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「ニューノーマルな働き方を考える」在宅ワークでの新入社員とのコミュニケーション

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「すべての『個』が輝く働き方のできる組織づくりのために」

日本IBMでは、女性がキャリアを継続していく上で直面するさまざまな課題を社員自らが確認し、目標を掲げて、結果に結びつく施策を提言していくため、1998年に諮問委員会として「Japan Women’s Council(※JWCと記す)」を発足しました。

「意識改革、スキル改革、働き方改革」を3本柱として、2019年からは男性メンバーも参加し、新しい視点を取り入れた女性活躍の推進や管理職意識改革などの取り組みを実施しています。このブログでは管理職による新入社員とのコニュニケーションをご紹介。


吉崎 貴哉

著者:吉崎 貴哉
グローバル・ビジネス・サービス事業 コグニティブ・プロセス・サービス

日本IBMに入社後、人事領域のコンサルタントを経て、現在はビジネス・プロセス・アウトソーシング事業の事業企画を担当。人事コンサルタント時代には他社のダイバーシティ推進を支援した経験を持つ。2019年からJapan Women’s Council 初の男性メンバーの一人として活動を開始。

 

在宅ワーク環境下にて、新入社員をどう育てるか?

前回の記事でJWC沖順子の体験談からも分かるように、在宅ワーク環境における部下やチームメンバーとのコミュニケーションは、いつでもオフィスで顔を合わせることができた外出自粛期間前とは、大きく異なっています。その中でも、お互いにまだよく知らない相手とのコミュニケーションでは、課題が顕著に表れるといえるでしょう。最たる例が今年4月に入社したばかりの新入社員とのコミュニケーションです。

日本IBMは、2020年の入社式をオンライン形式で行いました。そして、新入社員研修も例年オフィス内の研修ルームなど実地で実施していたコンテンツを、ほぼ全てオンライン化し、約800名の新入社員に対して研修を実施しています。

中でもグローバル・ビジネス・サービス事業のコンサルタントやシステムエンジニア職の新入社員研修においては、e-ラーニングだけでなく、Cisco Webex、Slack、MURALといった複数のツールを組み合わせて、一方的な座学研修だけでなく、グループディスカッションやケーススタディーなども合わせるなど、双方間でコミュニケーションが取れるよう工夫しながら実施しています。


鈴木、近藤、早川(左から)

今回は「在宅ワーク環境下にて、新入社員をどう育てるか?」をテーマに、JWCメンバーの吉崎が、同じ人事コンサルタント仲間であり、グローバル・ビジネス・サービス事業において、新入社員および入社2年目までのコンサルタント・システムエンジニア等を育成するプログラム(GBS Associates)にて、マネージャー業務を担当している3名(鈴木、近藤 、早川)に、在宅ワーク環境下、研修のオンライン化が進む中での新入社員とのコミュニケーションにおいて直面している課題と実施している工夫、学んだことなどを聞きました。


人と人との繋がりが弱くなっている

Q: 研修のオンライン化はできたとしても、全てがこれまでと同じようにはいかないと思いますが、何か問題は起きましたか。

実際に研修に参加している新入社員に聞いてみると、研修のオンライン化については、受ける側である新入社員の順応は早く、「以前」や「普通」を知らない新入社員自身にとっては、この環境に不安はあっても私たちが感じているほどには違和感はないようでした。リモートであっても学習の質が落ちないように、新人研修事務局が色々と工夫してくれたことに、所属長として感謝しています。

しかし、直接顔を見て表情を汲み取りながら話せていた今までとは異なり、新入社員の皆さんがどこまで理解し習得できているのか、という手応えを掴めないでいるのが本音です。これから一緒に仕事をしていく上で必要なレベルに到達しているのか、私たちには見え辛い状況です。例年であれば、研修期間中に顔を合わせたコミュニケーションにより、研修についての感想や理解度、疑問点の確認などを、言葉だけではなく表情やボディージェスチャー等でも把握できました。しかし、完全オンラインにより、コミュニケーションにおける情報量が少ない、且つそもそも所属長と本人間の関係構築も直接会えていない分、例年に比べると不十分さを感じており、相談し辛い可能性もあるのでは、ということを踏まえると、新入社員の皆さんの本当の悩みを掴みきれていないかもしれないと常に気にしています。

