SAP CXとは

東京の夜にライトアップされる高層ビル

共同執筆者

Molly Hayes

Staff Writer

IBM Think

Amanda Downie

Staff Editor

IBM Think

SAP CXとは

SAP Customer Experience(CX)は、SAPが提供するクラウドベースのサービス管理プラットフォームで、企業が顧客関係を管理するのに役立ち、マーケティング、コマース、顧客データ、販売、サービスのソリューションが含まれます。

このプラットフォームは、販売およびマーケティング・プロセス全体にエンドツーエンドの機能を提供することに重点を置いています。SAP CXを使用すると、組織はコミュニケーションを標準化し、倫理的にデータを収集し、チャネル間で営業チームの一貫性を確保することでカスタマー・ジャーニーを改善できます。組織は、ビジネス・ニーズに最適なモジュールを選択してソリューション・ファミリーを構成できます。

SAP Customer Experienceスイートとしても知られる SAP CXは、SAPが開発したいくつかのソリューションと、2013年から2018年の間に同社が買収したプラットフォームで構成されています。これはSAP HANA上で実行され、SAP Fioriユーザー・インターフェースに基づいています。このプラットフォームは、機械学習人工知能(AI)を使用して日常的なタスクを自動化し、営業チームとマーケティング・チームに高度な予測と予測分析を提供します。このスイートには、顧客エンゲージメントを促進し、ビジネス・オペレーションに情報を提供するためのさまざまなセルフサービス・ツールが含まれています。

他のSAP製品と同様に、SAP CXは通常クラウド上に導入されますが、企業に特定の規制または地理的なデータ・ストレージ要件がある場合は、ハイブリッドクラウドまたはオンプレミスソリューションの一部としてインストールできます。

ニュースレターを表示しているスマホの画面

The DX Leaders

「The DX Leaders」は日本語でお届けするニュースレターです。AI活用のグローバル・トレンドや日本の市場動向を踏まえたDX、生成AIの最新情報を毎月お届けします。

SAP CXの歴史

将来SAP CXを提供することになるHybris社は、元々、1997年にドイツで設立されました。1その後10年間で、このオムニチャネルeコマース・プラットフォームは、先進的な企業間(B2B)機能で知られるようになりました。22013年には、世界有数のエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)企業であるSAP社がHyrbis社を買収し、SAP Hybrisとブランド名を変更しました。2015年まで、SAP HybrisとオンプレミスのSAP Customer Relationship Management(CRM)プラットフォームは両方ともSAP社の管理の下運営されていました。

2015年になると、SAPはERP大手の次世代データベースであるSAP S/4HANAを開始し、中核事業を新しいプラットフォームに移行し始め、その後すぐに、Coresystems、CallidusCloud、Gigyaなど、複数のサードパーティー製のCRMソリューションを買収し、既存製品を補強しました。2018年、SAP社はS/4HANA上で稼働する主力の顧客体験管理プラットフォームであるSAP C/4HANAを発表しました。

また、同社は同年後半にクラウドベースのエクスペリエンス管理会社であるQualtrics社を買収しました。2020年には、SAP C/4HANAをSAP Customer Experienceにブランド変更し、続けて、SAP CRMプラットフォームに統合されるクラウドベースのオムニチャネル・マーケティング・プラットフォーム、Emarsys社も買収しました。

AI Academy

AIの専門家になる

ビジネスの成長を促進するAIへの投資を優先できるように知識を習得します。今すぐ無料のAI Academyを試して、貴社のAIの未来をリードしましょう。

SAP CX の主な機能

SAP CXのクラウド・ソリューションは、SAPが顧客関係管理のクラウドベースの5つの「柱」と呼ぶもので構成されています。各柱は個別に導入することも、顧客体験ソリューションのスイート全体として導入することもでき、個々のビジネス・モデルや価格設定のニーズに基づいてカスタマイズできます。これらの柱は、現場で働く技術者にモバイル・ツールを提供するSAP Field Service Managementや、複雑なビジネス・サービスの見積りツールであるSAP CPQなどの他のSAPソリューションと併せて導入できます。SAP CX の主な機能は次のとおりです。

SAP Marketing Cloud:SAP Marketing Cloudは、顧客の獲得と維持に関連するすべてのビジネス・ニーズに対応します。このソリューションは、マーケティング活動から顧客の洞察を収集し、キャンペーンの影響を測定および評価し、オーディエンスと最も効果的につながる方法について企業がデータに基づいて意思決定を行うのに役立ちます。

