フラッシュ・ストレージおよびオールフラッシュ・ストレージとは
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)をデータを記憶するストレージとして採用することで高速なスループットを実現します。
攻撃者にデータを人質にとらせないフラッシュ・ストレージのご相談 ストレージの構成比較とお見積もり
データセンターのサーバー・ラックのイラスト
フラッシュ・ストレージの定義

フラッシュ・ストレージは、データの書き込みや保管にフラッシュ・メモリー・チップを使用するSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を採用するもので、1秒あたりの入出力操作(IOPS)で性能が測られます。

メモリーを使用しているとはいえ、フラッシュ・ストレージは、RAM(ランダム・アクセス・メモリー)や、ディープラーニングにおける短期記憶(Short-term memory)とは技術的に異なるものであり、USBドライブから企業用ストレージに至るまで幅広く利用されています。

フラッシュ・ストレージは、磁気ヘッドによってデータの書き込みや読み出しを行うHDD(ハードディスク・ドライブ)と異なり、高速な応答時間(マイクロ秒の待ち時間)を実現できます。そして、磁気ヘッドのような可動式の機械部品が使われていないため、フラッシュ・ストレージの電力消費量はハードディスクよりも少なく済みます。また、フラッシュ・ストレージは不揮発性メモリーを使用しているので、電源をオフにしてもデータが失われません。

なお、オールフラッシュ・ストレージは、SSDに代表されるフラッシュ・メモリー・チップを使用するドライブのみで構成されるストレージのことを意味します。

 

無償セキュリティー・リスクWEB診断

22の設問にご回答いただくと、包括的な対応レベルの目安を示す診断結果をご提供いたします。

主な製品

エントリー・レベルのフラッシュ・ストレージ

NVMeエントリー・レベルのフラッシュ・ストレージ

ミッドレンジ・フラッシュ・ストレージ

ハイエンド・フラッシュ・ストレージ

フラッシュ・メモリーとストレージの種類
ディスク・アレイ(ストレージ・アレイ)

ディスク・アレイは、複数のディスク・ドライブを組み合わせて単一の大容量ディスクのように扱うとともに、データをブロックという単位で保存するストレージを実現します。個々のディスク・ドライブは、ネットワークに接続および通信する必要はありません。また、ディスク・アレイは、複数のファイル・サーバーが実現するよりも大きなストレージ容量を提供します。ディスク・アレイでは、企業や組織が運用する複数のサーバーが、保管されているデータに効率的にアクセスできます。

SSDフラッシュ・ドライブ

SSDフラッシュ・ドライブは、フラッシュ・メモリーを使用してデータを保管します。SSDは、HDDと異なり磁気ヘッドに代表される機械部品を必要としないため、データの書き込みや読み出しに要する時間が少なく済みます。なお、SSDがフラッシュ・メモリーを使用していることから、SSDを用いるストレージ・システムは、フラッシュ・ストレージの同義語となっています。

オールフラッシュ・ストレージ

オールフラッシュ・ストレージは、SSDに代表されるフラッシュ・メモリー・チップを使用するドライブのみで構成されるストレージのことを意味します。言い換えると、HDDを含まない構成のストレージです。オールフラッシュ・ストレージは、極めて短い待ち時間と高可用性を実現するとともに、ストレージ容量を最大化し、優れたストレージ性能を提供する設計です。

IBMが提供するオールフラッシュ・ストレージ
NVMeストレージ

NVMe(Non-volatile Memory Express)は、PCIe接続によってフラッシュ・ストレージへのアクセスを行うためのインターフェースです。HDDと同じSATA接続を用いるSSDと異なり、NVMe接続のSSDは単一の接続で何千もの並列要求を処理できます。(SATA接続のSSDの場合、実際には機械部品として存在しないにも関わらず、磁気ヘッドによる読み書きを模した挙動のため、単一の接続で処理できるのは単一の要求となります)NVMe接続のSSDを用いるストレージ・システムは、アプリケーションとの間のオーバーヘッドを排除することで、パフォーマンスの大幅な向上を実現します。

