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[アナリストとの一問一答] IBM TRIRIGAソリューション

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先日、IT調査会社の施設・不動産管理ソフトウェアのアナリストとの懇談会に参加する機会がありました。今回は、そこで交わされたアナリストとIBM TRIRIGAソリューション担当者との会話の中から、ファシリティマネジメント業界の現状と、戦略的不動産ポートフォリオ管理の「次の打ち手」についてご紹介します。

 

■ 職場体験、ビジネスプロセス、不動産コストを統合的に捉えて最適解を

「まず、IBM TRIRIGAソリューションの概要を簡単に説明させていただき、それから質問や意見交換へと進めさせていただければと思います。それではスタートさせていただきます。」

TRIRIGAを担当する村田大寛はそう言うと、短いプレゼンテーションを行いました。村田のプレゼンテーションから一部を抜粋します。

 

この数字は、不動産戦略におけるジレンマを表しています。米国の調査ですが、1週間のうち何日かはオフィスで働きたいと考えている従業員は66%。一方で、CFOの83%は、現状をコスト削減の機会としたいと考えています。

 

すっかり定着した感のある「ニューノーマル」という言葉ですが、従業員がリモートを中心にしたハイブリッドな働き方を求めているという事実をしっかり踏まえれば、不動産と資産ポートフォリオの見直しと適切な管理に多くの企業が注目しているのは当然と言えますよね。

 

IBM TRIRIGAは、パンデミックに限らず、先行き不透明で予測が困難なVUCAとも呼ばれるこの状況に必要とされる「柔軟な職場」を提供するものです。

具体的には、スペース計画担当者は、スペースの使用効率を管理・調整するための戦略、管理、および監視の機能を必要としているのでそれを提供します。スペースの利用者には、施設やスペースへの簡単でシームレスなアクセスを提供し、生産性を高めます。そして、CFOや上級管理者には、不動産コストの10-30%(平均)の削減と、エネルギー管理・運用コストの30-40%の削減を提供します。

 

もう一つ、「柔軟な職場」を実現するには、部分を見るのではなく職場における従業員の日々の体験、ビジネスプロセス、不動産コストなど、職場や不動産管理に関わる物事を統合的に捉えた課題管理・解決フレームワークが必要となります。それを備えているのがIWMS(Integrated Workplace Management System)とも呼ばれる統合不動産管理ソリューションです。そのIWMSの世界的なトップランナーが、IBM TRIRIGAです。

それでは、ここからはご質問への回答やご意見を頂戴しながら進めましょう。

 

■ アナリストとの一問一答 

以下は、アナリストと村田の質疑応答をまとめたものとなります。

 

Q: 実際にどのような会社がTRIRIGAを導入し、結果を手にしているのか?

A: 個別の企業名を出すのは控えさせていただきますが、企業プロファイルとしては以下が多いです。

・ 300店舗以上を展開する小売、外食産業、金融、物流などの企業

・ 製造業、通信など、10万平米以上のスペースを使用する企業

・ 不動産、ショッピングモール、鉄道、保険などの建物や施設を多く所有・管理する企業

 

Q: IBMの資産管理ソリューションと言えば、真っ先にIBM Maximoが頭に浮かびますが、それとの違いは?

A: Maximoとの違いはその対応範囲です。大ざっぱに言うと、機械設備や製造・エネルギー機器などの「モノ」を中心に管理していがMaximoで、建物や施設やオフィスエリアなどの「空間・スペース」を対象としているのがTRIRIGAと考えて貰えばよいかと思います。

なお、TRIRIGAとMaximoは、両方を連携させて使用することで一層の強みを発揮するケースが多いですね。特にIBMのような、工場とオフィススペースを有している企業に強くお勧めしたいです。

 

Q: エネルギーや運用コストを大幅削減するとの話でしたが、具体的にはどのように?

A: オフィスや工場など、社会は、企業が所有あるいは使用している不動産のもたらす環境負荷への注目を高めています。

まずは、どの事業所のどの設備が、あるいはフロアがどれぐらいエネルギーを使用しているかをシステム化し、施設・建物内のエネルギーおよび環境面のパフォーマンス測定・追跡を行います。ここがスタート地点となります。

そして気象予報や占有率、カレンダーのデータ、季節性イベント情報などのさまざまな外部サービスデータと合わせ、AIや機械学習を用いてエネルギー消費やCO2排出量管理、排出量削減機会を分析し、運用効率性と環境効率性を同時に向上します。

 

Q: 今後IWMS機能を拡張していく予定はあるのか? それは具体的にどのようなものか?

A: TRIRIGAの大きな特長の1つがAPIによる外部データの取り込みと、それを組み合わせたAIによる分析です。TRIRIGAはCiscoとのパートナーシップにより、施設内のWiFiポイントの利用状況から、人びとの行動やモノの移動を把握できます。

既存Wifiネットワークで、オフィス使用状況をリアルタイムに監視

これまでのCADやBIMによるハード的なデータの取り込みに、今後は人流物流データなどを加えることで、より高度なデジタルツインを活用した洞察やシミュレーションが行えるようになるでしょう。

 

Q: コンペ製品との一番の違いは? 日本における今後の展望は?

A: 最大の違いはIWMSとしての活用範囲の幅の広さであり、現場の利用者と管理者だけではなく、不動産所有や賃貸にもしっかり対応している点ですね。

日本ではまだ、不動産あるいはスペースを所有することが投資であり、戦略的にコストまた利益創出の源泉として適正化していくという意識が、欧米に比べて希薄ではないでしょうか。

これからは経営戦略としての不動産物件管理、スペースに対する需給・使用実績管理がますます注目されるでしょう。

 

Q: サービスの提供方法はどうなっているのか?

A: 統合型のソフトウェアとしてオン・プレミスとSaaSでの提供をしています。

日本では情報システム部門の関与が不要なのでと、SaaSでの契約のケースが多いですね。割合としては、エクセルでの手作業に限界を感じている担当部門さまが多い気がします。

 

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