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共創社会を豊かにする役割を担っていたい | チームメンバー・インタビュー #42 木村 貴竣 セールス, Cognitive Applications

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チームメンバー・インタビュー #42

木村 貴竣 セールス, Cognitive Applications

コグニティブ・アプリケーションズチームのメンバーが、テクノロジーと自分自身とIBM、そして過去・現在・未来について語るインタビューシリーズです。今回は2020年にIBMに入社された木村さんにお話を伺いました。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

— — はじめまして。さっそくですがまずは簡単に自己紹介をお願いします。

はい。木村貴竣(たかとし)です。2020年にIBMに入社し、昨年夏までハードウェア(HW)保守エンジニアとして東京郊外のデータセンターに常駐していました。その後、社内の公募システムを通じてコグニティブ・アプリケーションズの営業職に応募したところ、トントン拍子に話が進んで2021年10月からチームに加わりました。

 

— — 入社後早いタイミングでの異動ですね。それもHWエンジニアからソフトウェア(SW)営業という、結構大きな転身ですよね。

そうですよね。でも、HWエンジニアからSW営業への変化以上に、自分としては大学院で学んでいた「植物学」からIT業界への就職の方が大きな転身なのかなと思っています。

 

■ 植物学の研究からIBMへ

 

— — 植物学からはたしかに大転身ですね! 具体的にはどんな勉強をされていたんですか?

人間で言えば「ホルモンバランスの崩れ」のようなことが原因なのですが、白菜の葉が黒くなってきて収穫量に影響を与えてしまうことがあるんです。その原因や対策について研究していました。

 

— — そこからIBMに就職というのはかなりユニークですね。でもどうして?

僕、小学生のときから料理が大好きで、学生時代はずーっと料理サークルをほぼ続けていたような人間なんです。だから自分でも、将来は食品関係の仕事に就くんだと幼い頃から思っていました。

それで、何も疑問に思わず食品関連企業を対象に就職活動を行い、無事内定をいただいていたのですが、内定者向けの懇親会に参加して話を聞いていたときに「あれあれ?」ってなって。

 

— — 内定を貰った後とは言え見逃せない「あれあれ?」だったんですね。一体どんな?

就職予定の会社の方たちのお話を聞いていたら、…その、あまりうまい言葉が見つけられないのですが、なんと言うか「発展性」を感じられなかったんです。もちろん「何を発展と見るか」という捉え方の問題ではあるのですが…。

自分が今後長い時間を費やす対象として改めて考えると、「これを毎日続けられるのだろうか?」と疑問が沸いてきて、それで、両親にその話をしてみたところ、「ものは試しでIBMも受けてみたらどう?」って言われて。

 

■ 両親から聞いた「入社後はフレキシブルなのがIBM」という言葉

 

— — そこでIBMが出てくるというのも変わってますね。

実は、両親共にIBM社員なんです。あ、正確には母は元社員で、父は今も現役のIBM社員です。

 

— — そうなんだ! びっくり。じゃあ、IBMがどんな感じか大体見当がついていたのかな?

そうですね。僕、子どもの頃からIBMの会社の飲み会とかにちょくちょく両親に連れられて参加していたんです。それで、社員の方によく遊んでもらっていたりしました。

それに両親がホームパーティー好きなので、家に会社の皆さんを招くこともあって。そんなときに会社の話を聞くこともあったので自分にとっては1番身近な会社でしたね。

 

— — ご両親二人ともとなれば、そりゃ家でもIBMの話題が多くなりますよね。でも、親が働いている会社に対して嫌なイメージはなかったんですか?

なかったです。両親の同僚の方たちもとても穏やかな人が多くて、良い印象の方たちばかりでした。そんな方がたが「IBMは他のIT企業とはかなり違う」と言っているのをよく耳にしていました。

それに、両親の姿を見ていて、社員教育や研修が充実しているというのは分かっていました。新しいものにも積極的だし、学ぼうとする人をすごく支援してくれる会社なんだなって。

 

— — なるほど。ところで、HW保守エンジニア職を希望したのはなぜですか?

それがですね…実は、希望したわけではないんです。僕がIBMに応募書類を送ったのはもう8月で、一般的な新卒採用募集はもう終わってしまっていました。それで、まだ応募できたのが「特別選考」という帰国子女などを対象とした枠だけで、僕、帰国子女じゃないんですがそこに応募したんです。だって、それしかないんですから(笑)。対象職種もHWエンジニアしかなくて。

そしたら、なぜかそこでもトントン拍子に話が進み、募集要項通りの配属となりました

 

— — 迷いはなかったんですか? 「自分がやりたいことはHW保守なのだろうか?」って。

本当のところ、HWエンジニアに惹かれていたわけではありませんでした。でも、「本人にやる気がありしっかりと準備ができれば、入社後はフレキシブルに対応してもらえるのがIBM」と両親から聞いていましたので。

 

— — さすが、ご両親お二人ともよくご存知で(笑)。

 

■ 異動を決心させた大事件

 

— — 入社後1年半というタイミングでの異動は最初から予定されていたんですか?

