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テクノロジーはツールからパートナーに | 大久保 そのみ テクニカル・セールス担当

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チームメンバー・インタビュー #34

大久保 そのみ  テクニカル・セールス担当

 

自分自身とテクノロジーとIBMについて、そして過去と現在と未来について、Cognitive Applicationsチームのメンバーに自由に語っていただくインタビューシリーズ34人目は、今年からテクニカル・セールス担当として多数の技術者を率いる大久保 そのみさんにお話を伺いました。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

お久しぶりです。お忙しいんじゃないですか?

そうねえ。ほら私、今年からたくさんのテクニカル・セールス(セールスエンジニア)を率いる役割になったじゃない。やっぱりこれだけの人数になると、どうしても時間がかかるのよね。

だって1人1時間としても、全員に話を聞いていたらすごーく時間かかるでしょう。

 

— え! テクニカル・セールス全員と1人ずつ面談しているんですか!?

本当はそうしたいんだけど、そうするとかなり長期にわたって他のこと何もできなくなっちゃうから、さすがにそれは難しくって。

でも、みんなの仕事への考えやキャリアへの想いを聞くのって、とても重要なことじゃない? だから、せめて私のチームにいるマネージャー全員には、しっかりと時間を取って向き合って、話を聞いているの。

 

— それはとても大切なことですね。

そうでしょ。私が彼らの計画や悩みにしっかりと向き合うことで、言葉だけじゃなく彼らに「自分のチームメンバーの話にしっかり向き合ってください」ってメッセージを伝えられると思って。

もちろんそれだけじゃなくて、テクニカル・セールス全員参加のオンラインミーティングでメッセージングしたり、アンケートで参加者からのフィードバックを貰って声を聞かせてもらったりもしているけどね。

でも、それだけじゃなくて、もっとプルプルしているところを私は感じたいし、マネージャー陣にもそのプルプルを感じて欲しいのよ。プルプルを。

 

— そんな何度もプルプルプルプル言わなくても(笑)

■ 「すみません」から「ありがとう」に

 

— 肩書きとしては「テクニカル・セールス担当」ですよね。モットーやスローガン的なものってありますか? 

私の組織の標語は「めでたし めでたし」なの。これは担当範囲が変わってもずーっと変えずにこの言葉なの。管理職になった頃からずっとだから、2006年頃からね。

 

— 標語は「めでたし めでたし」…いい響きですね! では、そこに込めた想いとは?

言葉のままよ。だって仕事をしていれば、そりゃいろいろあるし思うように進まないでしょ。思いもしないようなことが起こることなんて、日常じゃない。

そんなときに「それは範囲外です」とか「自分のロールじゃない」って言って知らんぷりすることもできるのかもしれない。でも「本当にそれでいいの?」って。「それで最後に”めでたし めでたし”って思えるの、言えるの?」って。

そんな風にみんなが自問して行動できれば、本当に”めでたし めでたし”って終わることができると思うのよ。そういう仕事がしたいじゃない、パチさんだってそうでしょう?

 

— そうです。カバーし合えるのが組織や会社で働くことの意味なんだろうなって思っています。

IBMのいいところって1人でやらなくていいところだと思うのよ。…そもそも誰だって、もちろん私だって、1人でできることなんてたかが知れているでしょう?

重た過ぎる荷物なら「一緒に持ってください」って言える。1人じゃ前に進めないのなら「一緒に走ってください」って言える。それがこの会社のいいところじゃないかしら。

 

— でも、若手社員の中には、それを言いづらいと感じている人も少なくない気もします。

そっかー…うーん…やっぱり「一緒にやってください」って協力を頼むには、自分が「やろう」「やり切ろう」という姿勢を見せていることが重要よね。実際にやり切れるのか、そもそもそれをやる力を持っているのかっていうこともあるけれど。

それでも「やりたい」とか「本気でやろうとしている」という姿を見せていれば、「よし、じゃあ手を貸そう」という人が必ず現れると思うのよ。

 

— そうですね。自分のやりたいを表明し周囲のやりたいをサポートする。この2つは両輪ですよね。

私、「仕事は1人でするものではない」って強く信じていて。でも、若いうちはなかなかそう思えないこともあるのかもね。

前に書いたことがあるんだけど、私自身、そうね入社から6年くらいかしら? 仕事の全体像も掴めてきてようやく一人前として認められてきた頃に「すみません」から「ありがとう」に変わったのよね。

参考: 「ありがとう」の積み重ねがキャリアにつながる

 

— 「すみませんからありがとうに」ですか。どういうことでしょう?

