メインフレームのモダナイゼーションとは、企業が既存のレガシー・システムを、より新しい、より技術的に進化したエコシステムに移行するプロセスのことです。モダナイゼーションの対象として最も頻繁に挙げられる領域は、コード、インターフェース、コスト削減の可能性、そしてパフォーマンスです。
モダナイゼーションのアプローチは、その規模や範囲が大きく異なる場合があります。既存システムの機能やコード・ベースを全面的に見直すものもあれば、より特定の領域に絞ってイノベーションを目指すものもあります。基盤となるテクノロジーを完全に置き換えるにはコストやリスクがかかる場合が多いため、後者のアプローチがより広く採用されています。後者のより慎重なモダナイゼーションのアプローチの背景にある考え方は、コンピューター・システムの導入やアプリの開発が行われた後、基盤となるテクノロジーは変化している可能性があるものの、システムからシステムへのデータ移行はリスクが高く、費用がかかる可能性があるというものです。
ハードウェアとソフトウェアを最新の状態に保ち、急速に変化するIT環境の中で競争力を維持するには、適切なメインフレームのモダナイゼーション・ソリューションを選択することが極めて重要になります。最も重要なメインフレーム・ワークロードを実行し、貴重なデータを保存する際に、ほとんどの企業がメインフレーム・システムを使用しているため、ビジネス・リーダーはメインフレームのモダナイゼーションを優先し、この分野に多額の投資を行う傾向にあります。IBMが委託した最近のIBVホワイトペーパーによると、経営幹部の71%がメインフレーム・アプリケーションが自社のビジネス戦略の中心であると回答しており、5人のうち4人の経営幹部が競争に遅れを取らないためには自社の組織も迅速な変革が必要であると回答しています。
メインフレームは、大量のメモリーとデータ・プロセッサー搭載したコンピューターで、単純な計算とトランザクションをリアルタイムで実行します。メインフレームは、商用データベース、トランザクション・サーバー、そしてセキュリティーとレジリエンスに依存するアプリケーションなど、多くの企業のコア・ビジネスにおけるプロセスに不可欠なものになります。
わずか10年前に導入されたメインフレームでも、いくつかの面で組織に大きなリスクをもたらす可能性があります。まず、旧式のテクノロジーによる非効率性は運用コストを増大させ、より新しく革新的な競合企業に対してビジネスを脆弱にします。次に、古いプログラミング言語で作成されたレガシー・アプリケーションはパフォーマンスの問題を引き起こす可能性があり、最新のコーディング言語でトレーニングを受けた若いコーダーにとっては解決が難しい場合があります。
その一例として、アプリケーション開発で最も広く使用されているコーディング言語のCOBOL(Common Business Oriented Language)とJavaが挙げられます。COBOLとJavaは人気があるにもかかわらず、メインフレームのモダナイゼーションにおける取り組みを効果的に行うためには、考慮すべき重要な違いが残っています。JavaはC++と類似しているため、多くのプログラマーにとってより直感的に理解しやすい言語ですが、COBOLの構文はビジネス指向のデプロイメント向けに設計されており、より読みやすいと考えられています。
メインフレームのモダナイゼーションの仕組み、またデジタル・トランスフォーメーションの取り組みにおいて中心的な要素となっている理由について詳しく説明します。
人工知能(AI) の台頭、欧州や中東における不安定な地政学的状況、そして新型コロナウイルス感染症など、ここ数年、ビジネス界は次々と押し寄せてくる混乱に揺さぶられてきました。それらの混乱は新しいテクノロジーと頻繁に関連していました。こうした前例のない変化が今後 ITインフラストラクチャー にどのような影響を及ぼすかはまだわかりませんが、デジタル・イノベーションとモダナイゼーションの必要性は、近い将来においてもビジネス・リーダーにとって最優先事項であり続けることは間違いありません。