ハイブリッド・フラッシュ・ストレージ

ハイブリッド・フラッシュ・ストレージは、SSDとHDDを組み合わせた構成のストレージ・システムです。大容量ファイルの保管や、データのバックアップ用途に最適なストレージは、SSDとの比較において安価かつ大容量を実現しているHDDです。同一筐体内にSSDとHDDを混在させることで、高いスループットと短い待ち時間が必要な場合はSSD、バックアップはHDDと、データを移動させながら利用できます。

IBMが提供するハイブリッド・フラッシュ・ストレージ製品
ハード・ディスク・ストレージ

HDDは、電気機械式のハードウェアを使用してデジタル情報を保管します。費用対効果が高く、長期の保管と大容量ファイルに最適です。ただし、HDDには、経年劣化による物理的損傷に起因する脆弱性と、磁気ヘッドを用いたデータの書き込みや読み出しによる待ち時間の問題があります。HDDを補強する観点でSSDを使用することで、アプリケーションの動作速度の向上が実現します。

フラッシュ・ストレージのお客様導入事例

フラッシュ・テクノロジーとフラッシュ・ストレージは、インフラストラクチャーの最新化に重要な役割を果たし、データ保管の経済性の変革に貢献しています。新規または既存のストレージに適用することで、アプリケーションのパフォーマンスを大幅に向上し、使用可能な容量を増やすことができます。以下の例は、フラッシュ・システムがさまざまな要件に対応できることを示しています。

オールフラッシュ・ストレージの導入事例

ハイパフォーマンス・アプリケーションをサポートするために、企業はデータを素早く効率的に提供する必要があります。オールフラッシュ・ストレージ・システムは、高い安全性、極めて短い待ち時間、基幹業務を支える信頼性を備え、今日のビジネス需要に応えます。

Höganäs Borgestad AB

IBM Storage FlashSystemで強力な一元管理型のITインフラストラクチャーを構築し、コスト削減とコラボレーションの促進を行っています。

お客様事例はこちら
Genus Power社

インドの大手スマート・メーターのメーカーが、IBM Storage FlashSystemテクノロジーでストレージ・インフラストラクチャーを最新化し、エンタープライズ・ワークロードの応答時間を改善しました。

お客様事例はこちら
ハイブリッド・フラッシュ・ストレージの導入事例

組織は、コスト管理をしながら自社のデータ資産からより多くの価値を引き出すためのストレージ・ソリューションを求めています。可用性の高いハイブリッド・システムは、データセンターを活性化し、既存と最新のテクノロジーの両方を最大限に活用できます。

Trident Services社

IBM FlashSystem 5200をデプロイし、事業継続性をサポートしてOSEMソフトウェアの開発を加速します。

お客様事例を読む
フラッシュ・ストレージの過去と未来
フラッシュ・ストレージの歴史

フラッシュは、1984年に東芝社の舛岡富士雄氏によって発明されたフローティング・ゲート・メモリーの一種です。1986年、東芝社は最初のNANDフラッシュ・チップを発表し、Intel社はNORチップを発表しました。フラッシュ・メモリーは画期的な性能を発揮し、スピニング・ディスクやメモリー・カードを凌駕するデータ・ストレージの世界を急速に刷新しました。データの使用量が増え、デバイスが軽量化、小型化するに伴い、フラッシュ・システムはデジタル情報の保管、書き込み、再プログラム、転送をする際の最速の手段であることが証明されました。

現在の動向

2000年、ファイルの保管や転送用にUSBメモリー・スティックが開発されました。このポータブル・デバイスはコンパクトでありながら、それまでのシステムを大幅に上回る容量を備えていました。2005年、Apple社がフラッシュ・メモリーを搭載した初のiPodを発売しました。今日では、スマートフォン、モバイル・デバイス、デジタル・カメラから自動車に至るまで、あらゆるものにフラッシュ・メモリーが搭載されています。フラッシュは、その速度と密度からストレージ・テクノロジーとして大企業に好んで採用され、データセンターにおける主要な記憶媒体として大半のハード・ディスクから置き換わりました。

