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ELMが実現する自動車産業変革

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今、自動車産業に「C: コネクテッド」「A: 自動化」「S: シェアリング」「E: 電動化」の4つからなる、本格的なCASE時代の幕が開こうとしています。そして搭乗者の安心・安全と快適なモビリティ体験を実現するためのCASEの4要素すべてを支えるのが、車載ソフトウェアです。

1台の自動車に搭載されるソフトウェアは爆発的に増加しており、個々の機能が複雑に連携しています。同時に、自動車開発費に占めるソフトウェアコストは増加しており、最適化が急務となりました。そしてOTA(Over The Air: 無線でのデータの送受信のこと)による車載ソフトウェアの機能アップデートも、今後一般化する兆しを見せています。

 

IBM Engineering Lifecycle Management(ELM)は、こうした開発環境の変化に対応するために、顧客ニーズや制約事項の変化に伴う変更履歴や変更理由を共有し、OEM部門間だけでなくサプライヤーも含めた開発エンジニアの要求・要件管理の共通理解を深め、より良いコラボレーションをするための仕組みを整えます。また、個々のエンジニアの能力に依存した開発から、組織・開発チーム全体の能力で、高度な製品を効率的に開発するプロセス変革を進めると同時に開発コスト削減を実現するソリューションです。

 

■ IBM ELMが実現するものづくり変革

IBM ELMは、複雑な自動車・自動車部品の設計開発業務を支えるソリューションです。

A-SPICE*ISO26262**といった標準規格への対応がしやすくなり、MBSE***やソフトウェアの再利用、大規模アジャイル開発を実現するユースケースに沿ってデザインされており、すぐに業務適用できるテンプレートが豊富に揃っています。

CASE時代の自動車・自動車部品開発における「安心・安全」と「効率化」に向けて、IBM ELMはお客様に次の4つの変革を提供します。

  1. 国際的な開発標準フレームワーク、A-SPICEへの対応
  2. MBSEとシステムズ・エンジニアリングの導入
  3. プロダクトライン開発(PLE)の実現に向けたエンジニアリング資産管理モデル定義
  4. 大規模アジャイル開発とCI/CD****の適用

 

* A-SPICE  Automotive SPICE: Automotive Software Process Improvement and Capability dEterminationの略。車載ソフトウェアの爆発的な増加と複雑化に伴い、ソフトウェアを開発するサプライヤーの業務品質を確保するために、欧州OEMが中心となって策定した自動車業界標準の開発プロセス共通フレームワーク。

** ISO26262  自動車の電気・電子システムに関する機能安全についての国際規格。

*** MBSE  システムをモデルを用いて表現し、要求分析、設計、検証を効率的に行うシステムズエンジニアリングのためのアプローチ。

***CI/CD  アプリケーション開発におけるビルドやテストを自動化して継続的に行い、提供頻度を高めるアプローチ。

 

■ ELMへの投資効果 – 標準開発プロセスのフレームワークへの対応を実現

コネクテッドカーや自動運転、電動化の急速な広がりにより、自動車を構成する技術や部品が多様化し、自動車1台の開発に関わるサプライヤーの数が増加しました。このような動きを背景として、これまでは欧州のOEMを中心にのみ活用されていた国際的な開発標準フレームワークA- SPICEが世界的な広がりを見せています。

OEMは、サプライヤーのA-SPICEの活用により、開発品質が確立された開発標準に一層準拠することで、自社の自動車開発における品質目標を実現しようとしています。

 

IBM Engineering Lifecycle Management(ELM)は、A-SPICE評価者や実務者委員会との協議を重ねてA-SPICEテンプレートを組み込んだソリューションです。A-SPICEでアセスメントの対象となる17プロセスすべてを統一のプラットフォーム上でサポートし、自動車OEMとサプライヤーが、A-SPICEで定義された複雑で包括的なプロセスを準拠することを支援します。

要求管理、アーキテクチャ設計、詳細設計、ソフトウェアコード、テストケース、結果までのプロセス全体のトレーサビリティを担保します。

 

■ ELMへの投資効果 – 大規模アジャイル開発とCI/CDの適用

車載向けソフトウェア開発はウォーターフォールプロセスが一般的ですが、OTA(Over The Air: 無線でのデータの送受信のこと)による継続的なソフトウェアアップデートや試作機開発では、アジャイルによるスピード感が求められます。スクラムといった手法に加え、大規模アジャイル開発フレームワーク(SAFe)を適用するなど、状況に応じて最適な手法の使い分けが重要です。

また、アジャイル開発で効果的なのがCI/CDです。CI/CDにより、ソフトウェアの変更・更新時に、ビルド〜デプロイ〜テストまでを自動化でき、アジャイル開発のスピード感を最大限に発揮するとともに、テストの漏れを防止するなど、品質向上にも寄与します。

IBM ELMの「Engineering Workflow Management(EWM)」は、従来のウォーターフォール型のプロジェクト管理に加え、スクラムやSAFeなどのさまざまなアジャイルプロジェクトを管理するテンプレートがセットされており、プロジェクト成果の予測可能性を高めます。CI/CDにも対応しており、UrbanCodeやJenkinsと連携して、自動化を実現します。

 

■ IBM ELMの2つの導入方法

  1. IBM ELM SaaS

IBM Cloud上のSaaS環境でご利用いただけます。お客様ご自身での環境構築や運用が不要で、すぐに利用できます。

  1. IBMならびにIBM ELMビジネスパートナーからの導入支援

多くのお客様のシステム導入をご支援してきた、現場変革の経験が豊富なIBMとIBM ELMビジネスパートナーが、上流のコンサルティング・サービスから、実際のELMによるシステム構築までトータルにお客様のエンジニアリングサービスプロセスの変革をご支援します。

日本はもちろん、世界各国のOEMとサプライヤーのお客様への業務変革、ソリューション導入実績を保有するコンサルタントやエンジニアが、「ソフトウェア開発がこれからどうあるべきか」という視点も踏まえてご支援します。

 

ご紹介ソリューション: 全社規模でのシステム・エンジニアリング

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

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