フューチャーデザイン

探索範囲を決める – ブック・オブ・フューチャーズ (Bespokeの『Book of Futures』日本語訳)

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第2フェーズの[探索する]は、1989年のニューヨークでのストーリーからスタートします。

ただ、そのストーリーは以前、私がコペンハーゲンでフューチャーデザインを体験したときにブログに書いているので、そちらでご確認ください。

文化のデザインとは未来のデザイン。未来のデザインとは文化のデザイン。

今回は、[探索する]のサブフェーズの1つ、[探索範囲を決める]を訳していきます。

 


 

Search for signals

The search phase is about meeting the world with curiosity and interest. It is about actively gathering data with the intention of transforming it into new ideas, scenarios, concepts and strategies for the future.

シグナルを探索する

<探索フェーズ>とは、好奇心と関心を持って世界と向き合うことです。

未来のための新しいアイデア、シナリオ、コンセプト、戦略へと変換することを目的とし、積極的にデータを収集することです。

 

The word search is rooted in the Latin word circare meaning to go around. When we search we are going around the situation in order to understand it better. We search in the situational context to identify artefacts, narratives and behaviors related to the situation, and to assess their potential for making change. We call our observations signals, because they are signals of potential change.

探索(search)という単語はラテン語の「歩き回る(circare)」を語源としています。探索をするとき、私たちはより良く理解しようと状況の周りを歩き回っているのです。

私たちは、物体や物語、行動がどのような背景の中で生まれ、それが状況とどう関係しているのかを調べ、それらが変化を生み出す可能性を評価します。

私たちはこの調査の結果を、潜在的な変化を示すものとしてシグナルと呼びます。

 

In searching we distinguish between two sub phases where we scope the search and scan for signals.

探索は、<探索範囲>と<シグナルのスキャン>という2つのサブフェーズに分けて行います。

 

Scope the search

When scoping, we aim to define where to search for signals of change. Scoping is the creation of a strategy for the search, and making sure to cover all chosen areas of interest. The scope serves as an action map and guiding compass for scanning.

探索範囲を決める

探索範囲を決めるとは、変化のシグナルを探索する範囲を設定することです。そして探索戦略を策定し、設定した興味範囲すべてをカバーできるように調整することです。

探索範囲は、スキャニングにおいて地図とコンパスの役割を果たします。

 

Scoping aims to identify domains related to the situation, and help searching for topics within these domains, that can share perspectives, judgements, ideas and knowledge related to the situation, and use this as a guide for where to scan for signals.

探索範囲を決めるのは、現況に関連する領域を特定して、領域内のトピック群の調査を進めるためです。

トピック間に共通する視点や考え方、アイデアや知識を見つけ出し、シグナルをスキャンする際のガイドとしてそれを用います。

 

The main objective of scoping is the articulation of current knowledge and topics related to the situation. We distinguish between three types of knowledge, known knowns, known unknowns and unknown unknowns. We use what we know, and our curiosity to guide us into the unkwnon.

範囲設定の主目的は、現況に対して自分たちが現在持っている知識とトピックを明らかにすることです。

私たちは知識を、既知の既知、既知の未知、未知の未知の3タイプに区別します。そして既知と好奇心を手に、未知の世界へと向かうのです。

 

The scope wheel

Known knowns (15%)  What you know, you know.

Known unknowns (25%)  Wha you know, you dont know.

Unknown unknowns (60%)  What you dont know, you dont know.

スコープホイール

既知の既知(15%)  自分が知っていることを自分で分かっているもの

既知の未知 (25%)  自分が知らないことを自分で分かっているもの

未知の未知(60%)  自分が知らないことを自分で分かっていないもの

 

Domains of exploration

We use a model that we call the scope wheel to visualize and work with the scope. We divide the context of the situation into a few domains of interest and aim to exhaust each domain with topics more or less relevant to the situation.

探索領域

探索範囲を可視化して取り組み易くするために<スコープホイール>と私たちが呼んでいるモデルがあります。

現況のコンテクストをいくつかの興味領域に分け、ある程度関係するトピックでそれぞれの興味領域を埋めていきます。

 

The domains of interest serves to focus our search on what will most likely change the situation or where we find the most potential for inspiring our design process. Keywords from the situating phase can serve as a basis for deciding what domains are most important.

現況を最も変化させそうなもの、あるいはデザインプロセスに最も強い影響を与えそうな潜在力を持つ興味領域を選び出しましょう。

<位置決める>のフェーズで上がったキーワード群を基盤として用い、決定する方法もあります。

 

To inspire a wider search, models like the business analysis framework STEEPV can be used. Each letter of the STEEPV will constitute one domain and we fill out each of them with topics relevant for the situation.

より広範囲な探索への足がかりとして、STEEPVなどのビジネス分析フレームワークを用いることもできます。

STEEPVの頭文字それぞれを興味領域として、現況に関連するトピックで全領域を埋めていきます。

 

The STEEPV domains: Social, Technological, Economical, Environmental, Political and Value-based issues.

STEEPVの示す領域は、以下の通りです。

社会(Social)、技術(Technological)、経済(Economic)、環境(Environmental)、政治(Political)、価値観(Value)。

 

Spaces of relevance

Closest to the core of the subject and at the centre of our scope wheel we find the topics most relevant to the situation, and closer to the periphery the topics are less relevant. Outside the periphery are those topics we deem irrelevant to the subject of study. In-between we define three spaces to guide and calibrate our search strategy.

関連性スペースの関連レベル

現状から見て最も関連性の高いトピックを、スコープホイールの中心に最も近いコアスペースに配置します。そしてトピックの関連性の高低レベルに合わせて、中心からの距離を調整して配置します。研究テーマと関連がないと見なしたトピックは、ホイール外です。

探索戦略を進める上で、私たちはホイールを3つのスペースに区切ります。

 

 

Core space  The immediate context of the situation and state-of-the-art within the subject
Adjacent space  Areas of knowledge, practices and vocabularies complementary to the situation
Peripheral space  The foreign, unfamiliar, radical and more unexplored perspectives

コアスペース  現況と直接的に関係し、テーマにも直結する最新トピックが置かれるスペース

隣接スペース  現況を補完する知識や活動、慣習や語彙などのトピックが置かれるスペース

周辺スペース  異質や先鋭的、未知や未踏などの、不確かなトピックが置かれるスペース

 

 

Happy Collaboration! 

 

コラボレーション・エナジャイザー

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