ビジネス・オペレーション

よりレジリエントな電力事業運営を実現するために、AI を利用して「保全、修理、修復」を新たな次元へ

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テクノロジーを活用し、設備保全を改善することで、パフォーマンス向上とダウンタイム削減を実現

この世界は、電力会社などエネルギー関連の公益事業会社によって支えられています。通常、それら必須インフラストラクチャーは、微妙なバランスで維持されています。非常事態に直面したときには、こうした公益事業に対する圧力は莫大なものになる可能性があります。新たな原則は「レジリエント(弾力的で、強固)であること」で、AIを使ったテクノロジーを活用し、設備の信頼性の確保、コスト削減、およびよりスマートな意思決定を実現します。

AI を利用して、予防的、予測的、および処方的対策にまで業務運用を拡張

歴史的に、公益事業では業務運用に対して、保全、修理、および修復という3面的アプローチが用いられています。公益事業会社は、過去の情報、利用可能な気象データ、および自らの担当領域の一般的知識を頼りにして、重大な意思決定を行っています。現在では、高分解能画像衛星、航空画像、AIのような新たなテクノロジーを利用することにより、運用効率を大幅に向上させることができます。これらのテクノロジーにより、企業は、予防的、予測的、および処方的対策を講じることが可能になります。これは、設備の保全、パフォーマンスの最適化、およびダウンタイムの回避に役立つ重要な一歩です。

植生管理について考えてみましょう。サービス対象区域全体にわたる植生管理のニーズに取り組めるだけの、十分な予算が確保されていることは多くありません。リスク軽減と、いずれか特定の地域にサービスを提供した場合、あるいは保全を全面的に先送りした場合の影響を把握したうえで、少ないリソースをどこに使うか決定する必要があります。こうした重要な決定を行うための最善の方法は、サービス対象区域全体にわたる大規模な植生に関する洞察を得るとともに、そうした洞察を統合して処理するための方法を確立することです。その情報によって、事業運用のアプローチを再考することができるのです。

お客様が今まさに切迫したビジネス上の課題に取り組んでいるのであれば、弊社にご相談ください

保全から予防へ

送電線と、樹木や樹木の周りに生息しているあらゆる植物も、うまく調和することはありません。何百万マイルにも及ぶ電線と、30万種にも及ぶ植物が存在することを踏まえると、継続的な警戒が必要となります。しかし、草木がどこに入り込みつつあるのか、またその成長がどれぐらいの期間でリスクをもたらすかを判断するのは一般に困難です。問題の軽減や予防のために、電力会社はテクノロジーを利用して、植物の繁殖が見られる場所を地図に示し、リスクを評価し、作業者と契約し、派遣することができます。

修理から予測へ

いかなる場合でも行わなければならない修理は必ず発生しますが、老朽化した資産に対処するための計画的保全と、天候やその他の環境要因に基づく緊急保全との間には違いがあります。公益事業者は、前者には予知保全で取り組むことができます。それだけで、コストを 15~20%削減し、資産の可用性を最大20%向上させ、資産の寿命を何年も延ばすことができます。計画外の事象については、公益事業者は気象データと予測機能を利用して、嵐による災害が発生しそうな場所をより的確に把握することができます。そうすれば、適切なレベルとスキルの対策チームを、正確な場所に派遣する準備ができます。それによって対策チームは、より迅速に対処して修復時間を短縮する態勢を整えることができます。

修復から処方的対応へ

サービスを回復させることは極めて重要ではありますが、それ以上に、病院、警察署、消防署、商業施設、および大規模な下位部門に電力を供給する最重要回線を復元することが、最も影響が大きいこととして評価され優先される可能性があります。例えば、リモート・アシスタンスとAIガイダンスが搭載されたモバイル・アプリは、対策班がより迅速にサービスを回復させるのに役立ちます。

よりスマートな運用ワークフローのために洞察を利用

公益事業者は、より低コストでより大きな成果を達成しなければならないという重圧に絶えずさらされています。現在では、公益事業者は、先進テクノロジーを利用して洞察を創出することができます。そうした洞察が運用のワークフローに反映され、作業指示書、資料、および対策チームの調整に反映されると、組織はコスト抑制、カスタマー・エクスペリエンスの向上と安全性の向上を実現することができます。これまで電力事業者は、このような洞察を得たことも、必要性もありませんでした。しかし、今やよりスマートに事業推進ができるようになったということです。

さらにIBMのサービスと、資産パフォーマンス管理および植生管理に対するソリューションについて、さらに詳しくWebページをご確認ください。

効率的で信頼できる設備運用を確実に実現

連結された資産や未使用のデータ・ソースからの洞察は、設備の保全、パフォーマンスの最適化、およびダウンタイムの回避のために必要な、予防的、予測的、および処方的対策を理解するために不可欠です。IBMは、急速に変化する条件に対応するインテリジェント・ワークフローを構築するための、ソフトウェア、サービス、および業界専門知識の不可欠な要素をお客様にご提供しています。お客様がそのデジタル変革の過程のどこであっても、IBMはお客様のパートナーとして、よりレジリエントな事業運営のために必要とされる、AIによって強化された洞察とコンサルティング・サービスをご提供いたします。詳細な説明をご希望される場合は、IBMにご相談ください。

次世代のビジネスオペレーションの情報もこちらでまとめています。

著者について:テリー・サンダース(Terry Saunders)は、IBM ワールドワイドの公益事業インダストリー・リーダーです。現職では、電気、ガス、および上下水道の領域のお客様のビジネス上の問題の解決を支援しています。また、さまざまな各国のチームと協力して、公益事業部門の製品ポートフォリオの戦略および方向性の管理にも助力し、プロダクト・デザイン・アーキテクチャー・チームや開発およびサポート・グループと協力して、品質および顧客満足度の確保に取り組んでいます。さらには、Intelligent Utility Network(スマート・グリッド)を支援して、製品やサービスを整合させるための業界ソリューション「Maximo for Utilities」の戦略や方向性も管理しています。前職では、Maximo for Utilities の製品開発を主導しており、また IBM に入社する前には、さまざまなマーケティング部門や製品部門に従事しました。テリーは、ボストン大学で理学修士号を取得しています。

¹ “IDC Manufacturing Insights: Transforming Asset Management at the Edge,” Reid Paquin, IDC, April 2019, https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=US44976019 (IBM外のWebサイトへ)

※この記事は米国時間2020年4月24日に掲載したブログ(英語)の抄訳です。

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