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技術と人を育てる、Celonis x 日本IBMがめざす地域での豊かな共創

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日本IBMとCelonis株式会社(以下、Celonis)は、2023年10月に「IBM地域Celonis人財育成プログラム」を発表し、地域DXを推進できる技術者の育成および地域活性化への取り組みを開始しました。プログラムでは、地域で新たなDXスキルの習得やリスキリングをめざす個人を対象に、Celonisの先進的なプロセスマイニングや業務実行管理機能を学ぶことができるトレーニング・コンテンツ「Celonis Academy」と日本IBMが有するビジネスとテクノロジーの知見や業務変革支援のノウハウを統合した学習の機会を提供します。
本稿では、Celonis代表取締役社長 村瀬 将思氏と、日本IBMでビジネス・トランスフォーメーション・サービス事業を担当する西垣 智裕、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 代表取締役社長 井上 裕美が、Celonis x 日本IBMで取り組む地域の活性化と地域での豊かな共創について鼎談します。

 

村瀬 将思氏
村瀬 将思(むらせ まさし)氏
Celonis株式会社 代表取締役社長
 
2021年12月1日より、Celonisの代表取締役社長に就任。2014年には日本HPのソフトウェア事業統括の役員、2016年からはServiceNow Japanを立ち上げ、急激な成長を推進した国内外のビジネスリーダーとしての経験を基に、日本の社会・組織のDXを完成させるべく、プロセスマイニングをベースとした生産性の最適化、持続可能な社会形成に取り組んでいる。

 

西垣 智裕
西垣 智裕(にしがき ともひろ)
日本アイ・ビー・エム株式会社 コンサルティング事業本部 パートナー
オートメーション事業部長/Industry Specific BPO事業部長/Celonis推進日本責任者
 
監査法人を経て、アイ・ビー・エムビジネスコンサルティングサービス株式会社(現:日本IBM株式会社)に入社し、 経理・財務領域のコンサルティングを経て、現在はAutomation/Industry Specific BPOのリーダーとしてプロセスマイニング、AI、RPA、OCR、BPM等最新テクノロジーを活用したBPRのコンサルティングから導入、運用支援までEnd to Endのお客様支援を推進している。

 

井上 裕美
井上 裕美(いのうえ ひろみ)
日本アイ・ビー・エム株式会社取締役
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社代表取締役社長
 
日本IBM入社後、官公庁業界を中心にお客様のコンサルティング、システム開発、保守運用に携わる。官公庁業界のリーダーを経て2020年日本IBMデジタルサービス代表取締役社長就任。IBM地域DXセンターの開設と拡充を通じて、地域でのDX人財創出と共創に力を入れている。2022年日本IBM取締役就任。

 
目次

  1. 「IBM地域Celonis人財育成プログラム」の開設の目的
  2. プロセスマイニング(業務プロセスの可視化・最適化)を活用したDXで地域の活性化をめざすには
  3. Celonis x 日本IBMで取り組む、地域での豊かな共創

 

「地域Celonis人財育成プログラム」の開設の目的

 
IBM井上: 昨年2023年10月にCelonis株式会社(以下、Celonis)と日本IBMが共同発表した「地域Celonis人財育成プログラム」が今年1月に開講しました。
地域でDXスキルの新たな習得やスキリングをめざす多くの方々が、企業や自治体のDXの中核となる業務変革に役立つスキルとして、Celonisの先進的なプロセスマイニングの技術(企業内の業務のログを収集・分析し可視化することで、課題となる箇所の特定、プロセスの自動化、最適化を行う)と、日本IBMが提供する業務変革を支援する実践的なノウハウを学んでいます。
 

 
日本IBMでは2022年にIBM地域DXセンターの立ち上げを発表したあと、予定していた7拠点を昨年までに全て設立し、これから拠点の一つ一つを大きくしていこうというところです。全国拠点とも100% IT技術者の拠点となっていて、所属する社員はそれぞれの豊かな地域に住みながら国内外の仕事をリモートワークで行うスタイルが一般的です。
離れた場所からも自分らしく仕事ができることで、もともと地域に住んでいた人だけでなく、UターンやIターンで地域に住み始めた社員も多くいます。

