クラウドコンピューティングは、ITインフラをユーティリティに変換します。インターネットを介してインフラに「プラグイン」し、コンピューティング・リソースをオンプレミスでインストールやメンテナンスをすることなく使用することができます。
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クラウドコンピューティングとは、 クラウドサービス プロバイダー(CSP)が管理する遠隔地の データセンター に設置されたアプリケーション、サーバー(物理サーバー および 仮想サーバー)、 データストレージ、 開発ツール、ネットワーク機能などのコンピューティングリソースに、 インターネットを介してオンデマンドでアクセスすること です。 CSPは、これらのリソースを月次のサブスクリプション料金、または使用量に応じた請求で利用できるようにします。
選択するクラウド・サービスによっては、従来のオンプレミス型ITと比較したときに、クラウド・コンピューティングが 有利となる側面があります。
クラウド・コンピューティングという用語 は、クラウドを機能させるテクノロジーも指しています。 これには、サーバ、OS、ネットワークなどのインフラストラクチャーを、特殊なソフトウェアを用いて抽象化し、物理的なハードウェアの境界に関係なくプールしたり分割したりできるようにした、何らかの形で 仮想化された ITインフラストラクチャーが含まれます。 例えば、単一のハードウェア・サーバーを複数の仮想サーバーに分割することができます。
仮想化により、クラウド・プロバイダーは、データセンターのリソースを最大限に活用できます。 当然のことながら、多くの企業が オンプレミス のインフラストラクチャーにクラウドデリバリーモデルを採用しており、従来の ITインフラに比べて最大限の活用と コスト削減 を実現し、 エンドユーザーにも同様の セルフサービス と俊敏性を提供しています。
自宅や職場でコンピューターやモバイル・デバイスを使用する場合、Google GmailやSalesforceのようなクラウド・アプリケーション、Netflixのようなストリーミング・メディア、Dropboxのようなクラウド・ファイル・ストレージなど、何らかのクラウド・コンピューティング機能をほぼ確実に毎日使用しています。 最近のサーベイよると、組織の92%が今日クラウドを使用し (リンクはibm.comの外部です)、 そしてそれらの組織のほとんどが来年にはより多く使用すると答えています。
IaaS(Infrastructure-as-a-Service)、PaaS(Platform-as-a-Service)、SaaS(Software-as-a-Service)の3つの代表的なモデルがありますが、この3つを併用する企業も珍しくありません。 しかし、この3つのサービスとそれぞれに含まれるものはよく混同されます。
SaaS(クラウドベース・ソフトウェア、クラウド・アプリケーションとも呼ばれる)とは、クラウド上でホストされているアプリケーション・ソフトウェアのことで、 ウェブブラウザ、専用のデスクトップクライアント、またはデスクトップやモバイルの OSと統合されたAPIを介してアクセスし、使用することができます。 ほとんどの場合、 SaaS ユーザーは、月次または年間のサブスクリプション料金を支払います。実際の使用量に基づいた従量制の料金設定が提供される場合もあります。
コスト削減、価値実現までの時間、クラウドの拡張容易性のメリットに加え、SaaSでは以下の機能が提供されます。
SaaS は、今日のほとんどの商用ソフトウェアの主要な配布モデルです。業種や部門に特化したアプリケーションから、強力なエンタープライズ・ソフトウェア・データベースやAI(人工知能)ソフトウェアまで、数十万の SaaS ソリューションが利用可能です。
PaaS& は、ソフトウェア開発者にオンデマンド・プラットフォーム(ハードウェア、完全なソフトウェア・スタック、インフラストラクチャー、さらには 開発ツールも)を提供して、アプリケーションを実行、開発、管理できるようにします。プラットフォームを オンプレミス
で維持する際の費用、複雑性、柔軟性の乏しさが排除されます。PaaSで は、サーバー、ネットワーク、ストレージ、 OS ソフトウェア、ミドルウェア、データベースなど、すべてを クラウド・プロバイダー の データセンターでホスティングします。 開発者はメニューから選択するだけで、アプリケーションを実行、ビルド、テスト、デプロイ、保守、更新、拡張するために必要なサーバーと環境を「スピンアップ」します。