また、所属長、インストラクターと新入社員との関係だけでなく、通常の実地研修の合間にあるような、新入社員同士が気軽に雑談するということができず、寂しいという声も聴こえています。雑談が減ることで、普段何気なく交わす愚痴や近況を方向し合う機会が減っており、個人間の繋がりが弱くなっている気がします。

そのため、同期の仲間や心を開く相手が作りにくい分、研修以外で人と繋がる機会を組織的、意識的に設けるよう、マネージャー同士で話合っています。例えば私たちの組織では、Slack上で研修中の不安を相談するための専門チャンネルを設け、随時相談に乗るようにしました。また、オンラインではありますが個別面談や所属組織のチームミーティングの回数を増やすほか、オンラインでの懇親会も実施しています。また、定期的に先輩社員やエグゼクティブと話す機会を設ける等、組織との接点を持つ機会を意図的に増やし、部門への帰属意識を醸成させるイベントを企画しています。リモートですと逆に時間を作りやすく、こういった場を設けやすいという利点もありました。

これらの取り組みにはまだ答えがなく、マネージャー同士お互いに取り組み状況を共有し、良い点を真似しながら試行錯誤しているのが現状です。

これまで以上にノウハウや心構え、立ち振る舞いの形式知化が必要

Q:これから取り組もうとしている課題、挑戦はありますか。

新入社員として必要な、ビジネス、ITの基礎的な知識、スキルを身に付けることももちろん重要ですが、実際に現場で働く上で役に立つTipsやノウハウを先輩の体験を基に伝えることも、新入社員研修での重要な目的です。例年の実地での研修と比べて、口頭で補足される質疑応答での経験談や研修の合間での雑談といった機会が少ないため、そういったことを伝える機会が減っています。机上での研修と現場の実態とのギャップが大きくなってしまっている気がします。

インストラクターが行動や姿勢で暗に示す社会人・プロフェッショナルとしての心構えや立ち振る舞いについてなど、オンラインでは伝えきれていないことがまだまだたくさんあると思っています。

これらを意識的に文書化・形式知化し、確実に伝えていく努力を継続的に取り組むことが肝と考えており、今後も組織の協力を得て自分たちがチームで新入社員をフォローする必要があるなと感じています。また、コミュニケーションや学習環境のIT化が今後も進んでいく中で、新しいテクノロジーを活用して更に新しい仕組みを考えるよい機会と捉えています。

今だからこそ、新入社員の今後の活躍に期待していること

Q:最後に、今後、新入社員の皆さんに期待することを教えて下さい。
難しい環境の中入社してきた今年の新入社員ですが、これからNew Normalを迎えるあたり、新しい「当たり前」を持つ人材が組織に入ってくることは、私たちにとっても刺激となります。組織が変わる良い「触媒」になってくれることを楽しみにしています。

今後、リアルとバーチャルがより混在する社会において、今後必要なオンライン・コミュニケーション力などについては新入社員のほうが身に付けられている部分も多くあると思いますので、そういった彼ら、彼女らならではの強みをぜひ全社に広げていってほしいと期待しています。

オンライン・コミュニケーションの弱点を克服する機会提供が重要

外出自粛に伴う在宅ワークの徹底が解除された後は、今までの働き方に戻るのではなく、ニューノーマルな働き方が始まると想定されています。

人と人との繋がり、オンラインでは伝えにくい社会人・プロフェッショナルとしての心構えや立ち振る舞いの伝承など、オンラインだけを使用する場合の弱点をきちんと理解し、これまで以上に意図的に、そして、組織的にその弱点を補う機会提供を行うことが重要だと感じました。これは研修のみに限らず、オンラインでのコミュニケーション全般に通じます。

新しいニューノーマル下でも「すべての『個』が輝く働き方のできる組織づくり」のためにJWCでも施策や提言をしていきます。

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