IBM Research

IBM Quantum Challengeの結果「回路使用量は1日あたり10億を突破」

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5月4日から5月8日まで、IBM Cloud上で実施されたIBM Quantum Challengeに、世界中の方々の参加を呼びかけました。IBM Quantum Challengeは、クラウド上で量子コンピューターの実機が稼働してから4周年を記念したイベントとして考案されたものです。

多くの方にご参加いただきました!この4日間で、45カ国から1,745人の参加者が集まり、量子コンピューティングの入門的なトピック、実際のシステムにおけるノイズの軽減方法の理解、歴史的な量子暗号の研究の学習、量子回路の最適化結果にどれだけ迫ることができるかの検証など、4つの課題に挑みました。最後の1つは難題でしたが、574人が4つの課題すべてを正しく解き終えました。

このハッカソンには、学生、技術者、教師、教授、弁護士、ソフトウェアエンジニア、コンサルタント、インターン、データサイエンティスト、AIエンジニア、コンピュータサイエンティスト、物理学者、数学者などをはじめ、その他、多くの方々が参加しています。今回のチャレンジに取り組んだ方々は、IBMが保有するクラウド上の18機の量子コンピューティングシステムを利用しました。このシステムには、10機のオープンシステムIBM Q Network内で利用可能な先進的なマシンが含まれます。

また、IBM Quantum Challengeを開催した96時間で、IBMクラウド上の18機のIBM 量子システムの総使用量は110億回路を超えました。私たちはIBM 量子システムのクラウドユーザーのこれまでの記録を超え歴史を作り、コンピューティングにおける絶対的な世界記録を超えることができました。感謝申し上げます。

それでは結局、何を示すことができたのでしょうか。

第一に、とても多くの方々が量子コンピューター向けの実践的なコーディングについて学習できたことです。YouTubeのQiskitビデオシリーズを見たり、Qiskitのオンライン教科書を読んだり、教室で学んだり、自分で学ぶことによって、参加者は、実際のハードウェアを使った量子計算が始まった当初に比べて、はるかに理解が進んでいることを示しました。今では数千人の方々が、量子コンピューティングシステムにおいて回路が動作の基本単位であることを理解しています。

第二に、IBMのシステムは一日に十億回路以上をサポートできるという驚異的な能力を備えているということであり、それは、企業、政府、大学、その他の組織が、最終的に量子コンピューティングを実社会でのユースケースに適用するために実験を行い、軌道に乗せるために必要なものをIBMのシステムが提供できていることを実証しています。

最後に、これはIBM社外の方には見えにくいことかもしれませんが、IBM Q Networkのメンバー、IBM Quantum Challengeの参加者、IBM Quantum Experienceの日常的なユーザーの方々にシステムを利用いただくことで、IBMの量子およびクラウドのインフラを強化しています。みなさんと共に量子コンピューターの有用性(Quantum Advantage)に向けて協業することで、お客様のニーズにお応えできるよう、IBMのシステムは成長し、進化していくのです。

IBMQuantumChallengeに参加した皆さん、おめでとうございます。 4日間で1745人がコミュニティとして集まり、クラウド上に量子コンピューターが稼働してからの4周年を祝いました。 私たちは1日に10億回路もの使用量を、18機の量子システムでサポートすることができました。

 

私たちは日々、量子コンピューティングの科学を発展させ、より強力なデバイスやシステムを構築するためのエンジニアリングを進めています。先月、新たに2つのシステムをクラウド上に設置したことで、クラウド上の量子システム群はさらに大きく、より良いものになっています。今年後半には、量子システムをドイツ日本に導入し、クラウドインフラを拡張する予定です。また、ビデオ、オンライン教育、ソーシャルメディア、Slackコミュニティでの議論、そしてもちろんQuantum Challengeなどを通して、私たちはさらにデジタル化を進めています。

改めて、本チャレンジに参加してくださった皆様、ありがとうございました!また、TwitterやLinkedInで今回のチャレンジについて投稿した際に、「教育的」「スキル開発」「楽しい」などの言葉やフレーズを使ってくださったことに感謝しております。クラウド上のIBM Quantumは5年目に入りました。プログラムのあらゆる部分を拡張・拡大していきますので、ぜひ今後もコミュニティに参加してください。来年のチャレンジに向けたアイデアもお待ちしています!

※この記事は米国時間2020年5月11日に掲載したブログ(英語)の抄訳です。


IBM Quantum

Quantum starts here

 

IBM Fellow and Vice President, Quantum Computing

Jerry Chow

Senior Manager – Quantum System Technology, IBM Research

Elisa Bäumer & Abe Asfaw

IBM Quantum intern and PhD student at ETH, Swiss Federal Institute of Technology
& Quantum Education Lead, IBM Quantum

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