フラッシュ・ストレージの未来

トレンドと進歩が以下の分野で起きています:

HDDとSSD

SSDやフラッシュは、HDDよりも高いスループットを提供しますが、より高価になる場合があります。多くの組織では、フラッシュのスピードとハード・ディスクの容量、この両方のメリットを組み合わせたハイブリッド・アプローチを採用しています。バランスの取れたインフラストラクチャーを備えることで、企業は、さまざまなストレージ・ニーズに適切なテクノロジーを適用でき、完全にフラッシュに切り替えることなく、既存のHDDから経済的に移行することができます。

SAS/SATA

Serial Attached SCSI(SAS)とSerial Advanced Technology Attachment(SATA)は、HDDとの間のデータ転送に使用されるフラッシュ・ストレージ・インターフェースです。これらはレガシー・システムの寿命を延ばすことができ、高速の入出力を必要とするアプリケーションをサポートするためにSSDでも使用されます。SASとSATAはHDDの仕組みを考慮して設計されており、従来の制約がいくつかあります。多くの企業はこれらのインターフェースからNVMeへと移行しています。

NVMeとマルチクラウド

NVMeは人工知能(AI)やリアルタイム・アプリケーションに適した非常に高速なプロトコルです。CPUとストレージ間のI/Oオーバーヘッドを削減し、スループットを大幅に向上させます。クラウドへの移行に伴い、NVMeはパフォーマンス、データ保護、回復力、高可用性の機能を備えているため、ハイブリッド・マルチクラウド環境やメインフレーム・ストレージ環境のサポートにも最適です。

NVMe over Fabric

NVMe over Fabricは、ホスト・コンピューターとSSD間で、イーサネット、ファイバー・チャネル、インターネットなどのネットワークを経由したデータ転送を可能にします。ファブリック接続のメリットには、アクセスの共有、容量の拡大、データ保護の強化などがあります。また、ファブリックを使用することで、単一故障点をなくし、管理を簡素化できます。

関連ソリューション
オールフラッシュ・ストレージ

マルチクラウド環境の最適化と、高いパフォーマンスを要求するアプリケーションの要件を、オールフラッシュ・ストレージが実現します。

IBMが提供するオールフラッシュ・ストレージ製品
ハイブリッド・フラッシュ・ストレージ

SSDとHDDを組み合わせることで、パフォーマンスを犠牲にすることなく総所有コストを削減します。

IBMが提供するハイブリッド・フラッシュ・ストレージ製品
ストレージの仮想化

仮想ストレージを使用して、データ管理と書き込み速度を改善し、安全性、簡素化を実現します。

仮想ストレージの詳細はこちら
フラッシュ・ストレージの参考情報 フラッシュ・ストレージの購入検討者向けガイド

フラッシュ・ストレージに関するよくある質問への回答をご覧ください。

Gartner社によるPrimary Storage部門のリーダーに16年連続で選出

IBM FlashSystemのシングル・コード・ベース、ハイブリッドクラウド・ストレージ・インフラストラクチャー、魅力的なラックの価格と性能、その他の要素によって、IBMが2023年のGartner Magic Quadrant for Primary Storage Arraysのリーダーに選出された理由をご覧ください。

データの回復力とストレージ入門

回復力のある1次ストレージ・ソリューションが、サイバー攻撃やデータ破壊のイベントからビジネスを保護する際にどのように役立つかを説明します。

Micro Strategies社

Micro Strategies社がIBM Storageソリューションを活用してマネージド・セキュリティー・サービスを立ち上げ、サイバー攻撃の迅速な特定と回復でクライアントを支援した方法をご覧ください。