組織が提供すべき7種類のカスタマー・サービス

オフィスで働くコールセンター・エージェントのカスタマー・サービス・グループのハイアングル・ショット

著者

Keith O'Brien

Writer

IBM Consulting

現在、組織が最善のカスタマー・サービス戦略を遂行するには、複数の種類のカスタマー・サービスに投資する必要があります。それによって組織は、顧客ベースが抱いた問題に対する回答を、本人が望む形式で確実に提供できます。

カスタマー・サービスは顧客体験に欠かせない要素の1つです。カスタマー・サービスは次第にオムニチャネルの領域になっており、お客様が好むコミュニケーションのチャネルはそれぞれ異なります。したがって、組織がお客様のニーズを満たすには、お客様が好みに応じて課題への対応をさまざまな手段で受けられるようにする必要があります。お客様の好みに合ったチャネルで問題を解決することは、顧客満足度、顧客維持、ブランド・ロイヤルティーの強化につながります。

組織が優先すべきカスタマー・サービスの種類

組織がさまざまな種類のカスタマー・サービスを提供し、カスタマー・サポート用に複数のチャネルを用意するのは、カスタマー・ケアに投資していることの表れです。また、顧客エンゲージメントの重要性を理解していることの表れでもあります。こうした組織は、お客様の期待に応えるために必要な策を講じます。優先順位が高い主なカスタマー・サービスの種類を以下に示します。

電話サポート

組織が新しい方法をいくつ提供しようとも、やはり電話を手に取ってカスタマー・サービス・エージェントと直接話したいと考えるお客様は依然として多くいます。コールセンターやヘルプデスクでカスタマー・サービス担当者が電話を待つという体制の維持には、コストがかかる場合があります。しかし最終的には、人間味のある対応を求めて電話してきたお客様に対して、実際にそのような対応を提供することが、優れたカスタマー・サービス体験を提供するうえで重要です。

組織は、効率化とコスト削減のために、こうしたカスタマー・サービス担当者の業務をテクノロジーで強化することをますます目指しつつあります。その手段の1つが、事前に録音したメッセージやテキスト読み上げソリューションを活用する音声自動応答(IVR)です。通話の最初にIVRを使用することで、リクエストのより適切なルーティングや、応答時間の短縮が可能となり、サポート・エージェントが必要になる前に問題を解決できる可能性があります。

チャットボット

チャットボットはコンピューター・プログラムです。ユーザーは、事前に用意されたリストから質問事項を選択するか、または回答を知りたい質問をテキスト・フィールドに入力するよう求められます。これを受けてチャットボットは、オートメーションを活用して回答のデータベースを検索し、最も関連性の高い回答を返します。ほとんどの場合は、チャットボットの回答でお客様の疑問を解決できなかったときのために、カスタマー・サービス・チームによるライブ・チャット・サポートのオプションも用意されています。

生成AIなどの人工知能(AI)の進化によって、チャットボットはより多くの質問に、より正確に答えられるようになっています。そのため、組織とお客様の双方にとって、チャットボットはますます重要なカスタマー・サービス・チャネルになりつつあります。お客様がチャットボットを好むのは、人間のエージェントよりも多くの答えを得られるからです。組織がチャットボットを好むのは、人件費を削減し、ミスを減らせるからです。

メールサポート

Eメールを送信して回答を待つという非同期処理の形でニーズを満たすことを好むお客様は多くいます。お客様はサポート用の汎用的なEメール・アドレスにEメールを送信できます。Eメールはそこから、カスタマー・サポート・チーム内の最適なメンバーにルーティングされます。

よくあるご質問

「FAQ」とも呼ばれ、多くの組織が同じテンプレートを用いて質問と回答をシンプルに記載しています。組織のWebサイトに掲載されていることが多く、通常は質問項目の一覧が並んでいます。ユーザーが自分の問題に該当する質問をクリックすると、その下に詳細な回答が表示されます。