現在、 PaaS は コンテナーを中心に構築されていることが多く、これは仮 想サーバーから一歩進んだ仮想化コンピュートモデルです。 コンテナは OSを仮想化するもので、開発者はアプリケーションに必要な OS サービスだけをパッケージ化して、あらゆるプラットフォーム上で、変更やミドルウェアを必要とせずに実行することができます。
Red Hat OpenShiftは、Dockerコンテナーと、コンテナベースのアプリケーションのデプロイ、スケーリング、ロード・バランシングなどを自動化するオープンソースのコンテナー・オーケストレーション・ソリューションである Kubernetesを中心に構築された人気の PaaS です。
IaaS は、基礎的な コンピューティング・リソース(物理的サーバーと 仮想サーバー、ネットワーキング、ストレージ)に対するオンデマンド・アクセスを提供します。アクセスはインターネット経由で行われ、従量制での請求です。 IaaS では、 エンドユーザー が必要に応じてリソースを拡張・縮小することができるため、高額な先行投資や不要な オンプレミス (自社所有)のインフラストラクチャー、また、定期的な使用量の急増に対応するためのリソースの過剰購入などの必要性が低くなります。
IaaS は、 SaaS や PaaS (さらにはコンテナやサーバーレスなどの、より新しい PaaS コンピューティングモデル)とは対照的に、クラウド上の コンピューティングリソース をユーザーが最も低いレベルで制御できるようにします。
IaaS は、2010年代初頭に登場した時、最も一般的な クラウドコンピューティング モデルでした。 現在も多くのワークロードでIaaSが利用されていますが、 SaaS や PaaS の利用はより速いペースで増加しています。
サーバーレス・コンピューティング (単に サーバーレスとも呼ばれる)は、すべての バックエンド ・インフラストラクチャー管理タスク(プロビジョニング、スケーリング、スケジューリング、パッチ適用)を クラウド・プロバイダーにオフロードする クラウド・コンピューティング ・モデルです。開発者は、アプリケーションに固有のコードとビジネス・ロジックにすべての時間と労力を集中できるようになります。
さらに、サーバーレスでは、要求がある場合のみアプリケーション・コードを実行し、サポート・インフラストラクチャーを要求の数に応じて自動的に拡大または縮小します。 サーバーレスでは、アプリケーションの稼働中に使用されているリソースに対してのみ請求されます。アイドル状態の容量に対しては請求されません。
FaaS(Function-as-a-Service)は、よく サーバーレス・コンピューティング と混同されますが、実際にはサーバーレスのサブセットです。 FaaSでは、開発者は特定のイベントに対応して、アプリケーション・コード(ファンクションと呼ばれる )の一部を実行できます。 物理的なハードウェア、 仮想マシン のOS、Webサーバーのソフトウェア管理など、コード以外のすべての要素は、コードの実行に合わせて クラウド サービス プロバイダー が リアルタイム で自動的にプロビジョニングし、実行が完了するとスピンダウンしていきます。 実行の開始時に請求が開始され、実行が停止すると請求は停止します。
パブリッククラウド とは、 クラウド サービス プロバイダー が、 SaaS アプリケーション、個々の 仮想マシン (VM)、ベア・メタル・コンピューティング・ハードウェア、完全なエンタープライズグレードのインフラや開発プラットフォームなどの コンピューティングリソースを、公共のインターネットを介してユーザーに提供する クラウドコンピューティング の一種です。 これらのリソースには無料でアクセスできる場合があります。サブスクリプション・ベースまたは従量制の料金モデルに従って販売される場合もあります。
パブリック クラウド ・プロバイダー は、顧客のワークロードを実行する データセンター、ハードウェア、インフラストラクチャーに対するすべての責任を負い、管理し、引き受けます。また一般的に、高いパフォーマンスとアプリケーションやデータへの迅速なアクセスを実現するために、高帯域幅のネットワーク接続を提供しています。
