ブレード・サーバー(高密度サーバーとも呼ばれる)は、コンピューター・ネットワーク全体にわたるデータの分配を管理するコンパクトなコンピューティング・モジュールです。
他のあらゆる種類のサーバーと同様に、ブレード・サーバーの基本的な目的は、いわゆる「クライアント/サーバー・モデル」として知られるアーキテクチャーにおいて、他のプログラムやユーザーにサービスを提供することです。このアーキテクチャーは、ほとんどの現代のIT環境の基盤となっています。
ブレード・サーバーは、多くのデータセンターの基本的な構成要素です。データセンターはITインフラストラクチャーを収容し、アプリケーションやサービスの構築と稼働を可能にする物理的な空間です。ブレード・サーバーは、電力と物理スペースが重視される高密度コンピューティング環境において、企業がリソースを最大限に活用するためのコンパクトで効率的、かつ高い拡張性を持つ手段を提供します。
ブレード・サーバーは広く利用されており、昨年の世界のブレード・サーバー市場規模は190億米ドルと評価されています。今後5年間で310億米ドルに成長すると予測されており、年平均成長率(CAGR)は9.1%です。1 ブレード・サーバーやその他のサーバー技術は、Dell社、Cisco社、Hewlett Packard Enterprise社(HPE)、Lenovo社など、世界有数のIT企業によって製造・販売されています。
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ブレード・サーバーはモジュール型サーバー・システムとして知られており、小型のブレード筐体、つまりサーバー・シャーシ内に収められた小さなコンポーネントで構成されています。ここでは、ブレード・サーバーの中核コンポーネントと、それらがブレード・サーバー・システム内でどのように連携して機能するかを詳しく見ていきます。
ブレード・サーバーは、その機能面から「性能」「ストレージ」「接続タイプ」の3つの側面によって分類されます。
ブレード・サーバーに加えて、現代のデータセンターは主に、ラックマウント型サーバーとタワー型サーバーという2種類のサーバーに依存しています。機能面ではブレード・サーバーと類似していますが、これら2種類のサーバーには注目すべきいくつかの違いがあります。
ラックマウント型サーバー
ラックマウント型サーバーは、ブレード・サーバーよりも低コストでやや小型の選択肢である一方で、性能面はそれほど高くありません。また、ブレード・サーバーとは異なり「ホットスワップ」、つまりシステム全体の機能を停止させることなく迅速に交換や修理を行うことができないため、保守がより困難です。
一部の企業は、コストの低さ、既存のデータセンター技術との互換性、そしてスタンドアロン・サーバーとして利用でき、集中管理なしにリソースを提供できるという理由から、依然としてラックマウント型サーバーを好む場合があります。これに対してブレード・サーバーは、多くの場合、より大規模なネットワークの一部としてのみ使用されます。
タワー型サーバー
タワー型サーバーは、サーバーとして動作するように構成されたPCです。デスクトップ・コンピューターであるタワー型サーバーはブレード・サーバーやラックマウント型サーバーよりも大きなサイズになります。タワー型サーバーは、IT管理者が特定のサービスや機能を提供するために専用サーバーを必要とする場合に一般的に使用されます。例えば、タワー型サーバーは動的ホスト構成プロトコル(DHCP)やドメイン・ネーム・システム(DNS)サービスを提供することが多く、ネットワーク管理者に対してネットワーク上でより柔軟な管理を可能にします。
ブレード・サーバーの設計は、ネットワーク上でデバイス間のデータ転送を行う際に、ユーザーによる制御と管理を重視しています。このアーキテクチャーは、エネルギー消費、コスト削減、柔軟性など、企業のIT管理者にとって優先度の高い多くのメリットをもたらします。
ブレード・サーバーは非常に柔軟なソリューションと見なされており、データセンターやネットワーク内で他のサーバー・システムと組み合わせて導入されることが多く、システム管理者は多くのサーバーやデバイス間でワークロードを分散させることができます。
また、ブレード・サーバーの設計により、コンピューティングの需要に応じて容易に追加や削除を行うことができます。ブレード・サーバーはホットスワップ対応でもあり、システム全体のパフォーマンスに影響を与えることなく容易に交換することができます。
ブレード・サーバーの設計はケーブリングを最小限に抑えることができ、データセンターやネットワーク環境における物理配線を効率化し、さまざまなデバイス間の通信を最適化します。動作に必要なコンポーネントの数もシンプルかつ最小限で、モジュール型の設計によって容易に収容できます。
