ダイバーシティー&インクルージョン

「ニューノーマルな働き方を考える」女性管理職の在宅ワーク中でのコミュニケーション

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「すべての『個』が輝く働き方のできる組織づくりのために」

日本IBMでは、女性がキャリアを継続していく上で直面するさまざまな課題を社員自らが確認し、目標を掲げて、結果に結びつく施策を提言していくため、1998年に諮問委員会として「Japan Women’s Council(※JWCと記す)」を発足。「意識改革、スキル改革、働き方改革」を3本柱として、2019年からは男性メンバーも参加し、新しい視点を取り入れた女性活躍の推進や管理職意識改革などの取り組みを実施し、継続的に情報を発信しています。今回のブログでは管理職によるメンバーとのコニュニケーションをご紹介。


沖 順子

著者:沖 順子
グローバルビジネスサービス Strategy&iX Salesforceプラクティス

管理職歴8年目のコンサルタント。人事組織上の部下は10名、その他の様々なプロジェクトを経験、過去にはメンバー約40名が所属する若手組織を束ねたことも。

プライベートでは小学6年生の母親です。夫は在宅ワークではないため、学校が休校中は子どもと自分の2人で家におります。当初は「せっかくの機会だし」と、子供と一緒にいる時間を長くとるようにしていましたが、お互い干渉して逆に喧嘩が増えてしまいました。子どもは自分の時間を楽しみたい年頃でもあり別行動に、勤務時間帯は自分の部屋で仕事をしています。

 

日頃から取り組んでいたリモートワークのおかげで「完全在宅勤務」にも違和感なく

先日発表された「日経ウーマン」での「企業の女性活用度調査」2020年版にて、日本IBMは「女性が活躍する会社ベスト100」の総合ランキングで、1位をいただきました。 採点のポイントは、管理職登用度、女性活躍推進度、ワークライフバランス度、ダイバーシティ推進度の4つとのことです。人事を中心に会社全体として取り組んできた施策や、JWCで実施してきた女性リーダーの育成に向けた活動などが評価されました。

https://twitter.com/IBM_JAPAN/status/1260776854144913408?ref_src=twsrc%5Etfw

さて、在宅ワーク環境が続いていますが、IBMでは元来、多様性を重視する意識や働き方の仕組みを整えてきており、リモート環境を組み合わせながら業務することは一般的でした。PCや会社携帯/WiFiを一人1台貸与し、資料共有やWeb会議などの仕組みが整備された環境、および数値を含めた目標設定をしっかりと行い、それに対して成果を出していれば「働く場所は問わない」という姿勢が全社員の共通認識として根付いているため、リモートで作業しているメンバーがいてもそこに違和感はなく業務推進していました。

ですから、3月に始まった外出自粛期間でも「全員リモート」という戸惑いは確かに湧きましたが、実質的には業務に大きな支障が起きることもなく、また中断されることもありませんでした。ただ、今回のような完全に家で仕事するという中での精神的な負荷や、コミュニケーションの量や質という観点では、やはり従来のリモートワークとは違いを感じました。

業務の進め方は以前から、社内での打ち合わせや海外とのやり取りなどは「Web会議の形式が主流」でしたので、特にやりづらさや不便さは感じませんでした。逆に「空いている会議室を探す」などの苦労から解放されました。

一方で、お客様先に出社しなければ資料にアクセスできないなど、業務が推進しにくい環境のプロジェクトもあるため、お客様や参画しているメンバーは、試行錯誤しながらリモートワーク環境を整え始めている状況です。

管理職としてこういった環境下のメンバーには個別の配慮が必要なものの、それ以外のプロジェクトではお客様と合意さえできれば在宅ワークへも移行しやすく、「急にリモートワーク環境を整えるところから始めなければならない」というお客様の声なども耳にすると、「これまで当たり前のように実施していた、場所にとらわれない働き方の実践は、実は当たり前ではなかったのかもしれない」と、自分自身実感しています。

「オンラインではメンバーの変化に気づきにくい」をどうするのか?

業務の進め方はあまり変わりませんが、メンバーとのコミュニケーションにおいては注意しなければならない点が見えてきました。
以前は、事業所にいるのであれば少し会って話をしようといった呼びかけや、雑談がてら次のプロジェクトの話などをしていました。

しかし、明確な用件がない場合のコミュニケーションが極端に減っており、「顔を合わせる機会がないメンバーの様子や、ちょっとした変化に気づきにくくなったのでは?」との懸念が在宅ワーク2週間目くらいから感じるようになりました。特に、自身の経験からも、「小さなお子さんがいて、中でも休校や登園自粛で子どもが在宅している場合、在宅ワークでの支障はないのか?」という心配です。もちろん、業務に関する話はチャットツールやメールなどで連携していましたが、「働き方」や、「働きやすい環境」について真正面から聞く機会を取っていなかったので、メンバーにWeb会議で確認することにしました。

小さなお子さんがいる中での在宅ワークとは

私のチームに所属し、部下の一人である古田は、未就学児のお子さんが2人おり、夫婦共に在宅ワーク中です。


古田:夫婦共に在宅ワークのため、Web会議への参加時はそのタイミングで予定がないほうが子どもの面倒を見たり、会議の数が少ないほうがその日の家事を担当するなど、臨機応変に対応しています。子どもがまだ乳幼児につき、予定を立てたとしても、うまくいかないことも多いためです。

会議の時間が夫婦で重ならないような配慮や、調整までプロジェクトメンバーやお客様に求めるのは現実的にはなかなか難しいため、両者とも会議の場合にはYouTubeやテレビなどを活用し、一時的に子どもの気を紛らわせていますが、この時にどうしてもWeb会議の際に子どもの歌声や生活音が入ってしまうこともあり、そのあたりは仕方がないと割り切ることにしています。


古田とのリモートインタビューの様子私たちは、ニューノーマルな環境下、「お子さんの声は『電話会議の癒し』と開き直るくらいが良いよね」と会話しました。

小さなお子さんがいる場合の在宅ワークで割り切りが必要なのは、女性男性関係なく同じだと思います。
古田とテレビ会議中、ちょっとさわいでもOKとお子さんが察したのか、後ろでかわいい声が響いていました。

新たな「働きやすさ」を実現するために

上記のようにチームメンバーと電話で対話した結果、タスクの進捗確認などの業務の話ではなく、「家でどう過ごしている?」「どんな工夫しているの?」といった、ざっくばらんな会話により、メンバーの置かれている状況や考えていることを、声のトーンなどからも伺い知ることができたうえに、時間を取って会話することで笑いも生まれ、楽しい時間を共有することができたことが、私にとって何よりの収穫となりました。

それぞれが離れた場所にいるからこそ、10分〜15分という少しの時間でもよいので、自分のチームメンバーと一人ひとりと会話する時間を、意図的にかつ頻繁に持つことが今まで以上に必要になっていると感じます。

これまでも、在宅ワークに限らず誰もが働きやすい環境を整えることにIBMは注力してきました。今回はメンバーとのコミュニケーションを一例としてあげましたが、ニューノーマルな時代にはこれまで想像しなかった課題が発生してくると考えられます。ちょっとした不安や思いを汲みつつ、ニューノーマルを生きていく策をこれからも前向きに検討して行くことが必要と考えています。

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