パブリック・クラウド は、マルチテナント型の環境であり、 クラウド・プロバイダーの データセンター のインフラストラクチャーを、 パブリッククラウド を利用するすべてのお客様が共有します。 Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloudなどの主要な パブリッククラウドでは、その顧客は数百万に達することがあります。
パブリック クラウド コンピューティング の世界市場はここ数年で急速に成長しており、アナリストはこの傾向が続くと予測しています。業界アナリストの ガートナー社 は、2022年末までに世界の パブリッククラウド の収益が3,300億米ドルを超えると予測しています (リンクはibm.com外部)。
多くの企業は、コンピューティング・インフラストラクチャーの一部をパブリック・クラウドに移行しています。パブリック・クラウド・サービスは、弾力性があり、容易に拡張が可能で、変化するワークロード要求への対応で柔軟に調整できるためです。 顧客は使用した分だけ請求されるため、効率が向上し、無駄なリソースが少なくなるという確実さを魅力として挙げる企業もあります。 そのうえでさらに、ハードウェアや オンプレミス のインフラストラクチャーでの支出を削減しようと模索している企業もあります。
プライベートクラウド とは、すべての クラウド・インフラストラクチャー と コンピューティング・リソース が一人のお客様専用であり、そのお客様のみがアクセスできる クラウド環境 のことです。 プライベート・クラウド は、弾力性、拡張性、サービス提供の容易さなど、 クラウド・コンピューティングの多くの利点と、 オンプレミス ・インフラストラクチャーのアクセス制御、セキュリティー、およびリソースのカスタマイズを組み合わせたものです。
プライベートクラウド は、通常、お客様の データセンターで オンプレミス でホストされます。 しかし、プ ライベートクラウド は、独立した クラウド・プロバイダーのインフラストラクチャー上でホストされることもあれば、オフサイト・ データセンター
に収容されたレンタル・インフラストラクチャー上に構築されることもあります。多くの企業が パブリッククラウド ではなく プライベートクラウド を選択するのは、規制遵守の要件を満たすには プライベートクラウド の方が簡単だから(あるいは唯一の方法だから)です。 企業が プライベートクラウド を選ぶもう一つの理由には、ワークロードで機密文書、知的財産、個人情報(PII)、医療記録、財務データなどの 機密データを扱うため、というものもあります。
クラウドネイティブの原則に基づいて プライベートクラウド のアーキテクチャを構築することで、企業は、いつでも簡単にワークロードを パブリッククラウド に移行したり、 ハイブリッド クラウド (下記参照)環境で実行したりできる柔軟性を得ることができます。
ハイブリッドクラウド は名前のとおり、パブリッククラウド環境とプライベートクラウド環境を組み合わせたものです。 具体的には、 ハイブリッドクラウド は、企業のプライベート・クラウド・ サービス と パブリック・クラウド を接続して、企業のアプリケーションやワークロードを実行するための単一の柔軟なインフラストラクチャーとすることが理想的です。
ハイブリッドクラウド の目的は、パブリック・クラウドと プライベート ・クラウド のリソースを混在させ、それらの間でオーケストレーションを行うことで、企業がアプリケーションやワークロードごとに最適なクラウドを選択し、状況の変化に応じてワークロードを2つのクラウド間で自由に移動できる柔軟性を提供することにあります。 それにより組織は、パブリッククラウドや プライベートクラウド だけの場合よりも、効果的かつ高いコスト効率性で技術目標とビジネス目標を達成できるようになります。
マルチクラウド とは、2つ以上の異なる クラウドプロバイダーの2つ以上のクラウドを利用することです。 マルチクラウド 環境とは、あるベンダーのメール SaaS と別のベンダーの画像編集 SaaS を利用するというようなシンプルなものである場合もあります。 しかし、企業が マルチクラウドについて語るとき、一般的には、2社以上の主要な パブリック クラウド ・プロバイダーが提供する SaaS、 PaaS、 IaaS などの複数の クラウド・サービスを利用することを意味しています。 ある調査では、85%の組織がマルチクラウド環境を使っていると報告しています。
ハイブリッド ・マルチクラウド とは、2つ以上の パブリッククラウド とプライベート・クラウド環境を併用することです。
