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進化を続けるIBMメインフレームが、IBM z14で「iF Design Award 2019」を受賞

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IBMのメインフレームというカテゴリーのサーバー製品 IBM z14が、iF Design Award 2019を受賞しました。

iF Design Award 2019を受賞したIBM z14

iF Design Awardは「デザイン界におけるオスカー賞」とも称されている国際的に権威があるデザイン賞で、「プロダクト」「コミュニケーション」「パッケージ」「インテリア/内装建築」「プロフェッショナル・コンセプト」「サービス・デザイン」「建築」の7分野で、優れたデザインを募集しています。

ちなみに、IBMは、1954年の電動式タイプライターによる初受賞以来、昨年のIBM Design Thinkingに至るまで、253の製品やサービスでiF Design Awardを受賞しています。

IBM z14を紹介するiF Design Award 2019のページに書かれている内容を、以下、抜粋します。

  • 「Z」は「Zero Downtime(ゼロ・ダウンタイム)」の「Z」であり絶対的な信頼性を意味します。
  • デザインにおける主要な視覚的要素は、IBM z14におけるハードウェアの進化がもたらす「堅牢性」「不可侵性」「拡張性」を意味します。
  • エアフロー(空気の流れ)を最大化するとともに、遮音用の厚い吸音材を隠すために、革新的なデザインの可動式のパネルが追加されています。

デザイン

上述した3つの内容のうち、まず、デザインについて補足します。

IBMのデザイン・プリンシパルであるCamillo Sassanoは、自身が手がけたIBM z14のデザインについて、「過去に開発したデザイン言語に基づいており、このデザイン言語は絶えず進化している」と語っています。2013年にiF Desgin Awardを受賞したIBM Enterpriseの紹介で述べられているように、IBM Zのデザイン言語はビジネス・コンピューティングの進歩に対するIBMの献身的な意思表明を表しています。そして、ビジネス・コンピューティングとともに、デザイン言語は進化を続けているのです。

IBM Zの歴代製品のラインナップ画像

歴代のIBMメインフレーム(クリックで拡大表示)

こちらの画像では、iF Design Award 2019を受賞したIBM z14が左下に配置されています。

そして、画像左上のIBM eServer zSeries 900(iF Design Award 2001を受賞)から右下のIBM z13まで、黒色の筐体となってからの歴代のIBMメインフレーム[*1]が並んでいます。

Camillo Sassanoが語る「デザイン言語の進化」は、この画像をご覧いただくことでご理解いただけるのではないでしょうか。ぜひ、画像をクリックして、拡大表示でご覧ください。

ゼロ・ダウンタイム

ゼロ・ダウンタイムとは、「障害などでシステムが停止する時間がゼロ」であることを示す言葉です。

IBMが、メインフレームのブランド名称に「Z」を冠し始めたのは、2000年に発表した「IBM eServer zSeries」からです。その後、「IBM System z」「IBM zEnterprise System」「IBM z Systems」そして、現在の「IBM Z」へとブランド名称は変化を続けますが、「Z」は一貫して継承されています。

「ゼロ・ダウンタイム」を意味する「Z」を製品名称に用いている理由は、常に稼働していることが求められる重要な業務にIBMのメインフレームが使用されているからです。

分かりやすい例を挙げると、電力会社、ガス会社、金融機関といった社会インフラを支えるサーバーに、IBMのメインフレームが用いられています。

システムやサービスの停止時間がないことの意味や意義は、「メインフレームなしで5分間でも生活できますか?」と題した映像(日本語字幕)をご覧いただくとご理解いただきやすいと思います。

可動式のパネル

最後に、可動式のパネルについて補足します。

可動式のパネルは、IBM zEnterprise EC12以降のダブル・フレーム筐体モデルで採用されています。

IBM z14のフロントパネルの画像

クリックで拡大表示

IBMのメインフレームの筐体内部の冷却は、空冷方式の場合は「前面吸気」であり「後方排気」です。つまり、前方から冷えた空気を吸い込み、筐体内部で温まった空気は背面から排出しています。

そのため、「Origami Design(折り紙デザイン)」と称されている革新的なデザインのパネルには、折り目加工の穿孔(画像の青い箇所)があり、パネルそのものが通気性に配慮した設計となっています。

そして、以下の4コマ漫画に描かれているように、サーバールームの空気の流れに合わせて吸気を効率的に行うために、パネルが可動式になっているのです。

この4コマ漫画は、IBM z13の時代に描いていただいたものですが、IBM z14においても同様です。実際に、パネルを動かした状態で撮影した画像でご確認ください。

IBM z14のパネルが動く様子を表す画像

左右は可動式パネルを動かした状態(クリックで拡大表示)


iF Design Award 2019を受賞したIBM z14は、デザイン言語に基づく進化が結実して評価されました。そして、IBM メインフレーム自身も進化を続けて現在に至ります。

IBM System/360の画像

IBM System/360(クリックで拡大表示)

IBMメインフレームの歴史を紐解くと、最初のメインフレームは、科学技術計算向けに作られたIBM 701になります。そして、ビジネス用途に作られたIBM 702が登場して、用途ごとに2種類のメインフレームが存在していました。

科学技術計算とビジネスの両方の用途を兼ね備え、汎用のメインフレームとして誕生したIBM System/360は、NASAのアポロ計画で利用されたこともあり、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

奇しくも、今年、2019年は、そのIBM System/360の発表から55周年となります。IBMが最新のテクノロジーを最初に投入するのは、メインフレームであるIBM Zです。常に進化を続け、そして、現在はどこまで進化したのか。以下のブログにてご確認ください。

*1 画像左下はIBM z14。IBM z14の背後、左上から、IBM eServer zSeries 900、IBM eServer zSeries 800、IBM eServer zSeries 990、IBM eServer zSeries 890[Mainframe Kid(コナー・クラスコスキ)が購入した機種]、IBM System z9 EC、IBM Syste z9 BC、IBM System z10 EC、IBM System z10 BC、IBM zEnterprise 196、IBM zEnterprise 114、IBM zEnterprise EC12、IBM zEnterprise BC12、IBM z13(『劇場版ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』に登場するSAOメインフレームのモチーフ

*本記事は、Mediumに投稿された IBM 「iF Design Award 2019」を受賞 の転載です。
*同じく、iF Design Award 2019を受賞したIBM POWER9について、筆者はMediumに、IBM POWER9 wins iF Design Award 2019 ! と題した記事を公開しています。


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