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半歩先から価値を提供したい。魔法使いのように(Watson IoT イ ヘリン)

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Watson IoTチームメンバー・インタビュー #3

イ ヘリン  テクニカル・セールス

 

IoTやAIが持つ可能性とそれがもたらす未来について、Watson IoTチームのメンバーに個人的な視点を交えて話していただくインタビューシリーズ、今回はヘリンさんに登場いただきます。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

     — ヘリンさんは日本語がすごくお上手ですが、ご出身はどちらなんですか?

韓国の清州(チョンジュ)という、ソウルからバスで南へ大体2時間くらい行った街の出身です。

その後、高校卒業までは韓国で暮らしていましたが、大学進学のタイミングで日本に来て、それからはずっと東京近郊で暮らしています。

 

     — 大学生のときから日本で暮らしているんですね。学校ではどんな勉強をされていたんですか?

大学では電気電子情報工学にいました。そのあと大学院で電子工学に進んで、クリーンルームで半導体の生産を経験したり…なかなか興味深くて、おもしろい体験でしたよ。

 

 

     — 卒業後はそのままIBMに入社されたんですか?

いいえ。最初に日本の製造業の大企業にエンジニアとして入社して、テレビやウェアラブル製品の開発に携わっていました。とっても面倒見の良い先輩たちに囲まれて、ビジネス・パーソンとしての基礎となる部分を自身の中に作り上げることができました。今でも当時の先輩たちには本当に感謝しています。

でもそれから数年後、もっと違う分野へチャレンジしたくなって、社内公募制度を利用して営業職に移りました。

 

     — その後、IBMに転職されたんですね。

はい、前の会社での技術畑と営業畑の経験を活用できて、かつ違う環境で新しいチャレンジをしたくなったんです。

IBMの技術営業という仕事がこれまでのキャリアを活かせるんじゃないかと思って転職しました。

 

     — 以前の職場と比べて、IBMはどうですか? 何か顕著な違いを感じたことってありますか。

働きかたの自由度がとっても高いことです。一番のカルチャーショックは、タイムカードがなかったことですね。「えええ!」って思いましたよ。

でも自由度の高さと同時に、一人ひとりが背負う責任もとても大きいものなんだなって。何事にも良い面もあれば悪い面もあるとは思いますが、今の私にはこの環境がとても合っています。

 

     — 仕事の中身はどうですか? Watson IoTや、そこでヘリンさんがされている役割についてはどう感じられていますか?

うーん、いろいろありますね。対象とする範囲の広さだったり、新しい組み合わせが価値を生む点だったり、既存の枠を超えていくことだったり。

どこか「現代の預言者」みたいな仕事だなって感じていて、そこにもとても惹かれています。

 

     — 現代の預言者って、おもしろい表現ですね。どのあたりが「預言者」な感じですか?

データを解析して、最初はまったく見えていなかった課題解決方法に繋がるアイデアを見つけ出すって、ちょっと預言者みたいじゃないですか? 預言者っていうか、魔法使い見習いみたいな感じかも?

例えば、昔だったら思いつかないような製品分野や技術分野を繋げてみたり、業界や業種の垣根を越えてみたりすることで、新しい価値やサービスを生みだしたり。既存の考え方や方法論に捉われずに、再定義し直すことで新しいアプローチを見出したり。

 

     — なるほどたしかに。魔法使いっぽいところ、ありますね。

魔法使いだともっとすごいことできないとダメだと思うんで、見習いですね。

それから、お客さまとの関係性においては、もっと身近で、お客さまの半歩先にいるような存在になりたいと思っているんです。

 

     — 半歩先、ふむ…。何か具体的に「半歩先」を感じるような体験は最近ありましたか?

小さなことって思われるかもしれませんけど、先日、こんなことがありました。

「このお客さまは、こういう悩みをお持ちだから、きっとこういう解決策なら検討してみたくなるはず。でも、その実現にはこういう技術的なチャレンジの心配をするはずだし、その心配を解消するには近い業界での事例を複数知りたくなるんじゃないかしら。そして最後にはデモンストレーション(デモ)を見たがるんじゃないかしら…」って、お客さまとお会いする前日の夜に、フツフツとそんなシーンが頭に浮かんできて、急遽資料とデモの準備をし直したんです。

 

     — 前日の夜ですか。何時ごろですか?

かなり夜遅くです。私、夜型で遅い時間に調子が出るタイプなんです(笑)。

それで翌日、お客さまにプレゼンテーションを始めたら、前の晩に想像したのとまったく同じ順番で、同じようにそのお客さまが質問をしてくれて、資料を見たいって言うんですよ。

 

     — それはもうちょっと「魔法」ですね!