一方で、全国的にIT技術者の不足が問題視されていますが、私としては、地域に住む技術者を取り合うのではなく、IT、DXのスキルを持った技術者の全体数を地域に増やすことで、その地域の企業や行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、地域社会の活性化に繋げたいと考えています。
少子高齢化が進み、働き手が少しずつ減っていく中で、どうしたら一人一人が幸福と感じながら快適な社会を作れるか、鍵となるのは、大都市だけでなく、地域に住む人が新しい技術やさまざまなスキルを身につけて、皆でより豊かな地域社会を作っていくことだと思います。
 
Celonis村瀬: そうですね、人財も経済ももう首都圏の一極集中ではなくなりました。以前は東京や大阪など大きな街に集中していた優秀な人財が、最近は地域に分散していますね。そうした今、地域社会を豊かにするのはやはり地域のDXであり、それを担う人財の育成に力を入れるべきだと思います。

日本の場合、地域のデジタル・トランスフォーメーション(DX)をやろうとすると、D(デジタル化)はできるが、X(トランスフォーメーション(変革))が難しい、などと言われています。
難しい変革をどう成功させるか。デジタル技術を使って抜本的にビジネスモデルを変革し新しい価値を生み出すためには、業務プロセスを変革し、効率化と生産性の向上を図ることが最も効果的です。私はそれには3つのPが必要だと考えています。

 業務プロセス変革に必要な3つのP

  1. Process(業務プロセス):業務のログデータが存在し、改善を行うことによりビジネス的に効果があるプロセスの選択
  2. Platform(プラットフォーム):業務プロセスの可視化・最適化を実現するプラットフォーム
  3. Person(人):業務プロセスを、テクノロジをもって変革するスピリッツを持っている人財、現場で変革をリードするチャンピオン(先頭に立って旗を振る人、熱意あるリーダーの役割)

 
この中で特に重要なのは、3番目のPerson(人)です。Process(業務プロセス)とPlatform(プラットフォーム)があっても業務の現場で変革が進まないこと多い。経営層が業務プロセスを改善しようと上位から言っても、従来のやり方を長く続けてきた業務の現場で働く人たちは、なかなか受け入れてくれないからです。

こうした中で変革を前に進めるには、業務の現場にいて、業務プロセス改善の必要性を肌で感じ、自ら変革を進めようとするスピリッツを持っているチャンピオンが必要です。
具体的には、職場の人たちに自分の言葉で変革のメリットを語り、旧来のやり方にこだわる社員の戸惑いや抵抗を最小限に抑え、全員が能動的に変革に取り組めるように導く、そういうことができる人財です。こういう人がリードしてはじめて現場のDXが成功します。エグエクティブや外の組織だけではなく、業務の現場の中にいて変革をリードする人財を育てない限りは、いくらトップが旗を振っても変わらないのが日本の組織ではないでしょうか。
 
「IBM地域Celonis人財育成プログラム」では、井上さんが述べられた通り、地域で新たなスキルを学びたい、リスキリングしたいと思う皆さんが、業務プロセス変革の技術と、変革を進めるための実践的なノウハウの両方を学ぶことができます。
ただ私としては、このプログラムを通して、技術だけでなく前述のような業務の現場で周囲を巻き込み変革を成功させるスピリッツを持つようになって頂きたい。チェンジマネジメントなどのソフトスキルも身に付けられれば、なお一層地域DXの力強い推進者になってくれるはずです。
 
IBM西垣: 村瀬さんがおっしゃった3番目のP、Person(人)について私も思うところがあります。以前、私は日本のDXの限界が近づいてきているように感じていました。良くも悪くも、日本の職場では業務が「人」に固定されていることが多く、担当者でないと業務の内容や進め方が分からなくなってしまっている、いわゆる属人化しているケースがあまりにも多いためです。

ある業務の変革を提案しようにも、担当者から「でも大変なんです」と言われると、他にわかる人がいないので「じゃぁしょうがないね」と、変革の矛を収めてしまう。そんなことを繰り返していたら、業務変革は進みませんよね。

