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開発も運用も“リモート&自動化”を標準に! Dynamic Deliveryでポストニューノーマル時代のITプロジェクトはこう変わる

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新型コロナウイルスの流行により、現在も多くのお客様のITプロジェクトが遅延や延期に見舞われています。「オンサイト開発からリモート開発に移行したいが、ノウハウや環境がなく現在も検討が続いている」といったお客様もいらっしゃるでしょう。しかし、ビジネスは待ってくれません。新型コロナ禍を契機に、ビジネスのデジタル化が一層加速しています。社員の健康を守りながらデジタル化へのニーズに対応していくためには、ITプロジェクトの高度化が不可欠なのです。IBMは、システム開発/運用などのITプロジェクトのリモート化とAIを含めた最新技術による自動化を軸に大きく変革するイニシアチブ「Dynamic Delivery」により、ニューノーマル時代のITプロジェクトをご支援します。

黒田 恭司

黒田 恭司

日本アイ・ビー・エム グローバル・ビジネス・サービス事業本部
クラウド・アプリケーション・サービス担当 理事

クラウド・アプリケーション・サービス部門の責任者。エンタープライズ・オートメーション部門の責任者を経て現職。また、グローバル・ビジネス・サービス事業本部全体のプロジェクト・マネジメント・プロフェッションの責任者としてコンプレックス・プロジェクト・マネジメントのイニシアチブを立ち上げ、4年にわたりコミュニティー活動を通じたプロジェクト・マネージャーの育成に携わっている。

 

太田 圭子

太田 圭子

日本アイ・ビー・エム グローバル・ビジネス・サービス事業本部
プロジェクト品質技術推進・標準化推進担当 部長

プロジェクト品質技術推進/標準化推進部の責任者。グローバル・ビジネス・サービス事業本部のプロジェクト開発/管理手法、ツール、品質保証レビューの展開/実施に責任を持つ。

 

ニューノーマル時代の新たな開発/運用スタイルの確立を目指して

新型コロナウイルスの流行は、世界中の個人と企業、そして社会に、これまでに経験のないレベルの甚大な影響を及ぼしました。ITプロジェクトに関しても、感染防止の観点からお客様の開発/運用拠点における業務に多くの制約が生じ、新規プロジェクトの遅延や延期が生じました。既存プロジェクトの重要案件についても、リリースできない、サービスインできない、さらには中断を余儀なくされるケースが多数発生しています。

5月に緊急事態宣言が解除されてから約半年が経過した現在も完全収束の兆しは見えず、依然としてソーシャル・ディスタンスの確保が最優先されています。そうした中でポスト新型コロナ時代、ニューノーマル社会の到来が宣言され、デジタル・チャネルの優先度が一気に高まり、顧客行動の変化に応じて企業のデジタル変革(DX)が加速しました。

あらゆる業界でシステムやサービスの開発ニーズが高まる中、お客様は社員の安全を守りながら、リモート開発を主軸にアジャイルやDevOpsなどの手法も駆使したスピーディーな開発/運用により、新たな時代に対応したITプロジェクトを運営していく必要に迫られているのです。

この課題に取り組まれる多くのお客様に対して、システム・インテグレーションやシステム運用をはじめとする各種ITサービスを安全かつ安定的にご提供していくために、IBMはグローバルのイニシアチブとして「Dynamic Delivery」を開始しました。

Dynamic Deliveryでは、ITプロジェクトにかかわるIBMやお客様の社員がオフィスや自宅など、どこで働いている場合でも、各種ツールやAIによる自動化/効率化によって生産性を高めながら円滑にコラボレーションし、デジタルによる新たな価値創出を促進する次世代のITサービス提供モデルの構築を目指します。このモデルに基づく多様なソリューション/サービスの提供を通じて、ポスト新型コロナ時代のお客様のITプロジェクトとビジネスを支え、デジタル・トランスフォーメーションのさらなる発展をご支援します。
 
IBM Services Dynamic Delivery:ITプロジェクトのデジタル変革

 

次世代ITプロジェクトの要件、実現に向けた4つのステージ

Dynamic Deliveryは、現在のようなパンデミック下でもお客様の事業継続をご支援し、DXを促進していくことを目的としています。その具体的な取り組みやソリューションを検討するためのモデルとして、次のように3つのカテゴリーにそれぞれ3つの特性(要件)を定めています。

【Contactless Delivery(非対面のサービス提供)】

  • Automated methods(リモートチームで実践可能な方法論)
  • Virtual commercials(デジタル契約)
  • Transparent governance(透明性の高いガバナンス)