そうなんです。質問をいただくたびに「ちょうど次のページに用意してあります」とか「そのためのデモをちょうど今からご覧いただきます」って。ほとんど前夜に私が想像した通りに進んでいったんです。

あのときはちょっと「魔法使い」に近づけたような気分になれました(笑)。

 

 

 

     — ヘリンさんから見た日本のビジネスの強みと弱みってなんですかね?

難しい質問ですね…。これは強みと弱みのバランスの話かもしれないなとも思うのですが、感じるのは「もったいなさ」です。

どうして外に目をやらず内ばかりを見てしまうのか。海外や違う業界っていう「外」に目をやれば、もっと自分たちの役に立つであろう物事がたくさんあるのに。

多分、日本には良い習慣や文化が多いが故の、反動のような現象なのかもしれませんね。

 

     — これまでの強みやそこで得てきた成功体験が、今では足かせになっているんですかね?

足かせとまでは言いませんけど…。

ただ、例えば莫大な量の社内調整とか、ちょっと慎重過ぎるようなプロジェクトの進め方とか。そういうのを見聞きしていると、やっぱりちょっともったいないなって思います。

 

     — どうすればその「もったいなさ」を解消できますかね? Watson IoTは解消の一端を担えそうでしょうか?

パチさん、落合陽一さんってご存知ですよね? わたし、あの方みたいに、テクノロジーを駆使していろいろ繋げ、従来の価値観をアップデートしていく人がもっと増えていけば、変化のスピードもどんどん上がるだろうなって感じています。

彼のような枠の超え方をする人、いわば「新しい肩書き」を作っていく人が社会を変えていくだろうし、そこではWatson IoTのテクノロジーも欠かせないものになっていくんじゃないかしら。

 

     — そんな世界で、私たちはどんなアップデートを目にすると思いますか?

Watson IoTは、地方のご老人に、もっと簡単に病院に通えるための手段を与えるでしょうね。自動運転か遠隔操作か分かりませんが、社会の変化や制度の変化に合わせて、移動の進化を支援するでしょう。

それから、わたしを含めて、みんなの健康寿命をもっと長くすると思います。誰だって、元気なままで最後はぽっくりがいいですよね? 健康データのモニタリングと分析と学習で、ただの長寿じゃなくて健康な長寿が実現できるようになるでしょうね。

 

     — いいですね! 仕事のやり方や職場にも変化が起こりますよね?

もちろん、仕事の効率化も進んで、人と機械が上手に仕事を分担するようになるんじゃないかしら。そして、家族ともっと一緒に過ごす時間を持てるようになる。

それから、今の「1つの会社に勤める」っていう仕事のやり方だけじゃなくて、もっと広い意味でのいろんな「仕事」をする時間を、みんなが持てる社会になると思います。いや、ならないとダメですよね。

 

     — ヘリンさんはそのとき、どんな風に仕事をしますか? どんな風に自由な時間を過ごしますか?

うーん、わたしにとってちょうどいいのは、1日6時間で週4日だけIBMで働くくらいかしら(笑)。それで、余った時間で絵を描いたり、作曲したりしてみたいな。それから、何か教えることをボランティアでしてみたい。

なんにせよ、わたしだけじゃなくて、みんながもっと自由に働きかたを選べる社会になって欲しいです。もちろん生活水準は落とさないままで、ね(笑)。

 

     — 最後の質問です。2045年のヘリンさんは、どこで何をしていますか?

きれいな南の島で、現地の人に何かを教えながら暮らしています。何を教えているかは…まあなんでもいいの。みんなの役に立つものなら。

それで、わたしもみんなから何かを教えて貰っているの。

 

     — 島で何かの習いごとをしてるってことですか?

そうね、そうかも。でも、別に教室で習うような、そういうものじゃなくてもいいの。

一緒の場所で過ごして、お互いのやり方とか意見を聞いたり伝えたりする。そこで新しい何かいいものを見つけて取り入れていく — 学びってそういうことだと思っています。

私たちの日常にも、いっぱい学びの場やアップデートがあるわよね。

 

インタビュアーから一言

「ヘリンさんは、間違いなくチャレンジが好きな人ですよね」って言うと「そうかしら。どうかなあ?」ってちょっとけむに巻くような微笑みを見せるヘリンさん。どこかミステリアスな雰囲気が漂ってます。

「休みの日は食べ歩きをするのが大好き」とも言われていたので、いつかご一緒させていただきたいなとも思いました。

— あ、ひょっとして食に関してもものすごくチャレンジャーなのかも? みんなが躊躇するような、変わったメニューが大好きだったりして?

 

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