SPSS Modeler ヒモトク

マーケティング・コンサルティング企業代表からみたSPSS Modeler

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株式会社ルグラン

“IBM SPSS Modeler は分析内容を視覚的に設計できるため、試行錯誤が容易です。分析内容を他の人にも伝達しやすいため、チーム分析も効率化できます”

代表取締役 共同CEO 泉 浩人氏

代表取締役 共同CEO 泉 浩人氏
ビッグデータを起点とし、「個客のこころ」を動かすサイトやクリエイティブを創ると共に、企業価値を高める仕組みも提案し続けているルグラン。データドリブンかつクリエイティブなエージェンシーを目指す同社の代表取締役 共同CEOの泉 浩人氏は「まずデータを見ることが、お客様を理解するための第一歩です」と語ります。

「データドリブンで考えなければならないとわかっていても、実際に、データを顧客やユーザーエクスペリエンスの把握・理解につなげられている企業は、まだ決して多くありません。しかしデジタルマーケティングの世界では膨大なデータが日々生み出されており、これを活かすことで様々なヒントが得られます。感覚ではなくデータでお客様の行動を把握し、それに基づいた施策を打っていくことで、売上は間違いなく上がっていくはずなのです」。

実際にルグランのサービスを活用することで、売上が2倍近くに上昇するケースも珍しくないと泉氏。実際にどれだけの効果が得られたのかも、やはりデータを活用して検証し続けていると言います。

その取り組みをさらに加速していきたい。この想いから同社が導入したのが、IBM SPSS Modeler(以下、SPSS Modeler)です。

 

大規模データの扱いに限界あるExcel、分析内容の直感的な把握が困難なR

代表取締役 共同CEO 泉 浩人氏ルグランがSPSS Modelerと出会ったのは、2015年12月。デジタルマーケティングの最先端企業によるセミナーやワークショップが開催される「アドテック東京」への参加が、そのきっかけになったと泉氏は振り返ります。ルグランはIBMと共にセミナーに登壇しましたが、ここでIBMのSPSS Modelerを知り「こんなに使いやすいツールがあるのかと感銘を受け、当社でもぜひ使いたいと考えました。そこで12月にはライセンスを購入、2016年1月には活用を開始しました」。

それまでのルグランでは、データ分析をExcelやR等で行っていました。しかしExcelでは大規模なデータの扱いに限界があり、Rは使いこなせる人が少ないという問題を抱えていたと言います。

「例えば、あるLCCのお客様は、1,000万件以上の搭乗者データを保有していますが、このRFM分析をExcelだけで行うのは困難です。また2015年5月にはAKB選抜総選挙の結果予測をRによるデータ分析で行ったのですが、どのようなモデルがコードとして記述されているのか、直感的に把握しにくいという印象でした。そのため各モデルのコードの内容について、膨大な量の説明を記述する必要がありました」。

 

分析内容の視覚化で試行錯誤も伝達も容易、チームでの分析も効率化

しかしSPSS Modelerを活用すれば、これらの問題を根本から解決できると泉氏は語ります。

「SPSS Modelerは、どのデータを使いそれをどのように加工するのか、そしてどのようなモデルで分析するのかを、ビジュアライズされたかたちで直感的に設計できます。そのため試行錯誤が行いやすくなり、さらに分析の内容を他の人に伝達することも容易ですので、コードレビューの時間を大幅に削減することができます。統計の基礎がわかっている人であればすぐに使いこなすことができ、チームでの分析も効率化できます」。実際に前述のLCCでのデータ分析にSPSS Modelerを活用し、新たな洞察が得られたケースもあると言います。

「これまでお子様のいる家族はLCCを敬遠する傾向があると言われており、このような家族へのアンケート調査でも『LCCを使わない』という回答が7割を占めていました。しかし今回、分析対象を『LCC利用経験者』と『LCC利用未経験者』に分け、それぞれの中で『子供がいる』人の割合を調べたところ、有意差がないことが判明しました。つまり『なんとなくLCCを避けている人』を取り込むことで、さらなる売上向上が見込めるわけです。このような洞察が得られたのも、数多くの試行錯誤を短時間で行うことが可能になったからです」。

 

分析者に大切なのは社会経験に基づく想像力、SPSS Modelerなら幅広い人材を分析者にできる

代表取締役 共同CEO 泉 浩人氏

その一方で、データを活用したマーケティングを成功させるには、ツール以外の要素も重要になると指摘します。

その1つが、データから見えてきた洞察を素直に受け入れられる、ビジネスの現場における柔軟性です。このようなカルチャーを持たない企業の場合、当初の仮説をそのまま裏付ける「意外性のない分析結果」が得られた時に「データ分析は不要」という意見が出やすくなり、継続的な取り組みが難しくなります。また受け入れがたい結果が得られた場合には、例外を探し出すことでデータ分析結果自体を否定してしまうケースも珍しくないと言います。

もう1つは分析者自身のイマジネーションです。データ分析では相関関係は明示できても、因果関係を立証することは困難です。ここから何らかの仮説と施策を立案するには、データの背後に何があるのかを、具体的にイメージできる能力が求められます。

「このような能力は、社会経験の豊富な人ほど高い傾向があります」と泉氏。SPSS Modelerのような直感的に使えるツールがあれば、幅広い経験を持つ人を分析者として採用しやすくなるとも指摘します。「ネットビジネスではまだかなりのデータが眠ったままになっています。当社は今後さらに分析者の数を増やし、データから宝を掘り起こすお手伝いをしたいと考えています」。

 

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