ブレード・サーバーは通常、電源装置や冷却システムといった高コストなリソースを共有することで、ネットワークやデータセンターにおける消費電力を削減します。
ブレード・サーバーが支える多くのネットワークやデータセンターでは、可能な限り100%に近い稼働を維持するシステムの能力である高可用性が求められます。そのため、ブレード・サーバーには冗長電源、容易に交換可能なコンポーネント、可用性を高めるクラスター構成といった機能が備えられていることが多くあります。
他の種類のサーバーとは異なり、ブレード・サーバーは超薄型で、動作に必要な最小限のコンポーネントで構成されています。例えば各ブレードには、個々のアプリケーションを実行するために必要なすべてのプロセッサーとメモリーが搭載されています。
サイズに加えて、ブレード・サーバーのモジュール型設計により、データセンターやネットワーク環境で他の種類のサーバーと容易に積み重ねて配置することができます。
その適応性と性能により、ブレード・サーバーは、多くのミッションクリティカル・アプリケーションにおけるデータセンターおよびネットワークのニーズを支える上で不可欠な存在となっています。
例えば、ブレード・サーバーは、多くのビッグデータ分析アプリケーションの処理および分析ニーズを支えています。これには、生成場所に近いところでデータをリアルタイムに処理する必要があるエッジ・コンピューティングやIoT(モノのインターネット)のユースケースも含まれます。
モジュール型の設計により、ブレード・サーバーは既存のITインフラストラクチャーに容易に追加したり削除したりできます。コンピューティング需要の変化に応じて、ブレード・サーバーはスケールアップやスケールダウンが可能です。
仮想化されることで、ブレード・サーバーはさらに拡張性が高まり、IT管理者はサーバー環境をより柔軟にカスタマイズできるようになります。
ブレード・サーバーの拡張性、柔軟性、コンパクトなフォームファクターにより、幅広いビジネス用途に最適な選択肢となっています。クラウド・コンピューティングや仮想化から、エッジ・コンピューティングやIoT(モノのインターネット)ソリューションに至るまで、代表的なユースケースは次のとおりです。
ブレード・サーバーは多くのエンタープライズIT環境で広く利用されていますが、近年では、より特殊なユースケースに適した他の種類のサーバーも登場しています。
ブレード・サーバーと同様に、ブリック・サーバーもサイズと効率性が重視される高密度コンピューティング環境向けに設計されています。しかし、ブレード・サーバーが個々のブレードを収容する専用のシャーシを必要とするのに対し、ブリック・サーバーは完全に独立した構成を持ち、より標準的なサーバー・ラックに容易に積み重ねることができます。
ブリック・サーバーは、ブレード・サーバーよりもコンパクトで適応性に優れています。また、他の種類のソフトウェアやハードウェアとの互換性はブレード・サーバーより高いものの、リソース共有の面ではブレード・サーバーほど優れていません。
企業は、ブレード・サーバー以上に物理スペースあたりのコンピューティング性能を必要とするアプリケーションを実行する場合に、ブリック・サーバーを選択することがよくあります。
カートリッジ・サーバー(マイクロサーバーとも呼ばれる)は、ブレード・サーバーやブリック・サーバーよりもさらにコンパクトです。実際、その名称はプリンターのカートリッジに似たサイズと形状に由来しています。
カートリッジ・サーバーは、サイズ、効率性、拡張性といったブレード・サーバーやブリック・サーバーと同様のメリットを、さらにコンパクトな形で提供します。カートリッジ・サーバーは、特定の種類のウェブサービング、ホスティング、動画トランス・コーディング、ビッグデータ分析など、非常に特殊なコンピューティング環境で利用されます。
ハイブリッド・サーバーは、仮想化リソースとオンプレミスのサーバー・リソースを組み合わせたサーバーです。このアーキテクチャーにより、企業は必要に応じてクラウド上のサーバー・リソースを活用しつつ、オンプレミス・サーバーのリソースも保持することができます。
一般的に、自社のサーバー環境を高度に制御・管理したいと考える企業は、ブレード・サーバーを利用します。しかし、クラウドの拡張性と柔軟性を優先したい企業は、通常ハイブリッド・サーバー・ソリューションを選択します。
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1. データセンター・ブレード・サーバー市場調査、Grandview Research社、2024年