大規模なAI

従業員が2列に並んでデスクトップ・コンピューターで作業している、賑やかな大企業のオフィスを上から見下ろした写真

企業全体でのAI統合を加速させることで、ビジネスを成長させることができます。企業のAIイニシアティブの 90% は、テスト段階からの移行に苦労しています。組織はデータサイエンスにおいては成熟しつつありますが、依然として高度な分析とAI/MLを毎日のリアルタイムの意思決定に統合して拡張することはできておらず、したがってAIの価値を十分に引き出すことができていません。リモートワークという新しい世界にはデジタル・トランスフォーメーションの加速が必要であり、AI/MLを活用すればより迅速に実現できます。そして、より効率的な事業運営、より魅力的な顧客体験、より豊富なインサイトによる意思決定を実現します。企業はAIによってバリューチェーン全体で大きな利益を得ることができますが、組織はそれを初めから正しく実行しなければ、罰金、罰則、エラー、理解不能な結果、ビジネス・ユーザーや市場からの一般的な不信感を買うリスクを冒すことになります。

戦略的にAIのスケーリングを行っている企業は、サイロ化された概念実証を行っている企業と比較して、AI投資から得られる収益が3倍近く高いという報告があります。

企業内でのAIのスケーリングの比較図

企業内での AI のスケーリング:

IBMの方法論

IBM Servicesには、AIから価値を引き出すエンドツーエンドのサービスがあります。 1回限りの科学実験ではない、環境に優しく、実行可能、再利用可能、かつスケーラブルなAI/MLモデルを使用して、企業全体の持続可能なイノベーションを推進します。IBMの大規模AIサービスは、現在のAIエンゲージメントとアプリケーションをエンタープライズ環境に向けて拡張することを目的としています。このソリューションでは複数の柱でサービスを構築しています。

ビジョン

まず、競争上の優位性を獲得するための主要なビジネス戦略コンポーネントとして、信頼できるAIとデータを確立し、スケールするというビジョンを築きます。その基盤として、企業とその顧客が信頼できる本物のAI価値を生み出すための測定フレームワークがあります。

運用モデル

お客様のチームと協力して、カスタマイズされた運用モデルを構築します。私たちは、それぞれの組織にはそれぞれ違いがあり、ある組織で機能することは、別の組織では有効ではないということを理解しています。非フェデレーション・モデルではなくフェデレーテッド・モデルを利用するなどが一例です。その後、お客様と協力して、スケーラブルで緊密に連携するチームによるAI資産の収集を通じ、測定可能なビジネス価値を生み出すイニシアチブのパイプラインを開発します。

データ

複数のユースケース、プラットフォーム、クラウドのデータを収集、統合、管理するのに十分な柔軟性を備えたAI製品ポートフォリオを使用し、新しいAI・MLデータ駆動型アプリケーションを移行・構築する機能によって、AIのためのデータとテクノロジーの方向性を導きます。

エンジニアリングとオペレーション

IBMは、AIオペレーションをデータサイエンスとAIモデルを反復的かつ一貫して大規模に展開するための重要なコンポーネントであり、クリティカルな部分であると位置づけ、エンジニアリング、展開、監視、信頼という4つの主要目的を定めています。

エンジニアリングと運用に関するイラストレーション

チェンジ・マネジメント

IBMは、エンタープライズ・レベルでの積極的なチェンジ・マネジメントを確立することで、リスクを最小限に抑えながらAIの導入率を向上させるチェンジ・マネジメントの整備を支援します。このアプローチにより、AIが企業に価値を生み出すまでの障壁を特定し、対処できます。

人材とイネーブルメント

成熟度と拡張性を実現するために不可欠な、AI組織における適切なスキルセット、役割、チーム構成の選択を支援します。

大規模な導入でAIを活用するIBMのアプローチ

IBM Services for AI at Scaleの重要な点は、最初からやり直す必要がないということです。IBMは、インテリジェンスの自動化、ガバナンス、データ管理といった既存の環境と連携します。お客様は場所を問わず、ワークロードの完全な可視化と制御を実現し、真のビジネス価値を生み出すことができます。リスクを最小限に抑えながら、展開までの時間と価値実現までの時間を短縮することを目標として、IBMのプロセスにはAIを大規模に導入するための4段階のアプローチが盛り込まれています。

