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ロッテルダム港 を「世界で最もスマートな 港」へ – Watson IoTとクラウドにより港をデジタル ツインで再現

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「世界で最もスマートな港」の実現に向けた挑戦

ヨーロッパ最大の載貨トン数を誇るロッテルダム港は、「世界でも最もスマートな港」というビジョンを掲げ、IBMと共にデジタル・トランスフォーメーションを進めています。

輸出入品の85%以上が船で運ばれているオランダにとって、港は世界経済と地域経済の両面において重要な役割を担っています。ロッテルダム、アムステルダム、ゼーラントシーポートといったオランダの港では、9万人の従業員が働き、オランダのGNPの3.3%にあたる1,050億ユーロを生み出します。

また、ロッテルダム港は、世界規模の厳しい競争にさらされつつも、サービスレベルの高さや他のヨーロッパ諸国の港への窓口として広く認知されています。2017年の世界経済フォーラムにおいて、オランダの港設備が6年連続で世界最高と評価されました。

数世紀にわたって、海運業界は「帆船から汽船への革新」や「ラジオやレーダー技術の進化」といった数多くの変化に対応してきました。そして今、新たなイノベーションへの船出を迎えようとしています。それが「自律的な船」です。「自律的な船」は、自動車業界における自動運転のように自律的に操作される船であり、衝突を避けるために周囲の船舶とも連携します。ロッテルダム港は、2030年までに「自律的な船」を実現することを目指しています。

「自律的な船」の実現に向けて、Watson IoTでデジタルツインを作成

将来的な目標の実現に向けて、ロッテルダム港は積極的な投資を行っており、IBMのWatson IoTの技術とクラウドの導入によって、ロッテルダムの市中から北海までの42Kmにわたる湾岸エリア全体のデジタル化を進めています。ロッテルダム港のデジタル化の取り組みには多くの構成要素があり、世界で最もスマートな「つながる港” (コネクテッド・ポート)」となるためには全ての構成要素が必要なのです。

ロッテルダム港は、IBM のWatson IoTの技術を活用して、ロッテルダム港の全オペレーションをデジタルで再現するレプリカであるデジタルツインを創り出そうとしています。このデジタルツインは、ロッテルダム港の全リソース、船の動き、設備、天気、地理的な情報、水位などを100%正確に再現します。このデジタル化は、例えば、高度な安全基準を満たしつつ、オペレーション全般の効率性を向上を目指す施策を検証する際などの一助となるでしょう。

年間14万隻以上の船が出入りするロッテルダム港にとって、接岸する船の管理は様々な関係者が関わる非常に複雑な仕事で、安全かつ確実に行われなくてはなりません。これまで、多くの時間を費やしてきた入出港や停泊の管理業務は、デジタル・ダッシュボードによって全オペレーションを同時に監視できるようになりました。その結果、船舶の停泊時間の短縮(1時間)、オペレーターのコストの節減(8万ドル)、停泊可能な1日あたりの船の数の増加が可能となり、ロッテルダム港を利用する積荷の量の増加と効率の向上を同時に実現しました。

水位と天候の予測

ロッテルダム港は、IoTセンサーやAI、スマート気象データを活用して、IBMやその他のパートナー企業と共同でデータの集約を開始しており、停泊の可否判断や重要な統計情報が獲得できるかを検証しています。例えば、正確な水(水力)と天候(メテオ)のデータによって、停泊に最も適したコンディションを特定できれば、ロッテルダム港に入港するベストタイミングを予測して船会社に通知できるようになります。そのために必要となる正確な気象情報はIBM傘下のWhether Companyが提供しますし、IBMのソリューションは水や通信データの分析を行います。

さらに、気温、風速、相対湿度、水の濁度と塩分、水の流れと水位、潮汐、潮流などのデータを取得することで、特定の日における橋桁下から船体までのクリアランス(余裕高)の算出が可能になります。加えて、水の状態、風向、速度を予測することで、船舶が港へどの程度スムーズに入港できるかを判断できるようになります。これらのデータは、輸送コストに対して大きな経済的効果をもたらします。穏やかな水流と気象条件は、燃料消費率を抑制して一隻あたりの積載量に対するコストを最適化するとともに、貨物の安全な到着を確実なものにします。

3Dプリンターを用いた船舶部品の製造

ロッテルダム港は、30のパートナーと共に、ロッテルダム付加価値創造ラボ(RAMLAB)という新しいR&D施設を造船所内に設立しました。ロッテルダム港は、高品質なスペアパーツ(予備の部品)が、時間や場所を問わず、必要なときに競争力のある価格で提供されるべきだと考えています。これは、港湾や船舶会社に特化した初の3Dプリンティングの研究所であり、船の金属パーツを幅広く入手できるようになる可能性を秘めています。IBMのWatson IoTの技術をスペアパーツの生産プロセスに取り込むことで、RAMLABのロボット溶接アームは、船のスクリュー・プロペラのような金属部品を従来よりも迅速かつ高品質に必要なときに製造できるようになります。例えば、従来の製造プロセスでは6〜8週間かかった特殊な船舶部品が、わずか200時間で生産できるようになると試算しています。

デジタル・ドルフィン(*)

ロッテルダム港は、IoTにビジネスのルールを大きく変える無限の可能性を感じています。IBMのWatson IoT Platformを活用する他のデジタル化プロジェクトでは、「デジタル・ドルフィン」と呼んでいる センサーを装備した係留施設を海上に配備して、埠頭と船舶あるいは船舶間の貨物の輸送をサポートしつつ、その輸送ステータスや周囲の環境を、時刻のタイムスタンプと共にデータとして保管しています。「デジタル・ドルフィン」によって提供される接岸ターミナルの空き状況や、周囲の波の状況、天候に関する有益な洞察によって、港湾オペレーターは船の入港に最適な時間と接岸可能な場所を判断できるようになります。「デジタル・ドルフィン」から提供されるデータ・パターンの分析には機械学習を適用しているため、港湾オペレーターは港湾設備に関する正確でリアルタイムのデータを活用できるようになります。

(*)ドルフィン:港湾内の水域に杭などを打ち込んで作る船舶の係留施設。沖がかり施設の一つ。

港湾オペレーションの未来図へ

ロッテルダム港は、港湾オペレーションを真の意味で変革して「世界で最もスマートな港」の実現を目指すとともに、ロッテルダム港に関わる人々や他の港に素晴らしい価値の提供を目指しています。港湾オペレーションの未来図の具現化を目指して、IBMおよび協業各社とともにWatson IoTを活用して、ロッテルダム港はデジタル・トランスフォーメーションを進めていきます。

*本記事は、Turning Rotterdam into the “World’s Smartest Port” with IBM Cloud & IoTの抄訳です。

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