それまではまず意識が「できない自分」に向いていたから「すみません」って。迷惑をかけて申し訳ない。役に立てていない自分が目に映っていたの。でも、自分は自分で貢献できるところを積極的に見つけて、そこで貢献すればいい。それができないところはやってもらって「ありがとう」って素直に感謝して受け取ればいいって思えるようになったの。

そうやっていくうちに少しずつ自分のできることも増えていって、手を貸せる場面が少しずつ増えていくの。

 

— 仕事で成長していくっていうのは、そういうことなのかもしれませんね。

テクニカルセールスに関係する仕事をIBMでやってきてそろそろ30年近くになるんだけど、「ああ、今ようやく恩返しするときがやってきたのね」って、最近思うことがよくあるの。

本当に「大久保さん、今こそ恩を返してあげてね」って耳元で言われているような気分になるのよ。

 

— それは誰に言われているんですか? 神の声? ひょっとして社長とか??

違うの。これまで私を育ててきてくれた先輩だったり、上司だったりの声が聞こえたような気がするのよ。

これまでみんなにもらった「ありがとう」が貯金みたいに私に貯まっていて。それを今度は返していくの。ありがとう貯金は貰った人に返さなくていいの。それに返すタイミングもいつでもいいのよ。

 

— 恩返しというより、恩送りって言葉がピッタリですね。

オンラインインタビューの様子

すでにたくさんの人が大久保さんから「恩送り」をいただいていると思います!

 

■ 日本は可能性の塊。希望だらけ

 

私最近、「日本って可能性の塊だわ!」って、すごくワクワクしているの。「希望だらけじゃない!!」って。パチさんはどう?

 

— …そんなにワクワクって感じではないかも。「希望だらけ」って、どういうことですか?

これまで頭のどこか片隅に「日本はもうマチュアで、改善できる部分がそう残っていない成熟した国」という意識があったんだけど、全然そんなことなかったじゃない?

それって「伸び代」だらけだなって。世界同時進行でいろんな対策がとられるのを見ていたら、日本にはまだまだテクノロジーで変えていくべきところがたくさん残っているって気づかせられたのよ。

 

— 伸び代だらけ…たしかにそうですね。印鑑を押すためだけの出社とか。

そうそう。それ以外にもコミュニケーションの取り方や仕事・協業の進め方、そのためのITツールや環境の整え方…あちこち伸び代だらけよ。

「テクノロジーの世界にいて本当によかった!」って感謝しているの。だって、世の中に貢献できることがたくさん残っているじゃない。

 

— そうですね。それでは技術者に一番言いたいことはなんですか?

社内外で技術者コミュニティーで積極的に活動するべきってことね。

「半径5〜10メートルしか見ないで仕事していない?」「仕事的に近しい人としか会話や対話をしていないんじゃない?」って。

それじゃどうしたって刺激が足りないわよ。新たな発想や視点につながる「閃き」が起きないわよって。

 

— そういえば大久保さんと初めてお会いしたのは、私がコミュニティーやコラボレーションのコンサルタントをしていたときでした。

そうだったわね。実は私、ちょっとした後悔があって…。

私自身、入社10年目くらいまでは、上司や先輩に紹介されても「技術者コミュニティー? それ仕事の役に立つんですか? 結構です。自分のやるべき仕事をしっかりやればそれで良いじゃないですか。」って感じだったの。

でもあるとき、上司に「ねえ、あなたにとって役立つだろうし、意味深いものになるかもしれないと思っているから勧めているの。あなただから声をかけているんだよ」って強く背中を押されて。

 

— そしてコミュニティー活動を始めたら…

すっかり考え方が変わったの。目を開かされたって感じだったわ。

だから、若い技術者たちが「もっと早くコミュニティーの世界に行っておけばよかった!」って私と同じことを味わわないで済むように、「あなただから声をかけているのよ」って背中を押しているの。

 

■ 乳がん検診啓発コミュニティー「PINK RUN」

 

— 長年IBMの女性技術者コミュニティーに携わっていますよね。

COSMOS(コスモス)のことね。今は「エグゼクティブ・アドバイザー」って肩書きをいただいています。

その他、「PINK RUN」っていう乳がん検診の啓発コミュニティーのリーダーもやっているの。

COSMOSコアメンバーによる活動紹介

 

— 去年の11月でしたっけ、PINK RUNでオンライン・イベントをやられていましたよね。観ましたよ。

観てくれてたのね。嬉しい!

