のソリューションに一元化することで、IT保守を簡素化します。このアプローチによりって統合に関する問題が減り、ITチームはより効率的にシステムを管理することができます。
一元化されたコンタクト・センター・エクスペリエンスは、新入社員のオンボーディングをより簡単に、より迅速にします。研修のプロセスを簡素化し、顧客データに即座にアクセスできることから、顧客とのすべてのやり取りで一貫したサービス品質を確保することができます。
コンタクト・センターは、顧客とのやり取りの対応方法やコミュニケーションに使用するチャネルに応じてさまざまな種類に分けられます。コンタクト・センター・エクスペリエンスの主な種類は次のとおりです。
インバウンド・コンタクト・センターは、主に顧客とのコミュニケーションに対応します。このタイプのコンタクト・センターでは、通常、顧客からの問い合わせ、サービスリクエスト、またはサポートの問題への対応に重点が置かれます。顧客は通常、音声通話、Eメール、ライブチャットなどのチャネルを通じてやり取りを開始します。一般的なインバウンド・コンタクト・センターのサービスには、カスタマー・サポート、ヘルプデスク、アカウント管理などがあります。インバウンド・コンタクト・センターのエクスペリエンスが成功すれば、より迅速で実りある対応と問題解決につながります。全体としてはお客様の問題を可能な限り効率的に解決することを目指しており、多くの場合は初回連絡での解決(FCR)に重点を置いています。
アウトバウンド・コンタクト・センターでは、通常、販売、マーケティング、または積極的なカスタマー・サービス活動のために担当者から顧客に連絡します。顧客から企業への連絡を待つのではなく、アウトバウンド・コンタクト・センターがやり取りを主導します。ここには、テレマーケティングなどで見込み顧客または既存顧客に連絡して製品を宣伝したり、最近の購入に関するフィードバックを収集するなどの活動が含まれます。アウトバウンド・カスタマー・サポートにはまた、最近のやり取りに関するフォローアップや、過去に提供したサービスのアップデートなど、事前対応型のサポートも含まれます。アウトバウンド・コンタクト・センターのエクスペリエンスを成功させるには、顧客の時間を尊重し、適切かつタイムリーなコミュニケーションを確保することが必要です。
マルチチャネル・コンタクト・センターは、音声通話、Eメール、SMS、ライブチャット、ソーシャル・メディアなど、複数の異なる通信チャネルを通じて顧客エンゲージメントとサポートを提供します。マルチチャネル・コンタクト・センターでは、顧客は自分のニーズに最適なチャネルを選択できます。ただしこのタイプのセンターでは、コンタクト・センターの担当者が複数のプラットフォームにわたるやり取りを管理する一方で、しばしばチャネルがサイロ化されがちです。つまる、あるチャネル(音声通話など)を通じて始まったやり取りが、別のチャネル(チャットボットなど)につながらない場合があります。その結果、顧客はチャネルを切り替える際に情報を繰り返して伝えなければならず、エクスペリエンスの断片化につながるおそれがあります。
オムニチャネル・コンタクト・センターは、すべてのコミュニケーション・チャネルを統合プラットフォームに一元化することで、マルチチャネル・アプローチの効果を高めます。これにより、異なるチャネル間でのやり取りがつながり、よりシームレスな顧客体験が可能になります。オムニチャネル・コンタクト・センターのエクスペリエンスでは、顧客はあるチャネルでやり取りを開始した後、同じ内容を繰り返すことなく別のチャネルでやり取りを続けることができます。担当者は通常、すべてのタッチポイントでの顧客の履歴を記載した一元的な顧客プロファイルにアクセスできるため、よりパーソナライズされた、充実した情報に基づくサービスが可能になります。
理想的なオムニチャネル・コンタクト・センターでは、顧客は同じ水準のサービス、応答時間、サポートの品質を体験することができます。柔軟性を高め、スムーズで一貫性のあるエクスペリエンスを確保することで、このアプローチは顧客満足度を向上させます。また、消費者がデジタルと従来のチャネルを組み合わせてコミュニケーションを行うことに慣れている、現在のカスタマー・サービスのランドスケープにおいても価値あるアプローチです。
業界固有のコンタクト・センターは、医療や金融など、特定の業種・業務に特有の要件や規制に特化したものです。これらのコンタクト・センターは通常、顧客からの問い合わせや専門分野に関連するワークフローを処理し、関連するトレーニングやテクノロジーを組み込むように設計されています。たとえば、医療分野で顧客からの問い合わせに対応するコンタクト・センターは、プライバシーとセキュリティーを確保するために、HIPPAなどの厳格なデータ規制に従っている場合があります。これらのセンターでは、業界固有のソフトウェアなど、カスタマイズされたテクノロジーを使用する場合もあります。
