量子コンピューター

コンピューティングの未来を拓く量子コンピューターの今

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以下のライブ配信イベントの情報は、記事の下方に掲載しています。
11月14日(月曜日)開催「量子コンピューターのある次世代コンピューティングに向けて」
11月21日(月曜日)開催「産業化に向けた量子コンピューターの今を知る QIIシンポジウム2022」

量子コンピューター関連のニュースが流れない日はないほど、産官学による取り組みが活発化し、技術動向への関心はさらに高まっています。これまでできなかったことが、量子コンピューターならできると期待されて久しいですが、そうした「量子優位」の時代はいつやってくるのでしょうか?

量子コンピューターの進化や日本市場における取り組み状況について、量子プログラム プログラム・ディレクターの川瀬 桂さんに伺いました。

細野輝人
インタビュアー:細野輝人
THINK LAB, IBM Research & Development – Japan

 

Q. 量子優位の時代がやってくるのは、ずばり何年後でしょうか?

日本IBM 量子プログラム プログラム・ディレクター 川瀬桂さんの写真

日本IBM 量子プログラム プログラム・ディレクター 川瀬桂さん

川瀬. 量子優位がいつ訪れるのかはまだ誰にも断言できません。

ただ、IBMでの量子コンピューターのハードウェア&ソフトウェアの研究開発状況をはじめ、世界中での投資と進捗を踏まえると、従来考えられていたよりも早く到来するのではないかと期待しています。

Q. 量子優位の時代がやってくるまで、量子コンピューターへの取り組みは待っていればいいのでしょうか?

川瀬.そんなことはありません。量子優位の時代に向けて、量子コンピューターに関するスキルを蓄積し、自社のビジネスにどのように活用できるのかを今から考えておくことが重要です。

毎年2倍以上に成長している量子コンピューターに、一歩も二歩も早く取り組むことが、市場における大きなアドバンテージとなるでしょう。

Q. IBMは量子コンピューティングの開発ロードマップを明示していますね?

川瀬. はい。量子コンピューティングを実現するハードウェアとソフトウェアの両方を包括的に開発しています。

開発ロードマップとして公開し、それを着実に実行してるのは、私が知る限りはIBMだけだと思います。

IBM Quantum System Twoのイメージ図

次世代ハードウェア「IBM Quantum System Two」のイメージ画像(IBM Research YouTubeチャンネルの「IBM Quantum System Two: Design Sneak Preview」より)

 

Q. 日本市場において量子コンピューティングの取り組み状況をどのように見ていますか?

川瀬. 日本の取り組みはグローバルの中でも活発だと思います。産官学ともに積極的に量子コンピューターの実用化に向けた取り組みを進めており、それはIBMの量子コンピューターに限らずです。

IBMはこれまでに、世界初のゲート型商用量子コンピューターIBM Quantum System Oneを米国に続いて、ドイツ、日本に設置しました。日本では昨年2021年7月に稼働を開始し、量子イノベーションイニシアティブ協議会のメンバーがこの実機を使って研究を日々おこなっています。世界中でもその活動レベルは大変高く、多くの成果を生み出しています。

Q. 取り組み状況や、その成果を知る機会はあるのでしょうか?

川瀬. はい。ちょうど今月、2つのライブ配信イベントが開催されます。

1つは、11月14日にIBMが主催する「量子コンピューターのある次世代コンピューティングに向けて」、もう1つは11月21日に量子イノベーションイニシアティブ協議会が主催する「産業化に向けた量子コンピューターの今を知る QIIシンポジウム2022」です。

量子コンピューター開発の最新動向に加え、その実用化に向けて活動する日本を代表する企業やアカデミアが参加し、量子コンピューターの今をさまざまな角度から語り尽くすイベントです。

IBMフェローでIBM Quantumを統括しているJay Gambettaも、このイベントに合わせて緊急来日することが決定しました。

Q. なるほど。産業化という、利用者する側から最新の取り組み状況を聞けるのは、とても楽しみですね。私も参加してみたいと思います。川瀬さん、本日はありがとうございました。

川瀬. 量子コンピューターに取り組む企業やアカデミアの熱意を感じて、未来のコンピューティングに思いを馳せる良い機会です。

技術の専門家だけでなく、ビジネスに技術を活かしたいと思っていらっしゃる方にもぜひお聞きいただきたい内容です。学生の皆さんも含めて、多くの方にご参加いただければ嬉しいです。


量子コンピューターの今を学ぶ、ライブ配信イベント

量子コンピューターのある次世代コンピューティングに向けて(11月14日開催)

日本はIBM Quantumエコシステムが最も活発な国の一つです。そこで、日本を代表する量子コンピューティングのリーダーの方々にお集まりいただき、量子コンピューターによるビジョンと方向性をお伺いします。

13:30-13:35 オープニング
13:35-13:55 New update from IBM Quantum
Jay Gambetta(IBM Fellow and VP of Quantum Computing, IBM Quantum)
13:55-14:55 パネル・ディスカッション
パネリスト

  • 五神 真 氏(国立研究開発法人理化学研究所 理事長)
  • 伊藤 公平 氏(学校法人慶應義塾 塾長)
  • 藤井 輝夫 氏(国立大学法人東京大学 総長)
  • 湧川 隆次 氏(ソフトバンク株式会社 先端技術研究所 所長)
  • Jay Gambetta
14:55-15:00 クロージング
小柴 満信 氏(経済同友会副代表幹事、JSR株式会社 名誉会長)

産業化に向けた量子コンピューターの今を知る QIIシンポジウム2022(11月21日開催)

QIIシンポジウムは、参加メンバーによる研究成果の発表や、今後の量子技術の発展や産業化への貢献について議論いたします。

  • 日時:2022年11月21日(月)13:30 – 17:00
  • 主催:量子イノベーションイニシアティブ協議会
  • Webexオンライン配信
  • 事前登録制/参加費無料
  • お申込みページ: https://ibm.biz/qiic2022/
13:30-13:35 開会の挨拶
13:35-13:45 QII協議会のご紹介
13:45-13:55 QHTCのご紹介
13:55-14:55 研究成果発表
15:10-15:30 テーマ:量子技術への期待・QIIへの期待 (仮題)
15:30-15:40 テーマ:量子コンピューターの展望等
15:45-16:55 パネル・ディスカッション
16:55-17:00 閉会の挨拶

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