IBM Sustainability Software
IDCアナリストが答える、製品開発のデジタル変革 | Vol.2 アジャイルアプローチの実践
2020年05月21日
カテゴリー IBM Sustainability Software | エンジニアリング
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連載シリーズ: IDCアナリストが答える、製品開発のデジタル変革
ITおよび通信分野に関する調査・分析・アドバイザリーサービスを行う世界的企業「IDC」のアプリケーション・ライフサイクル管理(ALM)プログラムの専門家、メリンダ−キャロル・バルー氏が、最新動向調査を踏まえてIBMからの質問に答えます。
第2回: アジャイルアプローチの実践
IBMによる質問
ますます複雑化する製品開発に対して、企業が行うべきもっとも有望な投資は何でしょうか?
IDC メリンダ−キャロル・バルー氏による回答
製品開発を検討する際は、あなたが作り上げようとしている製品と、それを実現するソフトウェアについてまず考えるべきです。要件は、製品にとって中核をなすDNAのようなものです。しかしそのDNAには、変化するビジネスニーズと圧力に対応しながら要件を進化させていくことが可能な柔軟性と適応性が組み込まれていなければなりません。
なぜなら、要求を正しく捉えられていないということは、その製品がビジネス要件に応えていない失敗作を意味するからです。そして要求変更に適切に対応できる双方向性を備えていないということも、変化が激しく熾烈な競争の続く市場で失敗することは間違いないでしょう。
デジタル時代の製造業に必要なのは、アジャイル(俊敏)でイテレーティブ(反復型)なアプローチです。企業は要件とユーザーストーリーおよびそれが詳細化されたエピックを収集して開発にあたり、それらのプロセスをスケーリングしていくことで、市場、サプライヤー、顧客にまたがり激しく変化し続ける要求に即応性高く対応できなければならないのです。
ソフトウェア集約型の製品開発に移行するにつれて、要件はますます複雑になっています。そうした状況においては、組織にとって機械学習やAI、高度なアナリティクスが、経験豊富なエンジニアの知識を活用し、指標を可視化できるようにする上で重要な役割を果たします。
これらのテクノロジーは、問題として顕在化する前に変則的な動きや数値などを特定するので、エンジニアはより実効的で付加価値の高い活動を行うことができます。
たとえば、AIが要件定義の質を高めることにより、経験豊富でスキルの高いエンジニアはそのスキルに見合う高価値でクリエイティブな作業を行うことができます。そして指標が可視化され積極的に展開されることで、エンジニアは作業の背景や文脈を踏まえることができ、ソフトウェアと製品の開発活動の質や意味合いを高めることができます。
モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)の果たす役割は?
また、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)は、大きな役割を果たすものです。MBSEアプローチは、根本的な機能とシステム間の連結に必要な要素をより理解しやすくすることで、モデルの要件とシステム設計を支援します。
そしてモデルをシミュレーションすれば、構成が分解されてサブシステムがモデル化されるので、設計の妥当性保証に役立てることができます。
製品の複雑さが増すほど、組織のクライアントやパートナーとの調整や共同イノベーションの必要性も増していきます。企業が製品をより洗練させていくには、外部サプライヤーとの関係性を一層深めていく必要があるのです。
製品開発のライフサイクルをどのようにコントロールするか、内部情報と外部情報をどう調整するか、自社の知的財産と独自イノベーションをどのように保護していくか –共創を自社の強みへとする方法も検討する必要があります。
したがって、企業には、エンジニアリングライフサイクル管理(ELM)ソリューションが必要です。ELMソリューションは、フィードバックやデータを統合的に開発プロセスに取り入れられるよう一元管理し、パートナー、サプライヤー、そして顧客の共創を支援します。
組織、外部パートナー、サプライヤーは、共有エンジニアリングシステムの記録システム(SOR)を共通の単一情報源として用いることで、タイムリーにデータ交換やレポーティングができるようになります。そして開発エコシステム全体を通じたとエンジニアリングライフサイクルの統合を実現するのです。
問い合わせ情報
IBMのエンジニアリング・ライフサイクル管理(ELM)主要機能
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