IBM Sustainability Software

Yara International ASA | 食糧問題の解決を目指して

記事をシェアする:

Yara International ASA
食糧問題の解決を目指して

 

世界中でバーチャル化が加速する革新の時代において、エコシステム、デジタル・ワークフロー、企業のネットワーク化がもたらす影響力は、かつてないほど大きくなっている。そこで生まれつつあるのが「バーチャル・エンタープライズ」だ。

本レポートでは、このバーチャル・エンタープライズを支える、エコシステムの参加者の連携を強化する共通の機能やデータなどを、価値の「ゴールデン・スレッド」(異なるもの同士を結び合わせ、より価値あるものに変える「金の糸」)と呼び、注視することとする。

 

それでは、価値のゴールデン・スレッドを生み出している企業事例として、IBMと提携し世界をリードするデジタル農業プラットフォームを構築した、世界最大手の肥料メーカー「ヤラ・インターナショナル社」の事例を見ていこう。

 

成果

1,000万ヘクタール以上 | 同プラットフォームがカバーする耕作可能地

300万人以上 | Yara社がこの 2 年間で獲得した農業生産者の数

最大20% | オンデマンド・ソリューションによって節約されるかんがい用水資源

動画『デジタル農業プラットフォームの構築 | IBM + Yara』を観る

 

ノルウェーを拠点とするYara社は、飢餓のない持続可能な世界の実現に向けて、デジタル農業プラットフォームAtfarm/FarmXを開発し、全世界の持続可能な農業を支援している。

Yara社は世界最大のミネラル肥料メーカーであり、またデジタル農業ソリューションのグローバル・リーダーでもある。同社が開発したこのプラットフォームは、世界の自営農家をつなぎ、生産力向上に必要な支援を提供する。

 

総合的なデジタル・サービスと、農業に関する迅速なアドバイスを提供することで、同社は最終的に森林破壊を阻止し、既存農地における生産量の増加に貢献している。

例えばこのプラットフォームは、局地的な分単位の気象データに基づき、タイムリーで正確な作物収穫量を予測し、窒素や水の管理方法を提案している。

 

また特定のクラウドに依存しないこのプラットフォームは、最先端のデータ・サービスを従量課金制で提供している。こうしたサービスによって、農家はIoTセンサーやAIといった最先端のテクノロジーが生み出す、局地的な天気予測や作物の被害予測、リアルタイムの施肥提案などを活用できるようになった。

 

同サービスを利用する農業生産者は、すでに 300 万人を上回っている。このプラットフォームによって、Yara社はビジネスモデルを拡大しつつ持続可能な農業を支援し、他社との差別化に成功しているが、さらに農業ビジネスの透明性と信頼性を高めるブロックチェーンなどの先進テクノロジーの開発も推進している。

 

新たな市場を創出するプラットフォームとエコシステム

– Yara社は農業ビジネスの総合プラットフォームであるAtfarm/FarmXを開発し、自営農家同士の連携と生産力向上を支援している。

– 同社は銀行や物流サービス・プロバイダーの参加を促すため、プラットフォームを取り巻くエコシステムを拡大している。

 

科学とデータが主導するイノベーション

– Yara社はマイクロ・ファーミングの成功裏な実現に向け、ARを利用したドローンなどのエクスポネンシャル・テクノロジーの試験導入も行っている。

– 大量のデータ管理機能を自動化するDataOpsのアプローチを採用した結果、データサイエンティストはモデリングとイノベーションに注力することが可能となった。

 

拡張インテリジェント・ワークフロー

– AIを活用したワークフローを、サプライヤーや農家、加工業者、さらにはその取引先にまで拡張している。

– 局地的な天気予測、作物の被害予測、リアルタイムの土壌活性化のために、ワークフローにIoTセンサー、AI、気象データなどを取り込んで活用している。

 

サステナビリティーと影響

– 「食卓から農場まで」型のバリュー・チェーンであるYara社とIBM Food Trustは、カーボン・ニュートラルと作物トレーサビリティーを推進している。

– Yara社はより良い農業社会を実現することで、飢餓のない持続可能な世界の実現に貢献している。

 

人間とテクノロジーの包摂的なパートナーシップ

– Yara社は農家やフード・バリュー・チェーン大手企業と連携して、作物の栄養分析、科学に基づく作物の開発、デジタル・ツールの開発を推進している。

– 作物に関する知見の向上は、測定データの正確化や顧客コミュニケーションの改善に加え、廃棄物の削減と透明性の向上につながっている。

 

オープンでセキュアなハイブリッドクラウドとネットワーク

– 業界初で他社の追随を許さない Yara 社のプラットフォームは、クラウド環境で運用され、瞬時の情報共有とコラボレーションを実現している。

– 特定のクラウドに依存しない戦略によって、一貫したデータ・ガバナンスとデータ・セキュリティーを実現できている。

 

製品・サービス・技術 情報

 

 

問い合わせ情報


当記事は『バーチャル・エンタープライズ』を一部抜粋し、再編集したものです。全編はダウンロードしてご覧いただけます。

 

関連記事

気候リスクと収益性のバランスの取り方 | 事業継続性と持続可能性を同時に高める事例5社

消費をより人間的に | 複雑なコーヒーをブロックチェーンが明快に

気象データ活用ビジネス最前線<第二回 | 三井化学様> セミナーレポート

More IBM Sustainability Software stories

「当日発送」を無くせ! 青果物物流2024年問題に挑むベジロジナカジマメソッド(後編)

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

信州から広がりはじめている青果物物流革命「ベジロジナカジマメソッド」。これまでの足取りと今後に迫る。 前編はこちら   目次 前編 物流2024年問題をカバーしてきた気合いと根性と超過勤務 青果物物流における問 ...続きを読む


「当日発送」を無くせ! 青果物物流2024年問題に挑むベジロジナカジマメソッド(前編)

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

「これまで何十人も、いや数百人に言われましたよ『またカルロスの奴が訳のわからない取り組みを始めている』って。まあいいんですよ。実際、以前は上手くいかなかったこともありましたから。無理もないんです。 今、テクノロジーや時代 ...続きを読む


「サステナビリティー実装企業」に見られる3つの意外な特徴(From IBVレポート [規制対応のためだけの「ESG報告」を超えて] より)

IBM Data and AI, IBM Sustainability Software

当記事は、IBM Institute for Business Value(IBV)のレポート『規制対応のためだけの「ESG報告」を超えて』を一部抜粋し再編集したものです。 全編は下記よりダウンロードしてご覧いただけます ...続きを読む