Database-as-a-Service(DBaaS)とは

2025年5月10日

8分

DBaaSとは

Database-as-a-Service(DBaaS)は、ユーザーがハードウェアを購入してセットアップしたり、ソフトウェアをインストールしたり、システムを自ら管理したりする必要がなく、データベース・ソフトウェアにアクセスして使用できるようにするクラウド・コンピューティング・サービスです。

DBaaSでは、定期的なアップグレード、バックアップ、データベース・システムの24時間365日利用可能かつ安全な状態を維持するための管理などすべてをクラウド・プロバイダーが対処します。

DBaaSおよびクラウド・データベース市場は、最も急速に成長しているSoftware-as-a-Service(SaaS)市場の1つで、市場規模は2025年までに3,200億米ドルにまで成長すると予想されています。データベースおよびデータウェアハウスのベンダーは、定評のあるクラウド・プロバイダーに加わり、ソフトウェアのホスト型バージョンを提供することで、顧客がアプリケーションのデータ・ストレージ、検索、アクセスのニーズに合わせて多くのクラウド・コンピューティングのメリットを享受できるようにしています。

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メリット

オンプレミスでデータベース管理システムを導入する場合と比較して、DBaaSは組織に財務、運用、戦略上の大きなメリットをもたらします。

  • コスト削減:データベース管理用のインフラストラクチャーを構築するにはコストがかかります。必要に応じて拡張するにはコストがかかり、しかも無駄になることがよくあります。DBaaSでは、組織は消費したリソースに基づく定期的な料金を支払うため、コストを予測できるだけではなく、将来のニーズに備えた追加容量を購入する必要はありません。

  • 拡張性(拡張と縮小): 必要に応じて、実行時に追加のストレージとコンピューティング能力を迅速かつ簡単にプロビジョニングできます。また、使用率がピーク時以外はデータベース・クラスターを縮小してコストを節約できます。

  • よりシンプルでコストの低い管理:オンプレミスでデータベースを管理および保守するには、社内に管理チームが必要です。DBaaSでは、クラウド・プロバイダーがすべての管理を行います(もちろん、必要に応じて特定事項をお客様自身が管理することもできます)。DBaaSは既存のITスタッフの管理負担を軽減し、アプリケーション開発やイノベーションに集中できるようにします。

  • 迅速な開発と市場投入までの時間の短縮:オンプレミスのデータベース・システムでは、開発チームは通常、IT部門を通じてアクセスをリクエストする必要があり、そのプロセスには数日または数週間かかることがあります。一方、DBaaSでは、開発者はデータベース機能を自ら操作し、数分でアプリケーションと統合できるデータベースを起動して構成できます。

  • データとアプリケーションのセキュリティー: クラウド・データベース・プロバイダーは通常、保存中および転送中のデータのデフォルトの暗号化や統合されたIDおよびアクセス管理制御などの機能を含む、エンタープライズ・グレードのセキュリティーを提供します。一部の製品は、特定の規制コンプライアンス基準も満たしています。

  • リスクの軽減: 大手クラウド・プロバイダーが提供するDBaaSサービスには通常、一定の稼働時間を保証するサービス・レベル・アグリーメント(SLA)が含まれています。万が一、ご利用のプロバイダーがSLAに規定された要件を満たさない場合、超過したダウンタイムに対して補償を受けることができます。

  • ソフトウェアの品質: 大手クラウド・プロバイダーは、高度に構成可能なさまざまなDBaaSオプションを提供しています。それぞれのオプションは品質に応じて事前に選択されているため、何百もの異なるデータベースを調べる必要がありません。
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DBaaSの選び方

大手クラウド・プロバイダーは、リレーショナル・データベース管理システム(RDBM)だけでなく、ドキュメント・ストアや列ストアなどの非リレーショナル・データベース(NoSQLデータベース)を含む幅広いDBaaSオプションも提供しています。

貴社に適したDBaaSプロバイダーを見つけるには、どのデータベース・テクノロジーが貴社のアプリケーションに最適であるかを判断するだけではなく、プロバイダーがそのテクノロジーをサポートしていることを確認する必要があります。すべてのアプリケーションに最適な万能のDBaaSは存在しないため、プロセスの前半は複雑になる可能性があります。トレードオフは常にあり、判断する際にはわかりにくいこともあります。ここでは、考慮すべき要素をいくつか紹介します。

プライマリー・データ・ストアと補助・データ・ストアのどちらが私のアプリケーションに適していますか。
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プライマリー・データ・ストアは、リレーショナル・データベースやドキュメント・ベースのデータ・ストアなど、柔軟なデータ・モデルを提供するデータ・ストアです。通常、汎用クエリー言語(さまざまな形で実装されているSQLなど)と汎用データ・モデリング・ツールをサポートします。ほとんどは、データの整合性を維持することに重点を置いて設計されています。また、柔軟性が高く、ほとんどのアプリケーションに適しています。プライマリー・データ・ストアの例としては、MySQL、MongoDBPostgreSQLなどがあります。

対照的に、補助データ・ストアは、いくつかの特殊なタスクを適切に実行する傾向がありますが、強力な汎用ツールではありません。提供されるデータ・モデルや照会機能は制限されているかもしれませんが、特定の領域ではクラス最高のパフォーマンスを発揮します。このタイプの例としては、Redis、etcd、ElasticsearchJanusGraphなどがあります。

このタイプのデータベースがアプリケーションの要件に完璧に適合する場合は、補助データ・ストアを使用することで優れた結果を得ることができます。そうでない場合は、プライマリー・データ・ストアを選択してください。

データベースの基盤となるアーキテクチャーは私のニーズに適していますか。
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アプリケーションの現在の要件に適合するだけでなく、将来のニーズに合わせて拡張できるデータベース・エンジンを選択することが重要です。分散システムは、単一ノード・システムよりも構築、管理、保守が難しく、無制限の水平拡張性を実現するには、利用可能な機能やパフォーマンスが犠牲になる可能性があります。

テスト中、データベースは適切に機能しますか。
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実際にテストせずに、データベースの機能と機能がアプリケーションの要件とどのように適合するかを正確に理解することは、多くの場合不可能です。一方、DBaaSサービスを利用し始めるのは非常に簡単(かつ初期投資も安価)であるため、選択プロセスの重要な部分は、プロトタイプの構築と調査になります。

具体的には、アプリケーションがデータベースに実際のリクエストを送信するときの応答時間を評価し、実稼働環境で発生する操作の組み合わせとトラフィック量に直面したときのパフォーマンスを観察します。

クラウド・プロバイダーは他にどのような機能を提供していますか。
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DBaaSサービスは通常、完全なクラウド・プラットフォームと統合されるため、データベース自体の機能を超えたプロバイダーの総合的なサービスを比較することも重要です。

アプリケーションに適したデータベースの選択方法について詳しくは、こちらのブログをごお読みください。

管理ツール

ほとんどのDBaaSサービスには、データベースの構成、監視、保守のプロセスを簡素化する統合管理ツールが含まれています。これらには、ログ記録、キー管理、アクティビティー追跡機能が含まれます。共通のAPI呼び出しセットを使用してさまざまなデータベース・エンジンをプロビジョニングおよび管理できるため、開発プロセスが簡素化・標準化されます。

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