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高いビジネス価値を生み出すインテリジェントな植生管理

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■ 伐採不足がもたらした40億ドル以上の被害額

2003年8月14日、米国北東部およびカナダで発生した停電は歴史に残る最悪規模のもので、5000万人近い人びとに影響を与えました。

アメリカ国内だけをみても、停電の被害額は40億ドルから100億ドルと見積もられ、事故3年後に特別調査委員会「アメリカ・カナダ停電タスクフォース」が発行した最終報告書によると、4つの根本原因のうち1つは不十分な伐採であるとされています。

 

この大停電は、植生管理の重要性を顕著に現しています。

そしてこの事象に頼らずとも、送電および配電会社は、植生管理の失敗が公益事業者と顧客の両者に経済的損失をもたらし、電力を回復するのに多大な費用が発生することを十分認識しています。

 

しかし、植生管理管理業務は非常に複雑で高いリスクを持っており、公益事業会社に多額の費用負担をもたらしています。未だ手動プロセスと拡張性に乏しいテクノロジーに依存している企業は多く、信頼性とサービス費用のバランス破たんに直面しています。

その一方、いくつかの企業は、画像とAIの技術的進歩を取り入れることで、会社にも社会にも大きな利益を提供できることに気付き、新たな取り組みをスタートしています。

 

 

■ 植生管理ワークフローをインテリジェントに

2019年2月、IBMグループ企業のThe Weather Companyは、エネルギー企業向けの新しいソリューション「The Weather Company Vegetation Management(TWCVM)」を発表しました。

このソリューションは、過去の気象、衛星、空中画像などの地理空間時間データに高度な分析モデルと人工知能を適用し、停電を引き起こす可能性の高い樹木など、電力線への脅威を自動識別するものです。

 

The Weather Companyの発表には、さらなる進化へのリクエストが多くのお客さまから寄せられました。私たちIBMはそれにお応えし、既存の植生管理ワークフローをインテリジェントに進化させた、業界初のエンドツーエンドソリューションを開発しました。

この「IBM Maximo APM Vegetation Managementソリューション」は、TWCVMのテクノロジーを「IBM Maximo Asset Performance Management (APM)」に組み込み、植生管理者や現場担当者が、植生の現状と将来のリスクをより明確に把握できるようにするものです。

 

植生管理者は、ソリューションによりリスクの大きさに応じて順位を付けられた管理領域の中から、どの部分にどのようなアクションを取るのが最も効果的かを、視覚的に確認しながら計画を立てることができます。

さらに、ソリューションのリモート監視とデータに基づいたレポート機能により、契約、監査、規制プロセスの透明性を確保することができます。

 

 

APM Vegetation Managementのスコアリングモデルは、さまざまなデータセットを組み合わせて、現場担当者に推奨アクションを提示します。この推奨アクションにより、担当者は明白な行動や計画に時間を割く必要がなくなり、より複雑な意思決定に集中することができます。

 

こうして、APM Vegetation Managementが、停電危機への対応や、本来は不必要な契約業者とのやりとり、あるいは膨大な書類作業などを含む監査や規制対応作業を最小限とすることで、植生管理者や現場担当者は、より本質的なビジネス価値を生み出す業務に集中することができるようになるのです。

 

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

関連製品: IBM Maximo APM for Energy and Utilities

 

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藤 泉也  データ戦略活用アドバイザー, AI Applications

当記事は、Don’t make vegetation management decisions in the darkを抄訳し、日本向けにリライトしたものです。

 

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