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「製造現場のデジタル化を実現するAI+IoTソリューション最前線」レポート(EPFCシンポジウム2021冬より)

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先週2月19日、IoT技術やエッジシステムの社会実装活動の推進に向け活動を続けている「一般社団法人エッジプラットフォームコンソーシアム(EPFC)」主催の、「エッジプラットフォームコンソーシアム シンポジウム2021冬 | 製造業のDX -IoTが作るDX-」が開催された。

この記事では、その中から「製造現場のデジタル化を実現する AI+IoT ソリューション最前線」と題された、弊社 Cognitive Applications事業部 Master Shaperの磯部博史の講演を一部紹介する。

 


■ 社会を進化させる『6つ』の変革ドライバー

講演ではまず、「AIにより強化されたIoTが、製造業を中心に本質的な価値創出をもたらしている」ということ、そして「ここ数年、それが一層加速している」ということが伝えられた。

そしてこの1年間は、新型コロナウイルス影響下で企業活動に大きな変化が見られた年であり、個人・組織・社会全体のつながりを捉え直す上では、以下6つのテーマで考えることが重要であろうと語られた。

リアルとデジタル | 専有と共有 | グローバルとローカル | ヒトとAI  | 自由とプライバシー | 経済活動と社会

 

それぞれの詳細はここでは省くが、興味がある方は以下のページよりご確認いただきたい。

ニューノーマルで加速する“繋がる社会”——Thought Leaderに求められる視点

 

それでは本日のテーマである「製造業のデジタル化」に絞ると、ここ数年の「変革ドライバー」は何だろうか? おそらく皆「5G(第5世代移動通信システム)」と「エッジコンピューティング」が頭に浮かぶのではないだろうか。

実際は、この2つのイノベーションは広く社会生活全般に変化をもたらすものであり、製造業という限られた範囲にとどまるものではない。だが現段階においては、その利点をすばやく自社の強みへと変えている企業が、製造業に特に目立っているのだ。

 

■ 5Gとエッジコンピューティングが変える製造現場

 

5Gに関しては、「高速・大容量」「超低遅延」「多数同時接続」というキーワードと共に、さまざまな場所でそのメリットが語られている。すでにスマートフォンでその恩恵を享受しているという方も少なくないだろう。

そして製造業においては、一般的な通信事業者が提供する5G以外にも、企業が独自のネットワークを構築できる「ローカル5G」の取り組みにも注目が集まっている。

先日、日経xTechに掲載された富士通と日本IBMのローカル5Gでの歴史的な協業に関する記事が各所で話題となっていることからも、その注目の高さが伺える。

 

参考: 富士通と日本IBMがローカル5Gで協業

企業が5Gを用いて独自のネットワークを構築できる「ローカル5G」の分野で、富士通と日本IBMが手を組んだ。2025年に3000億円規模とも予想される市場に向けて両社はどのように連携していくのか。』

 

さてそれでは、エッジコンピューティングは、5Gと共にどのような価値を生み出していくのだろうか。

エッジコンピューティングは、一言で説明すれば「データ近くでのリアルタイム処理を実現する超分散型コンピューティング・モデル」だ。その強みは、IoTにより収集される大量のデータをすべてクラウドやオンプレミスサーバーに集めるのではなく、発生源に近い現場で処理して活用できることにある。

 

つまり、より素早くデータから洞察が得られ、それに対してアクションが取れるということだ。ここに自動化やロボティクスを次フェーズへと進化させるためのエンジン、あるいはギアのようなものと考えることもできるだろう。

またその他にも、外部にデータを送る上で厳重に注意しなければならないセキュリティーの問題や、処理遅延という問題も避けることができる。

 

■ 製造現場向けエッジソリューション

 

製造現場でとりわけIBMのエッジの強みが活きるのには、はっきりとした理由がある。それは、「製造現場のDX」と一括りにしても、実際にはさまざまな「ステージ」があり、その現場や企業がどのステージにいるかで取り組むべきことや最も効果が出せる部分が異なるからだ。

そしてそのステージは補完し合う関係となっており、バラバラに取り組むことも不可能ではないものの、順次進めていく方が遥かに高い効果を生むし、効率も良い。

 

磯部はその進め方を「Maximoジャーニー」と呼び、その「連なりと補完」を最もスムーズにしながら費用対効果を高めるパッケージであるIBM Maximo Application Suite(MAS)を紹介した。

 

「MASは、製造現場のDXを加速する統合プラットフォームです。その特長は、コンテナ管理基盤であるRed Hat OpenShiftベースとすることにより、DXという『全体最適化』の実現に欠かせない、点や線ではない『面での適用』を実現することです。」

磯部はMASをそう説明すると、「Maximoジャーニー」の中のいくつかのステージで活躍するソリューションとその機能を紹介した。

以下、いくつかをピックアップする。

 

Maximo Monitor: 設備監視

IBMのIoT基盤であるWatson IoT Platformをベースに、大規模データのリアルタイム可視化、AIによる異常検知、構成可能なダッシュボードを提供するリモートモニタリングのソリューション。設備の運用パフォーマンス最適化を実現。

詳細: 動画で紹介 | IoTデータとAIを活用した設備モニタリング「Maximo Asset Monitor」

 

Maximo Visual Inspection: 画像認識AI管理

ユーザー部門の方が扱える画像・映像認識用AI開発ツール。開発したモデルをエッジデバイス上に展開し、分析モデルのライフサイクル管理を実現。

詳細: 動画で紹介 | プログラミング一切不要! 現場主導で画像認識AIの構築〜導入を

 

Maximo Predict : 設備の性能予測

5つの分析モデルテンプレートを活用したAIデータ分析により、設備の性能・故障予知を実現。Watson StudioやPython、SPSS等を利用したカスタムモデルのトレーニングも可能。

詳細: AIを使って設備稼働の未来を予測! Maximo “Predict”を動画で学ぶ

 

Maximo Safety: 労働現場の安全管理

対象者に装着もしくは周辺に設置した各種IoTデバイスのデータと、エッジおよびクラウドに実装した危険検出判定アルゴリズムを組み合わせることで、人の動きだけではなく対象者を危険から守る仕組みを実現。

詳細: ウェビナー紹介: AIとIoTによる作業員の安全管理・健康管理 – Worker Insightsのご紹介

 

ここで紹介した機能やソリューションは、磯部がセミナーで紹介したものの一部に過ぎない。別の機能について、あるいはより詳細な情報をお求めの方は、下記よりお問い合わせいただきたい。

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Cognitive Applications事業 にご連絡ください。

 

関連ソリューション: IBM Maximo

 


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