【Humans in the Network(ネットワーク上の協働)】

  • Virtual leadership and engagement(リモートチームを率いるリーダーシップ)
  • Global talent standards(人材管理と雇用管理)
  • Ubiquitous knowledge management(どこからでも利用可能なナレッジ・マネジメント・プラットフォーム)

【Delivery Foundation(クラウド上のデリバリー基盤)】

  • Resilient and scalable infrastructure(継続性と拡張性の高いインフラストラクチャー)
  • Pervasive platforms and tooling(広範なプラットフォームとツール群)
  • Embedded security and privacy practices(セキュリティーとプライバシーの確保)

IBM Services Dynamic Delivery のケーパビリティー・モデル (3x3 モデル) は、 包括的なフレームワークであり、メソッド、プラクティス、テクニカル基盤を統合し、AIや自動化によって強化されます

IBMがお客様のITプロジェクトをご支援する際には、このモデルに基づくアセスメントによって現状の体制/仕組みの課題を明らかにし、それらをIBMのノウハウやソリューションによって補いながらニューノーマル社会に最適なITプロジェクトを実現していきます。

また、ITプロジェクトをニューノーマル時代に最適化していくための変革領域(ステージ)として、次の4つを想定しています。

①情報連携/コラボレーションのデジタル化

②セキュアなクラウド開発環境の提供

③業務開発/基盤構築の自動化

④開発/運用のインテリジェント化
 
ニューノーマル時代のシステム開発/運用トランスフォーメーション

▶①情報連携/コラボレーションのデジタル化
ITプロジェクトでは、参画するお客様や協力会社のメンバーなど“人”が中心となるため、リモートな開発/運用におけるメンバー間の情報連携(コミュニケーション)やコラボレーションをいかに効果的かつ効率的に行うかが重要なテーマとなります。Dynamic Deliveryでは、これらを円滑に行うためのルールやガイドライン、各種ツールを提供します。

▶②セキュアなクラウド開発環境の提供
リモートな開発/運用の業務で利用するプラットフォームやツールは、どこからでもアクセスでき、高い可用性や拡張性を備えたクラウドが中心となります。Dynamic Deliveryでは、企業デスクトップをリモートから利用できるDaaS(Desktop as a Service)やクラウド上の開発環境などを利用して、高いセキュリティーが保たれた環境でITプロジェクトを進めます。

▶③業務開発/基盤構築の自動化
クラウド上で開発/運用の作業をセキュアかつ迅速に行っていくためには、DevSecOpsの環境が不可欠です。Dynamic Deliveryでは、業界で広く利用されている各種のオープンソース・ソフトウェア(OSS)を標準ツールとして活用します。また、開発したアプリケーションやサービスを動作させるインフラについても、コンテナ技術やインフラ構成自動化(Infrastructure as a Code)技術などを活用して自動化を図り、生産性を高めます。

▶④開発/運用のインテリジェント化
Dynamic Deliveryの大きな特徴の1つは、ITプロジェクトのさまざまな領域でAIの活用を想定していることです。すでにAIOps(運用のAI化/自動化)やCognitive PMO(プロジェクトにかかわるQ&Aのチャットボット化)としてご提供しているサービスを含め、多様なソリューションを活用してITプロジェクトの自動化、高度化を進めます。
 

リモートITプロジェクトを成功に導く5つの取り組み

Dynamic Deliveryでは、上記4つのステージを通じてITプロジェクトを効率化/高度化していくための具体的な取り組みとして、現状では次の5つを想定しています。

(1)リモートプロジェクト管理とコミュニケーション

(2)クラウド開発/運用環境とセキュアな基盤利用

(3)開発ツール&アセット活用

(4)AIを活用したITサービス高度化

(5)企業文化とワークスタイル変革

IBMは今後、これらの取り組みを実践するための各種ソリューションをご提供していきます(一部の取り組みは、既存のソリューションによって現在も実践することができます)。以下に、それぞれの取り組みのポイントをご紹介します。
 
▶(1)リモートプロジェクト管理とコミュニケーション

リモートなITプロジェクトに初めて取り組むというお客様は少なくないでしょう。リモートITプロジェクトでは、要件定義から開発/テスト、運用まで、全てのフェーズでオンサイトのプロジェクト以上にコミュニケーションが重要となります。

Dynamic Deliveryでは、IBMがグローバルで培ったリモートITプロジェクトのノウハウをベースに、チャットやビデオ会議、ホワイトボード/付箋、ファイル共有といった各種のツールも活用したプロジェクト管理や要件定義、開発/テストや品質管理、運用の手法、さらにはチーム内のコミュニケーションやコラボレーションの方法をまとめています。

