アナリティクス

新たなBIツールへの可能性を感じさせるシミュレーション機能

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OPINIONS

person06_ehara江原 淳 氏 専修大学ネットワーク情報学部企業の意思決定に必要なのは、代替案の提案とそのリスクやリターンの予測であって、分析結果そのものではない。CIOが不在の上に、分析担当者も兼 任であることが多い日本企業では、「分析」を「提案」に翻案するスタッフを欠いていたため、BIツールの導入が遅々として進んでこなかった。

SPSS V.21に搭載されたシミュレーションツールでは、SPSSの数多くの予測モデルからのシミュレーションが可能となっている。これによっ てさまざまの予測手法の結果を見るだけでなく、変数に確率分布を指定することによって予測結果自体のモンテカルロシミュレーション結果が得られるので確率 モデルの教育には絶好のツールとなるが、実務的には結果からのリスクの分析につなげたり、複数の代替案(3通りのシナリオを準備することがよくおこなわれ ている)を生成したりするのに使うことができる。

しかし、ここではシミュレーションビルダーで「新しい等式」を指定でき、独立変数の分布形を指定するのでなく既存の観測データからの適合・あてはめ ができることに注目したい。実務では分布の仮定についてなどの検討がなおざりにされがちなこともあるので、シミュレーションデータを実際の変数に基づいて 発生させてくれる機能は貴重である。

たとえば、既存商品のデータで知名率・想起率等の態度データ、配荷率・フェースシェア等の流通データ、広告や販売促進関係のデータ等の独立変数から 売り上げや浸透率等の従属変数を説明することはよくある。その同じウェイトで新製品について予測したいとき、たとえば配荷率のような微妙な変数について特 定の分布系のあてはめでなく過去のデータから作り出した変数になっていると、ユーザ側の受け入れやすささえ異なるのである。横断面データでのチェーン別や 店舗別の変数ならなおさらであろう。

また、ニューラルネットワークのようにすぐれた手法でも説明不可能なため分析や提案のモデルとしては使いにくかった(説明の不要な制御の領域ではよ く使われている)手法が、このシミュレーション機能によって解の範囲やリスクに関する代替案の生成ツールとして見直されることも期待できよう。SPSSで の「分析」をよりユーザへの「提案」に近い形に変換してくれること、つまりBIに不可欠な機能として、V.21を歓迎したい。

著者について

江原 淳 氏

専修大学ネットワーク情報学部

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