1. アセスメント・フェーズ(4~6週間): 短期的な監査、アセスメント、計画 – 既存のプロセス、方法、ツールのギャップを特定します。お客様と共同で最初のソリューションを実行します。

IBMのApproach to AI at Scale 導入の図 - アセスメント・フェーズ

2. 設計と確立(4~6週間):AIの構築、スケーリング、メンテナンスのための共通フレームワークを共同で構築します。お客様と共に、既存の環境に基づいて拡張性のフレームワークをセットアップします。

IBMのApproach to AI at Scale 導入の図 - 設計と確立

3. 採用(3~4か月):共同作業によって最初のプロジェクトを実施します。フレームワークに基づいて3〜5のMVPをパイロット運用して改良し、アーキテクチャー、プロセス、プログラムを完成させ、設定します。お客様と共同で最初のソリューションを実行します。IBM Garage:共創、共同実行、共同運用。

IBMのApproach to AI at Scale 導入の図 - 採用

スケール(継続): スケーリング・チームを設置し、本番環境での機械学習を管理します。組織全体にわたって、フルマネージドの「サービスとしてのAI」をお客様に提供することで、ビジネス上の課題に集中できるようにします。

RAD-ML

RAD-MLは、オートメーションによりデータサイエンス・アプリケーションの運用までの時間を迅速化するIBMのフレームワークです。迅速な資産開発-機械学習(RAD-ML)手法やその他のIBM資産およびアクセラレーターがサポートするIBM Services for AI at Scaleは、再現可能・再利用可能でスケーラブル、かつ実行可能なAI/MLモデルの構築に向けたデータサイエンスの取り組みと活用のために、責任と一貫性のある、革新的なフレームワークを提供しています。IBMのサービスは、モデルの開発時間を大幅に短縮し、実稼働環境へのデプロイメントを加速するパイプラインを確立すると同時に、クライアントのデータサイエンティストの効率を高めます。これにより、データサイエンティストは、期待される成果の達成に集中し、最も得意なことや楽しいことに取り組むことができます。

IBM Services for AI at Scaleは、AI/ML PoCを本番環境に一貫して統合・拡張し、それらのAI/MLモデルを長期にわたって実行・管理する手段を提供する「コンサルティングから運用まで」のサービスです。RAD-ML手法のガイドラインを使用して開発された資産は、スケーラブルな機械学習アーキテクチャーに簡単にデプロイできます。

RAD-MLは、拡張可能な機械学習資産を開発するための実績あるフレームワークであり、機能的・戦略的な次元にわたって資産の準備状況を定義します。お客様が共通のフレームワークを持っていない場合は、あらゆるAI/MLソリューションの出発点として使用できます。これは、既存のソリューションの上にスタンドアロンのデータサイエンス資産またはモジュールを開発するために活用できます。以下に挙げる主要コンセプトを使活用することで、3つの機能(実行可能な、再利用可能、スケーラブル)を尊重する機械学習資産の作成が可能になります。

・機械学習資産は、実証済みのROIを達成するためにビジネス・プロセスに統合する必要がある

・機械学習資産は、さまざまなデータ・コンテキストやテクノロジーへの投資に柔軟に対応する必要がある

・機械学習資産は、拡張可能な堅牢なテクノロジーと運用設計に基づいている必要がある

RAD-MLのツールに関する考慮事項

各RAD-MLプロジェクトは、既存のクライアント環境に統合する必要があります。また、オープンソースで無料のRAD-MLアクセラレーター(Brainstem、ダッシュブロック、アーキテクチャ、ドキュメントテンプレート)を追加する必要があります。適切で標準化されたML Opsアーキテクチャーを定義するには、詳細な対象コンポーネントの概要を決める必要があります。対象コンポーネントは、社内インフラストラクチャーおよびツールのセットアップと整合するものになります。

RAD-MLのツールに関する考慮事項の

AWS非依存アーキテクチャ機械学習パイプライン

IBMはこの共通フレームワークを、ハイブリッド・マルチクラウドを含むほぼすべてのクラウドに導入することができます。IBM がAWSツールを使用して機械学習パイプラインを作成する方法の例を以下に示します。

IBMのApproach to AI at Scale 導入の図 - 設計と確立

CodeCommit

AWS CodeCommitは従来のgitリポジトリを置き換えます。これは、プロジェクトの使用するすべてのコードを保管する重要な場所です。

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CodeDeploy/CodeBuild

CodeBuildはすべての単体テストと統合テストを実行し、指定されたpythonソースからtarballをビルドします。後からコンテナにデプロイできます。CodeDeploy は、指定されたデプロイメント・シナリオを実行します。例:Dockerコンテナをビルドし、Dockerイメージ・リポジトリーにプッシュして、最終的に本番環境でイメージをロード。

