Open for Data フォーラム

データ活用ワークショップ 最優秀賞発表:仮想オンラインショップにおける売上拡大のための施策

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今回のワークショップのテーマは「経営的視点に基づいた独自性・新規性に優れたデータ活用を討議-仮想オンラインショップにおける売上拡大のための施策を提案-」です。目的はマネジメント(経営)とアナリティクス(分析)の2つの視点から、組織を説得する実効性をもつストーリーの構築を行う術を磨くことにあります。
ワークショップの内容と前半の2チームの発表はこちら

チーム「AIUEO」

パシフィックゴルフマネージメント株式会社 積 冬人 氏/レバレジーズ株式会社 阪上 晃幸 氏
株式会社グラフ 丸岡 晃子 氏/株式会社パルコ 林 直孝 氏/IBMサポートメンバー 土屋 敦

自分たちのコンセプトをAnalytics、Intelligence、United、Enjoy、Openと定め、その頭文字を集めてチーム名としました。

同チームが提案したのは、通信容量の残量と連動したプッシュ型プロモーションです。設定した通信プランの容量を余らせるのはもったいないと誰もが思っています。そうした潜在的な欲求をとらえ、「容量をむだなく使い切るために、ゲームやエンターテインメントを楽しみませんか」とアプローチするのです。チームを代表してプレゼンテーションを行った阪上氏は、「ユーザーの嗜好や行動パターンに沿った新作ゲームをおすすめすれば、オンラインショップでのデジタルコードの購買促進にもつながっていきます」と語りました。

また、長期的な観点からは、ゲームやエンターテインメントを楽しむファン層を拡大するための施策を提案しました。ポケモンGOが流行ったときに、相対的にFacebookやインスタグラムの利用時間が減ってしまったという現象を踏まえ、チームAIUEOは「隙間時間を持っているほとんどの人が、ゲームに関心を向ける可能性がある」という仮説を立てました。これに基づいたアプローチを展開していくというものです。

「誰が、いつ、どのアプリに時間を割いたのかという変位データを分析することで、『普段ゲームをやっていないけど、隙間時間はかなりある人』を特定し、オンラインショップやSNSを通じてゲームの楽しみを伝えていきます」と阪上氏は話しました。

チーム「ご利用は計画的に」

株式会社グラフ 原田 博植 氏/株式会社ベネッセコーポレーション 鈴木 祥弘 氏/株式会社みずほフィナンシャルグループ 白河 龍弥 氏/株式会社ユナイテッドアローズ 中井 秀 氏/IBM サポートメンバー 飯島 実/IBM サポートメンバー 河田 大

今回のワークショップの課題はオンラインショップでの売上拡大を目指すものですが、その一方でゲームに熱中するあまり数百万円といった高額課金を抱えるユーザーが続出するなど、社会問題となるケースもあります。家族や若年層を含めてゲームなどのコンテンツのファンを広げていくためには、適切な課金で楽しんでもらえる環境をつくることが重要です。そうした思いを込めて決めたのが、「ご利用は計画的に」というチーム名です。

この基本的な考え方が、同チームの長期的な施策提案にも反映されています。

チームを代表してプレゼンテーションを行った中井氏は、「世帯ごとの適切な与信枠をAIや機械学習の手法を活用して推定することで、ゲームなどのエンターテインメントを健全な範囲内で楽しんでいただくとともに、オンラインショップでのデジタルコードの売上拡大にもつながるデジタル・マーケティングのサイクルを実現したいと思います」と話しました。

たとえばジオコード(地図情報)を活用し、「明らかに日中移動しておらず、家の中に閉じこもっている」といった行動パターンを分析するなど、その人が働いているか働いていないかを現実的な視点から見極めていくことが考えられます。

もっとも、オンラインショップ側からの一方的な分析で与信枠を設定したのでは、どうしても若い世代の与信枠は低く抑えられがちで市場の広がりは期待できず、審査で却下されたユーザーからクレームが多発する恐れもあります。中井氏からバトンを受けた原田氏は、今回の天城セミナーの初日に白河氏が事例発表した「スコア・レンディング・モデル(※Webサイトで公開される際には、リンクをはったらいかがでしょうか)」の考え方を引き合いに出し、「マーケティング観点からアップセルを標榜する場合、適切に与信枠を広げるためのSNS分析や機械学習の活用、そしてリアルとオンラインのコミュニケーションを重ねてログコレクションを設計していく必要があります」と語りました。

審査発表:チーム「ハッピーリターン」が最優秀賞を受賞

2日間にわたった今回の丸の内アナリティクス@天城を締め括る最後に、ワークショップの最優秀チームの発表が行われました。ハッピーリターンの発表はこちら

どのチームの提案も甲乙つけがたく審査は非常に難航しましたが、見事に最優秀賞に輝いたのはチーム「ハッピーリターン」です。ハッピーリターンの発表の様子はこちら
実際のオンラインショップに適用したときに、経営の観点からどれだけ売上拡大が見込めるのかという施策の実現可能性が秀でていたこと、既成観念を打ち破る新規性が感じられたことなどが選定のポイントです。加えて「ハッピーリターン」というチーム名のネーミングセンスも、オブザーバーとして参加した外部の審査員から高評価を獲得しました。

チームを代表して賞品を受け取った多治見氏は、次のように受賞の喜びを示しました。

「オンラインショップの売上拡大を目指すとなれば、そのあおりを食ってリアル店舗の売上が縮小してしまう可能性もあります。それも“よし”としてオンラインショップのほうに全面的シフトすべく経営の舵を切るのか、それともオンラインショップとリアル店舗間での相互送客による両立を目指すのか。そうしたギリギリのところのバランスを深く考えさせられたところに、今回の課題設定の妙味がありました。異業種のメンバーが集まったからこそ思い切ったアイデアを出せたと思います。そして私たちの提案内容を高く評価していただけたことを本当にうれしく思います。皆様ありがとうございました」

今回のワークショップは、メンバー同士の結びつきをさらに深めていくきっかけとなり、今後の丸の内アナリティクスの活動を大きく前進させていきます。また、各チームから示された提案内容は、実際にEC化率の拡大やオムニチャネル戦略を推進している企業にとって、貴重な示唆を与えるものでした。

 

 

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