バーチャル・コンタクト・センターでは、担当者は通常リモートで作業することができ、クラウドベースのシステムを使用して顧客とのやり取りを管理します。担当者はさまざまな場所に分散している場合や、自宅からリモートで作業する場合があります。バーチャル・コンタクト・センターにより、企業はグローバルな人材プールを活用し、採用オプションを拡大することができます。こうしたグローバルなカスタマー・コンタクト・センターは拡張も簡単で、企業は需要に応じて迅速に担当者を追加・削減することができます。
オンプレミス・コンタクト・センターは、企業の所在地で物理的に設置・管理されるハードウェアとソフトウェアを使って運営します。この従来型モデルでは、組織はインフラストラクチャ、データ、システムを全面的に制御できますが、通常はハードウェアへの多額の先行投資と継続的な保守が必要になります。このモデルではすべてのデータがオンプレミスに保管されるため、企業はデータの取り扱い、アクセス、管理方法を厳密に制御できます。このソリューションは、医療業界や金融業界など、機密性の高い、または規制の厳しいデータを扱うコンタクト・センターに適している場合があります。
クラウド・コンタクト・センターでは、すべてのカスタマー・サービスのオペレーションとテクノロジーをクラウドのプラットフォームでホストし、企業はインターネットを介して顧客とのやり取りを管理できます。オンプレミスのハードウェアを必要とする従来のコンタクト・センターとは異なり、クラウド・コンタクト・センターは柔軟性と拡張性に優れています。オンプレミスのコンタクト・センターと比較すると、クラウド・コンタクト・センターでは一般にインフラストラクチャのコストを低く抑えられることから、企業はリモートワークの選択肢の提供やグローバルな拡大が可能になります。
ハイブリッド・コンタクト・センターは、オンプレミスとクラウドベースの両方のソリューションを組み合わせ、クラウド・サービスの柔軟性を提供しつつ、一部のインフラストラクチャをオンサイトに保持して、機密データや特定のプロセスの制御を強化します。このようなタイプのコンタクト・センターは、オンプレミスのシステムからクラウド・ソリューションへと段階的に移行する場合や、機密データやワークフローを厳密に管理しつつクラウドを使用するハイブリッド・モデルを維持する場合があります。
コンタクト・センターでは、顧客体験を向上させ、オペレーションを合理化し、効率を高めるために、いくつかのコンタクト・センター・テクノロジーを使用します。これらのテクノロジーは、コミュニケーションの強化、問題解決までの時間の短縮、複数のチャネルにわたるパーソナライズされたサポートの提供といった点でクリティカルな役割を担います。最新のコンタクト・センターにデプロイされている主なテクノロジーには以下のものがあります。
チャットボットとAI搭載バーチャル・アシスタントは、テキストまたは音声を通じて顧客の問い合わせを処理するもので、多くの場合はWebサイト、モバイル・アプリケーション、メッセージング・プラットフォームにデプロイされます。これらのシステムにより、人間の担当者のワークロードが軽減され、迅速な回答を求める顧客にとっては可用性と応答時間が向上します。
AIと機械学習テクノロジーは、大規模なデータ・セットの分析、プロセスの自動化、カスタマー・サポート・システムの強化への利用がますます進んでいます。AIは、通話のルーティング、質問への回答、リアルタイムでのエージェント・サポートの提供、過去のやり取りに基づく顧客行動の予測などを支援します。
IVR(音声自動応答)は、顧客が音声による指示またはキーパッドによるインプットを通じてコンピューターを操作できる自動化システムです。IVRは通常、口座残高の確認やセルフサービス機能による顧客案内など、単純なタスクの処理に使用されます。IVRは、簡単な問い合わせに対するセルフサービスの選択肢を提供して電話での問い合わせを削減する他、時間帯を問わずいつでも利用することができます。
CRMシステムは、連絡の履歴や過去の製品購入、選好などの詳細な顧客データを保管する、一元化されたコンタクト・センター・ソフトウェアです。これらのツールにより、顧客に合わせてパーソナライズされた連絡が可能になり、顧客が同じ情報を繰り返し伝えずに済むことで効率が向上し、問題をより迅速に解決できます。
音声およびテキスト分析テクノロジーは、AI を使用して音声通話を分析し、会話内のキーワード、フレーズ、感情的なトーンを識別します。感情分析は、やりとりでの感情的な内容を評価し、消費者の満足や不満を検出します。どちらも、消費者の感情の傾向とパターンを特定するのに役立ち、リアルタイムの洞察を提供して、担当者がアプローチを調整できるようにします。
コンタクト・センターの成功度の測定に使用されるKPIは、具体的なビジネス目標によって大きく異なります。たとえばITサポートハブは、顧客の苦情を処理するセンターとは異なるメトリクスに依存します。それでも、コンタクトセンターのエクスペリエンスに適用される最も一般的なメトリクスとしては以下のものがあります。
NPSは「この製品/会社を友人や同僚に薦める可能性はどの程度ありますか? 1~10の10段階でお答えください」という簡単な質問で顧客ロイヤルティを測定します。その後、回答に基づいて回答者にスコアを割り当てます。NPSのスコアが高いほど顧客ロイヤルティが高いことを示し、またコンタクト・センター全体のエクスペリエンスがより好ましいことを示します。
