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9割を超える組織がエッジコンピューティング実装を計画している理由

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■ 5G導入にエッジコンピューティングは欠かせない

市場や顧客の変化に迅速に対応できること – それがどれほど重要なことか。それに気づいているほぼすべての組織が、今、エッジコンピューティングの活用を検討しています。

エッジコンピューティングは以前から「いずれやってくるテクノロジー」として、IT(情報技術)およびOT(運用・制御技術)の両面で注目されていました。その理由は、最初に挙げたスピーディーな対応に加え、コスト削減の実現という大きな魅力も持っているから。

そしてまた、新型コロナウイルス感染症を念頭においたニューノーマルの世界において、エッジコンピューティングがもたらす可能性は業界業種を問わずこれまで以上にその重要性を増しています。

 

超高速の次世代通信「5G」が全面的に展開されようとする今、エッジコンピューティングは最も注目されているテクノロジーです。

産業用IoT(IIoT)デバイスとの組み合わせで、よりスマートなサプライチェーンが可能となると考えられており、たとえばドローンを用いた無人診察や群衆管理、配送などもエッジコンピューティングと併せて検討がすすんでいます。

またこれ以外にも、複雑に込み入ったさまざまな運用の検討が行われています。

 

5Gの広がりと共に継続的に増加し続けるであろうネットワークトラフィックにおいても、エッジコンピューティングは帯域幅、速度、およびデータ・セキュリティの問題への対処に大きな役割を果たすと考えられています。

実際のところ、5Gの導入に、エッジコンピューティングとの組み合わせは欠かせないものとなるでしょう。

 

■ エッジのメリットとROI

 

ここで、エッジコンピューティングが意味するもの、もたらすものを確認しておきましょう。

エッジコンピューティングとは、コンピューティング、データ処理や保管、分析などを、データが発生する場所や処理が必要とされている場所のすぐ近くで行う、分散コンピューティングモデルです。

データが生まれた場所(エッジ)で即座に必要なデータ処理をすることで、分析およびAI(エッジAI)機能をより迅速に適用させることができるのがその大きな利点です。

 

エッジコンピューティングには現在すでに多くのアプリケーションが用意されており、今後、ビジネスプロセスだけではなく、業界全体に大きな変革をもたらす可能性が示唆されています。

 

IoTと5Gがもたらす接続性を最大限に活用するプレーヤーが、多くのレベルで大勝利を収めるでしょう。ネットワークの近代化により意思決定の応答性に変革が起きるのです。
カナダの通信事業大手の最高執行責任者(COO)の言葉

 

それでは次に、なぜエッジコンピューティングが重要なのかを確認しましょう。

物理的な現実世界とデジタルの世界は、その境界の融合を進めています。そして顧客の双方向性に対する期待 – より早く、よりリアルに、より没入感高く – は高まり続けています。

その結果、IoT(モノのインターネット)デバイスの数は爆発的に増加し、かつてない量のデータが生成され続け、必要な計算能力もそれに比例して増え続けています。

そのデータ量と計算能力に対応すること、つまり「顧客の期待に応えること」を実現するのが、エッジコンピューティングなのです。

 

■ 数字で見るエッジのポテンシャル

5Gネットワ​​ークの普及にともない、通信高速化と接続デバイス増加はより一層顕著となり、データ量の増加スピードもさらに加速するでしょう。

IT専門調査会社IDCは、全世界のIoTデバイス(エンドポイント)の普及台数が2025年には416億台に到達し、1年間に生成されるIoTデータ総量は2018年の13.6兆ギガバイトから、2025年には79.4兆ギガバイトに達すると予測しています。

このデータ量すべてをクラウド上で処理・管理しようとすれば、帯域幅、エネルギー、そして待ち時間の問題を引き起こすことはほぼ間違いないでしょう。

 

クラウドコンピューティングにはない、エッジコンピューティングのもたらす利点を整理してみましょう。

  • ネットワークを介したデータ処理(クラウドまたはデータセンターとのデータのやり取り)がほぼないので、レイテンシ(データ転送間の遅延)が大幅に削減される
  • データ転送を介さないので、より高速で制限の少ないデータ分析が可能となる
  • 応答時間が早くなり、顧客体験が改善されるので、より多くの機会を生みだす

 

このように、エッジコンピューティングを搭載したデバイスと機器は、IoTとAIの利点をより強め、データの解釈と学習、意思決定を瞬時に行うことができるという強みを持っているのです。

 

■ 91%の組織が、今後5年以内にエッジ実装を計画している

現在、一部ではエッジコンピューティングの実用がスタートしていますが、市場の伸びから考えるとまだまだ緒に就き始めたばかりと言えるでしょう。

ガートナー社は、IoT市場の成長に伴い、2025年までに企業データの75%が従来のデータセンター外あるいはクラウド外で生みだされるだろうと予測しています。また、2019年には35億米ドルだった世界のエッジコンピューティング市場の評価額が、2027年までには434億米ドルにまで達する可能性があると発表しています。

 

組織のエッジコンピューティング戦略について、現在および将来の動向を調査するために、IBM のビジネス・シンクタンクであるIBM Institute for Business Value(IBV)は、グローバル経済予測・マクロ計量分析のリーディングカンパニーであるオックスフォード・エコノミクス社と協力して、22業界21カ国の1,500人の幹部・役員への調査を実施しました。

調査結果は、経営幹部たちが、テクノロジー、スピード感、エネルギー効率をどのように捉え、ビジネスモデル変革を実現する計画をどう立てているかを明らかにしています。さらに、ROIへの期待を調査するとともに、エッジコンピューティングに大きな投資をしているグループに迫り、彼らの期待がどのようなものかを詳らかにしています。

 

  • エッジコンピューティング戦略に関与する組織幹部の84%が、エッジアプリケーションがOTにプラスの影響を与えることを想定している
  • 91%の組織が、今後5年以内にエッジコンピューティング実装を計画している
  • 大規模組織は、エッジコンピューティングへの投資から3年以内に、平均24%のROIを実現すると見込んでいる

 

より詳細なレポート(要登録)はこちらからダウンロードいただけます。

 

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この記事は英語記事「Why organizations are betting on edge computing」およびダウンロード資料(要登録)を抄訳し、日本の読者向けにリライトしたものです。

 

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