ところが、ある職場でAさんの定型作業を自動化しようとした際、まずは業務プロセスを可視化しようということでCelonisを使ってみたところ、Aさんの作業だけでなく、関連する業務全体が可視化されて、属人化していたタスクも含め効率の悪い部分、改善の可能性がある部分が全て明らかになりました。
客観的なデータによって課題のある箇所や原因が特定されたことで、担当者たちの意識が変わりました。その結果、業務に関わる人たちが納得したうえで協力するようになり、最終的にEnd to Endで業務プロセスの変革が実現しました。
こうした当事者の腹落ち感や新しいことを柔軟に受け入れる姿勢は、DXを進めるうえで非常に大切です。
職場に変革の意識が浸透し全員が同じ方向を向くことがDXの成功には欠かせません。この例のように「人を変革させる」という目的においても、データを元にした客観的な業務プロセスの可視化は非常に役立つと思いますね。

 

プロセスマイニング(業務プロセスの可視化・最適化)を活用したDXで地域の活性化をめざすには

 
IBM井上: 最近、地域でお仕事させて頂く機会が増える中で、「テクノロジーって面白い」というキーワードをよく耳にします。
弊社はリモートワークが主流で、住む場所を選ばない働き方が定着していますので、首都圏だけでなく、札幌や北九州などそれぞれのIBM地域DXセンターの地域拠点での採用を拡大しています。新卒、キャリア入社に加え、60歳以上のシニア採用で入社してくださる方も増えているため、各地のIBM地域DXセンターは、年齢も経験も専門領域も実にさまざまで、ダイバーシティが進んでいます。

こうした多様な人財が集まると、先ほど村瀬さんがおっしゃっていたような、従来のプロセスを変えたがらない人もいる一方で、「テクノロジーに触れたときのおもしろさ」で意識が変わるケースも増えていると感じます。

例えば、今回のプログラムで学べるプロセスマイニングは複雑で膨大な量のデータを扱うこともあり、一見するととても難しい印象があります。しかしやってみると実にたくさんのメリットがあり、DXに欠かせない効率化や生産性の向上に非常に役立つスキルだとわかります。
IT技術に興味を持っている人は、新しいテクノロジーに心がくすぐられて、最初は導入すること、変化することに対してネガティブな意識を持っていても、やっているうちに面白くなって、他のことにも応用してみようとか、別のことにもチャレンジしてみようと踏み出すことができる方が多いように思います。
年齢に関わらず、技術者マインドともいうべき「テクノロジーって面白い」と感じるシンプルで前向きな心持ちこそが、実は変革に最も必要な資質ではないでしょうか。こうした感覚を持つ人が技術力を高め、地域のDXをリードできる人財になるのではないかと期待しています。
 
Celonis村瀬: そうですね、技術は言わばDXの共通言語、それに加えて、テクノロジーへの好奇心や変革のスピリッツ、チェンジマネジメントやリーダーシップなどのソフトスキルも身につけることができれば、間違いなく地域DXをリードする人財として大きく成長できると思います。そうしたスキルアップをぜひ応援したいですね。
 
海外のDX成功例を見ると、若い世代で企業のDXを推進するチャンピオンになる人達が増えています。先入観なく純粋にデータから事実を読み取るので、そこから見えてくる課題解決の道筋や、業務プロセスの抜本的な変革案を導き出せるということだと思います。但し、若い世代はどうしてもビジネスの経験が浅いので、エグゼクティブやビジネス現場をよく知る先輩社員がアドバイスしたり一緒に議論に参加することで、具体的に業務の現場にフィットする新しいプロセスを練り上げることができるようになります。
 

Celonis x 日本IBMで取り組む、地域での豊かな共創

 
Celonis村瀬: Celonisがもともとめざしているのは、人々や社会のあり方やしくみ(プロセス)を変えることによって無駄を省き効率を良くし、サステイナブルで地球に優しい世界を作りたいというところにあります。
例えば物を輸送するとき、皆が1台ずつトラックで運ぶのではなく、一緒に運べるものを仕分けたり業種を超えてまとめて運ぶことができたりしたら、CO2の排出量が削減されますよね。