取り組み1:リモートプロジェクト管理とコミュニケーションツール

 
▶(2)クラウド開発/運用環境とセキュアな基盤利用

リモートITプロジェクトでは、全ての業務をクラウド上で行えるようにすることが事業継続性を高めるうえで重要となります。Dynamic Deliveryでは、OSSやクラウドネイティブ技術を用いてパブリッククラウド上に構成された「オープンかつデファクトスタンダードなクラウド開発・運用プラットフォーム」(IT Work Anywhere)やDaaSなどを利用して、高いセキュリティーを確保しながらITプロジェクトを進めます。

取り組み2:クラウド開発・運用環境とセキュアな基盤利用

 
▶(3)開発ツール&アセット活用

クラウド上のリモートITプロジェクトでは、各種のツールを活用して作業を自動化していくことも、生産性を高めながら品質を確保するうえで極めて重要です。Dynamic Deliveryでは、継続的インテグレーション/デリバリーや構成管理、コードリポジトリー、テストなど、開発/運用の作業を網羅したOSSのツール群を構成済みの状態でご用意します。お客様は個別のツールの導入や連携のための設定など煩雑な準備作業を行うことなく、スムーズにITプロジェクトを開始いただけます。

IBMは、長年にわたりグローバルで実施してきた大規模リモート開発/運用のノウハウを豊富に蓄積しており、それらのノウハウを反映したツール群をプロジェクト管理のノウハウ/サービスとともにご提供することができます。

グローバルなリモートITプロジェクトの豊富な実績(AppOps on Cloud)

 
▶(4)AIを活用したITサービス高度化

プロジェクト管理や運用など、さまざまな領域でAIを活用してITプロジェクトの効率化や品質向上を図ることもDynamic Deliveryの特徴の1つです。例えば、「Cognitive PMO Project Assistant」を使うことでプロジェクトに関するさまざまな問い合わせへの対応をチャットボットによって自動化したり、AIOpsのソリューションを活用して運用管理のさまざまな作業を自動化したりすることができます。

取り組み4:AIで高度化されたITライフサイクル・プロセス

 
▶(5)企業文化とワークスタイル変革

ITプロジェクトをリモート化することで、多くの社員は在宅勤務を中心にした新たなワークスタイルに移行します。これまでオンサイトでチームメンバーや協力会社と対面して進めていた業務がリモートに移行することは、社員にとっても企業にとっても大きな変化です。社員は新たなコミュニケーションやコラボレーションのやり方を学ぶほか、リモートワーク下における部下の指導や評価、さらには家事や育児との両立といった課題に直面します。企業も人事や評価、人材活用などに関して、制度や仕組みの整備が必要になるでしょう。

そうした企業文化やワークスタイル変革の領域にまで大きく踏み込んでご支援できることも、Dynamic Deliveryの大きな特徴です。豊富な知見と実績を有する人材活用や人事制度のスペシャリストが、リモートITプロジェクトに最適な社内文化や制度への変革をお手伝いします。

取り組み5:企業文化とワークスタイルの変革

 

▶5つの取り組みを実践するための「プレイブック」も提供

Dynamic Deliveryでは、これらの取り組みを実践するためのノウハウ集として「プレイブック」もご用意しています。

New Way of Working

これはITプロジェクトに携わるエンジニアやマネージャーに向けて、リモートITプロジェクトでよくある課題や問題についてのヒント&チップをまとめたものであり、次のような内容で構成されます。

Playbook =目次=

例えば、リモートワークで互いが直接見えないチームメンバーと円滑に協働するにはどのようなことに気を配ればよいかといったことが細かくまとめられています。

Work from Home 見えない相手とのコミュニケーション

 

IBMならではのソリューションとノウハウでITプロジェクトの高度化を支援

以上のような取り組みから成るDynamic Deliveryをご活用いただくことで、お客様はポスト新型コロナ時代においてもITプロジェクトに関する事業継続性を確保できるほか、次のようなメリットが期待できます。

  • 効果的なリモートワークの実践やAIなどを活用した自動化/効率化による「ITプロジェクトの生産性向上
  • 場所にとらわれない働き方や透明性の高いプロジェクト運営による「フレキシブルな業務運営」の実現
  • 柔軟な人材起用や多様な働き方、ダイバーシティーの促進などによる「ITスキル人財マネジメント」の向上

ニューノーマル時代のITサービス変革による期待効果

Dynamic Deliveryでは、これらのメリットの実現に向けて、パブリッククラウドやITハードウェア/ソフトウェア、ITコンサルティングやシステム・インテグレーション、ITアウトソーシングなどのさまざまなソリューションとサービス、そしてこれらを世界中のさまざまな業界のお客様に提供する中で培ったノウハウを、IBMがワンストップでご提供します。ITプロジェクトのリモート化を検討されているお客様は、ぜひ私たちにお任せください。

 

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