IBM Power Systems

IBM i やAIXの開発・検証環境をIBMのクラウドで

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多くの企業でクラウド活用が拡大する中、オンプレミスで運用しているミッション・クリティカルなアプリケーションに目を向けると、思ったほどクラウドの活用は進んでいないのが現実です。その原因となっている課題をIBM Power Systems Virtual Serverで解決し、DXを推進していくためのアプローチ方法をご紹介します。


三ヶ尻 裕貴子

三ヶ尻 裕貴子
日本アイ・ビー・エム株式会社 システム事業本部 Hybrid Cloud事業推進担当部長

長年にわたりIBM Power Systems一筋に携わり、そのテクノロジーの変遷や進化と向き合ってきたエキスパート。現在も最新技術動向をいち早くキャッチし、お客様への提案活動や社内でのスキル強化をリードしている。

20%のワークロードしかクラウドへ移行されていないという現実

クラウドはエンタープライズの世界に広く普及しました。「クラウド・ファースト」というコンセプトが叫ばれはじめてからすでに久しく、既存システムの更改や新規システムの構築に際して、クラウドは最優先で検討すべきプラットフォームとなっています。

しかし、IBMが世界113社のお客様に行ったアンケートからは、この10年間でまだ20%のワークロードしかクラウドへ移行されていないという現実も見えてきます。

お客様の中に、クラウド移行に対するさまざまな懸念事項が残っているのが原因です。その1つが運用に関するもので、私どものもとにも「バージョンやパッチレベルが異なるOSやミドルウェアがあちこちに分散して一貫性を保つのが難しい」、「クラウド環境や既存システム連携が増えて管理が難しい」といった声が寄せられています。

近年ではKubernetesを利用する、要するにアプリケーションの動作環境を丸ごとコンテナ化してクラウドに持っていくという方法も提唱されていますが、多くのお客様はコンテナのセキュリティーや可用性に関して十分な確信を得るまでに至っていない実情もあります。

また、クラウドの世界ではオープンソースのテクノロジーが多用されていますが、「新しいテクノロジーが次々と出てスキル強化が追いつかない」といった問題に直面しているケースも散見されます。
システム構築は一時的なものですが、その後に何年も続く運用に対するこれらの懸念や課題が解決されなければ、安心してクラウド移行に踏み切ることはできません。

とはいえ、あらゆる企業にとってデジタル・トランスフォーメーション(DX)への取り組みを加速させていくことが至上命題となっています。そして、DXを実現する上で最も重要な要件がITの俊敏性・改変性を高めることであり、そのためには優れたテクノロジーを柔軟かつ継続的に採用していかなければなりません。

テクノロジーを活かして新しいサービスやビジネスモデルを創出し、DXを推進していくという観点から、クラウドを活用することは1つの手段として不可欠なのです。

クラウドの俊敏性を活用した開発・検証環境

どうすれば上記のようなジレンマを解消し、目指すDXの実現に向かうことができるでしょうか。この問いに対して、IBMでは Power Systemsをお使いのお客様に向けて、IBM AIXやIBM i、Linuxを、Power VM上のLPAR as a ServiceとしてIBM Cloud上で提供するサービス 「IBM Power Systems Virtual Server」を活用したモダナイゼーションをお勧めしています。

IBM Power Systems Virtual Server 説明図

IBM Power Systems Virtual Server 説明図(クリックで拡大表示)

そこには大きく2つのアプローチがあります。

1つめのアプローチは、オンプレミスのIBM iやAIX環境で稼働している既存のアプリケーションのモダナイゼーションをクラウドで実施するという方法です。

IBM CloudのIBM Power Systems Virtual Serverを利用することで、最新バージョンのIBM iやAIXの環境をクラウド上に用意することができます。アプリケーションのモダナイズを促進するために、コンテナ化/マイクロサービス化の開発、ミドルウェアの最新化、オープンソースの取り込みによるアプリケーションの刷新が行えます。

こうしてIBM Power Systems Virtual Serverでコンテナ化、マイクロサービス化したアプリケーションと、IBM Cloud上で提供されているIBM Watson APIやアナリティクスなど、さまざまなクラウド・サービスを連携させることも可能です。

さらにIBM Power Systems Virtual Server上には、Linuxを動作させるためのLPAR(論理区画)を別途立ち上げることも可能です。このLinuxの区画で新たに開発したクラウドネイティブ・アプリケーションと、別区画にリフトしてきたサービス化されたアプリケーションとの間でデータ連携をするなど、同じIBM Power Systems Virtual Server上ならではの高い親和性と、アプリケーション特性によって稼働する環境を選択することができます。なお、ここで発生するIBM Cloud内でのデータ転送のコストがかからないことも、IBM Cloudのメリットとなっています。

もう1つのアプローチは、オンプレミスでクラウドネイティブ・アプリケーションを開発するという方法です。オンプレミスで運用しているIBM Power Systems上でもLinux/ Open Shiftを稼働させる区画を立ち上げることが可能であり、その環境でアプリケーションをマイクロサービス化する開発をよりセキュアに実施できます。

もっとも、開発したアプリケーションを実際にクラウドに展開する前には、必ず動作テストが必要となります。そこで先のアプローチと同様にIBM Power Systems Virtual Server上にLinuxの区画を作って検証環境として利用するのです。

アプリケーションが正常に動作することを確認したあとは、IBM Power Systems Virtual Serverをそのまま本番環境として利用するほか、ふたたびオンプレミスの環境に戻して運用することも可能です。

このようにIBM Power Systems Virtual Serverを有効活用することで、ハイブリッドクラウドをベースとする開発環境や検証環境、本番環境を容易に実現し、DXを見据えたアプリケーションのクラウド移行およびモダナイズ、クラウドネイティブ・アプリケーションの展開を加速することができます。

アプリケーションの特性に合わせたCloud Native技術の活用

アプリケーションの特性に合わせたCloud Native技術の活用(クリックで拡大表示)

 


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