NAS(ネットワーク接続ストレージ)とは、複数のユーザーがWi-Fiまたはイーサネット・ケーブルを介して電装制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/ IP)ネットワーク経由でファイルを保存および共有できる集中サーバーです。
NASは、NASボックス、NASユニット、NASサーバー、またはNASヘッドとも呼ばれます。
NASは、手頃な価格で保守が簡単なネットワーク・ストレージ・オプションを提供します。 NASテクノロジーは数十年前から存在していますが、近年人気が再燃しています。
Fortune Business Insightsのレポートによると、ネットワーク接続ストレージの市場規模は2023年において346億2,000万米ドルと評価されています。この調査では、NAS市場が2024年には403億3,000万米ドル、そして2032年までに1,295億2,000万米ドルに成長し、予測対象の期間中における年平均成長率(CAGR)は15.7%としています。効果的なストレージ・テクノロジーの需要は、毎日扱うデータの激増に伴うものです。従来のプライベートクラウド・ストレージと比較したNASの費用対効果の高さも、NAS市場の成長を促進しています。 1
企業にとって、ネットワーク接続ストレージ(NAS) は、一元的なファイル共有や、データのバックアップ、アプリケーションの保管、メディア・ファイル管理、リモートアクセス、長期アーカイブを促進するという重要な役割を果たします。保存すべきデータの量が増大する中、ストレージ・テクノロジーは、クラウドNASとオンプレミスNASを統合できるハイブリッドクラウド・ストレージ環境に進化してきています。
NASのビジネス・ユースケースには次のようなものがあります。
NASゲートウェイ:NASとSANストレージ・アーキテクチャーを組み合わせることで、NASゲートウェイはレガシーNASにおける一部の制限に対処するために役立ちます。NASの拡張はハード・ディスク・ドライブを追加することで行えますが、その新しいディスクをネットワークに導入し、新しいドライブ上でファイル参照を再マッピングする必要があります。NASゲートウェイはストレージ・システムを分割し、個々のサーバーを互いに独立して拡張できるようにします。
利用可能なNASシステムの種類は、企業、中小企業、消費者向けNASなど、ユーザーベースによっても決まります。
ハイエンドのNASデバイスには、RAIDベイにある複数のハードディスク・ドライブを組み合わせてパフォーマンスを向上させ、NASドライブに障害が発生した場合にデータを保護する独立ディスクの冗長アレイ(RAID)構成をサポートするために十分な数のディスクが搭載されています。
このタイプのNASシステムは、ルーター、PC、モバイル・デバイスを通じて複数の従業員がアクセスできる一元管理型ファイル・ストレージが必要な、在宅勤務ユーザーを対象としています。消費者向けNASは、ファイル・サーバー(ストレージ・サーバー)、プリント・サーバー、バックアップ・システム、マルチメディア・サーバーとしても動作します。 360 Research Reportsの調査によると、このセグメントは米国において、2021年から2027年の間に年平均成長率が7.3%になると予測されています。2
NASシステムがネットワークに接続されるのに対し、DASデバイスは通常コンピュータに直接取り付けられます。DASはUSBやThunderboltケーブルを介して外付けドライブに接続することもできますが、あまり一般的ではありません。
DASデバイスは低コストで設定も容易ですが、拡張性には限界があります。ネットワーク経由でストレージにアクセスできないため、利用可能な外部ポートの数によってファイル・アクセスが制限されます。さらに、組織の規模が拡大するにつれて、DASシステムのバックアップコストが増加する可能性があります。
ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)システムは、ファイルレベルのストレージではなくブロックレベルのストレージを提供するという点でNASとは異なります。SANシステムは、ファイバー・チャネルなどの高速ネットワークを使用してストレージ・ユニットへのデータ・アクセスを提供するという点でも他と区別されます。
また、NASは冗長ストレージ・コンテナまたはRAIDで構成された単一のデバイスを使用しますが、SANストレージはSSDやフラッシュ・ストレージ、クラウド・ストレージなどを含むデバイスのネットワークを使用します。
構造化されたトランザクション・ワークロードは通常、SANシステムによって処理され、非構造化ワークロードは通常、NASの導入によって管理されます。最後に、SANのセットアップにはコストがかかり、複雑になる可能性があります。
さまざまなデータ・ストレージの選択肢に対する需要が拡大していることを踏まえ、NASストレージ・デバイスとそれに関連するテクノロジーの範囲は多岐にわたります。エンタープライズNASのベンダーには次のようなものがあります。
エンタープライズNASに加え、オープンソースのNASソフトウェア(Rockstor、OpenFilerなど)は、家庭や中小企業ユーザーがストレージのニーズを満たすための、費用対効果の高い方法となり得ます。
NASデバイスとクラウドベースのプラットフォームを統合すると、NASデバイスとクラウド・サービスの間でデータを同期できるため、データへのアクセス性と冗長性が向上します。
業界の専門家によると、2025年までに新たなデジタル・データ・ワークロードのうち95%以上がクラウドベースのプラットフォームに移行し(2021年の30%から増加)、NAS市場をさらに牽引します。3
中小企業や大企業は、次のようなメリットを得るため引き続きNASに頼ることになります。
NASシステムのWi-Fi接続はリモートアクセスを可能にし、分散した従業員間のコラボレーションを促進します。また、UNIX、Microsoft Windows、Apple Mac OSなど、様々なクライアントからのリクエストにも対応できます。これにより、クラウドベースのオブジェクトストレージのような高額な費用をかけずに、プライベートクラウドのような機能を実現できます。
NASノードは、ハードディスクを追加、または大容量化してストレージ容量を簡単に拡張できます。デプロイメントが容易であるため、NASは魅力的な選択肢です。
NASシステムは、全体的なデータ・セキュリティーを確保するために、ファイアウォールなどのネットワーク・セキュリティー機能を備えた組み込みのデータ保護サービスも提供できます。
NASシステムは、保守が簡単で、専用サーバーよりも経済的な場合があるため、費用対効果に優れています。
NASデバイスはデータを自動的にバックアップでき、外付けハード・ディスク・ドライブに比べてバックアップの柔軟性が高くなります。
IBM Storage DS8000は、IBM zSystemsおよびIBM Powerサーバー用の、最も高速で信頼性が高くセキュアなストレージ・システムです。
IBM Storageは、データ・ストレージ・ハードウェア、ソフトウェア定義ストレージ、およびストレージ管理ソフトウェアの製品群です。
IBMは、Webサーバーやデータセンター・インフラストラクチャーに対する事前対応型のサポートを提供しており、ダウンタイムの削減と、ITの可用性の向上を支援します。
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1 Network Attached Storage Market Size, Share & Industry Analysis, By Enterprise Type (SoHo: <10 FTEs, Mid-size: <1,000 FTEs, and Large Enterprise: >1,000 FTEs), By Storage Solution (Scale-up NAS and Scale-out NAS), and Regional Forecast, 2024–2032, Fortune Business Insights, 15 July 2024
2 Global Consumer and SMB NAS Market Size, Status and Forecast 2021–2027, 360 Research Reports, March 23, 2021
3 Network Attached Storage Market Size, Share & Industry Analysis, By Enterprise Type (SoHo: <10 FTEs, Mid-size: <1,000 FTEs, and Large Enterprise: >1,000 FTEs), By Storage Solution (Scale-up NAS and Scale-out NAS), and Regional Forecast, 2024–2032, Fortune Business Insights, 15 July 2024