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マリコパ郡高等裁判所事務官:迅速かつ正確な回答を一般市民に提供

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アリゾナ州フェニックスのマリコパ郡高等裁判所事務官には、郡内の400万人の住民から毎日数千件のサービス要求が届きます。 市民からの問い合わせで多いのが、結婚許可証の申請、パスポートの更新、裁判所記録の閲覧など、時間的制約のある要求です。 高等裁判所事務官の職員の元に要求が殺到するようになり、そうでなくても煩雑なプロセスに遅れが生じ、市民の間に混乱が生じました。

他の大半のIBMのお客様とは異なり、高等裁判所事務官は「競争の激しい業界」に属しているわけではありませんが、それが事務官の使命に影響することはありません。 事務官の目標は、最も効率的にできるだけ費用対効果の高い方法で市民に公共サービスを提供することです。 その目標を達成するためにIBM Watsonに支援を求めました。

 

市民と職員への迅速かつ一貫性のあるサービス提供

高等裁判所事務官はIBM Watson Assistantを導入して市民や職員と関わり、AIをワークフローに導入して顧客サービスを改善すると同時に、コスト削減およびチャネル間の対応の標準化を行いました。 事務官オフィスでは最初に、Watson Assistantを職員に提供してSlackでのセルフサービスを可能にし、Watson Assistantが従業員の質問に答え、複雑な問題のヘルプ・デスク・チケットを作成し、重要なレポートを生成できるようにしました。

最初の成功を受けて、事務官オフィスはWatson Assistantを市民向けの仮想エージェントとして導入し、電話での長い待ち時間が生じるのを防ぎました。 事務官オフィスは真のオムニチャネル・エクスペリエンスを提供して、Web上でWatson Assistantのすぐに使用可能なWebチャットを使用するだけでなく、SMS上、およびAlexaやGoogle Assistantなどの音声アシスタントでWatson Assistantを利用できるようにしており、そのおかげで市民は自宅から簡単な音声コマンドで予約を行うことができます。 事務官オフィスはWatson Discovery(IBMのエンタープライズ・サーチ機能)もWatson Assistantと統合して、ポリシーと手順に関する複雑な質問について資料から情報を取得できるようにしました。

Watson Assistantを導入する時期が来ると、新型コロナウイルス感染症の大流行が始まったばかりだったこともあり、最高裁判所事務官はその立ち上げについてスマートに対応する必要があることに気付きました。 先行き不透明なこの時期、チームは市民が仮想エージェントとの対話ではなく、むしろ人間との会話のみを望んでいるかもしれないと考えました。 しかしソフト・ローンチ後、チームは予想以上に市民の使用量と満足度が高いことを確認しました。 州の屋内避難命令により、事務官オフィスの仮想エージェントは質問に答え、市民の書類の提出をサポートするうえで欠かせませんでした。直接裁判所に出向いたり電話で待たされたりすることもありません。

Watson Assistantを使用すれば、市民と職員は迅速かつ正確で一貫性のある回答を得ることができ、担当者はより複雑で満足度を高められる作業に集中することができます。 最初の1カ月で、Watson Assistantは人間の介入なしで会話の約70%を処理し、担当者は問い合わせに直接対応する時間を約100時間節約できました。

 

IBM Watsonとマリコパ郡高等裁判所事務官の次の取り組み

Watsonを使用した作業から得た予想外のメリットの1つは、裁判所事務官が市民について理解を深められたことです。 Watson Assistantを導入後、事務官オフィスは市民のニーズに対する洞察を引き出しました。 これらの洞察に基づいて、事務官オフィスは新型コロナウイルス感染症の流行期間中にリモートで市民に提供するサービスおよびWebサイトに備える機能を決定し、カスタマー・エクスペリエンスをさらに向上させました。 マリコパ郡高等裁判所事務官のテクノロジー・イノベーション・ストラテジストであるアーロン・ジュディー(Aaron Judy)氏は次のように述べています。「これは、私たちが考えている多くのイノベーションの1つにすぎません」。 事務官オフィスではWatson Assistant for Voice Interactionを導入し、オムニチャネル・ビジョンを拡張してテレフォニーを組み込むことも計画しています。


この投稿は2020年5月21日に米国Cloud Blogに掲載された記事 (英語) の抄訳です。

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