COVID-19の中ではあったけど、社内の別チームともコラボレーションして、慶應義塾大学病院の林田 哲医師をお迎えしてセミナーを実施したの。

 

— パネル・ディスカッションでの大久保さんのモデレーターぶりが本当に素晴らしかったです。「モデレーションでこんなにも分かりやすくなるのか!」って、すごく感心しました。

ヤッターすごく嬉しい!!

「どういう順番で、どう質問をすればよりみんなの理解を深められるだろうか」ってイメトレして、家で冷蔵庫を相手に質問する練習を何度も繰り返して迎えた本番だったから、その言葉は本当に嬉しい! ありがとう。

 

— 練習相手は冷蔵庫なんですね(笑)。でも、その成果がしっかり出ていました。

私、しっかりと準備して練習して本番に備えないとダメなタイプなの。IBMの行動規範の1つ「Think. Prepare. Rehears.」を地で行く感じね。

でも、意図したものをその通りにちゃんと伝えるのって、本当に難しいわよね。私は毎回、講演の後にいただくフィードバックを見て、一喜一憂しているの。特にうまく行かなかったときはしっかりと落ち込んで、そして反省をして、次の機会につなげていくの。

 

■ テクノロジーはツールからパートナーに

 

— 最後の質問です。大久保さんにとってテクノロジーとはなんですか?

そうねえ…。「”やりたい”を叶えるもの」、「想像を実現させるためのもの」、かな。

昔は、テクノロジーってツールでしかなかったの。例えば、10時間かかるものを5時間にするとか、そういう「効率化のための道具」でしかなかった。

もちろん今だって、テクノロジーは効率化のためのものでもあるわよ。でもそれだけじゃない。昔は「無理」って言われていたことだとか「できない」って諦めざる得なかったことが、今はできるようになったでしょ。

これってすごいことだと思わない?

 

— 思います。昔は、家にいながら遠く離れた人と顔を見ながら会話するなんて、金持ちだけの特権だろうって思っていました。

そうよね。他にも、例えばがんなどの治療も全世界のお医者様が知見を共有したり、AIの力を使って患者さんを救えることもできるようになった。

やっぱりテクノロジーってすばらしいわよね! 時間と場所を超越して、人びとの知を集結して課題に取り組めるようにしたんだから。

 

— 集団的知性を別次元に押し上げましたよね。

最初にも言ったけど、人間、一人ひとりの力には限界があるでしょう? どんなに優秀な人にだって限界はある。でも、テクノロジーの力を活かせば、一人の人間の限界を超えられるの。

今や、テクノロジーは、ツールからパートナーになったのよ。

 

— 僕らはお客様に「信頼できるパートナーをお持ちですか?」って聞いた方がいいのかもしれないです。

それいいわね!

私たち自身が「それでは、すばらしいパートナーをご紹介します」と言えるように、矜持をしっかりと持っていないとね。それには、お客様が必要としているテクノロジーをしっかりと見極めて使いこなせるようになっていなくちゃダメよね。

 

 

インタビュアーから一言

「分かった! 私、技術も好きだけど、それ以上に技術者が好きなんだわ! なんで今まで気づかなかったのかしら? 気づかせてくれてありがとう!!」と喜んでくれた大久保さん。

でも、私は「2035年に何してると思います?」って聞いただけですよ。そしたら「去年、筑波大学のキャリアプロフェッショナルコースに通って『人事・組織・コミュニティーによるキャリア開発』って研究論文を書いたの。だって、技術者にもっと幸せになって欲しいじゃない? あ!!」って。

— インタビューの間中、大久保さんの技術者たちへのとっても大きな愛を感じていました。

(取材日 2021年2月5日)

 

 

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