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ビジネスにおける持続可能性(後編) | 克服すべき課題とサステナビリティの旅

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ビジネスにおける持続可能性(前編) | サステナ領域と戦略策定方法はこちら

 

■ ビジネスにおける持続可能性の課題

以下は、真に持続可能なビジネスを追求する上で克服すべき課題です。

 

– 市場と顧客の準備

どの企業も時代に取り残されるわけにはいきません。そして、持続可能性をめぐる考え方が変わりつつあるとはいえ、急速にすべてを同時に変化させるのも非現実的です。

持続可能な未来を共に創造していくためには、顧客を深く理解して適切な関係を築き、一緒に目的地へと向かうエコシステムを構築するパートナーが必要です。

 

– コスト

持続可能なビジネス慣行を新たにスタートするには、高い先行投資が必要となるのが一般的です。

現状を維持した方が短期的には安上がりとなる場合も多く、組織によっては、当面の投資が長期的には持続的な収益をもたらすことを示す投資計画の構築が必要となるでしょう。

 

– 既存のやり方からの脱却

持続可能性が重要な目標ではあることは間違いありません。しかし、より早く利益をもたらしそうな目標が優先されることが多いのも事実です。

また、2050年のコミットメントを掲げることは間違いなく有益ですが、多くの企業が計画を10年単位で立てているため、十分な行動計画へとつながりづらいことも否めません。

将来の持続可能性を実現するためには、リスクを機会と捉え直し、持続可能性に今すぐに取り組むことの必要性を説明し認識する必要があります。

 

– ツール、洞察力、専門知識の欠如

持続可能性に関するビジョン、戦略、フレームワーク策定準備が整っていないことは、重大なリスクを抱えていることを意味しています。サステナブル・ソリューションの導入能力不足や、持続可能性対応の理解不足を疑われかねません。

ビジネスにおけるサステナビリティは進化しており、その答えもまた進化しています。持続可能な未来の創造には、イノベーションを共創するパートナー・エコシステムが必要です。

 

 

■ ビジネスにおけるサステナビリティのメリット

持続可能な事業慣行を事業運営に意識的に組み込んでいる企業は、以下に挙げる貴重なビジネスメリットを得ています。

 

– 競争優位性

消費者の55%が、ブランドを選ぶ際に環境に対する責任を「非常に重要」と回答しています。*1

持続可能なビジネスとして知られることで、ブランド認知度が向上し、持続可能性の実践に積極的に取り組む企業を応援する消費者を惹きつけることができます。

 

– 投資誘引

個人投資家の5人中4人が、今後1年以内に持続可能性または社会的責任の要因に基づいて行動する予定と答えています。*2

 

– 規制要件遵守

各国政府は、今後も規制拡大や企業の持続可能な開発目標(SDGs)の適応を求めることでしょう。早い段階からサステナビリティー・ソリューションを導入し、ESGパフォーマンスを継続的に把握、測定、ベンチマーク、報告することで、新たな規制要件の対応に追われ続けるのではなく、一歩先を行く企業となることができます。

 

– 投資の長寿命化

パンデミック対応を通じ、多くの企業のデジタルトランスフォーメーションが加速しました。それらの投資をサステナブルな取り組みへとつなげていくことで、より有効で強靭性の高いビジネスを構築することができます。

 

– 人材獲得

仕事の意義や働きがいを求める従業員は、持続可能で社会的責任に積極的に取り組む企業で働くことを望んでいます。サステナブルな企業としての評判を高めることで、自社にふさわしい従業員を惹きつけ、離職を防ぐことができます。

 

– 収益拡大

資源消費を削減し、業務効率を最適化する持続可能な手法を導入することで、中長期的な収益向上を確実なものとすることができます。

全体的なインパクトの大きい取り組みは、導入初期のコストがかかることが少なからずありますが、長期的な視野において利益を生み出すことで、投資が正当化されます。

 