AWS ECR

AWS ECRは、上記のパイプライン内に構築されたすべてのDockerコンテナのリポジトリとして機能します。CodeCommitが設定ファイルおよびソースコードのリポジトリとして機能するのと同様に、AWS ECRはコンテナのリポジトリとして機能します。これは、トレーニング・ジョブが外部からのそれぞれのパラメーターを使用してトリガーされるときに、AWS SageMakerが指定されたDockerイメージを検索するポイントです。

AWS SageMaker

AWS SageMakerは、すべてのトレーニング・ジョブのランタイム環境として機能します。AWS SageMakerは、API/pythonバインディング経由でトリガーできます。ユーザーは、実行するモデルの種類、およびそれぞれのインプットデータとアウトプットデータの場所を指定します。AWS SageMakerは、トレーニング・コードを含む、事前定義されたエントリー・ポイントを持つDockerイメージを受け入れます。ただし、そこでTensorFlow/MXNext/ONNX定義のジョブを実行することもできます。SageMakerは管理用のユーザー・インターフェースを提供するもので、マネージド・サービスであることから柔軟なスケーリングが可能です。そのため、ユーザーは特定のモデルのトレーニングに使用するるさまざまなマシンを選択できます。AWS SageMakerはハイパーパラメーター・チューニングの実行にも使用できます。チューニングはAPI経由でトリガーすることもできます。このツールはハイパーパラメーターの最適な組み合わせを自動的に選択します。実行結果はS3やDynamoDBに直接書き込むことができます。

AWS S3

AWS S3は、インプットおよびアウトプットファイルのための基本的なファイルシステムとして機能します。通常、S3は大規模なトレーニング・データ・ファイルの保管に使用されますが、シリアル化済みのモデルの保管にも使用できます。AWS S3はSageMakerとシームレスに統合されます。

AWS DynamoDB

AWS DynamoDBは、キーバリューベースのNoSQLデータベースであり、AWSが全面的に管理を行い、オンデマンドで拡張が可能です。このデータベースを使用して、例えばモデルの性能を経時的に追跡するためのモデル実行KPIを保持することができます。また、モデル実行のためのランタイム情報と性能・メタデータの統合に活用することもできます。AWS DynamoDBは、AWSが提供するデータの可視化ツールであるQuickSightとシームレスに統合できます。

AWS Elastic Inference

AWS Elastic Inferenceは、強化型のEC2インスタンスです。AWS SageMakerでトレーニングされたモデルは、予測のためにEIインスタンス上でホストできます。基盤となるマシンはオンデマンドで拡張できます。

信頼できるAIの開発

倫理の問題は単なるモデリングの問題ではなく、ビジネスの問題です。60%の企業が、AIの導入を成功させるための障壁としてコンプライアンスを挙げています。その理由の1つには、システムに対する信頼性と理解の不足があります。IBMは、信頼を維持してブランドと評判のリスクを軽減しつつ、AIを安定して実行、維持、拡張できるように、信頼、透明性公正性の3つを育むアプローチを設計しました。IBMは、ブラックボックス・アルゴリズムの内部を確認するためのフォレンジック・ツールを介したAIエンジニアリングと、エンジニアリングが文化に根付いていることを確認するためのガバナンスで、AIを導入し、安全に拡張するために必要な文化を、お客様が責任を持って活用できるよう支援します。信頼できるAIの中心にあるのは、IBMがオープンソースとLinux Foundationのコミュニティーで最高の成果を上げているテレメトリーとフォレンジック・ツールです。

IBM Services for AI at Scaleは、IBM Researchのオープンソース・ツールキット、AI Fairness 360、およびファクトシートを中心に据えています。開発者は、AIバイアスの検知と軽減に関連する最先端のコードとデータ・セットを共有して受け取ることができます。こうしたIBM Researchの取り組みにより、AIベースのソリューションや企業がAIバイアスを検出、管理、軽減するために設計された商業用製品であるIBM® Watson OpenScaleの統合も実現しました。

信頼できるAIの開発に関する箇条書きのベン図

IBMの価値提案

IBMの価値提案を示すグラフ
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