SAP Commerce Cloud:SAP CXのCommerce Cloudは、製品管理と電子商取引ソリューションに重点を置いており、注文管理のソリューションを提供し、製品コンテンツとエクスペリエンスの管理を効率化するように設計されています。

SAP Customer Data Cloud:SAP Customer Data Cloudを使用すると、組織は顧客から安全かつ倫理的に情報を収集できます。このソフトウェアは、オンライン・フォームを通じて個人データを安全に収集することを特に容易にし、ユーザーが一般データ保護規則(GDPR)に準拠して自分の情報を管理できるようにします。

SAP Sales Cloud:SAP Sales Cloudは、営業チーム向けのソリューションを提供します。AIを導入して売上と在庫の要件を予測し、顧客データの総合的なビューを提供して、販売プロセスがスムーズに実行されるようにします。

SAP Service Cloud:SAP Service Cloudは、SNSでのメッセージからコールセンターでのやり取りまで、サービス・リクエストを管理および整理します。このソリューションは、顧客とのコミュニケーション全体の一貫性を確保することに重点を置いています。

SAP CX のメリット

高度な分析とレポート:SAP CXの優れた分析およびリアルタイム・レポート作成ツールにより、企業は顧客の行動、マーケティングの有効性、販売実績に関する洞察を明らかにし、意思決定者に情報を提供できます。

一貫した顧客データ管理:組織が処理するデータの量が増えるにつれて、SAP CXは顧客情報をフィルタリングして並べ替え、販売プロセス全体の正確性と一貫性を確保します。

柔軟性:SAP CXプラットフォームは拡張性と俊敏性に優れています。これにより、組織は新しい顧客ニーズや予期しない課題に迅速に対応できるようになり、消費者のユーザー・エクスペリエンスが向上します。

サービスとサポートの改善:SAP CXには、強力なカスタマー・サービスとサポート機能が組み込まれています。ソリューションには、サービス・リクエストの管理、顧客の問題の追跡、さまざまなチャネルを通じた効率的なサポートの提供を行うツールが含まれています。

SAP ERPとの統合:SAP CXは単独でも使用できますが、他のSAP製品とシームレスに統合されるように設計されています。例えば、このシステムを会社の財務計画ソフトウェアと連携して使用すると、顧客対応プロセスとバックオフィスの業務運営が確実に連携されます。

オムニチャネル顧客エンゲージメントクラウドベースのソフトウェアであるSAP CXを使用することにより、顧客はWeb、モバイル、SNS、実店舗などの複数のタッチポイントとチャネルを通じて組織にアクセスできます。

パーソナライズされた顧客体験:SAP CXソリューションを使用すると、組織は顧客データを活用してビジネス上のやり取り、オファー、推奨事項をパーソナライズできます。

セールスおよびマーケティングの自動化:SAP CXは、リード管理からマーケティング・キャンペーンのパーソナライズまで、営業とマーケティングの両プロセスで日常的なタスクを自動化でき、効率を向上します。

シームレスな電子商取引機能:SAP CXには、製品カタログ管理や注文処理などの機能を備えたオンライン・ストアフロントを作成および管理できる統合機能が備わっています。

統合された顧客ビュー:SAP CXは、組織がマーケティングと販売ファネル全体を1つのシステムで一元管理するのに役立ちます。これにより、ビジネスリーダーは顧客とのやり取りや取引を総合的に把握し、顧客との関係を強化できるでしょう。

関連ソリューション
IBM iXエクスペリエンス・デザイン

IBM iXでは、グローバルなエクスペリエンスの設計と変革のためのデジタル・エクスペリエンス・コンサルティング・サービスを提供しています。

デジタル・エクスペリエンス・サービスの詳細はこちら
顧客体験コンサルティング・サービス

カスタマージャーニー全体にわたって顧客体験を変革し、価値を引き出して成長を促進します。

カスタマー・エクスペリエンス・サービスの詳細はこちら
カスタマー・サービス・コンサルティング・サービス

カスタマー・サービスに生成AIを使用することで、効率化とエージェント強化を実現できます。

カスタマー・サービスの詳細はこちら
次のステップ

IBM iXでビジネスを変革できます。顧客と従業員のエンゲージメントを高めるための、エンド・ツー・エンドのデジタル・トランスフォーメーション、戦略、エクスペリエンス・デザイン・サービスをご紹介します。

 

デジタル・エクスペリエンス・サービスの詳細はこちら 人工知能サービスの詳細はこちら
脚注

1 Hybris社 (ibm.com外部へのリンク)、Crunchbase

2 SAP to Acquire Hybris - What Does it Mean? (ibm.com外部へのリンク)、Forbes誌、2013年6月5日