同様に、地域の高齢者向けのサービスなどを考えた時、関連する実際のログデータをもとに無駄ムラを発見できれば、原因を特定し改善することで、他の行政サービスとの連携がもっとスムースに行えるかもしれません。効率化されて、役所での順番待ちがなくなったら嬉しいですよね。必要ならば法整備や新たな地域のルール作りにも繋げていくことができるでしょう。
 
つまり地域での業務プロセスの変革は、地域のサービスがもっと便利になったり、職場での働き方が改善されたりするなど、住んでいる人の暮らしに直結した改善が見込める。地域DXが進むことで、地域に住む人も働く人も、みんなが今よりもっと快適で住みやすい社会を作っていくことができるんです。

また私の思いとしては、日常の小さなプロセスを改善したら仕事が効率よく運んだりするような、小さな成功体験をたくさん積み上げていくことで社会の大きな変化に繋げていきたいのです。それには最初から大きなプロジェクトで考えずに、目の前の作業を可視化してプロセス改善を試してみて、うまく行ったら次の作業も試してみる、うまくいかなかったらやり方を変えてもう1度やってみる。こんなふうにプロセスマイニングを「普段使い」できるようになるといいなと思っています。
 
IBM西垣: Celonisとビジネスを始めて感じたのは、Celonisを導入して業務の可視化をするお客様は、企業や団体の規模の大小に関わらず、小さく始めるところが実際多いということです。まずは小さな業務を可視化して業務プロセスの変革を成功させ、次にもう少し大きな規模の業務のプロセスでやってみる、といった具合です。それで変革に成功しているケースが増えていますね。
 
Celonis村瀬: 余談になりますが、Celonisでは “Celoる(セロる)”という言葉を普及させたいと考えているんですよ。皆さんがGoogleでちょっと調べ物をする(ググる)ように、何か不効率なことがあったら、ちょっとCelonisにかけて可視化してみる、という使い方です。そのくらい手軽にプロセスを可視化させて効率化を図れる世の中になって欲しいなと思っています。
 
IBM井上: 素敵な野望をお持ちですね。あまり難しく考えず、誰もが小さなことから始めてみようと思えるのは良いことだと思います。テクノロジーの活用や人財の育成を通して地域を活性化し、地域の皆さんと一緒に豊かな社会をつくっていきたいという思いはCelonisとIBMに共通するところです。
 
IBMは、地域のIT人財を育成したいとの思いで「地域Celonis人財育成プログラム」のような学習機会の提供や、地域の女性技術者を育成するスタートアップ企業様との連携など、いろいろな取り組みをここ2年ほどかけて行ってきました。ここにきてようやく、地域でのDX技術の習得やリスキリングをめざす個人の方々、地域の企業、自治体、教育機関など多くのステークホルダーの皆様と共創して地域を活性化する世界が広がりつつあると感じています。


 
Celonis村瀬: 人財の育成を通じて地域との関わりが強まってきたことは私も嬉しく思っています。今後は地域の大学などの教育機関との連携にも力を入れて行きたいと考えているところです。
Celonisはもともと、ドイツのミュンヘン工科大学に在籍していた3人の学生が、当時はまだ学問でしかなかったプロセスマイニングをビジネス改善のテクノロジとして確立させた企業という背景もあり、私たちは大学とのコラボレーションをとても大切にしています。

通常、学生の皆さんにはデータ分析やプロセスを可視化、変革する手法をまず学んでもらい、われわれが実際のビジネスでの活用方法をフォローする形をとっていますが、彼らがこれまでとは全く違う観点で物事を捉え変革にアプローチする姿にいつも驚かされます。こうした第三者の視点、客観的なデータの捉え方はプロセスマイニングにおいては極めて重要なことです。

日本の地域に目を向けると、学生や若い人が少ない現実もありますね。高齢化が進む =働き手が少なくなる中で業務を効率化しないことには、仕事が回らないしビジネスも増えません。
それにはやはり地域のDXを加速させる必要がありますから、その担い手となるIT技術者を地域に増やすことが肝心ですね。

また先ほど述べた、変革を推進するスピリッツを持った人財を育成し、その人たちがリードしDXを成功させる流れが最も有効だと考えます。
地域のDXが進み生産性が上がれば収入も上がり、結果として地域の経済状況も良くなりますから地域全体で良い循環が望めます。
 