いや、そんなことはないです。配属から1年ほど経ったところで、少し仕事に対して疑問というか違和感のようなものを感じ始めてはいましたが、それでもあと1年くらいは続けるつもりでいました。

でもその後、個人的に大きな出来事が2つ続けざまに起こり、考えが変わりました。

 

— — 2つの大きな出来事…。お話いただけますか?

はい。まず1つ目は、同期入社で同じ配属先だった同僚が「自分の得意領域を活かせそうにないから」と退職してしまったことです。自分も似たような想いを抱いていたし、発展や変化もあまり感じられずにいたので改めて考えさせられました。

 

— — なるほど。では2つ目は?

ちょっとこれは説明が難しいところがあるのですが…。通勤途中に、世間を大きく騒がせた社会的な事件に立ち会う経験をしました。自分の本当にすぐ近くで…目の前で恐ろしいことが起こり、被害に遭われた方には申し訳ないのですが、僕は必死になって逃げました。

僕自身は怪我などもなく無事でした。でもやっぱり、その後数カ月は電車に乗るのが嫌でしたね。そして自分の中で「仕事」というものの捉え方を考える経験となりました。それもあってコグニティブ・アプリケーションズの営業募集に応募しました。

 

— — それは…言葉もないですが…でも無事で良かったです。それでは今、営業職となって3カ月ほどが過ぎたところかと思いますが、率直にどう感じていますか?

楽しさやおもしろさがドンドン増してきています。その分、同時に忙しさも増してきていますが(笑)。でも、異動してきて本当に良かったと感じています。食品という大好きな業界にも違う側面から触れさせていただいていますし。

 

— — すでに担当エリアやお客様を持たれているんですか?

はい。先輩営業の皆さんに助けてもらいながらですが、食品や流通関連のお客様を担当させてもらっています。

 

— — 最初に関さんよしみちさんと面接したときはどう思われましたか?

Maximoジャーニー」ってあるじゃないですか。工場や設備の基盤となるデータを集めていき、それをAIや高度な分析としっかりと組み合わせていくことで、予知保全や労働者が働きやすい現場を実現するというステップですよね。あれを聞いて、僕、すごくワクワクしたんです。人とテクノロジーの共創という未来が、もうこんなにも迫ってきていたのか! って。

「IBMの営業職はキツい・ツラいところあると思うよ」という言葉も頂きましたが、それよりも「自分も、お客様にこうした価値を直接お伝えして、一緒にビジネスを作り上げていく仕事をやりたい!」という刺激の方がはるかに強かったですね。

 

木村さん自信のラー油から作る麻婆豆腐。ビリビリきそう!

木村さん自信のラー油から作る麻婆豆腐。ビリビリきそう!

 

■ 得意料理とフードテック

 

— — 先ほど「小学生のときから料理が大好き」と言われていましたが、得意なのはどんな料理ですか?

得意料理ですか…うーん、なんでも作れますけど、強いて言えば「鍋料理」ですかね。気分や季節に合わせて出汁や具材を変えるので、数十のバリエーションは持っています。

「一番の推しメニュー」は…そうですね、トリ一羽をそのまま丸ごと煮込んだトリ鍋ですかね。見た目のインパクトもあって、パーティーにも映えますよ。

 

— — 美味しそう! いいですね。鍋以外はどうですか?

中華系なら麻婆豆腐ですかね。ラー油と味噌を作るところから始めます。自分で言うのもアレですが、かなり美味しいと思いますよ。

うちはホームパーティー好きってさっき話しましたが、いつも手料理を振る舞うんです。みんなが美味しそうに食べてくれるのが嬉しくって。

 

— — 木村さんはお酒も結構いける口ですか?

いや、見た目のせいかそう言われることが多いんですけど、僕、お酒が苦手で飲めないんです。お酒は飲み物ではなく調味料ですね、僕にとっては。

 

— — そうなんですね。食関連で、作る以外の興味はどうですか? ここ数年フードテックという言葉もよく耳にするようになりましたよね。

そうですね。僕的にもフードテックは気になっています。1番気になるのは…大豆肉ですかね。

いろんな企業が取り組んでいますよね。この間、ある大豆肉のハンバーガーを食べたのですが、とても美味しかったです。「むしろ、こっちの方が牛肉より美味しいかも?」ってくらい。

 

— — 私の一番のお気に入りはバーガーキングのプラントバーガーです! ぜひ試してみてください。テクノロジー関連で他にも気になるものはありますか?