メインフレームは、おそらく、組織において最も変化に弱いITインフラストラクチャーの領域であると言えるでしょう。アプリケーションとデータの生命線であるメインフレームは、テクノロジー業界のあらゆる企業にとって心臓部であるため、常に最新の状態に保ち、スムーズに稼働させることが最も重要です。たとえば、DevOps(企業が質の高いソフトウェアやアプリの提供を迅速化するために利用しているソフトウェア開発ワークフロー)は、メインフレームITシステムの有効性に大きく依存しています。
企業はイノベーションを推進し、レジリエンスを高めるために、メインフレームの機能を統合して拡張する必要性をこれまで以上に強く感じています。メインフレームのモダナイゼーション戦略は、デジタル・トランスフォーメーションの推進と新たな価値の獲得に役立ちます。IBMが委託した最近のIBVホワイトペーパーによると、銀行上位50行のうち45行、航空会社上位5社のうち4社、世界的な小売企業上位10社のうち7社、フォーチュン100社のうち67社が、メインフレームをコア・プラットフォームとして活用しています。
強力なメインフレームのモダナイゼーション・アプローチによって組織が通常実現する5つのメリットを紹介します。
レガシー・メインフレームのモダナイゼーションは、企業が新しいテクノロジーに後れを取らないよう支援し、競合他社が技術的に優位に立つことを防ぎます。さらに、新しいテクノロジーは以前のテクノロジーよりも簡単に更新できるため、将来のアップグレードをよりシンプルかつ低コストにします。
ITインフラストラクチャーの導入、運用、保守自体が、多くの企業が直面する最大のコストの1つです。さらに、旧式のテクノロジーは扱いにくく、ビジネスに必要な新しいアプリケーションに統合しにくいという事実を考慮すると、旧式のITをアップグレードしないことで、メインフレームやアプリケーションのモダナイゼーションの取り組みよりも長期的に費用対効果が悪くなる可能性があることは容易に理解できます。
メインフレームのモダナイゼーションは、従業員にスキルと能力を向上させる機会であり、競争力を高め、重要なオペレーションにより貢献できるようになります。たとえば、アプリケーションが10年以上前にコーディングされたものである場合、そのコードと同様にコーダーもリフレッシュする必要があるかもしれません。モダナイズされたメインフレームへの投資は、テクノロジー資産だけでなく、人材への投資でもあります。
ITシステムのアップグレードは、近年導入された多くの自動化機能を活用する上で、企業にとって非常に有効な手段です。スケジュール設定、メンテナンス、データ入力などの日常的なタスクを自動化することで、従業員は時間とエネルギーをより付加価値の高い活動に集中させることができます。
顧客、ワークフロー、メンテナンスの問題などに関するメインフレームのデータは、レガシー・システム内で何年も使用されないまま保管されていることがよくあります。人工知能(AI)や機械学習(ML)などの新しいテクノロジーを活用したメインフレームのモダナイゼーション・ソリューションは、企業の履歴データを活用し、重要な戦略的インサイトを明らかにするのに役立ちます。
メインフレームのモダナイゼーションにはさまざまなアプローチや戦略がありますが、根本的には、すべてにおいて既存のITシステムやアプリケーションのアップグレードが伴います。スコープ、拡張性、その他の要件はビジネス・ニーズによって異なるため、利害関係者はプロジェクトに対する期待とその潜在的なリスクについて認識を一致させることが重要です。
モダナイゼーションの取り組みには、その範囲にかかわらず、一定のリスクが伴います。10年前、20年前、あるいは30年前に導入されたテクノロジーをアップグレードする作業は極めて複雑なため、リスクを完全に排除することはできません。ここで、メインフレームのモダナイゼーション・プロジェクトが直面しやすい課題のいくつかを紹介します。
先ほど紹介したリスクを完全に排除することはできませんが、メインフレームのモダナイゼーションに広く用いられている以下のアプローチを採用することで、組織はリスクを大幅に低減しながら、モダナイゼーションの目標を達成することができます。
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IBMと共に、メインフレーム・アプリケーションをモダナイズしてデジタル変革を加速しましょう。