Network Attached Storage
Wifiやイーサネット・ケーブルを経由して、TCP/IPネットワークで複数のユーザーがファイルを保存して共有できるNetwork Attached Storageについてご紹介します。
ネットワークサーバーを取り出すITエンジニア
Network Attached Storage

Network attached storage (NAS) は集中管理型のファイル・サーバーで、複数のユーザーがWifiまたはイーサネット・ケーブルを介してTCP/IPネットワークでファイルを保存して共有できます。 一般には、NASボックス、NASユニット、NASサーバー、NASヘッドとも呼ばれます。 このデバイスは、ハード・ディスク、ネットワーク・プロトコル、軽量なオペレーティング・システム(OS)など、各種のコンポーネントに依存して動作しています。 

• ハード・ディスク(HDD): HDDはNAS装置の記憶容量であり、拡張も簡単です。 より多くのデータ・ストレージが必要な状況が発生した場合は、システムの需要に応じてハード・ディスクを追加することができるため、「スケール・アウト型」NASと呼ばれています。 最近のシステムでは、フラッシュ・ストレージをHDDと組み合わせたり、スタンドアロン構成で活用しています。 通常はNASデバイスのユース・ケースによって、使用するHDDのタイプが決まります。 例えば、ストリーミング・ビデオなどのサイズの大きいメディア・ファイルを組織全体で共有する場合は、ご家庭で単一ユーザーが使用するファイル・システムよりも多くのリソースを必要とします。 

• ネットワークプロトコル: TCP / IPプロトコル データ転送には伝送制御プロトコル(TCP)とインターネット・プロトコル(IP)が使用されますが、データ共有のためのネットワーク・プロトコルはクライアントのタイプによって異なることがあります。 例えば、Windowsクライアントは通常Server Message Block(SMB)プロトコルを持ち、LinuxやUNIXクライアントはネットワーク・ファイル・システム(NFS)プロトコルを持ちます。 

• オペレーティング・システム: 一般的なOSは多数のリクエストを処理できますが、NAS OSはシステムの処理をデータ・ストレージとファイル共有の2種類のリクエストに限定しています。 

NASテクノロジーは数十年前から存在していましたが、最近になって再びこのテクノロジーが採用されるようになりました。 最近のIDCの調査 (リンク先はIBM社外)によると、44%の調査回答者がオールフラッシュ・アレイで稼働させているアプリケーションやワークロードは40%未満に過ぎませんが、この数はストレージ需要の成長により増加すると予想されています。  このニーズは、主として非構造化データの増加や、新型コロナウイルス感染症の流行によるビジネス変革やクラウドへの移行への取り組みの加速によってもたらされています。 また多くの企業がAI、機械学習、エッジ・コンピューティングなどの新技術の活用を検討しており、このようなワークロードを合わせて保存することで洞察と学習を促進する必要があります。 また、NASシステムはクラウド・ストレージ・プロバイダーをサポートしているため、データのバックアップ、アーカイブ、さらに災害復旧システムとして利用されることもあります。


Network Attached Storage ソリューションのタイプ

スケールアウト型ファイル・ベース・ストレージ(FBS): スケールアウトFBS、またはスケールアウトNASは、システムにハード・ディスクを追加してストレージ容量を拡張することを指します。 上記IDCの調査によると、「回答者の41%がデータ・センター内のスケールアウトFBSに40%以上のアプリおよび/またはワークロードをデプロイしている」という回答が得られています。 またこの調査によれば、このストレージ・システムのワークロードは、パブリック・クラウドのファイル・ベース・サービスの成長と並行して、今後も増加し続けることが示されています。 殊にスケールアウトFBSは、他のストレージ・プロバイダーと比較した際にコスト面で特に優位に立ちます。 

NASゲートウェイ: NASゲートウェイは、NASストレージ・アーキテクチャーとSANストレージ・アーキテクチャーを組み合わせることで、既存のNASの制限の一部を解消できます。 NASはハード・ディスクを追加するだけで簡単に拡張できますが、追加された新しいディスクをネットワークで利用できるようにする必要があるため、新しいドライブ上でファイル参照を再マッピングする必要があります。 NASゲートウェイはストレージ・システムを分割するため、個々のサーバーがそれぞれ独立して拡張できます。 

また、使用できるNASシステムのタイプは、システムを使用するユーザー・ベースで定義することができます。 

• エンタープライズ:ハイエンドのNASデバイスで、複数のハードディスクを組み合わせて性能を向上させるRAID (Redundant Array of Independent Disks)構成に対応できるだけのディスクを搭載しています。 

• 中小企業またはコンシューマー向けNAS: このタイプのNASシステムは、ルーター、PC、モバイル・デバイスを使用して複数の従業員がアクセスできる集中型ファイル・ストレージを必要とするアットホームなユーザーを対象としています。 またコンシューマー向けNASは、ファイル・サーバー、プリント・サーバー、バックアップ・システム、マルチメディア・サーバーとしてもご利用になれます。 360 Research Reports (リンク先はIBM社外にあります)によると、このセグメントは米国で2021年から2027年にかけて年平均7.3%で成長すると予測されています。 


NAS vs. DAS vs. SANデータアーキテクチャ

• ダイレクト・アタッチド・ストレージ(DAS): NASとは異なり、DASソリューションはネットワークではなく通常はコンピューターに接続されるストレージ・デバイスです。 ただし一般的な方法ではありませんが、USBやthunderboltケーブルで外付けハード・ディスクと接続することも可能です。 DASソリューションは低コストで構成が簡単である一方、拡張性には限界があります。 ストレージにはネットワーク経由でアクセスできないため、ファイルへのアクセスは接続可能な外部ポートの数に制限されます。 またDASシステムは組織の規模の成長につれて、バックアップのコストが高くなる可能性があります。 

ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN): SANシステムはNASシステムと異なり、ファイル・レベルのストレージではなくブロック・レベルのストレージを提供します。 またSANシステムの特徴として、ストレージ・ユニットへのデータ・アクセスにファイバー・チャネルなどの高速ネットワークを使用します。 加えて、NASが冗長ストレージ・コンテナーやRAID (Redundant Array of Independent Disk)で構成された単一のデバイスを使用するのに対し、SANストレージはSSDやフラッシュ・ストレージ、クラウド・ストレージなどのデバイスのネットワークを使用します。 また、SANシステムは構造化されたトランザクションのワークロードに関連して使用されることが多いのに対して、NASは非構造化ワークロードに利用されることが多くなっています。 そして、SANのセットアップはNASと比較して高コストで複雑になる場合があります。 


Network Attached Storageのメリット

• 柔軟性: Wi-fi接続でのリモート・アクセスにより、離れた場所にいる従業員同士でも共同作業が可能になります。 また、さまざまなタイプのクライアントからのリクエストに対応することもできます (UNIXやWindowsなど)。 この機能はプライベート・クラウドに類似していますが、クラウド・ベースのオブジェクト・ストレージのようなコストはかかりません。  

• スケーラビリティー: NASノードは、ハード・ディスクを追加したり大容量化することにより、簡単にストレージ容量を拡張できます。 このようにデプロイが容易なため、NASソリューションは魅力的な選択肢です。 

• データ・セキュリイティー: またNASシステムにはデータ保護サービスが組み込まれているため、データの安全性を確保できます。


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