組織は、ベンダー・ロックインを回避し、サービスの選択肢を増やし、より多くのイノベーションにアクセスするために、 マルチクラウド を選択します。 しかし、クラウドには、それぞれ独自の管理ツール、データ伝送速度、セキュリティー・プロトコルがあるため、使用するクラウドの数が多いほど、環境の管理は一層困難になります。 マルチクラウド 管理プラットフォームは、中央ダッシュボードを介して複数プロバイダーのクラウドに対する可視性を提供します。このダッシュボードでは、開発チームはプロジェクトとデプロイメントを見ることができ、運用チームはクラスターとノードを監視し、サイバーセキュリティー担当者は脅威をモニターできます。
従来、企業がクラウドサービス、特にパブリッククラウドサービスを検討する際には、セキュリティへの懸念が最大の障害となっていました。 しかし、需要に応じる形で、クラウドサービス・プロバイダーが提供するセキュリティーは着実にオンプレミスを上回るようになってきました。
セキュリティソフトウェアを提供するマカフィー社によると、現在、52%の企業がオンプレミスよりもクラウドの方がセキュリティが優れていると実感しているそうです(リンク先はibm.comの外部です)。 また、ガートナー社は、今年(2020年)までに、IaaS(Infrastructure as a Service)のクラウドワークロードでは、従来のデータセンターでのセキュリティインシデントが60%減少すると予測しています(PDF, 2.3 MB)(リンク先はibm.comの外部です)。
しかし、クラウド・セキュリティーの維持には 、従来のIT環境とは異なる手順や従業員のスキル・セットが要求されます。 クラウド・セキュリティーのベストプラクティスを以下挙げます:
25%の組織が今後1年以内にアプリケーションを 全て クラウドに移行することを計画している今、 クラウド・コンピューティング のユースケースは無限にあるように見えます。 しかし、クラウドへの大規模な移行を計画していない企業であっても、特定のイニシアチブと クラウド・コンピューティング は、ITでの最高の組み合わせです。
災害復旧 と 事業継続性 は、クラウドにとって常に自然なものでした。クラウドは費用対効果の高い冗長性を提供してシステム障害からデータを保護し、ローカルの停止や災害が発生した場合にデータとアプリケーションの回復に必要な物理的距離を保護するからです。 主要な パブリック クラウド プロバイダー は、 災害復旧サービス(DRaaS)
を提供しています。クラウド・コンピューティングが対象とするのは、膨大な量のデータを高速で保管して処理することに関わるもの、また、多くの組織が オンプレミスで購入とデプロイが可能な(または希望する)範囲を超えるストレージとコンピューティング能力を要求するものすべてです。 例:
開発を効率化するためにアジャイルや DevOps (またはDevSecOps)を採用している開発チームにとって、クラウドはオンデマンドの エンドユーザー によるセルフサービス を提供し、開発サーバーやテストサーバーの立ち上げなどの運用タスクが開発のボトルネックにならないようにします。
IBM® Cloudは、最もオープンかつ安全な企業向けパブリッククラウド、次世代ハイブリッド・マルチクラウド・プラットフォーム、データおよびAIの先進機能、20の業界にわたる深い企業向け専門知識を提供します。IBM Cloud ハイブリッド・クラウド・ソリューションは、アプリケーションとデータの両方に柔軟性とポータビリティを提供します。 このハイブリッドクラウド・スタックは、Linux、Kubernetes、コンテナでサポートされ、オンプレミスとクラウドのリソースを接続する共通のプラットフォームを作成するためにRed Hat OpenShiftと組み合わされます。
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Sai Vennamは、IBMのDeveloper Advocateで、Kubernetes、OpenShift、マネージド・クラウド・オファリングの専門家です。 開発者を成功に導くテクノロジーと開発者を結び付けることに情熱を注いでいます。 趣味として、Raspberry Pisとサーバーレス技術を使って、自宅のホーム・オートメーションに取り組んでいます。
ツイッター:@birdsaiview (リンクはibm.comの外部です)
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