*1 “Meet the 2020 consumers driving change” (PDF, 327 KB) Research Insights, June 2020
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/en-us/report/consumer-2020

*2 “Sustainability at a turning point” (PDF, 190 KB) IBM Institute for Business Value, May 2021
https://www.ibm.com/downloads/cas/WLJ7LVP4

 

■ ビジネスにおける持続可能性の未来

今や、ビジネスにおける持続可能性はメガトレンドとなり、企業の競争力に、さらには存続可能性に大きな影響を与え続けています。

こうした環境下において、リーダーたちは、データ、AI、ブロックチェーンの力を活用し、気候変動や環境リスクの管理、資産パフォーマンスと資源利用の最適化、脱炭素化の推進、より持続可能なサプライチェーンの構築に取り組んでいます。

 

環境データから導きだされる洞察が、ビジネス慣習と社会の行動に変化をもたらし、サステナブルなビジネスを増加させています。

環境保全、再生可能エネルギーの調達、CO2排出量の削減、製品と廃棄物の再利用とリサイクル、取水量と排水量の削減、生物多様性の維持など、私たちIBMは、継続的な改善と事業全体の環境サステナビリティに対する新たな目標の設定・追求により、30年以上にわたり環境リーダーシップを発揮し、サステナビリティの旅を導き続けてきました。

絶え間なき挑戦を通じて得た持続可能性に関する専門知識と洞察力で、IBMはお客様のビジネス、ブランド、そして地球にとって有益なサステナビリティ・ソリューションの構築を支援します。

 

■ サステナビリティ関連ソリューション

IBMが提供するAIを活用したソリューションとオープンなプラットフォーム、そしてさまざまな業界の深い専門知識を活用して、サステナビリティの旅を加速させ持続可能で収益性の高い事業をより確かなものにしましょう。

 

ESGレポート

分散した環境、社会、ガバナンス(ESG)データを統合し、社内のあらゆる業務に持続可能な慣行を組み込み、GHG排出量の計算を自動化し、ESGレポートを合理化します。

 

サステナブルなIT

IBM Turbonomicプラットフォームを使用して、動的なITリソース管理で最も効率的な形でリソース割り当てを行います。稼働率を高め、エネルギー・コストと二酸化炭素排出量を削減し、リソースの過剰な割り当てを回避し、効率的な運用を継続的に実現します。

 

気象リスク管理

企業の環境フットプリントの測定、監視、予測、報告とリアルタイムに近い洞察を提供することで、環境負荷の低減を通じて持続可能性への取り組みを加速し、事業運営やサプライ・チェーンへの影響を軽減します。

 

強靭なインフラとインテリジェントなオペレーション

持続可能性を考慮したオペレーションを取り入れ、インテリジェントな資産やインフラストラクチャーの管理、モニタリング、予知保全により耐用年数を延ばすことで、より強靭で持続可能なインフラを構築します。

 

持続可能なサプライチェーン

AIを搭載し、オープンなハイブリッド・クラウド・プラットフォーム上に構築された信頼性の高いサプライチェーン・ソリューションが、高い信頼性を約束するブロックチェーン技術を活用して、物流関連の廃棄と排出量を削減し、配送コストを低減し、フルフィルメントを最適化します。

 

電化、エネルギー、排出量管理

エネルギーと公益事業のためのインテリジェントな資産管理と高度な気候・環境インテリジェンスにより、メンテナンスを合理化し、電力網や送電線の信頼性や効率、安全性、回復力を強化します。

 

サステナビリティ戦略

IBM Garage for Sustainabilityのエキスパートが、サステナビリティに関する課題と機会を特定します。重要なアクションに優先順位を付け、ビジネスとサステナビリティに関する目標に照らして価値の定量化と成果を測定し、結果を迅速に実現するお手伝いをします。


当記事は『What is sustainability in business?』を日本の読者向けに編集したものです。

 

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