IBM井上: 地域での共創という観点で、地域の産業や教育機関との連携のほかに、地域のコミュニティに参加する、あるいはコミュニティづくりを支援することも地域の活性化に良い効果があるように思いますが、いかがでしょうか。
 
Celonis村瀬: そうですね、Celonisも地域でのコミュニティづくりに力を入れたいと思っています。業務プロセスの変革はどの企業でも難しい。継続的に実施していく中で、成功する場合もあれば失敗する場合もあります。いろいろ失敗する中で見出した知見やヒントを、企業内だけなく、他の企業や団体など、横でつながるしくみが作れたらもっとお互いに切磋琢磨できるはずです。

諸外国では、自分が所属している企業で業務の変革を進めているうちに、社会に存在するいろいろなプロセスをより良いものに変えて行きたいという意識を持つ人が増えています。
そうした場合、自分一人では達成できないことも、同じ志を持った横のつながりがあれば、意見交換したり、地域をよくするために一緒に行動に起こすことが可能になりますね。
日本でもそうした技術者のコミュニティが増えて欲しいと思います。地域の課題や特性、慣習を理解している地元の技術者が協力しあってプロセスマイニングを行い、住みやすい街づくりに活かしてほしい。私はそうしたコミュニティを育成し応援したいと思っています。
 
IBM井上: 参加する人が互いに切磋琢磨できるコミュニティの育成はとても良いですね。
IBMの場合は、地域の各拠点が場所に関わらずバーチャルで一つの開発センターと捉えていまして、例えばプロジェクトメンバーのアサインも、北海道の仕事だから北海道の人と考えるのではなく、常に全国区で考えられるようになっています。

裏を返せば、ある1つの拠点で開発の生産性改善の効果的な良い事例が生まれると、バーチャルで繋がっているその他の地域のメンバーにも連携されます。
技術だけでなくマインドも含めて伝播して行く世界感です。企業や組織、場所の枠にこだわらず、技術や知見を共有してお互いに気づきを得たり勇気づけられたりできるコミュニティがあるというのは、技術者の成長にとっても非常に良いことだと思います。

IBM西垣: 私はテクノロジー企業にいる者として、地域で豊かに共創していくうえで、技術と技術をつなげてイノベーションや新たな価値を作り出して地域の課題解決に役立てようとした時、そこに「ワクワク感」があってほしいと思っています。
例えば、Celonisにはプロセスマイニングが、IBMにはwatsonx(AI)のテクノロジーがあります。そこから新たな価値としてCelonis x AI の組み合わせを考えてみる。業務プロセスを可視化するには精度の高い業務ログデータが必要ですから、使えない形のデータなどは予め整えておく必要がありますね。非構造化データをAIによって構造化しCelonisにインプットすれば、より短い時間で正確な業務の可視化が可能になるかもしれません。またCelonisにより抽出された業務プロセス上の課題は、AIを活用することで自動化や大幅な業務効率化を実現できる可能性もあります。

世の中にあるいろいろな技術の組み合わせを想像してみると、アイディアは無限です。地域の特性や課題に合わせて、どんな技術の使い方でイノベーションが起こせるのだろうと考えると、なんだかワクワクします。技術者にはこうした感性を持ってDXに取り組んでもらえると嬉しいですね。
 
IBM井上: CelonisとIBMは、両社のパートナーシップをもとに今後もIBM地域DXセンターを中心に「地域Celonis人財育成プログラム」を展開して参ります。これまでお話してきたように、プロセスマイニングの技術を活用した業務プロセス分析や業務変革をリードできる人財を育成することで、地域のステークホルダーの皆様と共にDXを加速し、デジタルを活用した価値の最大化を通して地域の活性化に取り組んで参りたいと思います。


 
参考
IBM Newsroom 「Celonisと日本IBM、業務プロセス全体の最適化によりDXを推進する技術者育成を目指す「地域Celonis人財育成プログラム」を提供開始」 

IBM地域Celonis人財育成プログラム(TECHPLAY) 

日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)採用情報

 
 
 


ijds author
文・写真:加藤 智子 
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス(IJDS)事業企画推進 ラーニング&ナレッジ担当

 

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