CSATは顧客からのフィードバックを利用するもので、具体的なやり取りに対する顧客の満足度を直接測定します。コンタクト・センターへの問い合わせ後、顧客は通常、1(非常に不満)~5(非常に満足)までの段階で満足度を評価するよう求められます。
CESは、顧客にとっての問題解決やリクエストの完了がどの程度簡単であったかを評価します。やり取りの後、顧客は「今日の問題解決の作業はどのくらい簡単でしたか?」といった質問に数字で答えます。CESは顧客のフリクションと待ち時間を軽減することに重点を置いています。
「ファースト・コール解決」とも呼ばれる初回連絡での解決は、重要な運用メトリクスです。フォローアップの必要なしに、顧客の問題が初回のやり取りで解決された割合を測定します。FCRは、コンタクト・センターの効率と顧客満足度を示す強力な指標です。FCRを改善すると、顧客体験が向上するだけでなく、問い合わせの全体量も削減することができます。
AHTでは、会話の時間、対応の時間、連絡後の作業を含む、顧客とのやりとりの平均時間を測定します。AHTが短いほど効率の高さを示すとは言えますが、担当者が顧客の問題解決を犠牲にして拙速な対応をしないよう、スピードと品質のバランスを取ることが重要です。
顧客感情は、顧客とコンタクト・センターとのやり取りの感情的なトーンを指し、多くの場合は音声分析や連絡後のアンケートといったツールで測定されます。顧客の言葉遣い、口調、フレーズを分析して、コンタクト・センターはその感情が肯定的か、中立的か、否定的かを判断できます。顧客感情の分析は、顧客の感情の傾向を特定し、全体的な満足度に関する洞察を得て、企業が先を見越してサービスを改善するのに役立ちます。
効果的なコンタクト・センターのシステムは、主要なテクノロジーによって労働力を強化し、すべてのやり取りを可能な限り正確かつスムーズに実施するのに役立ちます。コンタクト・センターの優れたエクスペリエンスを実現するための主な施策としては、次のものが挙げられます。
多くの消費者は、保留状態で待たされたり、担当者と話をするよりも、独力で解決策を見つけることを期待していることから、顧客にセルフサービスの選択肢を提供することでエクスペリエンスを大幅に向上させることができます。FAQ(よくある質問と答え)セクション、チャットボット、バーチャル・アシスタント、IVRシステムなどの機能を実装することで、顧客は一般的な問題を迅速に解決できます。また、注文の追跡、請求書の問い合わせ、定期的なのサービス・リクエストのために、ユーザーフレンドリーなオンライン・ポータルやモバイル・アプリケーションを提供することで、電話による問い合わせの量をさらに減らし、顧客満足度を向上させることができます。
カスタマー・サービス・チームが顧客を効果的にサポートするには、包括的な最新の顧客情報とともに、チャネル全体での過去のやり取りの記録に迅速にアクセスできる必要があります。CRMシステムをコンタクト・センター・ソリューションと統合することで、担当者が過去の連絡の履歴、選好、購入データをリアルタイムで確認できます。こうしたシームレスなアクセスによって、担当者はより充実した情報に基づく効率的なサービスを提供できるようになり、より迅速な解決とよりパーソナライズされたエクスペリエンスの提供につながります。
パーソナライゼーションは、ポジティブな顧客体験を生み出し、長期的な関係を育む上で決定的に重要です。顧客データと分析を活用することで、コンタクト・センターは顧客の過去の行動、選好、フィードバックに基づいてやり取りを調整することができます。また、ニーズや選好に基づいて顧客をセグメント化することで、ターゲットを絞ったコミュニケーション戦略が促進され、エンゲージメントの強化につながります。
繰り返しの多いタスクを自動化することで、エージェントはより複雑な問題に集中できるようになり、全体的な生産性が向上します。自動チケットシステム、通話ルーティング、AI駆動型の応答といったツールを使用すると、ワークフローを合理化して、応答時間を短縮することができます。雑務を最小限に抑えることで、担当者は優れたサービスの提供に多くの時間を費やすことができ、企業はコストを削減し、顧客の待ち時間も減らすことができます。
コンタクト・センターのパフォーマンスを定期的に測定・分析することは、改善すべき領域を把握する上で不可欠です。先述したような主要KPIは綿密に監視され、コンタクト・センター・システムの情報源として活用されています。アンケートやフォローアップ通話を通じた顧客からのフィードバックを活用することで、顧客からの印象や、これまで以上に注意を払うべき領域について、実行可能な洞察を得ることができます。継続的な改善のフレームワークを導入することで、コンタクト・センターは顧客のニーズの変化にも適応し、高いサービス水準を維持できるようになります。
1. What are customer expectations, and how have they changed? Salesforce resource center(リンクはIBM.comのサイト外にあります)