ホーム お客様事例 KPMG AG社のAI Watsonクラウド 安定性と堅牢性に優れた、スケーラブルなAIソリューション
KPMG社は、AIを活用してリース契約の自動処理を支援
ミュンヘンのスカイライン

自動車やオフィススペースからノートPCやネットワークデバイスに至るまで、ほぼすべての企業は、資産や参考情報の調達をリース契約に頼っています。

しかし、2019年初頭に導入された国際会計基準IFRS第16号に準拠するため、企業はこれまでオペレーティング・リースに分類され、対象外とみなされていたものを含め、すべてのリースを貸借対照表に計上しなければならなくなりました。

新たな開示要求に対応するため、組織は契約書や合意書から前例のない量のデータを抽出して分析する必要がありました。サポートするプロセスやテクノロジーを導入していない企業にとって、この新たな要件は、困難で時間のかかる可能性のある課題をもたらしました。

より高速なプロセス

 

IFRS第16号に基づく契約書のレビューとデータ出力の処理速度が75%向上

契約書

 

70,000もの契約書を処理

これ(KPMG社のコンテンツ抽象化ツール)に関して、Watsonほど優れたソリューションは市場にはありません。 Stephan Rinck氏 Cognitive Business Solutionsの元コンサルタント KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft社

KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft社にとって、この開発は、顧客が最新のITを駆使して差し迫った要件に対応することを支援する機会となりました。当時KPMG社でCognitive Business Solutionsのコンサルタントを務めていたStephan Rinck氏は、「KPMG社は、人工知能やその他の新しいテクノロジーを活用することで、その業務範囲を拡大し、より集中して取り組むという明確なストラテジーを持っていました。IFRS第16号については、多くのニーズがある分野を特定しました」と、語りました。

製品を開発するために、KPMG社は信頼できるITプロバイダーの高性能AIテクノロジーを探しました。「私たちは、顧客の需要に応じて拡張できる、安定性と堅牢性を備えたソリューションが必要でした」と、Rinck氏は語りました。

コグニティブ・ツールで関連データを特定

KPMG社は、IBMが概念実証中に披露した包括的な機能に感銘を受け、IBM Watson®とIBM® Enterprise Content Managementテクノロジーを選択しました。「KPMG社のニーズは単なるデータ抽出にとどまりませんでした。そこで、IBMがエンドツーエンドのソリューションを提供することができたのです」と、Rinck氏は語りました。

KPMG社は、IBM Digital Business AutomationチームおよびIBM Watsonチームと協力し、契約書を迅速に分析し、新しいIFRS基準への対応に関連するデータを特定するように設計されたKPMG Content Abstraction Tool(KCAT)を作成しました。「これに関しては、Watsonほど優れたソリューションは市場にはありません」と、Rinck氏は語りました。

IBMがアドバイザリー・サービスを提供する中、KPMG社はIBM Watson Knowledge Studioを使用して、KCATにリース契約の用語を「理解する」よう学習させました。チームによるトレーニングを通じて、リース契約内容の主要なデータ属性とこれらの属性間の関係に特化した知識ベースがプラットフォームに提供されました。IBM Watson Explorerプラットフォームを組み込んだKCATは、Knowledge Studio機械学習モデルを適用し、抽出すべき関連情報を特定しました。

チームはまた、契約書をスキャンして光学式文字認識(OCR)で処理できるようにするIBM Datacapソフトウェア、システムのワークフローを管理するIBM Business Automation Workflowソフトウェア、ルールベースの意思決定を自動化するIBM Operational Decision Managerソフトウェアなど、Enterprise Content Managementミドルウェアも統合しました。

このソリューションにより、KCATは企業の契約ファイルを機械可読形式に変換し、不動産、テクノロジー、車両などのタイプごとに分類できるようになりました。このプラットフォームは、契約タイプに基づいて関連するデータポイントを特定し、検証のためにその情報をKPMG社の専門家に送りました。最後に、このツールにより、抽出されたデータが、組織の会計プラットフォームに合わせて構造化された形式で利用できるようになりました。

ITソリューション・プロバイダーとしてのIBMの市場認識度は、大いに役立ちました。IBMのテクノロジーとKPMG社の専門知識を組み合わせれば、まさに無敵と言えます。 Stephan Rinck氏 Cognitive Business Solutionsの元コンサルタント KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft社
迅速かつ費用対効果が高く、しかも高品質

KPMG社の顧客企業は、従業員の貴重な時間や労力を必要とする、ミスの起こりやすい、契約書のレビュー作業を回避するために、KCATを使用しました。「これは退屈で時間のかかる作業でした。「手動による検証レビューを含めても、当社のソリューションはわずか25%の時間でプロセスを完了しました。しかも、魅力的な価格と卓越した品質でこれを実現できたのです」と、Rinck氏は語りました。

このソリューションの提供により、KPMG社は、顧客との長期的なパートナーシップを深めることができるようになっただけでなく、新たな収益源を生み出しテクノロジー・リーダーとしての評価も高まりました。他のアドバイザリー企業がIFRS第16号に対応する報告プラットフォームを立ち上げている中、KPMG社はソリューションをサービスとして提供することで競争上の優位性を維持しました。

「当社の顧客は、何かを実装することについて心配する必要はありませんでした。彼らは契約書を当社の安全な環境にアップロードするだけで、当社は彼らが必要とする成果を生み出しました」とRinck氏は語りました。

KPMG社は、IBMが提供した最先端のコグニティブ・テクノロジーと実践的なガイダンスに加え、KCATの立ち上げと市場投入の支援におけるIBMの強力なブランド力と評判を高く評価しました。「当社の製品を売り込むときは必ず、これがIBMのコンポーネントを備えたIBMソリューションであることを強調しました。ITソリューション・プロバイダーとしてのIBMの市場認知度は大いに役立ちました。IBMのテクノロジーとKPMG社の専門知識を組み合わせれば、まさに無敵と言えます」Rinck氏は語ります。

KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft社のロゴ
KPMG AG Wirtschaftsprüfungsgesellschaft社について 

KPMG社外部リンク(ibm.com外部へのリンク)は、監査、税務、アドバイザリー・サービスを提供する独立したメンバー・ファームのグローバル・ネットワークです。KPMG社のメンバー・ファームは世界147の国または地域に展開し、総従業員数は219,000名を超えており、メンバー・ファームの監査・保証業務を通じて、企業、官公庁・自治体、公共機関、非営利団体、資本市場のニーズに応えています。ドイツでは、10,200名を超える従業員を擁し、20以上のオフィスを構えています。

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米国で製作、2021年2月

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