知識ベース

記事やフォーラムの投稿をユーザーが検索できるデータベースに対して、組織がリソースを投じることが増えています。人間の担当者と話したり、Eメールの返信を待ったりするのではなく、自分で問題を進んで解決することを好む人々にとって、この形態のセルフサービスのカスタマー・サポートは、ますます人気が高まっています。

組織が知識ベースを好むのは、従業員の関与が最小限で済み、コスト効率に優れた手段でお客様の問題を解決できるからです。特に、複数の原因が考えられる複雑な問題の場合に価値があり、お客様が複数の記事を読んで調査できます。

ソーシャル・メディアでのサポート

Facebook、Twitter、LinkedInなどのソーシャル・メディア・プラットフォームに企業アカウントが増えたことで、ソーシャル・メディア上でのカスタマー・サービスが必要になりました。お客様は現在、これらのチャネルでブランドの投稿に返信する場合と、自らのフォロワーに向けて直接投稿する場合とがあります。したがって、組織はこうしたチャネルを監視し、自社のブランドが言及されるたびに通知を受け取れるようなツールを利用する必要があります。

他のコミュニケーション・チャネルとは違って、ソーシャル・メディアの投稿は人々に広く配信されます。したがって、たとえ個別の問題であっても、すぐに対処しなければ、はるかに大きな問題に変わって、企業の評判にかかわりかねません。例えば、お客様がある商品について、利用者がけがをする恐れのある欠陥商品だとソーシャル・メディアに投稿することが起こり得ます。その場合、同じ問題の発生を恐れて、多くの潜在顧客が購入を控える可能性があります。

テクニカル・サポートとトラブルシューティング

問題を具体的に把握できているお客様は、組織に連絡して具体的なサポートを求めることができます。連絡を受けたITチームやDevOpsチームのメンバーは、本人と共に問題を探っていき、お客様自身で問題を解決してもらうための指示をリアルタイムで出すことができます。また、問題が影響を及ぼしている製品がコンピューターのようにインターネットに接続された製品の場合には、テクニカル・サポート・スタッフがリモートでその製品を制御し、問題の解決を試みることがあります。この2つの方法がどちらもうまくいかない場合は、お客様が製品を返送するか、あるいは修理センターに持っていき、そこで担当者が問題を直接解決することが必要になる場合があります。

カスタマー・サービスは今後もテクノロジー主導の分野に

優れたカスタマー・サービスを提供することは顧客ロイヤルティーの向上を促進します。したがって、正しく理解して実践している組織にとっては、カスタマー・サービスは次第に競争上の大きな優位性となってきています。調査によると、質の低いカスタマー・サービスが、消費者が企業からの購入をやめる最大の理由であることがわかっています。

カスタマー・サービスは依然として人間のエージェントに大きく依存しているプロセスですが、こうした従業員を補完するためにAIなどのテクノロジーの進化を活用する動きは今後も続き、お客様の問い合わせに対して、はるかに質の高い回答が自律的に得られるようになっていきます。

カスタマー・サービスは、生成AIへの投資としてCEOの最優先事項となっており、お客様のニーズの高まりと運用コストの増大という2つの課題に対処するうえで、組織の支えになるものと見込まれています。
 
IBMでは、10年以上にわたり、この分野で信頼できるAIを適用できるよう企業を支援してきました。そして、現在の生成AIは、複雑な質問内容を理解し、まるで人間と対話しているかのような応答を生成する機能により、カスタマー・サービスとフィールド・サービスを大幅に変革する可能性を秘めています。IBMコンサルティングは、エクスペリエンス設計とサービス、データ、AIトランスフォーメーションにおけるエンドツーエンドのコンサルティング・ケイパビリティーを提供します。IBMのAI製品のポートフォリオであるwatsonx™と、市場をリードするIBMの対話型AIソリューションであるwatsonx™ Assistantを使用して、対話型AIの強化、エージェント・エクスペリエンスの向上、コールセンターのオペレーションとデータの最適化を実現するAI価値創造プロセスを通じて、当社はお客様と連携します。