スマート家電や調理道具も気になりますが、VRやARなどの複合現実と食の組み合わせですかね。

たとえば、病で食事制限が必要になった方が好きな料理を「味わう」ことができたり、手が不自由になった方が「ご自身の手で」食べる体験ができたりするようになれば良いなぁって思いますね。

 

— — それはステキですね。そしてコグニティブ・アプリケーションズにはブロックチェーンで食の安全や安心を支援する「IBM Food Trust」というソリューションもあります。

先日、Food Trustを担当する片山さんの、とあるお客様とのミーティングに同席させていただいたんですが、とても学びが大きかったです。

もちろん営業としての学びも多かったのですが、それだけではなくて片山さんの語る「ブロックチェーンと食が作る世界観」に圧倒されました。

 

 

■ 「しあわせ」を感じさせてくれる散歩

 

— — 他にはどんな趣味をお持ちですか?

料理以外だと読書と散歩ですかね。読書はもっぱらマンガですが、これは語りだすと自分でも止められなくなっちゃいますから、今日は止めておきます(笑)。

散歩は…まだ、どこがどう好きなのかとか上手く言語化できないんですが、なんだかとても「しあわせ」を僕に感じさせてくれるものなんです。知らない場所に行き新しいものを目にする。車とか電車ではなく、自分の足で歩きながら、その場所に息づく「暮らし」みたいなものを感じるというか…。

 

— — 私も散歩好きなので、その感覚分かる気がします。どうやって行き先を決めるんですか?

グーグルマップを見ながら「どこか良さげなところないかなぁ? …よし、ここにしよう!」って、決めることが多いですかね。「美味しそうなラーメン屋さんがあるか」が決め手になることも少なくないです(笑)。

 

— — 最近の「ここは行って良かった」という場所はどこですか?

去年1番良かったのは、王道ですが横浜ですかね。あまりこれまで横浜と縁がなくて、そんなによく知らない街だったんです。

坂や教会がたくさんあって、ちょっと歩いていくと街の顔つきが変わっていくのを感じたり。エリア毎の違いも大きくて、多面性のあるいい街だなって思いました。

 

— — マンガについてもちょっとだけ聞かせてください。どんなタイプの作品が好きなんですか?

最近のお気に入りは不動産販売の世界を描いたものですね。それから他には中学受験を舞台にしたものも面白かったです。

…考えてみると、自分ができない体験を擬似的に感じさせてもらえるマンガが好きなのかもしれませんね。

 

■ 2045年、共創社会を豊かにする役割を担っていたい

 

— — それはマンガや小説のとても大切な役割ですよね。最後の質問です。木村さんが50歳になる2045年に無くなっていて欲しいものはなんですか?

23年後ですか。そうですね。「人びとの学びへの拒否感」ですかね。…ITや、新しいモノやコトに対して抱く恐怖感を、人が必要以上に感じなくなったらいいなと思います。

僕自身、少し前まではまったくITについて詳しくありませんでしたが、興味を持って取り組むことで楽しく学ぶことができたので。

 

— — 「学んでも何も得られないかも…」という不安が、その拒否感や恐怖感の1番の大きな原因ではないかと思うのですが、どうすればそれを打ち消すことができるでしょうか?

ああ、たしかにそれが「ためらい」を生み出しているなって僕も思います。でも、そこで背中を押してくれる仲間や、一緒に歩いてくれる人や仕組みがあれば変わるんじゃないでしょうか。

 

— — なるほど。伴奏者がいれば大きく違いそうです。

人間だけではなく、テクノロジーもそうやって人を応援するものになれると思うんです。こぼれ落ちてしまう人をいなくしていけるんじゃないだろうか、人とテクノロジーは、そんな風に共創していけるんじゃないかって僕は期待しています。

そしてその頃には、技術者でも経営者でも、どんな立場でも構わないんで、僕も共創社会を豊かにする何らかの役割を担っていたいです。

 

インタビュアーから一言

「父からパチさんに伝言を預かっているんです。」

「え? さっき、お父さんIBM社員っていってたけど、おれが知っている人ってこと? どの木村さんかな…いつ頃だろう??」

「かなり昔だそうです。それで、ホームパーティー好きの父から、状況が許すようになったらぜひ家に遊びに来て欲しいって。」

 

木村修司さん、お誘いありがとうございます! 様子を見つつ、今度お邪魔させていただきますね〜。

(取材日 2022年1月26日)

 

数年前のホームパーティでの1枚

 

 

 

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